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砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない
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【この小説が収録されている参考書籍】
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけないの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.30pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全146件 21~40 2/8ページ
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冒頭に記された結末だけならこれは単なる悲劇でしかないのですが、ページをめくっていくと実はそうではないのだと記されています これは空想の世界を生きる少女(海野藻屑)と現実主義者の少女(山田渚)の出会いと別れの物語です 一見正反対のはずの二人が引かれあっていくのは二人の少女が本心から願う物が同じだからです 実は特別なことは何も望んでいない、二人の少女が望むのはありふれた日常の中の『安心』でした ただそれだけのことがまだ子供の、少女である彼女たちの力だけでは叶わないことを痛感させられます しかし、渚の生きる世界は確かに変わりました。それは心もとないわずかながらの弾丸を現実に対して撃ったから 藻屑の世界は変わりませんでした。現実に対して何の効果もない空想の弾丸だけを撃ちつづけてしまったから ですが、渚が自らの現実を打ち破る弾丸を撃つことができたのは空想の弾丸ばかりを撃ち続ける藻屑に出会ったからこそです 一方藻屑は何も変わらなかったかと言えばそうではありません。空想の一つ「本当の友達」を渚に出会ったことで現実にすることができたのではないでしょうか? それこそが彼女にとって唯一の救いになったと信じたいです 読後は変人で嘘つきの汚れた・・・とても綺麗な女の子「海野藻屑」をこの上なく愛しく感じました 「好きって絶望だよね」 作中で彼女が放つこの台詞は空想の中に生きる彼女のあらがえない現実に向けた言葉であるからこそいつまでも心に残っています 子供だからどうしようもない現実に打ちのめされて、それでも生き残った物だけが大人になってゆく 読み進めていくうちに主人公の渚と同じようにこのおかしな転校生にだんだんハマっていくはずです | ||||
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実弾を撃たないと生きていけない主人公の中学生の少女 砂糖菓子の弾丸しか打てない藻屑 その二人ののどかな日常かと思いきや、とてつもなく壮絶な物語 | ||||
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Wikipediaあらすじより以下、 山田なぎさは、片田舎に住む「早く大人になりたい」と願う女子中学生。 ある日、彼女の通う中学に、自分のことを「人魚」と言い張る少女・海野藻屑が、東京から転校してくる。 藻屑に振り回されるなぎさだが、藻屑の秘密に触れていくにつれ親交を深めていく。 しかし、藻屑の父親である海野雅愛の虐待が悪化の一途を辿ると同時に、なぎさと藻屑に別れの時が迫っていた。 ※ 図書館で借りたのは富士見書房、2004年11月刊行、装丁・装画が大路浩実さんで、表紙に人物は描かれていません。 ライトノベルだったのね、っと後で気づく。 分からなくもないが、だがしかし、内容は重いし、そんなラノベな事ではないぞ。 非常にショッキングかつグロテスクなストーリー展開で、読者に衝撃を与え、そのため単発作品でありながら、2006年度「このライトノベルがすごい!」で3位になるなど、異例の快挙を成し遂げる。 この小説で著者は一般文芸界に注目されるようになる、って書いてる。 徐々に重版を繰り返す、著者曰く不思議な本となったらしい。 そうだねぇ、、 続きが読みたくて一気に読んだ本ではある。 変人の子(親がそうだが)に振り回されて、主人公の心理を追うとともに、 痛い事ばっかり起きるんだね。現実にもある事を。 「好きって絶望だよね」 子供はみんな兵士で、この世は生き残りゲームで。 砂糖菓子の弾丸で世界と戦おうとした少女たち……。 っと、帯に書いていたが、 一番最後の方が印象に残ったな。以下、ネタバレ注意。 生き残った子だけが、大人になる。 あたしは、暴力も喪失も痛みもなにもなかったふりをしてつらっとしてある日大人になるだろう。 友達の死を若き日の勲章みたいに居酒屋で飲みながら憐情たっぷりに語るような腐った大人になりたくない。 不自由な子どもからした怒りにも似た感情論だろうね。 暗黒青春小説か、その通り、白が全くねえ~。 同情で☆付けた。 | ||||
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買う前はハマれるか、最後まで読むことが出来るか不安でした。でも、実際買って読むとすぐに、どっぷりとハマりました。もともと小説が嫌いで本が嫌いなそんな私が初めて「面白い!続きが気になる!」と思えた本です。ほんとにほんとに面白かったです。また、読み返したいと思います。 | ||||
