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サクリファイス
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サクリファイスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.19pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全247件 221~240 12/13ページ
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スポーツをしない作家によるスポーツ小説は、すぐにわかる。 「何故走るか」ということをクドクドと説明しているからだ。 走っている人なら、そんなことは説明できることでもすべきことでもない ということをカラダで知っている。「そこに山があるから」という言葉は スポーツをしないと決して理解することができないのだ。 そういう意味で、この本は、この地上で最も過酷なスポーツを舞台にして いながらスポーツ小説ではない。 ミステリとしても悪役が弱いし、主役も日本人女性作家によるスポーツ小説に よくあるとんとん拍子の爽やか君だ。 そしてそのとんでもない結末はいくらなんでも有り得ない。脱力したよ。 とんでもない結末へ導くにはそれなりの力量が要るが、作者の力不足は明らかで、 せっかくの題材が死んでしまった。 何となく集英社刊か?と思ってしまった。 | ||||
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チームには勝つことを義務づけられたエースがいる。 そして彼を勝たせるためにサポートするアシストがいる。 アシストはエースのためならば、 たとえ自分の成績を犠牲にしてまでもエースのために働かねばならない。 とにかく私のようにロードレースに無知な人間は、 理解に苦しむこのルールにまずはただただ驚きました。 同じチームなのに、 誰が何を考えているのかわからないというもどかしさ。 アシストであっても、自分の力を見せつけて優勝したいという葛藤。 どう判断することが正解なのか? 答えの見つけられないもどかしさが読んでてたまりませんっ! 最後の最後に真実がわかった時には、 「サクリファイス」というタイトルが重く重くのしかかってきます。 一度、ロードレースをしっかり見てみたい。 実際の勝負の駆け引きを見ないことには、 この作品の真髄には触れたとは言えない気がするのです。 | ||||
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某ミステリー本ランキング雑誌に載っていたので、読んでみました。今までは歌舞伎を題材にしたシリーズものしか読んでいなかった近藤史恵作品。今回の本で、イメージが変わりました。ランキングに入っていたことに納得しました。とてもよかったです。表紙を見たときは、普通にスポーツものと思っていました。最初のページでえ?これって誰のこと?と思い、読み進むと驚きが次々と…。しかも、自転車ロードレースのことなどまったく知らなかった私が読んでも、わかりやすく書かれていたのもよかった。タイトルの意味がわからなかったので、カタカナ語辞典で調べて、そうなのかと改めて納得。とにかく、スポーツミステリーを読みたい人はもちろん、スポーツミステリーを読んだことのない人にもオススメ。 | ||||
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内容自体は他の方も書いてらっしゃいますが、 ページ数も多くなく、自転車競技を深すぎ浅すぎもせず描写し、 人物描写は直接的ではなく会話やストーリで語るため深くなく、 ミステリーは程よいどんでん返し。 あっさりと一気に読める作品としてはちょうどいいです。 しかし、そういうことではなく、私にとってのこの本の価値は、 ■人が何に対して、どこまで、自らを犠牲にできるのか ということを考えさせられたということです。 恋愛?家族?仕事?趣味? 人は、自分は何にどこまで自分をささげられるだろう、 そしてどういう風に。。。 話自体は本屋大賞を取った後の帯になるのかな、 「読後の印象は前向きで、とても清清しい」 に同感。でもそれ以上に個人的には重い作品でした。 個人的には(趣味で、ですが)ロードバイクに乗るので 登場人物の非情さに、より感慨深いものがありました。 | ||||
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「sacrifice」の意味は、「犠牲者」や「いけにえ」。 自転車レースの特殊性は、チーム内の一人のエースを勝たせるために、 複数のアシストが自分の勝利や成績を犠牲にして、持てる力の全てを 捧げるところにある。 自分もなかなかそのようなスポーツを理解しがたかったが、本作品には そのエッセンスと素晴らしさが詰め込まれている。 スピード感ある内容で一気に読み切れる本作品。 結末には読者の期待を裏切らない感動のゴールが待っている!! | ||||
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絶妙に張られた伏線、計算されつくしたプロットが見事な作品でした。しかも、その伏線の一つ一つがドラマになっているので、伏線じみておらず、その部分部分で充分に楽しめます。ただストーリー上のウネリをこれでもかとばかりにラスト4分の1程に詰め込んでいるので、少し忙しかったです。ストーリーに忙しい余り、人物の苦悩・傷み・焦りなどにシンパシーを感じることが出来ませんでした。小説の狙いをストーリーに置きすぎて、人物描写がやや薄くなったという印象です。私には、種明かしの始まる前、自転車競技のリアルな場面の方が楽しめました。 | ||||
