■スポンサードリンク
サクリファイス
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
サクリファイスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.19pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全247件 181~200 10/13ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
過酷な競技に挑む男たちがいる。 自転車ロードレース。日本では知名度が低いマイナー競技。 元陸上選手で18歳でレーサーに転向した白石誓ことチカはチーム・オッジに所属する新人選手。 白石は自分の役割はアシストにこそあると自負している。 同期で天才肌のスプリンター・伊庭、チームを牽引するベテランエース・石尾。 それら実力ある選手を補佐し上位に食い込ませるアシストが白石の仕事。 噛ませ犬。 捨て駒。 踏み台。 が、白石は卑下しない。 一定の実力をもちながら自分の本質はエースを助けチームを支えるアシストにこそあると割り切り、誇りを持つ。 これは自転車に命を賭けた男たちの物語である。 仲間の為に身を捧げ尽くす行為を外側から偽善と嘲るのは簡単だが、選手はそれを承知の上で悲壮な覚悟を決め、葛藤や苦悩を克服し、夢を託したエースを最前線に送り出す。 エースは無名の犠牲の上に成る勝利を義務として課され、ある者はチームに貢献し献身する行為に喜びを見い出す。 それらの対比が鮮やかに浮き彫りにする持てるものと持たざるものの優劣。 個人の勝利と引き換えてまでも尽くす価値と意義を信じればこそ白石は走り続ける。 そして悲劇がおこる。 風が頬打つ疾走感あふれるリアルなレース描写、抜きつ抜かれつの競り合いは静かに熱く、チカとシンクロし手に汗握ってしまうこと請け合い。 スポーツ小説としても充実の読み応えでしたが、終盤に仕掛けられたどんでん返しの連続も憎い。 巧みなミスリードによって「彼はこういう人はなんだ」とすりこまれた先入観があざやかにひっくり返され、思いもよらぬ真相が浮かび上がってくる瞬間は感動もの。 天才と凡人、主役と脇役、勝者と敗者。 そんな短絡な二極論では語りきれない世界がある。 己が信じたもののため身を賭して走り続けるストイックかつ情熱的な姿は孤高が人の形をとったようで、終盤明らかになる「彼」の究極の決断には衝撃を受けた。 サクリファイス [sacrifice] 犠牲。供犠(くぎ)。 勝負の神は残酷で代償なくしての勝利などありえない。 才能あるものは世に出る義務がある。 望まれて世に出たものはサクリファイスの遺志を継ぐ使命を帯びる。 最後近くの数ページ、逝ってしまった人間が背負ったものの重みと託したものの尊さに胸が熱くなった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
前から自転車レースはよく見ていたのですが、 いかんせんルールがまるでわからない。 これは一体どうなっているのか?と頭を悩ます事しきり。 でも、これを読めば一発でわかります。これはすごい。 今シーズンのロードレースを楽しく見るために参考になればと 軽い気持ちで買ったのですが、思わぬ掘出し物でした。 レースだけでなく、戦う人間模様がさらっと書かれていて、 それぞれの胸の内は最後まで解説されず、 こういう話にからむと興ざめな恋愛感情の行方などもニヤリとする結末。 人の心の中など他人には絶対理解できないのだという所に共鳴しました。 同時に、最高に良くできたサスペンスです。うーん、やられた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
人間には、その立場に立たないとわからないものがある。 それを今痛いほど思い知っているのが民主党の面々だろう。 何が出来、何が出来なかったのか。 政権を握って何を変えられたのか。 まぁそれはさておくとして、本書である。 「サクリファイス」・・・素直でうまくていい題名だと思う。 サクリファイスとは何なのか。 本当のサクリファイスとは誰なのか。 本書は第5回本屋大賞2位である。 正直言うと、途中までは、それにしては内容が浅いほんだなぁと思っていた。 人物造形もいまいちだし、事件らしいものも起こらんしなぁと。 しかし、「惨劇」以降は、思わず引き込まれていった。 本屋大賞2位は納得である。 そこでレビューの題名である。 この本の内容は、まさにレビューの題名が示すとおりである。 私はこの本を18歳だった自分に贈りたいと思う。 「勝てるのは、俺達が強いから」 「自分のキャプテンシーがいいから」 そう思い上がっていた自分にこの本を贈りたい。 あの時この本を読んでいたら、その後の人生少しは変わったんじゃないかと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ロードレースがテーマのミステリということで買ってみたが、正直がっかりした。 ストーリーは他のレビューに譲るが、レース描写に臨場感や迫力がなく、プロスポーツの真剣さが伝わってこない。主人公がレース中に「喉が渇いていることに気づいて、あわててボトルを手に取る」なんて、水分補給の重要性をナメている時点でプロ失格だろう。 文庫版の解説に、作者は「ロードレースをリアル観戦したこともなく、ロードバイクにも乗ったことありません」とあり、納得。せめて真面目に取材してほしい。 ミステリ小説として読んだとしても、人物の造型は雑だし、オチが現実離れしている。同じことやってみろと言われても、自分には絶対できない自信がある。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