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10代に読んでみたかったなぁ。と思いつつ、すごく胸をえぐる感じ。でも、文章の表現が甘くて綺麗で、その「甘い」感じに浸ると、あっという間に現実を忘れる感じ。 | ||||
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多感な年頃の女の子を書かせたら日本一の作者なのではなかろうか。 読んだ当時ボロ泣きし、先日、読み返しても泣きました。 切ない・・・。 | ||||
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救えない。助けれない。悲しくなった。 | ||||
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「タイトルから内容を想像できない小説ランキング」的なものがあれば、きっと7位くらいには入りそうなこの本。(たぶん5位くらいに「グミ・チョコレート・パイン」が入るはず) 描かれる景色、当日人物、彼女たちの感情はそのどれもが痛々しいです。 しかし、痛みが生のシグナルでもあるワケで、もしその痛みを手放したり、なにも感じなくなったり、砂糖菓子のように甘美な空想でデコレートすれば、生すらも見失ってしまう。 タイトルの意味がわかる頃には、後戻りはもうできません。 痛々しくも、尊い世界に行くことでしょう。 | ||||
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今頃になってこの本を手に取りました。良く出来ている本ですね。多分、なぎさに出会わなければ、藻屑は大人にはなれたと思います。私も大人になれてしましたから。 終始藻屑に気持ちを重ねながら読んでしまっていた身としては、なぎさこそが砂糖菓子に思えてしまい、だからこそ、藻屑は殺されてしまったのかな、と。人魚にとって砂糖は毒だった、実はなぎさに汚染されてしまっていた、なんて(笑) どうなんでしょうね。大人になったところで、磨耗して中身が消えていて、中身を探して、薄々無いことには気付いていて、それでも…なんて人生、結局生きようとなんて思えないものです。そういった意味では、まだ子供の本人達から見ると良くない結末だとしても、第三者視点から見てみるとなぎさの周りもほんの少しマトモになり、藻屑も生きてる内に死ねてハッピーエンドなんですよね。 生きている内に死ねなかった私も、もう暫くすれば心に追随する形で身体も死んでしまうのだろうけれど、安心も愛も知らないで死んでいくところは藻屑と同じだな~なんて少し微笑ましい気持ちになりました(笑) 私は主人公には一切共感出来なかったし、というか、藻屑以外の行動原理謎過ぎだけど、人魚、というのが私と少し違う発想で面白かったし、凄くすらすらと読めたので☆5評価してみました。 | ||||
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面白くて一気に読みました。ライトノベルと一般的な小説の間のような文体で読みやすかったです。 | ||||
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ずっと読んでみたくて。 読んだ感想ですが、とても読みやすいです。日常の中の非日常が、段々と日常みを帯びてこの世界の現実であることを突きつけられた感じが私はしました。フィクションであって、とてもリアル。最初から最後まで世界観に浸ってしまいます。 私にとって好きな小説のひとつです。 | ||||
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せつない、やるせない、ずっと何かが心に残る。皆さんも打ち抜かれて下さい。。。 | ||||
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この本を初めて読んだのが中学生のときで、二十歳超えて改めて読み直してみました。 改めて読み直してみても、やっぱり内容は怖いなと感じました。 205ページという短いページ数の中に、内容が凝縮されています。 10代の時に読んでも、20代の時に読んでもやっぱりもやもやの感じはぬぐえない。 30代になって読んでみたら、このもやもやが晴れるのかな。 | ||||
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巻数が増していくにつれて徐々に薄味になっていく作品が多い中、 変わらず面白さを提供してくれる素晴らしい作品です。 そろそろ最新刊を買うのは控えようかと思われているあなた、是非購入することをおススメ致します。 | ||||
