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静かな黄昏の国
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静かな黄昏の国の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.71pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全17件 1~17 1/1ページ
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篠田節子は長編こそが骨頂だとの先入観があり短編は避けてきた程度であったが、この度、初めて本書、短編集である「静かな黄昏の国」を手に取ってみた。全八話あり、前半はサスペンスタッチの小品が続き、篠田節子著と言われなければ他の作家でも書いていそうな平坦な内容だったが、最終の2話はガツンと来た。さすが篠田節子だなと思った。特に題目の作品である「静かな黄昏の国」は96年初出であるが、バブルの余韻残る日本の趨勢において、誰も気にもとめてない(否、知識人のみが憂慮ていたであろう)後の時代の日本国の凋落を予言しているのだ。中国の台頭、外国資本の国内資源の買い漁り、産業の空洞化、そして放射能汚染・・・。悲劇的な未来が音も立てず静かに忍び寄り、黄昏の国「日本国」を蹂躙しトドメを刺しに来る。こんなことを福一事故が起こる15年も前に小説化していたのだ。本当に驚いてしまった。こちらは最終話として収録されているので、是非読んでみて欲しい。 その一話前の「ホワイトクリスマス」も面白かった。小説家が片手間で請負ったライトノベルの執筆。その資料で先方から渡された恋愛ゲームを、最初は小馬鹿にしながらもプレイしていると、意に反しながらもドンドンと内容にのめり込んでしまう、という内容。初出は98年とあるので、当時は「ときメモ」が一世風靡する、PCのエロゲーがコンシューマ化される、など庶民にも広く恋愛ゲームが認知され始めた時代だった。小生もゲームと云えばシューティングとRPGこそだ、と無頼を気取っていた程度だったが、友人から勧められた恋愛ゲームを何気なくプレイした所、思いのほかハマってしまった過去があった。小説の中でも、主人公のゲームに対する感慨が少しづつ変わり慮外にも彼自身が感情移入してしまう様や、テキストゲーム特有のハッとする様な画面演出など、時々プレイした人のみが解るニヤリとしてしまう描写が出てくる。多分、篠田先生も何かしらの恋愛ゲームを手に取ってプレイしてみたのではないかと思う。その他の作品でも全八話中、キラリと光る小品も見つかるので、是非一度読んでみて欲しいと思う。 | ||||
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リトルマーメイド……クリオネ食ってるみたいな感じ。美味いのかなあれ。4㎝ぽっちのものに欲情するとは思えんなぁ。 陽炎……色白脛毛フサフサの濃い顔した若者がチンポコはみ出させながら踊ってるのがいいんかい? 一番抵当権……男がクズ。ひたすらクズ。おまえはそうなって当然じゃ。 エレジー……よくわからん。 刺……ババア下心あんだろ。言い訳してっけど。女も中年になったらオッサンと同じ。 小羊……何で逃げたん?痛み感じず死ねたのに。最後希望は感じなかった。あ~あ、やっちまったなぁ…て感じ。 ホワイトクリスマス……マジで死んだのかよ!…デブと同じ感想。 静かな黄昏の国……死に方を選ぶ自由はある。あとあそこまで堕ちたらタブーも糞もなくなって、逆に凄い国になれそうな気がする。戦国時代の日本のように。そういう展開にはしたくなかったんだろうが。趣旨変わっちゃうしね。 | ||||
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どれもそうなんですが、特に表題作の「静かな黄昏の国」と「仔羊」に関して「恵まれて濃くいい思いした分、後は諦めろ」としか思わなかった。 なんつーか、人生「借り」と「貸し」で貸借ゼロ、みたいな考えの持ち主なんで、より以上を求めるのが欲張りに思えてしまうんで、書いた人の意図した方向には深読みませんw 楽しく読みました。 | ||||
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良くも悪くも印象的でどの話も薄気味悪く救いがない。 唯一光がさすのはM24だけかな。 特に最後の黄昏の〜は実際こんな未来がありそうで怖い。 でもそんなに弱体化した国なら安楽死はとっくに可能になってそうだけど。 傲慢な者に非業の死というわけでなく普通の人にも訪れる悲劇。 救いがなく読後感悪し。 もう読まない本。 | ||||
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これ、3.11の一年ほど前に読みました。 なので、私は3.11の時この本を思いだし、震えました。 なんともリアルなんですね。 すべてが。 きちんと調べ上げて本にしていると感じます。 先を読む作者にはいつも驚かせれます。 篠田さんの本は殆どすべて、単庫以外を読んでいます。 皆面白く、ぐんぐん読んでしまいますね。 こちらの題材ではありませんが、先ほどTVで蚕の遺伝子組み換えのことを自慢げに話している人を観て、 絹の変容を再読したいと思ってしまいました。 やはり先読みの方ですね。 | ||||
