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沼地のある森を抜けて
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沼地のある森を抜けての評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.76pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全28件 1~20 1/2ページ
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こんな独創的な作品は、読んだことがありません。梨木さんは、家守奇譚でファンになったのですが、こんな深い思想をお持ちの方だとは思ってもみませんでした。感服の至りです。 | ||||
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「裏庭」のようなファンタジックな世界観が好きな方は好きだと思います。民族学っぽいテイストで大人が主人公になっているだけあって、生活のリアリティで本作には余計に引き込まれました。途中で時々挟まれる「学校」や「水鼬」のお話は酵母菌のメタファーでしょうか、読了後に菌に対して何か不思議な親しみを感じました。 | ||||
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読み始めると一気に読んでしまいました。梨木香歩の世界観がとても好きです。 | ||||
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三分の二くらいまでは、ミステリー調で一気読み。島に行ってから急にトーンに重くなる。途中で挿入される「僕」が語る部分は全部斜め読み。漬物を食べることで菌をとりこんだ男性がどうなるかの話はあるが、同僚はどうなるのだろう。一族である二番目の叔母さんが尻切れトンボでフェイドアウトしたのが残念。ちょっと触れる程度でも始末をつけてほしい。最後はヴィジュアル的に盛り上がるのだが少々作者が酔いすぎてついてゆけなかった。それを荘厳と自分で言ってはダメだと思う。西の魔女。。が大好きだったのでおまけで星四つにしました。 | ||||
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再掲 2007年 西の魔女が死んだ」を読み梨木さんの著作に興味を覚えた。 読み終えて最初の感想は凄いの一言である。 長編小説と言う分類が正しいのか? 誤解を恐れずに言えば、生命哲学がまずあり、生物学、心理学、民俗学、生態人類学、進化学そして地球環境学等々。 「僕」の存在が名前を得て行く過程などはまさに哲学的存在論であり、ヌカ床と沼地は「心脳問題」の本質だろう。ヌカ床から生まれ出る存在は記憶であり、その実態は学習や経験からの記憶ではなく生まれる前から存在する記憶でもあるのだろう。 クライマックスに登場する島、そして森、海はまさに「僕」でもあり「地球」でもあり、「宇宙」でもよい。細胞壁あるいは生体膜に区切られている存在が交わり時に新たな出発(進化)をする。 それは単に人間と言う種だけの問題で無い事を複雑系である森(環境)を通して、全ての生物と非生物の折り合いという混沌の中にいる「僕」を表現している。 同じ歳の作者のあまりにも凄い才能と洞察そして思索に嫉妬を超えた感情を覚えた。 | ||||
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不思議な話なのに、そういうこともあるかもしれないと ぼんやり思いながら、物語の世界にひたれました。 | ||||
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趣味で糠漬を始めた私に同僚が貸してくれた本です。 糠漬をアイテム的に扱った小説というより、 糠床を軸に、「自己」とは何かという大きなテーマに 挑んだ作品です。 当初軽く読めると思っていたのですが、想像以上の 物語としての深さに、休み休み読んだため、読了まで 3ヶ月近くを費やしてしまいました。 個人的には、書き方などを含めて好みの小説ではないですが、 読み応えがあったのと、日頃何となく考えていることを 言葉にしてもらった感のありがたみを感じたので、 星は4つとしました。 | ||||
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あまりレビューが良くないので、期待しないで購入しましたが、評価が低めなのがもったいない。 序盤、中盤への展開でぬか床の謎が解けていく過程がおもしろく、裏庭を読んだ時のように、のめり込んで読みました。 (家守奇譚、冬虫夏草は素晴らしい本ですが、ちょっとずつ読む感じ) きっと最後の30ページくらいの抽象的な展開がウケなくてレビューが低い方が多いのでは。 ちょっと脱線しますが、 うちで育てている観葉植物のポトスは、1株目の枝を切って水に挿すと、根が生えて2株目になります。 切って水に挿すだけでどんどん増えます。 そんなポトスを相手に、2株目のポトスは、いつから1株目ではなくて2株目という自意識が生まれるのかな・・・・。 ポトスにとって、個と他という区別はどうなっているのだろう・・・と、つくづく疑問でした。 誰かにこれに対する答えを提示して欲しかったのですが、 「沼地のある森を抜けて」では、まさにこのポトスの現象を、私たちの自己と他や繁栄、に発展させて問題にされていて、 ただの物語ではない、哲学的なテーマについての物語です。 ただ、そんな部分を差し置いても普通におもしろいですよ!わが家のぬか床をかき混ぜるのがわくわくします。 | ||||
