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ファミリーポートレイト
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ファミリーポートレイトの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.69pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全39件 21~39 2/2ページ
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この作品が、小説作品としてどの位置にあるかについては さっぱり判断がつきかねますが、 程度はどうあれ、現実の自分が、社会的にマイナス方向のものに 引かれる(また惹かれる)性質があり、それが趣味の範囲におさまらず、 人生に影響してしまうことに危機を感じている人には滋養ある小説。 生き延びたはいいけれどその後の人生どうすればいいか模索してる人、 また、今必死で生き延びようとしている人(には最中すぎて不向きかな)に、 ここに生き延びて、健全そうな人と結婚した人がいるよ〜 と言いたくなった。 世界は美しいです。 生き延びよう。 そして生き延びた後も幸せでいる方法はある。 という確信を深めてくれた小説です。 | ||||
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作者のハードカバー作品は、しばらく寝かせておいてから、気力の充溢した時に読むのを通例としている。だからこの作品は、ボクの書架で一年くらい眠っていたことになる。そしてついに読んだ。第一部を読むのが辛くて、でもこれがあるからこそ第二部がとても面白いと思えるのだから、やっぱりそれは必要なプロセスなのだろう。 母親と共に各地を転々と放浪していたコマコ。小中学校に通うことも無かったが、文字を教えられてからは物語の世界にのめりこみ、呼吸をする様に本を読む、そんな生活が続く。そして14歳の時、母親との生活は終わりを告げ、父親の下で生活することとなった。 14歳までの生活で人としての根本を母親に依存していたため、何にもなくなってしまったコマコ。しかし様々な男との出会いで、自らが拠って立つ世界を再発見していく。 第一部を読み終わったとき思ったのは、本当に自分は教師にならなくて良かった、ということだった。ほんの気まぐれの行動で可能性をスポイルし、しかもその相手から好かれているなんて、地獄でしかない。(あるいは神になったと思うのか。) 第二部は面白いけれど、ある意味では哀しい。結局奪いつくされたものは、取り戻したとしても、本当に自分のものにはなってくれない。それを持っている何者かを想定しなければ、表現することも出来ないのか。 作家がどの様な気持ちで文章を書くのか分からないけれど、自分の中に無いものを素通りさせて表現することは出来ないだろう。そう考えると、この物語を著せることが少し恐ろしい。 | ||||
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三島由紀夫全集を全巻読破ののちなにげなく書店にて手にした。桜庭作品というか現代作家の作品はこれは初めてだが奇をてらわぬ文体で現代という時代が抱える病巣を見事に描き出されている本作品には正直脱帽した。これは万人うけするものではなくまたゴシックシリーズとは全く質を異にしておりふるい落とされた方々も多いかもしれない。しかしこれは筆舌に尽くしがたい作者が骨身を削ったあとが伺える最高傑作である。 | ||||
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三島由紀夫全集を全巻読破ののちなにげなく書店にて手にした。桜庭作品というか現代作家の作品はこれは初めてだが奇をてらわぬ文体で現代という時代が抱える病巣を見事に描き出されている本作品には正直脱帽した。これは万人うけするものではなくまたゴシックシリーズとは全く質を異にしておりふるい落とされた方々も多いかもしれない。しかしこれは筆舌に尽くしがたい作者が骨身を削ったあとが伺える最高傑作である。 | ||||
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こちらでは賛否が極端で驚きましたが、僕は圧倒的に賛です。 受賞時に「私の男」を読んで、「私の男」も面白かったですが、他のもすぐ読みたいというほどではなく、桜庭一樹って男か女かも知りませんでしたが、正直なところ興味もそこまででした。 本書は友人にすすめられて、最近読みましたが強烈に面白かったです。「私の男」は一枚の絵のような一貫したトーンがあって、完成度という点では勝るのかもしれませんが、本書の少し壊れ気味なドライヴ感の方が僕は好きです。ファンタジーの強い部分とやや現実的な部分のバランスが悪いと感じる人もいるかもしれませんが、その入り交じる制御しがたい力、唐突なインサート映像のような登場人物や挿話が僕には映画的で音楽的でした。主人公と桜庭自身が少しだぶってしまうところが惜しいとも思いましたが、そこにコントロールし難い力というかスピード感があるとも言えます。 物語とか言葉自体が力をもっていると信じる感じが僕は好きです。おもしろかった。 | ||||