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───リトル・マーメイド 「ナマは気をつけろ」人類普遍のこの教訓をあらためて肝に銘じた一作。 ───陽炎 真里の不思議体験を合理的に説明する仮説の一つとして、描写されていない 行間において密かに覚せい剤を打ちまくっていた「シャブ中説」を提唱したい。 音楽系のアーティストにとっては珍しくも何とも無いことである。 ───一番抵当権 オモテの顔はお堅い企業の薬剤師、ウラの顔は闇の仕事引き受け人「真由子」 クエンティン・タランティーノ監督での映画化を強く希望する。 ───エレジー チェロのように超高級な楽器ならこのような霊的現象は少しも不思議ではない。 問題は300円のカスタネットや小学生が使う駄リコーダーでも現象するのかだが、 やはり難しいであろう。「神秘の沙汰もカネ次第」シビアな霊界の現実である。 ───刺 店長の通報で呼び出された警官が如何にしてサボテンを制圧したかが気になる。 手を一刺しされて「逮捕だ!逮捕!」と逆上しながら発砲し、貫通した銃弾が 部屋の壁に弾痕を残したと推察するが、残念ながらその顛末は省略されている。 ───子羊 M24担当のシスターにこの組織が失態の責任をどう取らせるのか実に興味深い。 もし私が組織の長なら、全身の戦闘サイボーグ化手術をシスターに強要し、 脱走した神の子を狩るハンターとして汚染された外界に放つはずだ。もちろん 頭部には命令違反防止用の自爆装置を埋め込んでおく。続編が待望される一作。 ───静かな黄昏の国 私が入園者なら、美味いメシを食らっては便所で吐き戻し、また食いまくるという 古代ローマ貴族に倣った美食三昧のスケジューリングを謳歌する事は間違いない。 ピカ毒で殺られる前に正月の餅なんぞをノドに詰まらせて逝きたいものである。 | ||||
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恐い系の短編8話。 リトル・マーメイド ちょっと気持ち悪い。恐怖小説というよりは、気持ち悪い小説。 陽炎 陽炎の意味がよくわからないうちに終わってしまった印象。 一番抵当権 一番すっきりした作品。そうだろうねという共感。 一番いろいろしてもらったのだから、それくらいは当たり前。 エレジー 最初は中に、電子楽器が入っているのかと思った。エレジーの意味がわからないと想像ができないかも。 刺(とげ) サボテンの刺。サボテンが嫌いな人は好きになれないかも。 子羊 人間の複写(クローン)。少年がなぜ少年のままなのか謎かも。 ホワイトクリスマス 結末は想定外。その意味で推理小説といえるかも。 静かな黄昏の国 核廃棄物と人間の寿命に関する、真に恐い話。 | ||||
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短編集の最後に収められている1作でこの短編集のタイトルとなっている『静かな黄昏の国』。 極東の貧乏国に成り下がった近未来の日本。資源はなく、森は長年の環境汚染で枯れ、円も弱くて国民の食料も買えない。唯一の「産業」は、近隣諸国の核廃棄物を引き受けて貯蔵・最終処分すること。 北の果てのある村には、日本全土で森・樹林・木がすべて絶滅したなかで唯一、「自然の森」が残っていた。核汚染がひどすぎて誰も手をつけられず、結果、「自然のまま」残ったということらしい。 「自然のまま」とは言っても放射量が極端に高いため、人間は近づけない。そこに、終焉医療を拒否した老人たちが移住する。それとて「移住ビジネス」によって全財産を投入し、「森がある」という宣伝文句に釣られてやってくる人たちなのであるが・・・。 そこには森があり、野菜が食べられ、川には魚もいる。合成樹脂でできた「木」しかない町で暮らしていた人々ははじめ「これは夢なのではないか?」とさえ思う。しかし、川の魚は目が飛び出て、蛙は足が5本あり、森の鹿には頭が2つあり、巨大きのこが生えている・・・。居住者はだんだんに「そこが何なのか?」を知っていく。と同時に、血を吐き、腫瘍が短期間に膨れ上がり、あっと言う間に最期を迎える。 何も知らずに読んだ。これを買ったときも、何の気なしに買った。でも、読んでみたら痛烈な「原発社会」への批判だった。恐ろしい。本当に心底恐ろしいと思った。原発社会の終焉は、本当にこういう形で訪れるのではないか?と、読んでいて心の底から震え上がった。 お勧めの1冊です。 | ||||
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星が1つなのは出版社への怒りです。作品自体は星5つででも足りないくらい面白かったです。 まず、この本は短編集です。それはどこにも書いてありません。私は短編は通常読みません。先日本屋で2011年3月11日以降に作者の補遺をつけて売り出していたので、面白そうだなと購入。てっきり長編と思い、最初の2話分読んで、あれ?この本て短編集なの?どこにも書いてないじゃん、と。こんな商売が何で成り立つのでしょうか?いくら本が売れない時代だからと言っても、こんな詐欺まがいの売り方をするのは作者にも失礼なのでは?本当に怒り心頭で幻滅。 この方の本は割りと好きなので、本屋でたまたま手にとったりすると買ってました。この本も、基本的に短編は好きではないのですが、1話それぞれがしっかりとストーリーがあり、そして本当に怖くて楽しめました。が、出版社にこんな仕打ちをされるとは。長編と思って買ったら苦手な短編だった。しかし、本自体はとても楽しく読めたので救われました。なので余計に出版社の貧乏くさい売り出し方が腹立たしい。こんなんじゃぁBook Offとかで古本買ってた方が精神的ダメージは少ないなぁ、と思った。 とりあえず角川の本は今後は古本屋で買うことにします。 | ||||