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梨木香歩、最高の一冊。これ以上の作品は出ないかも知れないと、思わせるほどの一冊だった。初めて読んだ時、鳥肌と涙がこぼれた。 | ||||
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梨木 香歩さんの本は大体買って読んでます 梨木 香歩さんのファンタジーな世界観となんとなく感じる懐かしさが好きです。 | ||||
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「西の魔女が死んだ」「家守綺譚」を読み、特に「家守綺譚」の幻想的なまさしく綺譚(美しい語り)というべき流れが印象的でそのままこの本を購入しました。 ぬか床から南方の小島へ話が広がる話ですから「家守綺譚」のような淡麗・幻想的なではありませんがぬか床らしい”ぐにゃっとした“土の臭いがする生命の力強さを感じます。 “かって風に靡く白銀の草原があったシマの話”が2話、サイドストーリーとして挿入されています。メインストーリーとの関連を印象付けますが人や島レベルのマクロの話なのか、発酵を中心としたぬか漬けの中のミクロの話なのか不明です。著者は敢えて不明にして読者に考えてもらいたい、と意図しているのでしょうが話が飛躍しすぎている印象はあります。 脈々とした命の紡ぎを感じられる話です。 | ||||
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とても深いお話で面白かったです。 この世の中に存在する全てのものたちに、「思い」はあるのかもしれない、、、 と、考えさせられました。 | ||||
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読んでいくうちに、なんだか恐ろしくなって鳥肌が立ちました。といってもホラーではありません。今この時代に自分の意思で自由に生きている(と少なくともそう自覚している)自分が、実は細胞レベルで太古から受け継がれてきた記憶によって操作されている可能性がある、ということを知り、何者かに支配される不安を覚えました。生き物は遺伝子レベルで子孫繁栄をプログラミングされてる、そのことは本当だと思います。しかし物語の中で、「人類とは違う生殖をする人」を産み出すぬか床に漬けられていた漬物を食べることで、菌が体内に取り込まれ、細胞レベルでぬか床の繁栄に協力するよう働きかけられているのではないか?ということが徐々に明るみにされると、まるで世の中は寄生を狙うものだらけに思えて、食事をすることすら怖くなります。最後に風野さんが男性を取り戻したのは、やはりぬか漬けを食べたせいなのか、それとも極限状態に置かれて本能が表に出ただけなのか(そもそも本能自体が細胞レベルの働きに由来すると思いますが)、どちらなのだろう?と思い、どちらも影響しているようで、考えるほどわからなくなります。そうすると、私たちが自由に操作できる意識の範囲など、とても狭いものなのかもしれません。 物語は、アラフォー独身女性の主人公・久美と、同じ会社に勤める男性を捨てた中性的な男性・風野さんが、人を産む不思議なぬか床の謎を解明していくことを筋に進みます。そして間に抽象的な「シマの話」が挟み込まれています。この「シマの話」の解釈が難しく、途中で挫折しそうになりました。結局最後まで何のことだかはっきりしませんでしたが、「僕」と「叔母」は最初に有性生殖に踏み切った細胞のことでは無いかと思います。物語中で久美と風野さんが感心するように、異なるものと一緒になろうと思った最初の細胞の勇気、またそこに至るまでの孤独は想像を超えていて、考えるだけで気が遠くなります。 命のつながりをテーマにしているあたりは「からくりからくさ」にも通じるものを感じました。新しい生命の誕生は、生きているという「異常事態」の始まりであるとともに、いつの時代も変わらず脈々と続いてきたことを改めて考えると、この世界は奇跡に溢れていて、かつ奇跡の連続だと感じます。最後の文章で思わず涙が出ました。「この、壮大な命の流れの最先端に、あなたは立つ たった独りで 顔をあげて 生まれておいで 輝く、命よ」 | ||||
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『家守綺譚』以来、彼女の小説は好きで読んでいるが、この小説も不思議な幻想小説。 ぬか床から人が出てくるっていう設定も不思議で面白いけど、彼女の文体がまた、不思議。知らず知らず、ストーリーに引き込まれていく。 ラストシーンも味わい深い。男女の性、人間って何だろう、なんてことを考えさせられる。 | ||||
