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百年の恋
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百年の恋の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全32件 1~20 1/2ページ
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一気に読ませて貰った。梨香子への疑心暗鬼から幸・不幸のアップダウンを繰り返す真一に引きづられ、本書を一気に読み終えた。細部の丁寧な記述を基にしたストーリー展開に脱帽する。 重松清氏の巻末「解説」の次の一文は本書の本質を的確に言い当てている。 「図式的な『理論』ではなく、てんやわんやの『現実』の側から描かれた物語」であると。(351頁) | ||||
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「女なんて、やっちまえばこっちのもの」ということばで、 結婚生活のあらゆる艱難辛苦にたえる。 年収200万円のフリーライター 真クンの物語。 結婚ホラー小説というべきなのか? 篠田節子にしてみれば、結婚をホラー小説に仕上げるのも、 簡単なんだろう。 「女なんて、やっちまえばこっちのもの」 という言葉は、男性の作家で書くことができない禁句かもしれない。 まあ、官能小説などは、そのことがテーマであるものもある。 女性作家が、さらりと書けば、その裏があることは確かだ。 東大理学部卒、MBA取得、信託銀行の超パワーエリートウーマン。 その上、すらりとした美人と来ている。 企業と社会では、まったく完璧に近い。 実際結婚をはじめると、「こっちのもの」になったはずのものが、 想像とはちがう、料理ができない、包丁がない、 かたずけることができない、汚いパンツはほうりだし、洗濯もしない。 会社でトラブルが起こると、夜叉のような顔で帰ってくる。 そこから始まるヒステリックな行動。 便器さえもたたき割る怒り。 コップごと投げつけられる紅茶。 それでもたえる真クン。 何で、結婚したのかという後悔が、繰り返される。 そして、妊娠、それは自分の子供なのかと疑ってしまう。 男と女がいて、一緒に生活をする 結婚ということが、やはり「ホラー」なんだと 妙に納得する自分がいる。 | ||||
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こんなの収入の多い方が働いて少ない方が家事・育児にシフトしていけばいいだけの話じゃん。性差関係なし。俺なら働かなくていいなら絶対に働かんがね。真一が育児をすればよろしい。だいたい、結婚してるのに妊娠して驚いちゃいかんでしょう。妊娠しないときに驚きなさい。 | ||||
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これは2000年に出版された本で、まだ婚活も妊活も言われてないのんびりしたころの雰囲気が出ていると感じた。 エリートのバリキャリで美貌のヒロイン梨香子33歳(年収800万)と、冴えない理系オタクライター30歳の主人公真一(年収200万円)は、雑誌の取材で運命的な出会いをし、その4ヶ月にはトントン拍子で結婚。しかし、フタを開けてみれば、妻は仕事と対人関係以外の生活能力はまるでゼロ。 夫である真一が、時間が自由な文筆業、不安定な収入という負い目もあり、家庭内の切り盛りを気づいたら負担 (なにせ梨香子と比べ、圧倒的な整理能力、家事能力があるものだから) 。 しかしそれに加え、些細なことでキレ荒れ狂う梨香子の世話…(便器が割れ、カップが宙を舞う)。 そこに梨香子の予想外の早すぎる妊娠が分かり、また妻の東大同窓生弁護士との親しすぎる関係も気が気でなく…。 現在、高学歴高収入女性の中には、結婚、妊娠が難しいという状況があり、それによって婚活、晩婚化による不妊から来る妊活も盛んに行われているようだが、 この作品は、そこはいともかんたんにクリアして、経済力と家事分担が男女逆転した夫婦を捉えている。 梨香子のキレぶりも面白く、安定し健気な主人公を応援する気持ちも湧いてくる。梨香子がキレるその理由と真一の不満の真の原因は、どこにあるのか。山あり谷あり、退屈する日間もなく、あっという間に読めてしまった。ほんとに面白かった! | ||||
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主人公の妻の人格設定に無理があり、そのため、展開も不自然に感じられる。 挟み込まれている日記部分も本文と乖離しているため、違和感あり。 | ||||
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後半に顕著に出てくる「男の考えそうな事」への憤りの方が印象が強かった。 何やかんや言って、「面倒見の良い女」 にもたれかかってるのが、所詮男。 みたいな。 「自分の子が可愛いのは自分だけ」って事をもっとガツンと真一に思い知らせてやって欲しかったかなw | ||||
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なんでこれが「コメディー」と紹介されるのか分からない。面白くもおかしくもない。 まず、主人公の真一に人としての魅力がまるでない。単に年収が低いだけでなく、本質的に女性を見下しており、ヒトとして駄目というか不快な男。 彼の妻ほどできる女がどれだけ家事が苦手だとしても、こんな男を選ぶというのが完全に非現実的。彼の年収が200万はリアルだが、妻の年収800万はこのレベルのバリキャリとしてはかなり少ない。この辺もリアリティーに欠ける。篠田節子は好きな作家で、なぜ好きかというと、しばしば非現実的な設定をしながら、それに現実味をもたせるため周辺に緻密なリアリティーを配置するから。現実と非現実が切れ目なくつながる感じがすごい。しかし、この作品は真逆で、どこにでもある平凡な話を、雑な設定で書いている。 この作品は作品の中で主人公がレポートを書く形になっているが(ゴシックの「育児日記」)、これが実に退屈である。魅力のない男が書いているのだから当たり前。こんな人間の育児日記になぜ読者がつきあわなければならないのか(怒)。 | ||||