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こちらでは賛否が極端で驚きましたが、僕は圧倒的に賛です。 受賞時に「私の男」を読んで、「私の男」も面白かったですが、他のもすぐ読みたいというほどではなく、桜庭一樹って男か女かも知りませんでしたが、正直なところ興味もそこまででした。 本書は友人にすすめられて、最近読みましたが強烈に面白かったです。「私の男」は一枚の絵のような一貫したトーンがあって、完成度という点では勝るのかもしれませんが、本書の少し壊れ気味なドライヴ感の方が僕は好きです。ファンタジーの強い部分とやや現実的な部分のバランスが悪いと感じる人もいるかもしれませんが、その入り交じる制御しがたい力、唐突なインサート映像のような登場人物や挿話が僕には映画的で音楽的でした。主人公と桜庭自身が少しだぶってしまうところが惜しいとも思いましたが、そこにコントロールし難い力というかスピード感があるとも言えます。 物語とか言葉自体が力をもっていると信じる感じが僕は好きです。おもしろかった。 | ||||
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レビューを読むと賛否両論あるように、この物語の前半と後半の様子は違っています。 前半のマコとコマコの長い旅〜は私の好きな桜庭一樹の世界、「私の男」に通じる密閉された感情のむせ返るような物語。誰もが経験したことのある惨めさ、過去への怯え、背徳が静かに胸の奥を浸していくような…官能にも似たこの世界観が好きです。 後半のコマコの一人旅(成長)〜は私にとっては少々退屈でした。鬱屈した感情が徐々に解放され、拡大してゆく様子に無理があるといいいましょうか。コマコが骨身を削ってできた作品が「セルフポートレイト」って…これは作者の自伝だった?まさかこれがオチ?…と不安になり重苦しい気持ちが増しました。 前半には★★★★★、後半には★★くらいの気分です。 前半の物語〜ふだんは気付かないふりをしているだけの心の闇に静かに引きずり込まれるような気持ちにさせられる〜私にとっては、心のデトックス小説です。 | ||||
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レビューを読むと賛否両論あるように、この物語の前半と後半の様子は違っています。 前半のマコとコマコの長い旅〜は私の好きな桜庭一樹の世界、「私の男」に通じる密閉された感情のむせ返るような物語。誰もが経験したことのある惨めさ、過去への怯え、背徳が静かに胸の奥を浸していくような…官能にも似たこの世界観が好きです。 後半のコマコの一人旅(成長)〜は私にとっては少々退屈でした。鬱屈した感情が徐々に解放され、拡大してゆく様子に無理があるといいいましょうか。コマコが骨身を削ってできた作品が「セルフポートレイト」って…これは作者の自伝だった?まさかこれがオチ?…と不安になり重苦しい気持ちが増しました。 前半には★★★★★、後半には★★くらいの気分です。 前半の物語〜ふだんは気付かないふりをしているだけの心の闇に静かに引きずり込まれるような気持ちにさせられる〜私にとっては、心のデトックス小説です。 | ||||
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こんな主人公の生き方はあり得ないが、作者の筆力があるので、なぜか成立してしまっている。 そこにはフィクションとか虚構が持つイヤらしい胡散臭さはない。 普通読むに耐えられない内容の小説だと思うが、何故か嫌じゃない。 私は主人公と全く人生が違うので、共感めいたものは全くできない。 しかし、そういう人生もアリなんじゃないか、むしろそういった数奇な人生が 送れてちょっと羨ましい、と羨ましがり屋で平凡な私は思ってしまう。 ただ少し気になったのは、後半がちょっと苦しい。 何が苦しいって、主人公がかっこよすぎるところなのかも。 人生のステージが上がったり、救いがあったりするのはいいことだけど、 やりすぎるとリアリティがなくてそれこそ胡散臭い。 大学教授の実父とインタビューで話すところとかさあ。 いいんだけど、なんかむず痒い。 フィクションはリアリティがないと駄目だというのはよく聞く話だけど、 何となくこれ読んで納得。 でもとってもいい小説ですよー。 基本的にしっかりしたフィクションなので自分が生きている現実に 疲れた人は読むとちょっとなごんで救われた気持ちになるかも。 | ||||
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こんな主人公の生き方はあり得ないが、作者の筆力があるので、なぜか成立してしまっている。 そこにはフィクションとか虚構が持つイヤらしい胡散臭さはない。 普通読むに耐えられない内容の小説だと思うが、何故か嫌じゃない。 私は主人公と全く人生が違うので、共感めいたものは全くできない。 しかし、そういう人生もアリなんじゃないか、むしろそういった数奇な人生が 送れてちょっと羨ましい、と羨ましがり屋で平凡な私は思ってしまう。 ただ少し気になったのは、後半がちょっと苦しい。 何が苦しいって、主人公がかっこよすぎるところなのかも。 人生のステージが上がったり、救いがあったりするのはいいことだけど、 やりすぎるとリアリティがなくてそれこそ胡散臭い。 大学教授の実父とインタビューで話すところとかさあ。 いいんだけど、なんかむず痒い。 フィクションはリアリティがないと駄目だというのはよく聞く話だけど、 何となくこれ読んで納得。 でもとってもいい小説ですよー。 基本的にしっかりしたフィクションなので自分が生きている現実に 疲れた人は読むとちょっとなごんで救われた気持ちになるかも。 | ||||