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「先祖伝来のぬか床」から始まる物語は、 「いのちの繋がり」を素晴らしく、恐ろしく描いている。 梨木香歩独特の世界観ではあるけれども、 これまで読んだどんな作品より、作品そのものに重みがある。 間に挟まれる「かつて風に靡く白銀の草原があったシマの話」 で、少しずつ気分を変えて読んでいかないと、吐きそうになるほど。 自分にのしかかる、これまで何代・何十代もの命たち これを呪縛と捉えるか、進化と捉えるか・・・ 物語は、明るく終わっているが、 読み終えた後、まだなんとなく、重みを感じ続けてしまう。 すごいパワーで書かれた作品なんだろうなと思う。 | ||||
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不思議なぬか床から始まるこの物語が、細胞が永遠に己という生を繰り返す分裂を止めて死と交わって有限の生をリレーして生きることになったのかという、人類の発生から滅亡にいたる壮大にして、結局は個人的な関係で生殖するという矮小さに収束する話で、その筆の奔放さには驚嘆を禁じえません。なぜこの書き出しでファンタジックな閉鎖世界に生きる少年の物語やら孤島のサバイバルまで筆が及ぶのか。 最後は結局そこか…、と嘆息しましたが、しかもダブルでくるし、そこまでは本当に胸躍る間違うかたなきSFでした。この物語に漂ってるのは一貫して陰の、すなわち女性の論理であり価値観であり世界観でありそして都合という一見してとっつきにくい感じが拭えないとは思いますが、滅亡テーマのSF好きな方にこそ読んで欲しい作品だと思います。 | ||||
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読みながら何回も、だれの本だっけと思った。いい意味で、ごく自然に進化を遂げた作品だ。「ぐるりのこと」で、どんなことを考えながら暮らしている方なのか漠然と知ってはいたが、こう来るとは思わなかった。わけがわからなくなった(笑)分、少々鼻についていたお説教くささが抜け切って、でも「家守」や「村田エフェンディ」とも全く違う新境地。うまく表現できないが、読み終わった後、風の音だけが耳に残るような、そんな作品だ。 それにしても、皆さんの分析は、どれもすごい(褒め言葉です)。ひたすら雰囲気を味わい、夢の世界を彷徨い続けた後の心地よい疲労感に浸るのが楽しみ、という私は、ただただ脱帽するばかりだ。 | ||||
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「西の魔女が死んだ」を読み梨木さんの著作に興味を覚えた。 読み終えて最初の感想は凄いの一言である。 長編小説と言う分類が正しいのか? 誤解を恐れずに言えば、生命哲学がまずあり、生物学、心理学、民俗学、生態人類学、進化学そして地球環境学等々。 「僕」の存在が名前を得て行く過程などはまさに哲学的存在論であり、ヌカ床と沼地は「心脳問題」の本質だろう。ヌカ床から生まれ出る存在は記憶であり、その実態は学習や経験からの記憶ではなく生まれる前から存在する記憶でもあるのだろう。 クライマックスに登場する島、そして森、海はまさに「僕」でもあり「地球」でもあり、「宇宙」でもよい。細胞壁あるいは生体膜に区切られている存在が交わり時に新たな出発(進化)をする。 それは単に人間と言う種だけの問題で無い事を複雑系である森(環境)を通して、全ての生物と非生物の折り合いという混沌の中にいる「僕」を表現している。 同じ歳の作者のあまりにも凄い才能と洞察そして思索に嫉妬を超えた感情を覚えた。 | ||||
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しみじみとした充実感で読み終わった本を閉じた。人間存在の不可思議と不条理が、酵母や菌類などの命のなりたちを背景に幻想的に語られる。女が担ってきたぬかみそという日常の食をめぐる営みから、命の連鎖と意識のありかの不可思議を語っていく細部、SF的な異次元の世界の物語をはさむことで、私たちの存在の不確定さも際だつ。そして上淵久美という研究者や、男性性を否定して生きて生きたきた風野さんという人物も好ましい。また最後のセックスの描写の美しさは極上のものだった。 読後少しして、10代の頃に時間を忘れて読んだ、アシモフの「銀河帝国の興亡」を思い出していた。 でも、この作品にはちょっと別の祈りが感じられる。生まれ出る命に希望が託されていること、命の流れの最先端のいうことばに一条の光がある。 | ||||
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はじめ読んでいて「ぬかどこ」から!?と少し怖かったが、物語も佳境へと読み進めると、梨木香歩さんの神秘的な展開に惹かれました。全ては細胞からなんだ!!と、生きる原点に立ち返るような何かを強く感じさせられました。 | ||||
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