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インコは戻ってきたか
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インコは戻ってきたかの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.09pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 1~20 1/2ページ
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人間として生きるのってゴウが深い。 今まさに戦況が刻々と変わるガザに思いを馳せた。 | ||||
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“究極のハイクラス・リゾート東地中海の真珠キプロス島”女性誌の編集部員響子の海外取材は、このキャッチコピーのようにいくはずだった。だが実際は限られた予算と日程をやりくりする、カメラマンとの二人旅。そして風光明媚で文化遺産に恵まれた島は、民族と文化が複雑に交錯する紛争の地でもあった。39歳、夫も子供もいる女に訪れた、束の間の恋。 | ||||
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恋というより、単純にいわゆる「欲求不満」で、「冒険」というよりハプニングに巻き込まれ。じゃないかなあ。という気がしないでもなかった。で、極限状態による吊橋効果が発生した。と 「ハイソな女性誌」のお仕事に「報道」スジが来たらウザいだろーなー。と。 何となく、「お気楽」路線の女(←お仕事だから当然なんだが)が、「殊更に厳しい現実」経験ありの男に、啓蒙教育されました。って感じに思えてしまい、今イチ乗れなかった キプロスの中の事情部分は楽しく読んだ | ||||
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キプロスが舞台と聞き、キプロス島に行く前に購入し、機内で読みました。 まだ南北国境のグリーンラインがとても緊張していて、行けても時間の拘束もあった頃が舞台なので、旅行者としてとても身が引き締まりました。 また、そういった政治状況ならではの物語で、国際サスペンスとしても、とても面白かったですし、ヒロインと世代が近いこともあり、同情するシーンも多くて楽しめました。 首都ニコシアで、たまたまロシア系の毛皮屋を見て(ここが舞台?!)と思ったり、ロケ地巡りのようにも楽しめました。 強いて言えば、題名のインコに関してもう少し掘り下げて欲しかったです。 | ||||
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篠田節子氏の大ファンです。 本作品は、キプロスにおける取材の中で、檜山と主人公の行動が少し不鮮明であり、修道院の記載、囚われの身になった際の 当たりの記述に少し不満が残りました。 | ||||
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「弥勒」を日本女性を主役にしてだいぶ甘くしたような感じ。相変わらず三人称による神の視点で書かれている。読んでる最中ゾワゾワする箇所がいくつかあり、最後のページのあたりはゾワゾワしっぱなしだった。 | ||||
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主人公が編集者とカメラマンという安易な設定。ストーリーも深みがなく、安いテレビドラマという感じ。著者の経歴からいって、まあこんなもんでしょう。時間つぶしが目的の人はどうぞ。 | ||||
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亜細亜の西の端のトルコと 欧州の東の端のギリシャが登場する。 イスラム教とキリスト教(ギリシア正教)。 文化が衝突している場所。 おおくくり出言えば、 アラブもトルコのギリシャもヨーロッパも、 チグリスユーフラテスとエジプトの文明の影響下だと思えば、 文明内の争いかもしれない。 ギリシア正教は、キリスト教とギリシアの土着の宗教が結びついたものかもしれない。 キプロスへの取材旅行での死亡事故。 事実は小説より奇なり。 「間の抜けていない死に方などあるものか」 という言葉を残して死んでいった写真家。 著者の後書きには、「小説の舞台となった99年のキプロスでは、この小説に出てくるような軍事衝突は起きていない」 参考文献はないのは寂しい。「民族紛争の心理学 誇りと憎悪」ヴァミクヴォルカンの一節を引用しているのみ。「長期的にはキプロスのインコは耐えがたい条件のもとに存在するキプロストルコ人の新しい民族性にとって「われわれ性」の容器となった」 だからインコが登場しているのか。ところで、作品中にイコン(icon,偶像)という言葉がでてくる。コイン(coin,銭)も出てくる。コンイがでてくればcomleteなのだが。 | ||||
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この方の作品の中では1、2を争う出来栄えだと思う。コンタクトゾーンとか弥勒が好きな人にはお勧め。キプロスの情勢を絡めながらも、しっかりと日本に住んでる日本人の感覚が遠慮なく描かれており、非常に読みごたえがあった。ただ、方向音痴って、そんなにひどい人いるのかなぁ?とは思いましたが。 | ||||