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読めばわかる人にはわかると思うが 桜庭一樹の書く本はどれも幼稚で現実離れしていて妄想が痛々しい 有り体に言えばそれが彼女の作風であり そこにはまれる人であれば、にやにやしたり眉根を寄せながら楽しく読めもするが はまらなければ失笑ものだ 失笑ですめばいいが、立腹して壁に投げつけられたっておかしくはない 彼女はそういう本を書いている そんな中でもこの作品だけは不思議と力を持っている 幼稚なことに変わりはないのだが、引力に近い訴求力をもってして読者を引き込む ありえないものだらけの世界の中のどこかに真実の一片がひそんでいる おそらく、どんな作家にもこういう一冊があるのだろう 桜庭一樹を読もうと思い立った人には、まずこの一冊を読むことをおすすめする これが駄目なら他も駄目、とはいわないが、試金石ぐらいにはなるだろう | ||||
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静かな、じめじめしてるけど清潔感のある文章 全体から著者のエネルギーを感じる。 | ||||
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この作品は200ページ足らずと、短い。 しかし、ページ数以上の重みがある。 たぶん、一切の無駄がないからだ。 章構成や段落はもちろん、文章や単語に至るまで、同じ方向を向いている。 小説でしか描けない物語を、小説でしか用いることのできない技術で描いたような、そんな小説だ。 子供の読む小説ではないと思う。 かといって大人が読む小説かと言われると、これもまた違う。 きっと、子供から大人になりつつある人が読む小説だ。 こう書くと陳腐な表現だけど、でも、この大人になりつつある人というのは、なにも年齢のことを言っているのではない。 人は二十歳になってストンと大人になるのではなく、子供から大人へグラデーション的に変化していくものなのだと思う。 そんななかで、自分の子供のような部分と、それを押さえつけようとする大人の部分が日々戦っている、そういう「大人になりかけている人」がいる。 そういう、なりかけの大人が読むべき小説だと、僕は思う。 作中の人物の多くは子供だ。年齢的には。 でも、彼らは大人になりかけているし、少数の年齢的に大人である登場人物もまた、まだ子供の部分を持っている。 そして彼らに共通しているのは、必死で子供である自分から脱却しようとしていること。 でも、現実世界でもこの作品の中でも、それは易々と成し遂げられることではない。 いろんなしがらみが纏わり付いてきて、大人になるのを邪魔してくる。 そのしがらみというのは、例えば時間だったり、親や友人などの環境だったり、あるいは自分のなかにいる子供の部分だったりする。 でもこの作品に出てくる人々は、そのしがらみと戦う。 三者三様の戦い方で戦う。 そうやって戦って、勝ったり、負けたりする。 でも、結局多くの場合、大人にはなれる。 そんな彼らを眺めたときに、ふと自分を見つめてみてほしい。 自分はどう戦ったのか。 上手く戦えているか。 戦って目指している場所は本当に正しいのか。 この小説が描いているのは、大人と子供の戦いなのだと思う。 別にいますぐに読む必要はないが、いつか「長ったらしいレビューを書いてたやつがいたな」と、ふとした時に読んでほしいと思う。 繰り返すが、小説としての完成度は非常に高い。 名著だ。 | ||||
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タイトルから内容を想像できない作品。 んでもって、タイトルもそうだけど最後の方の「~できない」「~しない」という否定表現で括られていく所が悲しかった。 非常に現代的なお話。短いから軽く読めるけど内容は重い。 | ||||
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正直前半はあまりおもしろいと感じられませんでしたが、後半から一気に物語が加速していきます。 読み終えたあとは、結局この物語はなんだったんだろうと感じました。なにか社会に問題提起するわけでもなく、最後の最後で救いがあるわけでもありません。大人の庇護下でしか生きられない無力な中学生少女2人の残酷な物語です。 衝撃的だったとか、感動したとか、考えさせられたとか、苦しくなったとか、そういう感想は一切浮かんできませんでした。個人的には何度も読み直したいと思えるような物語でもありません。ただ心に微かだけど、いつまでも残る、そんな物語でした。 友達とかに自信をもって薦められるかと言われると微妙なところですが、興味を少しでも持ったならぜひ一読することをお薦めします。 | ||||
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読み終えた後、本作品を調べてみると元々ライトノベルとして発売されていたと聞いて驚いた。 確かに物語の開始早々からライトノベル特有の砕けた地の文と、海野藻屑という奇抜な人物像の紹介がこれでもかと飛び込んでくるのだが、これが全く気にならない。冒頭一ページ目の文章がそれらを緩和しているからだ。 この一ページが山の中を歩く『私』こと『山田なぎさ』の動向を際立たせ、引き金を引くような緊張感を生み、物語を重厚な物にしている。 特異なキャラクター、奇抜な設定に頼り切ってしまって淡泊な印象を受ける作品が多い中、それた以上に物語そのものに説得力があり、読み終わった後に悲しくも心地よい気分になる作品だった。 | ||||
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