傑作。まったくロードレースどころか自転車に無知なオイラでも楽しめた♪これ読んだあと勢いでロードバイク買っちまったよ…(‾o‾) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
なぜ彼は自分の命をささげたのか? 答えは明快にして説得力あり。 おすすめです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
サクリファイス ロードレース素人でもよくわかる本です。実はサスペンスものなのですが、読み終えるとなんだか清々しい気持ちになれます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本書はサスペンスらしい。らしいというのは、帯の宣伝文句でそうあるからだ。 確かに死人が出て、その謎解きをしていく場面もあったからサスペンスなのかぁ。 それよりも自転車ロードレースの魅力がとても印象的だったので、サスペンスもあるけど爽やかなイメージが強い。 自転車のロードレースはまったくの素人なのだが、とてもわかりやすくストーリーにすぐに入っていける。 しかし、とてもリアルな競技場面も次々に出てきて、臨場感たっぷり。 これは面白いです。続編も出るそうなのでとても楽しみ! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
スポーツを題材にした小説がこんなにも面白いものだとは思わなかった。自転車レースに関して無知だった私だが、文中にさりげなく入れられたルール説明がその不安を助けてくれ、自然と自転車レースの世界を楽しむことができた。内容よし、価格もよし、文句なしの一冊。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
新潮文庫『Story Seller』に掲載された『プロトンの中の孤独』が非常に素晴らしかったので、 その逆スピンオフである本作を購入。(『サクリファイス』の前日譚が『プロトンの中の孤独』) テーマである自転車ロードレースはここ日本においてマイナースポーツと言えそうだが、その 思想は非常に日本人的な団体競技である。一見すると個々人が互いにタイムを競っているようで 実はそこにチームとしての戦術が存在する。それぞれのチームは、王を勝たせるためにあらゆる 兵士を捨て駒にする。王は兵士を振り返りはしない。ただ、勝利を求められる。 王は何を『犠牲』にしたのだろうか。読み終えた後、その意味を深く考えさせられる作品だった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
自転車競技:ロードレースを題材にした超傑作青春小説でもありミステリー。 大藪春彦賞受賞作。 2008年本屋大賞2位。 おしかった。非常に残念だった。大好きな作品だったのに 団体競技でもあり、個人競技でもあるロードレース。 その特殊性と魅力を余すことなく描き出している。 タイトル「サクリファイス」が暗示するものとは・・・ 一転二転する様が素晴らしい。 序盤は「エースの為に尽くすアシスト」 中盤からは「エースによる若手潰しの疑惑」 といった様に「サクリファイス」が暗示するものが、どんどん重苦しくなっていく。 しかし、終盤では更なる展開を見せる。 青春スポーツ小説とミステリーが見事に融合した奇跡的な作品だ。 傑作時間SFでもあり、傑作青春SFでもある「サマー/タイム/トラベラー」新城カズマ著という作品がある。 この作品で、主人公達が集り、だっべている背景でエンドレスでロードレースの録画映像が流れているのが印象的であったことを思い出した。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読み終わるまでに掛かった時間です。 こんなに面白いとは思いませんでした。 いや、単に面白いと言うのとはチョッと違って、 最後は利用される移り気な<香乃>の最後の純情(?)、 復讐に執念を燃やす<袴田>の最後の暗澹、 疑惑の<石尾>の本当の真実、 ライバル<伊庭>の逞しさ、 <篠崎>の屈折、 <赤城>の虚無、 そして、実はしぶとい<白石>のクールな逃避、 シチュエーションこそ違え、人生の似た様な場面を想起させられる、チクリと痛む 場面が在って正直、面白いが、ある意味 私には嫌な本。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
勝手な推測ながら著者は「競馬シリーズ」で有名なディック・フランシスのファンでは?競馬の設定をそのまま競輪に置き換えるとちょっと「?」なので日本ではまだマイナー競技ながらロードレースに変化させた気がする。 なんといってもほぼすべての登場人物のストイックさがたまらない魅力だ。他人の犠牲の上で自分の勝利が成立する世界で仲間を踏み台にせざるを得ないのだが、お互いの立場を尊重しながら、ある瞬間においては立場をまったく逆転させて自らすすんで犠牲になることを厭わない彼らの姿は深く胸に刻まれる。ライバルの選手やチームを超えた連帯感もひどく素敵に描かれている。 ロードレーサーの独特の躍動感、向かい風や登りでの絶望的な不安、心臓が爆発して意識を失いそうな感じ、脚がつる独特の不快感などはやや書き足りない気もするが、そのぶんますます爽やかな印象が駆け抜けた。 続編がそろそろ出版されるようなので1日でも早く読みたいものだ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本書は、自転車ロードレースのプロチームで起こった事件にまつわるミステリー。 ミステリーといっても、冒頭に惨劇の描写があったあと前半部分ではまったくミステリーくささがありません。