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舞台はキプロス。女性誌の編集者響子は、特集記事のため、途中で合流予定のカメラマンが具合悪くなり、ピンチヒッターの檜山と向かうことに。観光スポットについて程度の知識で、気軽に臨んだのだが、ここは大変な所であった。読んでいる私も、キプロスという名前を知っていた程度のうろ覚え、掲載された地図で、地中海のトルコ寄りであり、四国の半分程度と初めて知った。 強烈な陽光、しかし木陰や夜はヒヤッとする、地中海性気候というのだろう。一見点在する教会や素朴な村々がある平和な島だが、ここは北半分はトルコ、南はギリシャが支配しており、停戦状態であるのは朝鮮半島と似ており、首都ニコシアも分断されて、かつてのベルリン状態だ。そんな訳で、観光的な取材のあれこれが書かれるのかと思ったら、国家間のトラブルに何時の間にか巻き込まれてゆく。檜山は望んでいなかったのに、最後は戦場のカメラマンのような立場になってしまう。 例によって背後には大国が付いており、ただ平和に暮らしたいだけの人々が、常に扇動されて紛争に加担する羽目となるのを見ていると、日本が敗戦時、南北分断の危険性があったのだが、辛くもそうならずに済んだ幸福を噛み締めた。当初、代役の檜山にあまり好い感じを抱いてなかった響子だが、だんだん惹かれてゆき、最後何時の間にか撮られた自分のポートレートに見惚れる場面は、しみじみとさせ、写真の持つ力のようなものを感じた。 | ||||
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老朽働きマンが戦場カメラマンとともにキプロスで紛争に巻き込まれる話 わりと小出しの情報が出てくるのでちょいミステリーな感じもするな スイーツ(笑)向け雑誌の高級リゾート紹介みたいな企画でいったのに なぜか内戦の記憶をたどる旅になってしまうのが面白い あくまでも女性であり母親である老朽働きマンは民族の憎悪を理解することはできず 戦場カメラマンとは結局のところ生き様みたいなとこでわかり合えなかった ただ不毛な内戦を終わらせるには前者の目が有用であろう 書評なんかは老朽働きマンのリアルさみたいな観点からのが多いが 911のテロの直前に出たのにテロリストの名前でビンラディンをあげているなど 軍事ものとして読んでみても痛さは皆無で筋が通っているのはすごい 軍事ものって往々にして日本人が主人公であっても元傭兵コンバット越前みたいなので 本作のようなありそうなスイーツ(笑)in戦場というのは少ないな。その数少ない一冊 | ||||
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海外小説好きの私ですが、日本小説を開拓して行こうと思ってる方にもおすすめです。この作品の描写がすごいことに驚かされます。篠田 節子さんの作品を初めて読んだ私ですが、キプロスの過去と今、それに対する登場人物の心情をうまく描かれていると思います。例えば、最初のシーン、フリーカメラマンの檜山が、夜の海から上がってくるときの39歳の家庭を持ち仕事では、キャリアウーマンの女性の心情を響子側から簡潔にうまく表現されているところが印象的でした。そこにはそして、読み終わってから家庭の不満、若くもなく熟年でもない女性の自分の人生を見つめなおす的な欲求も見てとれます。 読むまでは、キプロスの現状を知らなかった私が、キプロスの歴史と束の間のときめきと冒険。10年後にまた、読み返したくなる一冊です。 | ||||
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舞台は、南北に分断され、不穏な状況のキプロスだ。 地中海の風光明媚なリゾートというイメージは無く、雰囲気は物々しい。 仕事でここを訪れた男と女。 この二人は、多くの艱難辛苦を経験し、仕事と家庭を切り盛りしてきた。 しかし、男にとっても、女にとっても、仕事にも、家庭にも、一定の疎外感が吹き抜ける。 この疎外感は、強く共感出来る。 多くの文芸作品に、このテーマは度々盛り込まれている。 ただ、それらの多くは、一方的に男にとって、または女にとって、という観点だ。 この作品は、男女双方の眼を通して描かれているので、より強烈に共感出来る。 人は、男は女は、家族とのしがらみの中で、何のために生き、何のために死ぬのだろう? 品の良さそうなリゾートとのイメージの、キプロスの実態を通して、 本書は、この様な疎外感に対峙するための、多くの示唆を与えてくれる。 結末も、印象に残る、力作だ。 | ||||
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39歳の響子さん。 家事は姑さんが、夫も妻の仕事に理解があって。 みんなに、羨ましがられて。 でも、本人の中では、いろいろ鬱積しているものがあり。 異国ということと、非常時ということで、ついつい心が揺れちゃうわけですよ。 響子さんが、わがままと思うか、響子さんの気持ちがわかると思うか、 それぞれの立場で、感想は違うと思います。 私は、響子さんの気持ちもわかるけど、だからといって、やはり、不倫は嫌だなと。 | ||||
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「女たちの聖戦」がとても面白かったので期待して、 私にとっての篠田作品2作目として読みました。つまらなかったです。 <働く中年女性の恋と冒険の物語/圧倒的なリアリティ> <リアリティ>も心情もよく描かれ、キプロスの事も興味深かった。 ただ淡々としていた感じが強くスピード感がなく、 同じような会話と同じ心情が繰り返された感じがする。 異国の地の風景や文化生活にそして出来事に こんなにも感性が働かない主人公は中年だからとは思いたくない。 カメラマンの告白は男ってそうなんだろうなと納得できたけれど‥ 篠田さんがキプロスの紀行文を書いているようなのでそちらを 読んで読後のもやもやを晴らそうかな。 | ||||