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第1部はとにかく読むのがつらくなるような内容でした。 これは「私の男」に近いように思います。 読んでいる間は周りの空気が淀んでいるようにすら感じるほど、 非・現実的でした。 でもだんだんと「実際にこんな親子もいるだろうな」と思えてきたのが不思議でした。 それは主人公・駒子の、ひたすら母・眞子を思う気持ちが伝わってきたんだと思います。 逃避行を続ける、何も持っていない親子には、 お互いが一番大事なものだったのではないでしょうか。 そう考えると、切なくなりました。 この本を駒子の成長記録と考えると、 「少女七竈と七人の可愛そうな大人」に共通しているし、 母・眞子の物語と考えると「赤朽葉家の伝説」と同じ匂いもします。 その判断は、読んだ人それぞれで違うかと思いますが、 わたしはいろいろな要素が詰まった、”これぞ桜庭一樹の世界!”と思いました。 ラストはきれいにまとまったというか、 ちょっとグッときました。私は好きです。 | ||||
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第1部はとにかく読むのがつらくなるような内容でした。 これは「私の男」に近いように思います。 読んでいる間は周りの空気が淀んでいるようにすら感じるほど、 非・現実的でした。 でもだんだんと「実際にこんな親子もいるだろうな」と思えてきたのが不思議でした。 それは主人公・駒子の、ひたすら母・眞子を思う気持ちが伝わってきたんだと思います。 逃避行を続ける、何も持っていない親子には、 お互いが一番大事なものだったのではないでしょうか。 そう考えると、切なくなりました。 この本を駒子の成長記録と考えると、 「少女七竈と七人の可愛そうな大人」に共通しているし、 母・眞子の物語と考えると「赤朽葉家の伝説」と同じ匂いもします。 その判断は、読んだ人それぞれで違うかと思いますが、 わたしはいろいろな要素が詰まった、”これぞ桜庭一樹の世界!”と思いました。 ラストはきれいにまとまったというか、 ちょっとグッときました。私は好きです。 | ||||
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総て読めというわけではないけれど あまりにも「私の男」と今作を重ねている人が多いと思ったから。 私は文章を書かないし眞子や駒子のような生き方もしていない それでも駒子に共感できない? 駒子は私だ。 真宮寺眞子のサイン会で涙を流す人の気持ちも理解できよう。 私は著者の女の描き方がとても好き。 少女、女子、女性、母、どの女にも私が居る。 | ||||
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総て読めというわけではないけれど あまりにも「私の男」と今作を重ねている人が多いと思ったから。 私は文章を書かないし眞子や駒子のような生き方もしていない それでも駒子に共感できない? 駒子は私だ。 真宮寺眞子のサイン会で涙を流す人の気持ちも理解できよう。 私は著者の女の描き方がとても好き。 少女、女子、女性、母、どの女にも私が居る。 | ||||
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二部構成の物語。第一部では、母と子の10年に及ぶ破滅的な日々と「別れ」が描かれる。前作同様に性描写もあり、一種異様な雰囲気が充満!残酷で、哀れで、優しく、美 しい。そんな母との辛く、空虚で、暖かく、切ない日々。娘をかろうじて支えるのは母への「愛」と「本」と「物語」。救いのない日常でありながら母とともに懸命に「生きる」少女の姿は鮮烈である。 第二部は、母を失い、漂うように生きる娘のその後、である。「文字」と「物語」の世界を唯一の拠り所とし、母の幻を求めて日々を送り、やがて作家としての 道を歩み始める娘。様々な出会いを経て自分の居場所を見つけた娘は、母が夢見て遂に得られなかった「家族」を得る。ここで描かれる作家としての日々は、まるで作者の自叙伝の如し!???そして、危うい雰囲気を漂わせながらも、少しずつ「失われた」人生を取り戻す娘の姿は結末に近づくに従って人間的で等身大のものになっていく・・・。 二部に分けられた作品であるが、第一部の幻想的とも荒唐無稽とも言える描写に比べ、第二部のそれは随分と現実的。その理由は最後の場面に、いかにも桜庭一樹らしく、劇的に描かれる! 過去と現在が一瞬のうちに一つとなる、奇跡とも思える情景!薄幸だった母を思って泣き崩れる娘の姿に・・・打たれます。ああ・・・母よ!私は・・・永遠に・・・あなたの・・・子供・・・。そんな言葉がふと浮かぶ桜庭一樹の集大成とも思える作品だ。 | ||||