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合作から付録的な位置づけになったという育児日記。 青山智樹の作という。 物語自体は面白いが、不均衡を感じるのはなぜだろう。 解説を重松清が書いているのも納得感がない。 | ||||
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「デコボコで釣り合いの取れない男女が出会ったら…」という主題には興味を惹かれた。 2人の出会いから結婚までの描写がずいぶん雑だなあ…と思いながらも、 「まあ、これもテンポの良さか…」と割り切って面白く読んでいた。 出産のあたりまでは。 しかしそれ以降は途端に退屈で散漫になった。 後半で筆者は「デコボコ夫婦」の妙を描くことをまったく放棄してしまったようで、 ただの育児雑誌の「育児パパ奮闘記」になってしまっていた。 ゴシックの「育児日記」の必要性をまったく感じない。 別の筆者によるこの「日記」に、作者(篠田)がモチーフを得たのだとしても、 それをそのまま作品の中に放り込むだけ、というのはあまりに乱暴すぎる。 リアリティーある育児ノンフィクションが読みたければ育児雑誌を読めばいい。 これを小説とするからには、これらのエピソードを、 「夫婦の物語」としてきちんと昇華させなければいけないんじゃないか? 夫は一時は離婚まで考えているのである。 それなのに、その「落とし前」がつけられずに、 「子育てバンザイ!」で誤魔化されて終わってしまう。 男女の話(タイトルだってそうだ)が、いつの間にか、 親子の話にすりかわってしまった。 そうしたテーマの散逸ぶりこそが、一番の失敗の要因だろう。 | ||||
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高収入、高学歴の美人なエリート銀行員(女)と低収入、低身長、低学歴のモテないライター(男)。二人がであって結婚して・・・と言うと、ありがちなのは「バリバリ働く強い女性」×「気弱だが優しい男性」というを想像しがちなのですが、篠田節子はやはり格が違った。それだけじゃないんです。女性のずるさや不安定さ、男性の甘えや見栄。生まれてしまった子供を抱えながら、男性視点の育児日記を交えて、未完成な人間同士の子育てが描かれています。 | ||||
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さくっと読めることは確かです。 でも、あとがきにあるように中途で大幅に修正をしたらしく、何が言いたかったのかよくわからず。真一の成長小説にしたかったのかなという気がしますが構成が失敗してるような。 ダメ妻の面倒を見てよく頑張ってる旦那だなと思いきや、ラスト近く、 赤子を職場に連れまわし、女子に面倒見させ、逆切れした相手に「だって女の人は(全員)赤ちゃん好きだよね?」と驚く下りにぎょっとした。 赤子の面倒を見れない妻と生活しているのに今更何を?という感じ。彼の頑張りも魅力もこの一言で消え去ったって感じ。 実はこのシーンは子どものいる自分にとって結構ショッキング(仮にそう思っていたとしても「赤ちゃんって汚いよね」と赤子の前で肉親の前で言う女なんているのだろうか??しかも、知人の子なのにねぇ)で、篠田氏の本音を見た気も。どちらにせよ、入れるとしたらもっと前盤に入れるべきでは? そういうショックを引きづりつつ、あっけなく終了なので後味はいまいちだったなぁ。 劇中、育児日記も普通すぎる。これが大反響になったというのがよくわからん。世間にはもっとおもろい育児日記はたくさんある。 | ||||
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読み物としてもとても面白いけれど、男はこうあるべき、女はこうあるべき、という刷り込みにも気づかせてくれる。暫く前の某大臣の「女は子供を生む機械」発言の素地は、日本で今を生きる男性にも、また女性にも十分にあるのだ。こうした刷り込みがあることは現実として受け止め、留意すればよいことだが、一番哀しいのはその刷り込みを自分の生活の精神的礎にしてしまい、共に暮らす相手の真実を見なくなることだろう。だからこそ、中年の編集長の「喝」は迫力と説得力があった。世代を問わず、男性にも女性にも薦めたい本。 | ||||
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東大卒のエリートキャリアウーマンと年収200万のライターとの結婚。非の打ち所のないように見える妻が、実は料理はもちろん、掃除もできないだらしな〜い女だった。 物語の前半はあまりにひどい妻の態度に、女の私でもいらっときたが、読み進めるうちに「完璧な女」を演じ続けた彼女が、結婚によって夫にだけは本来の姿をさらけ出しているという事実に突き当たり、彼女を「かわいい」とまで思えるようになっていた。出産後の病院で深夜「寂しい」と電話をかけてくるあたり、世界を股にかけて仕事をこなす彼女からは想像できないことで、そんな場所ができたことに安堵した。 語り手は最後まで夫であり、彼の被害者意識が滔々と語られていくが、「男だから」「女だから」という固定観念が次第に崩され、夫として、父として成長していくさまも心地よかった。 | ||||