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主人公の年齢とは違い私自身はまだまだ若者ですが、とても楽しく読ませていただきました。内戦の様子を読む時の緊張感、響子と檜山との間の恋…すべてが心に残りました。最後の悲劇には涙がとまりませんでした。自分が響子の立場だと考えると涙がボロボロと。とにかく私の中で一番のお気に入りの本です。 | ||||
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篠田氏の文章は乾いていて、それでいて熱い。この物語の舞台であるキプロスによく似ている、と思います。民族間の複雑な事情や暴動等、ハードな設定です。にもかかわらず、とても切ない気持ちになるのは、心理描写がめちゃくちゃ上手いからでしょう。極限状態の下、すれ違っていた気持ちが通い合う一瞬。純粋な恋愛小説よりも琴線に触れました。 | ||||
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若い女性をターゲットにした、旅行記事メインの雑誌「サン・クレール」で、編集者を務める響子・39歳。理解のあるダンナとは、セックス・レス暦14年。仕事で、地中海の小さな島国キプロス島に取材へ行くことになり、カメラマン兼コーディネータを依頼したイイ男の宗と、一週間すごせることに喜びながら、ヒースロー空港に着いた響子を待っていたのは、さえない中年男。宗の代役できたという。がっかりした響子は、代役の檜村にツンケン、ツンケン。無視したり、親切にされても、「ありがとう」をいわなかったり。ほんっと、やな女。さえないはずの檜村の意外性を発見して、恋に落ちたりすんじゃないのー?つまんねー、話だな・・と思っていたら、ストーリーは、思わぬ方向へ。ギリシャとトルコにはさまれ、アメリカや国連の意志にも振り回されっぱなしの小国・キプロスでは、内紛の火種が、そこかしこにくすぶっており、美しいだけの観光地ではない。内乱の生々しい息吹を、響子も感じるが、雑誌の取材とは関係ないから・・と、目を向けないようにしていた。だが、檜村から色々な話を聞いたり、実際にきなくさい事件に遭遇したりするうちに、響子の中でやりきれなさが広がっていく。タイトルの「インコは戻ってきたか」とは、トルコ系の少年が、ギリシャ系の少年に預けたインコのことで、トルコ系の少年イスメットは、「僕らはトルコ人でもギリシャ人でもなく、キプロス人だ」と語り、ギリシャ系の少年は、「こんな小さな島なんだから、助け合わなくては暮らしていけないんだ」と語る。・・・子供たちの方が、ずっと進歩的な考えなのである。民族同士の憎しみ合い。果てることの無い報復。それを陰で煽る武器商人。世界中に、いったいいくつ、こんな争いがあることか。日本にだってある。目をそむけているだけで。一度は読んで欲しい本でした。 | ||||
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篠田節子は,きっと作中本人も無自覚であろう内面描写を徹底して行い,とことんリアルな人物像を描きます。だれだって現実に倦んで毎日を過ごしているものなので,登場人物のぼやきと読者の不満が一致すると爆発的な共感をよびます。篠田節子の直木賞受賞作のおんな達のジハードはまさにその点で成功した小説だったのでしょう。本書の主人公はそれより少し上の年代の女性です。39歳のキャリアウーマンと同行したさえない雰囲気のカメラマンの親密になってゆく過程と異国での冒険をえがく小説です。ぐいぐい読者をひっぱり終いに主人公に救いをあたえるところなど,ねらった読者は離さないという著者のプロ根性が感じられます。非常に楽しく読んだけれども,読後感がすぐれませんでした。いい話をよんだなぁとしみじみできないのです。もう少しリアルをうすめて,人生とか愛情とかに暖かな視点があったら,39才の主人公に厚みがでたのになぁと少し残念なのでした。 | ||||
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主人公は39歳の女性誌編集部員・平林響子で、ハイクラス・リゾート地であるキプロス島に出張し、初対面のカメラマン・檜山正幸と共に取材を始めるのだが…。出だしは、39歳版『女たちのジハード』と言う感じである。華やかでやりがいのありそうな職業と、海外出張にも心置きなく送り出してくれる理解ある家族にも恵まれている響子なのだが、それははあくまでも外面的なことなのである。そして、途中からは『弥勒』を彷彿とさせる展開になる。東地中海の真珠と呼ばれるキプロス島にも民族的対立が存在し、そこには国際的利害関係も絡んでいる。ハイクラス・リゾート地とはうってかわった状況下に置かれてしまった響子と檜山は、どうなってしまうのか…。響子の檜山に対する感情の起伏の描写と、ストーリー展開が見事な冒険ロマンと言えるだろう。ただし、『女たちのジハード』的な部分と『弥勒』的な部分が合わさっても相乗効果がもたらされることはなく、作品自体のインパクトを弱めてしまったのが残念である。 | ||||
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