むしろ、チームとして闘う自転車レースの世界や、主人公(高校時代に陸上選手として活躍してきたが、自転車に転向)の生きざまが興味深く綴られています。 近年は、読者の興味をひくために、とってつけたような事件が次々と起こるミステリーが多いですが、本書の前半部分は、内容の濃い、しっかりとした、魅力に満ちたストーリーの運びといえます。 後半、ヨーロッパ遠征の部分の前後あたりからは徐々にミステリー的な展開となりますが、そこのあたりはネタばらしになるので書けません。 私は、結末に向かって加速度的にどんどん真相が明らかになっていく展開に「上手な書き手やなあ〜」と感嘆しました。そして読み終えて、「自転車レース」と「サクリファイス(犠牲)」について考えました。 単なるミステリーとしてかたずけることのできない、さまざまな魅力をもった充実したストーリーです。 お勧めします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本書は読者の想像を超える意外な結末を用意した優れたミステリであり、読み進むとともに緊迫感が深まる極上サスペンスであり、若者の微妙な心の揺れを描いた青春小説であり、気高き男を描いたハードボイルド小説である。 「アシストを徹底的に働かせること。それが勝つためには必要だ。自分のために働かせて、苦しめるからこそ、勝つことに責任が生まれるんだ。奴らの分の勝利も、背負って走るんだ。わかるか」 この言葉に、この覚悟にこの小説の精粋がある。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
自転車ロードレースにはまったく興味がないわたしも、あまりの面白さに一気読み。 時間があれば、ぜひ一読されることをお勧めします。 ミステリーファンもそれ以外の方にも。 読み終わった時、タイトルが「サクリファイス」である意味がよーくわかります。 これぞ究極の「犠牲(サクリファイス)」。 最後に、続編の刊行が予定されているとのこと。いまから楽しみです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
’07年、「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門第5位、「このミステリーがすごい!」国内編第7位にランクインし、’08年度「第5回本屋大賞」でも伊坂幸太郎の『ゴールデンスランバー』に次いで第2位になった近藤史恵の書き下ろしベストセラー小説の文庫化。大薮春彦賞受賞作でもある。 主人公の‘ぼく’こと白石誓(しらいしちか)は、プロの自転車ロードレースクラブ「チーム・オッジ」の若手レーサーだ。前半、彼が語る自転車ロードレースの世界は専門用語が飛び交い、あまり馴染みのない世界だが、それでも「ツール・ド・ジャポン」レースを通して、チームの<エース>とそれを勝たせるべく走る<アシスト>というものがあることなど、特殊な競技の本質や、チーム内の複雑な関係の理解が深まると同時に、興味を持って読み進むことができる。 そして、後半、ベルギーの国際大会のレース中に惨劇が起こる。終盤、物語は一気に加速して結末のドラマは二転三転する。真相に至るまでの結末の展開はサスペンスフルであり、さすがはミステリーランキングの上位にランクインしただけの作品である。 大作が多い中、全体のボリュームも程よい長さで、文章にも疾走感があって、まさに自転車ロードレースさながらで臨場感たっぷり。本書は、まさに青春スポーツ・サスペンスの逸品である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
自転車競技は犠牲がつきもの、 というのは、チーム競技で、エースを勝たせるために 他のメンバーが風の抵抗を受けてあげなくてはならない のだそうです。 犠牲が何度も繰り返されます。 一体誰が誰のために犠牲になり、 そこになぞが幾つも重なるスポーツ小説であり、 やはりミステリーです。 解説に書かれていたのですが、 作家自身は、自転車のロードレースを生で見たこともなければ、 ロードバイクに乗ったこともないとのこと。 驚きです。 だから、自転車競技を知らない方にも楽しめるのだと思います。 犠牲の重なりに、感動してしまいました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
自転車ロードレースを取り上げた青春ミステリ。 と言うことになっているが、ミステリーの要素は少ない。 勝つことを義務づけられたエースと、それをサポートするアシスト。 その特殊な世界をうまく描いている。 その特殊な世界では当然、選手間に確執が生まれる。 そんな中、根っからのアシストである主人公が成長していく。 確執と成長。 それに少しだけミステリーの要素が加わり、どんどんページが進む進む。 そして最後に明かされるサクリファイスの意味。 いやー、正直やり過ぎでしょう。 きれいにまとめようとしすぎ。 登場人物の性格が、ラストの結末を生むために捻じ曲げられている。 物語の展開について行けなかった。 二転三転する真相。 二転くらいで止めとけばよかったのに、と言うのが正直な感想。 「Story Seller」「同2」に番外編が載っています。 これによって少しは補完されているか。 小説にどの程度リアリティを求めるかで、がらっと評価が変わりそうな作品。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ロードレースと言う存在すら知りませんでした。負けて勝つと言う言葉を思い出しながら読みました。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!