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個人的に面白かったのは、「小羊」「一番抵当権」 そして、表題の「静かな黄昏の国」。 「小羊」は、映画「アイランド」によく似た話ですが、 よく見ると、アイランドより古いんですね。 表題作は、フィクションだと分かっているのに、 まるで未来の日本を見ているようで、本当に怖かったです。 モンスターや幽霊が出てくるホラーより、よほど怖い! 「日本も調子に乗ってると近い将来こうなる!」 と断言されているかのようです。 出来れば、自分が生きてる間、こんな日本になりませんように。 | ||||
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酸性雨で植物は枯れ果て,弱くなった円では本物の野菜等の食べ物すら高価で入手困難になった近未来。なのに,終身介護施設リゾートピア・ムルでは,本物の緑と,生鮮食料品が手に入る。魚は奇形だし,なぜか皆鼻血等を流して早死にしてしまうのだが・・・。 表題作の「静かな黄昏の国」が不気味だった。 何が不気味かといって,奇形魚を食べることではなく,この施設から逃げ出すと,次のような死を迎えざるを得ないこと(体中に癌細胞が広がっている人の場合)。 ≪「手も足も,内臓のほとんども切り取られ,お願いだから楽にして,と叫ぶこともできず,ただ涙を流し続けるだけになっても,脳に通じる血管にだけは強制的に血液が送り込まれて,意識を持ったまま生かされるのが,今の週末医療なのよ。そうしなければ医者が殺人罪で罰せられるんだから」≫(342頁) | ||||
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八篇の短編集であるが、すべての作品が悲劇的であり、甘美とも言える狂気性を感じる。 それぞれの作品の着想自体に、既に非凡さを感じるが、内容を読むと、さらに唸らされる。 いくつかの作品を検証してみると、 長編とも言える長さの作品「ホワイトクリスマス」はロールプレイングゲームを扱っている。 作品では、本当にゲームをしている様な感覚になるが、この主人公は、なりきってしまう。 結末の悲劇性は、どこか甘美だが、それに至る過程が面白い。 「リトル・マーメイド」を支配する狂気性は見物だ。 小さな軟体動物を飼っている男は、その軟体動物に性的興奮を覚え、そして、ついには、、、。 この作品が描く「甘美な」狂気性を伴った主人公の心理描写は、著者渾身の表現上の境地だ。 「一番抵当権」は比較的短い作品であるが、そのホラー性が面白い。 やたらと金遣いが荒くて、借金ばかりを繰り返す男に持ちかけられたアルバイトとは? 表題作「静かな黄昏の国」はSF的であり、日本の近未来を描いている。 ただ、この物語を単なるフィクションとは思えない様な、独特な後味の悪さがある。 著者にはいくつかの短編集があるが、本書の作品群は傾向が異なる。 甘美とも言える狂気性悲劇性に引き込まれ、全作品を、寝食を忘れて読み進んだ。 エンターテインメント作品ではあるが、純文学的な香りも感じる。 | ||||
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表題作、静かな黄昏の国は怖かった。篠田 節子らしい短篇のように思えた。しかし、もっと短篇としてしまうには、おしいテーマのような気がした。終わり方にも、いまいち腑が落ちない。他の作品もいいが、やはり、浅いのはしかない気がするが、不気味な、見たくないのに、チラッとみてしまうような、そんなリアル的恐怖感は出ていた。 | ||||
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最後のタイトル作品だけは面白かったですが後がイマイチイマ2。 他の作品がすごく面白いだけに、この本は期待はずれ。 | ||||
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「ホラー」とひとことで言っても、おどろおどろしいものや目を背けたくなるような残忍なもの、さまざまだと思いますが、本書は私達人類が行きつく先が描かれていて、「ありえないこと」でないだけに、読後ずっと引きずってしまう怖さがあります。 表題作の「静かな黄昏の国」はまさに人願のエゴが生み出した核や文明により滅んでいく人類の姿を、とても日常的なものとして描いた、恐ろしい作品です。 この怖さはちょっと他では味わえないですね。 | ||||
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近未来への夢も希望もなくなるような短編そして、人の心の闇を見せられるようで気が滅入りましたそれも、著者の持つ筆力にほかならないのですが8作品の中で「子羊」はクローン問題にかかわる話ですが未来のために行動する意志に唯一救いを感じた作品でした | ||||
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本書は、日常の延長上を幻想的に描いた短編ホラー集。最初に収録されている「リトル・マーメイド」と「一番抵当権」、そして巻末の表題作は特に印象に残りました。作品を読み終えた後にゾクゾクとする恐怖感があり、篠田節子のホラー作品は久々のように思いますが、それぞれの短編で幻想ホラーを味わえました。 | ||||
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