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まあ、コメディなんですけど。 最初は梨香子が、とんでもない女と思いましたが、 よく考えてみると、世間の亭主なんて、もっとひどいかも? 梨香子の収入が、800万、真一200万。 この反対の夫婦はよくあると思うのよね。 で、家事は一切真一。梨香子はいま話題の「片付けられない女」もちろん料理も駄目。 梨香子の母というのがまた。女は女。男は男というタイプで。 その反発もあって梨香子がそうなっちゃったのかなぁと。 真一も、女なのにってのが、根にあってね。 離婚寸前で、梨香子が妊娠。今度は子育てでまたいろいろと。 ま、あんまりネタばれはあれなので、以下自粛。 | ||||
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基本的にはコメディタッチで描かれており文章が非常に読みやすくぐんぐん読める.容姿端麗,頭脳明晰,だけど極端に不潔でやや情緒不安定な梨香子に振り回される真一.それでいてドタバタばかりしているのかといえばそうでもなく社会の男性像女性像に対してそう説教くさくも無い意見が織り込まれていたりもして読みごたえはある. そんな作品だが気になったのが1点.梨香子の心理描写が殆ど無かったことだ.社会的には駄目な夫に対してどのような感情を抱いていたのだろうか・・・ | ||||
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奥さんが不潔でわがままで・・・というのは作品を面白くするためのエッセンスにすぎない。 テンポのいい面白い作品ではあるけれど、この本の本来の主題は現代の若い夫婦が抱えてるであろう 結婚から子育てに至るまでの問題の方だと思います。 今、社会ではお給料や仕事の内容に男女の差別をなくそうという動きが強まっていますが、 ある点ではそれはそうかもしれないけど別の方向を見たらそうとも言い切れない。 男女の差・・・どこを残してどこを切り開いていくか、 これをうまく見極めるのが夫婦円満の秘訣なのかも。 けど、ひどいなー、この嫁。 完璧な人間なんていないのはわかっているけど、 嫁、母として以前にこの不潔さとわがままぶりは人としてマズい。 コメディ小説としてはおもしろく読めたけど、これが現実だったらと思うとぞっとしました。 | ||||
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最初は随分極端な話だと思ったが、読み進むうちに 梨香子が気の毒になってきた。 もしも全然違うタイプの母親に育てられていたら 女らしさや母親らしさに縛られることなく 仕事に専念できたのではないだろうか。 梨香子ほど収入があれば、 家事のお手伝いさんを雇うことも可能だったはず。 「女らしさ」に縛られ、他人に家事をさせるのは恥だとする 感覚が染み付いてしまったのだろう。 飲んだ後のコーヒーカップをそのま放置している場面で 梨香子は家事が「できない」のではなく まったく関心がないのだと思った。 それならそれでいいではないか? 東大出のエリート社員と売れない翻訳家。 男女入れ換えて考えた場合、エリート社員が家事をしないと やはり責められるのだろうか? 中盤で編集者の秋山さんが真一に向かって言うセリフに 胸のすく思いがした。 | ||||
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面白くてかついろいろと考えさせられる本で読んでよかったと思います。ただしだまされないようにする必要があります。 ・百年の恋とありますが、恋愛に関する話は皆無です。「百年の恋も冷める」という意味だと思います。 ・帯にコメディとありますがこの本を読んで笑うことができる人は限られると思います。私は2回くらいしか笑えませんでした。篠田節子の小説の中では「ゴサインタン」に似ていると思うので、「百年の恋」がコメディなら「ゴサインタン」もコメディです。 ・「いまどきの話」とすると作者の狙いからは外れてしまうように思います。作者が描きたかったの昔から続いているテーマだと思います。 ・ | ||||
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面白くてかついろいろと考えさせられる本で読んでよかったと思います。ただしだまされないようにする必要があります。・百年の恋とありますが、恋愛に関する話は皆無です。「百年の恋も冷める」という意味だと思います。・帯にコメディとありますがこの本を読んで笑うことができる人は限られると思います。私は2回くらいしか笑えませんでした。篠田節子の小説の中では「ゴサインタン」に似ていると思うので、「百年の恋」がコメディなら「ゴサインタン」もコメディです。・「いまどきの話」とすると作者の狙いからは外れてしまうように思います。作者が描きたかったの昔から続いているテーマだと思います。・ | ||||
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結婚してから「こんなはずではなかったのに・・・。」と嘆く人も少なくないのでは?しかし、他人同士が一緒に生活するのだから、想像と現実が違うのは当たり前だ。大切なのは、どうやって二人の生活を充実させていくのか、だと思う。真一と梨香子もこれから先、悩んだり、怒ったり、泣いたりしながら、夫婦としての絆を深めていくのではないだろうか。そしてきっと結婚してよかったと思う時が来るだろう。人は、一人より二人で生きる方がずっと幸せなのだから。 | ||||
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