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主人公:白石誓が所属するオッジは国産自転車メーカーがスポンサーのロードレースチームである。同期の伊庭は鼻持ちならない性格ではなるが,スプリンターの才能を持ち,オッジのエース石尾をも脅かす存在である・・・ めずらしくロードレースを舞台とした物語である。タイトルの通り「犠牲」を主題とした話である。自分もバスケットをしており,どちらかというとブルーワーカー的役割であり,主人公の『自分の勝利ではなくチームの勝ちのアシスト』に対する気持ちはよくわかり,共感できる者である。しかし,物語の中ではいろいろな形での『犠牲』を描いている・・・読みやすく一気に読める本であるが,内容的にはいろいろな意味で深く重い本であった。最近読んだ本の中ではお薦めの一冊である。 | ||||
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自転車ロードレースと言う日本ではマイナーなスポーツを題材にした小説です ロードレースだけに縛られないストーリー展開は ロードレースを知らない方にも十分受け入れられると思いますし ロードレース・ファンには間違いなく賞賛される内容だと思いますので一読の価値ありです アシストというエースの踏み台役の若者にスポットを当てているので 悲遇な重たいテーマかと思いきや読んでみると そのテーマは決してイヤミではなくサラリと読めます 非常によくできたスポーツ娯楽小説だと思います | ||||
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自転車ロードレースの世界が書かれているので読みました。 序章の出だしはこう始まります。「静かだと思った。日本語とフランス語の入り混じった怒号と、近づいてくるヘリコプターの音やオートバイのエンジン音、耳元で誰かがが成り立てているのに、なにも僕の心には響かない。んrつに出とけたアスファルトに、少し筒赤い血が広がっていく、、、、、、、、、、、、、、どこからやりなおせば、この結果が避けられるのだろう」 とあります。この序章は下手だなあと思ってましたが、うまく私は最後近くまでだまされてしまいました。(だまされたという意味では、タイトルのもつダブルの意味にも)というのも、思った何倍も自転車に対する描写が正確なんで、そちらに気を取られていました。いや完敗です。 | ||||
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一般にはあまり馴染みのない自転車のロードレースがテーマとなっているが、前半でストーリーを進める傍ら競技へのイントロダクションが盛り込まれているので、予備知識なしでも無理なく物語に入ってゆける。主人公の挫折、ライバル、昔の恋人、競争意識や野心、様々な出来事を経た成長…など内容はてんこもりだが、ある程度展開が読めなくはない。 ネタバレになってしまうので、詳細は避けるが、この競技独特の「自分が勝利するという目的を捨てて他人を勝たせることに専念する(=サクリファイス)」ということが全編を通してテーマになっていて、ただ事件を追うだけでない深みがある。 それにしても、ロードレースほどハッキリと資質による役割分担を強いたりしないのかも知れないけれど、勝負の世界とは、才能とは、何と残酷で厳しいものか。選手は文字通り全てを犠牲にして競技に打ち込んでいるのに。どんな競技でも同じだけれど、それがとても切ない。 | ||||
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個人競技に見える自転車ロードレース、実はチーム戦に近い。勝つためのエースとエースを勝たせるためのアシストという役割り分担がある。 アシストは空気抵抗を受けながらエースの前を走り、エースはアシストを踏み越えてゴールする。 表彰台に上るのはエースだけ。 つまりアシストの犠牲(サクリファイス)で成り立っているともいえるのだ。 ドキュメンタリー並みの描写でロードレースを知らない読者を一気に引き込む。 昔能力のある若手選手をわざと事故に巻き込んだとうわさされ、多くのアシストを踏み台にするエース石尾。 石尾のうわさを気にしながらアシストに徹しようとする主人公白石。 冷たく澄んだ水のような空気の中で起こる事件と明かされる真相。2重3重のサクリファイス、最後のどんでん返しには思わずうなってしまう。 なのに、どこかさわやかな名残を残すのが絶妙。 | ||||
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年の瀬を迎え、今年出版された文芸本の中で、特に収穫と呼べる作品たちがメディアで紹介されているのを目にする機会が増えてきた。今作は「ミステリー」のカテゴリーとして高評価され取上げられている事が多い。で、遅まきながら、東京出張の道中で読んでみた。まず、全編250ページ足らずの中編小説で一気に読み切れる気軽さが良い。自転車ロード・レースと言う我が国ではマイナーなプロ・スポーツ界を舞台に繰り広げられる闘う男たちのこだわりと美意識、純化された信念。ゴールテープを切って脚光を浴びる選ばれし者と、コマとしてそれをサポートする者、勝利に執着する者と脇役=sacrificeに徹する者、「個」ではなく「組織」で動くと言うのは、一般的な日本人にはグッとくるスポーツだと思う。かって陸上界の花形であったものの、“勝つことへの重圧に耐え切れず、そこから逃げてきた”アシストを受け持つ男が主人公なのが共感を呼ぶ。彼が、チームでの役割を自覚し、それが自らの人生哲学としながらも、レースを続けていく上で、プレイヤーとしてのみならず、人間として強くなっていく様と、彼を取り巻く者たちとの微妙な関係が読ませる。競技中の息詰まる駆け引きの醍醐味と爽やかな語り口も魅力だ。果たして、冒頭の悲劇は誰に降りかかったものなのか?そして、その事故に隠された真実とは?終盤になってようやくミステリーの要素が拡がっていくものの、やはり今作は紛れもなくひとりの青年の成長小説と、同時にある男の崇高な生き様と贖罪の物語、その清新さと潔さで、ラストはちょっと熱くなります。 | ||||