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二部構成の物語。第一部では、母と子の10年に及ぶ破滅的な日々と「別れ」が描かれる。前作同様に性描写もあり、一種異様な雰囲気が充満!残酷で、哀れで、優しく、美 しい。そんな母との辛く、空虚で、暖かく、切ない日々。娘をかろうじて支えるのは母への「愛」と「本」と「物語」・・・救いのない日常でありながら母とともに懸命に「生きる」少女の姿は鮮烈! 第二部は、母を失い、漂うように生きる娘のその後、です。「文字」と「物語」の世界を唯一の拠り所とし、母の幻を求めて日々を送り、やがて作家としての 道を歩み始める娘は、様々な出会いを経て自分の居場所を見つけ、母が夢見て遂に得られなかった「家族」を得る。ここで描かれる作家としての日々は、まるで作者の自叙伝の如し!???そして、危うい雰囲気を漂わせながらも、少しずつ「失われた」人生を取り戻す娘の姿は結末に近づくに従って人間的で等身大のものになっていきます・・・。 二部に分けられた作品ですが、第一部の幻想的とも荒唐無稽とも言える描写に比べ、第二部のそれは随分と現実的。その理由は最後の場面に、いかにも桜庭一樹らしく、劇的に描かれます! 過去と現在が一瞬のうちに一つとなる、奇跡とも思える情景!薄幸だった母を思って泣き崩れる娘の姿に打たれます。 ああ・・・母よ!私は・・・永遠に・・・あなたの・・・子供・・・。 そんな言葉がふと浮かぶ、桜庭一樹の集大成とも思える作品です。 | ||||
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『家族とは?愛とは?性とは?』がテーマだと思います。★母娘で生活していたマコとコマコ。逃亡生活の中で普通の生活とは懸け離れてしまったために「何が普通であるのか」分からずに育って行くコマコ。そして、マコによる虐待の末に情緒の発達に遅れがある。母を守る事を心に誓い行きて行くが…!☆訴え掛ける事がとても大きい1冊。『私の男』よりもその点ではかなり上回っていると思った。普通の生活から懸け離れたまま成長して行くコマコが、30代になり得る家族。ラストの真田のセリフがこの物語がいいたい事を伝えている。「生きている限りは、素晴らしかったことも、辛くってたまらなかったことも、なにかもどんどん変わっていくし。生きていくって、なにかを得ていくだけの旅じゃなくって、失っていくことだってさいきん思う。誰もが、過去の不幸な出来事だけじゃなくって、幸福からでさえ、立ち直りながら、なんとかして前に進んでいくんだ。みんないっしょに」この言葉がとても重くって考えさせられたし同感する。 | ||||
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『家族とは?愛とは?性とは?』がテーマだと思います。★母娘で生活していたマコとコマコ。逃亡生活の中で普通の生活とは懸け離れてしまったために「何が普通であるのか」分からずに育って行くコマコ。そして、マコによる虐待の末に情緒の発達に遅れがある。母を守る事を心に誓い行きて行くが…!☆訴え掛ける事がとても大きい1冊。『私の男』よりもその点ではかなり上回っていると思った。普通の生活から懸け離れたまま成長して行くコマコが、30代になり得る家族。ラストの真田のセリフがこの物語がいいたい事を伝えている。「生きている限りは、素晴らしかったことも、辛くってたまらなかったことも、なにかもどんどん変わっていくし。生きていくって、なにかを得ていくだけの旅じゃなくって、失っていくことだってさいきん思う。誰もが、過去の不幸な出来事だけじゃなくって、幸福からでさえ、立ち直りながら、なんとかして前に進んでいくんだ。みんないっしょに」この言葉がとても重くって考えさせられたし同感する。 | ||||
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講談社の案内によると、「赤朽葉家・・・」「私の男」に続く集大成とあるが、何もこの順番に読まなければ筋がわからないものでは全くない、私は今回はじめて桜庭の作品に接したが、十分に楽しむ事が出来た。今後、彼女の作品を気分の赴くままに遡及して行こうかなと思う。 さて、この「ファミリー・ポートレイト」。第一部はマコとコマコの「逃避行」である。何から逃げるのか、なぜ逃げるのかは第一部では読者には一切明らかにされない。 ママが逃げるときの(コマコもくる?)という言葉の恐ろしさ、悲しさ、ついてゆかざるを得ないコマコの悲しさ! 「真紅を売る」「真紅をささげる」「真紅を奪われる」という嬉し・恥ずかしキー・ワード「真紅」とは? さらに「漣」「狼煙」「交尾」という一連の漢字言葉を好きな言葉として何度も使い、使い、使い倒す。 直木賞受賞後初の小説という事で、出版社ともども桜庭本人もやる気マンマンで、この本のサイン会の模様を本書の中に既に小説化しているくらいである。 機会があればこのサイン会に行ってみることをお薦めする。 ピンクムード一杯のサインにかわいいシールを添付してくれる。 「真紅」はなかったぞなもし。 | ||||
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