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自転車やロードレースに興味のある人にとっては 肩すかしをくったような浅い描写です。 また、ミステリぽい部分も流れが先読みできてしまうので ミステリに慣れた読者には物足りないと思われます。 評価をくだせば、時間つぶし用の軽い読み物でしょうか。 | ||||
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ロードレースをテーマにしたミステリ要素のある感動物、といった感じの作品。 ロードレースという日本ではまだマイナーなスポーツを、素人にもわかりやすく書く姿勢はありがたいし、 感動物としてはそれなりに良く出来ている部類である。 タイトルにある「犠牲」が作品内容と密接にリンクした物語展開もなかなか面白い。 しかし、手放しで絶賛されるほどの出来だろうか? あまりに評判が良かったので期待した読んだのだが、イマイチ。 最後に申し訳程度にミステリ要素を盛り込むぐらいなら、もう少しレース展開や「泣かせ」の方に力を入れたほうが良かったのではないかと思う。 | ||||
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最初に「傑作」と言い切ってしまいますが、素晴らしい完成度です。スポーツの物語、その中でもまだまだ日本でマイナースポーツのロードレースの世界を舞台にこれでもか、これでもかとくるミステリの要素、そしてその結果襲ってくる、大きな感動。今年度ベスト10に入るでしょう、素晴らしい物語です。 私もトライアスロンをやっているので、ロードバイクに乗ります。本書に描かれているよう、山登りのつらさ、また下りの恐怖感を感じることができるので、楽しさ2倍です。 それにましても、構成の妙でしょう。本当に物語の懐を広げてくれます。 こんな物語を待っていました。スポーツを扱う物語の多くは、なんか嘘くさく、スポーツ物はノンフィクションに敵わないと思っていましたが、本書の出現で考えを改めさせられました。 繰り返しますが、本当にいいです。読まずに生きていくのは勿体無いです。 | ||||
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サクリファイス=犠牲というタイトルに内容が、よくマッチしてました。自転車のロードレースのお話ね。全くこの分野って知識がなかったのだけれどもその面ではいろいろと知識を持つ事が出来て面白い!! でも…。全体の内容としては、悲しすぎる…。一途に命をかける選手の姿。そして、互いに思いやるその気持ちが、あまりにも痛々しい。厳しい世界だからこそアスリート精神が、自己や他人を犠牲にしてまでも一とされる。ぜひ誰かにお勧めしたい作品でした。 | ||||
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ロードレースで戦うことの最終的な目的は、自分のチームのエースに勝ってもらうこと。その際同じチームのメンバーは自分を犠牲にしてまでもその目的を果たす。チーム内外様々な思惑が交錯する中、大舞台で大事故が起こってしまう。 紳士的なスポーツだからこそ、誰が何を考えているのかわからず、信じるしかないのだけれど、それがすごく怖い。チームで勝つことの犠牲になるのはエースだって同じなんですね。 | ||||
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ロードレースが書かれているとおりならば、エースとアシストの関係とか、面白いなと思いました。最後に判明する真実はもう少しインパクトがほしかった。全体にあっさりしているなという印象ですね。 | ||||
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おおう。こんなに面白いなんて。ラジオのブックレビューで「今年のこのミスでは、必ずや上位にランクインする本です」と断言されて、思わず買っちゃいました。 自転車ロードレースという、日本にはなじみの薄いスポーツを素材に、とても魅力的な物語が完成しました。自転車ロードレースの特徴と魅力が、物語の根幹に深く食い込んで、素晴らしいと思います。 だって、’自転車ロードレースの期待の新人の成長物語‘と聞いたら、読書好きの皆さんなら、読みたくなるでしょ。ツール・ド・フランスって聞いたことあるけど、どうなの。日本人競技者にとってはどんな感じなの。んで、世界の常識としてはどうなの。 知的好奇心と、サムライ魂を満足させる、極上のサスペンス・ストーリーです。もちろん、掘り下げの浅い登場人物は出てきます。ボリュームからしてしかたないです。でも、こういう適当な厚さの良書っていうのは、私は断然支持します。 | ||||
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他の方も書いているが、「ミステリー」だとか「サスペンス」を期待して読むのは間違いだろう。これはいわゆる殺人や犯人探しの物語ではないから。 しかし、そんなことは面白さとは関係ない。これは「サイクルロードレース」という、日本人にはまだ馴染みの薄いスポーツに人生をかけていこうとする若者の物語。 ロードレースならではのルール、組織、葛藤、問題をこれほど見事に盛り込んだ「小説」が日本でやっと生まれた、記念すべき作品ではなかろうか。 主人公は自転車ロードレースのプロチームに所属する「アシスト」。アシストとは、リーダーたる一人の選手の為に走る、支える存在。でも、彼らがいるからこそ、リーダーは勝利への責任を負っているのだ。 「サクリファイス(犠牲)」とは、はたして何なのか、そして誰なのか。最後まで気をゆるませない展開と、可能性に満ちたラストシーンに、読後は知らずに涙していた。 ロードレースのファンなら、読んで損なし。そして、これからロードレースを知る人にも。 | ||||
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