■スポンサードリンク
弥勒
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
弥勒の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.45pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全62件 21~40 2/4ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
インドと中国に対する文化の理解なしに読むと、 やや暗さが強くなってしまうかもしれない。 男性が書くような残酷な物語の中に、 女性の底強さを感じさせるものがある。 弥勒の像の位置づけが、今一歩理解できていないのは、 インド、中国に対する文化理解が甘いからだろうか。 何度も読み返しながら読み進んだ。 飽きることはないが、重苦しさだけが残ったかもしれない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最初はビジネス系だと思いました。 で、読んでいくと え?? マジ?? やばくねぇ?? さらに読むと うわぁぁ・・・・ ちょっとぉぉ・・・・ です。 篠田最高!! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この本、素晴らしいです。とても潔く、正直で、そして重たい。とても重い。仕事の関係で南アジアは詳しいのだけど、そういう意味では、そうそう、とうなずくところも多かった。特に文化的な理解・解釈の違いや、日本人の浅はかな外国理解(笑)。話自体は、冒頭の奥さんとの話しとか、もう少し端折っても、この本の後半の深くて重い話には何も影響なかったかもしれないけど、でも、冒頭100ページ分と残りの500ページで本全体のカラーが全然違ってて、それはそれでおめでたい日本を逆に浮き彫りにしててよかった。人生とか、日ごろ考えていることのヒントがいっぱいあった気がする。あと、個人的には、話に登場するイギリス人が、そうそう、こういうんだよなぁ、西洋人は、と思った。俺の周りにもそういう態度、目つき、いるいる、そしてほんとムカつく、と思いました。この作者の方、そういうのもよく見てますよね。 でも、こういう本って、読んでほしい人ほど読まないんだろうなぁ...ありがとうございました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ガツンときました。 篠田さんの作品のなかでは今のところ一番好きな作品です。 “無私”の理想と革命、そして人間の業によってもたらされる迷走と帰結。 舞台はアジアの小国(日本人の好きなプータンのような感じ)ですが、なぜかCUBAのことを考えてしまいました。 なお、冒頭の夫婦の問題=妻絡みの部分は不要であったのではないかと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
インドと中国の間に位置する、ヒマラヤ山麓の想像上の小国パスキム。首都カターで、永岡は国王サーカルに会見、この国の美しい建物や仏像、そして人々の暮らしにすっかり惚れ込む。帰国後ゲルツェン一味のクーデターが起こり、仏像などが危機に瀕したことを知り、いても立ってもいられなくなり、密入国する。 彼は結局、ゲルツェンに捕えられ働かされるが、そこで分かったことは、パスキムが辺境の住民を犠牲にして首都のみが栄える国だったことだ。家畜の屠殺などを辺境の者にやらせ、カターの人々は殺生を嫌い穏やかで文化的に生きる様は、同様に穢多という部落民に押し付けていた日本の過去を思わせる。 そのような国の有様を正そうとするゲルツェン達のやり方は、カターの人々を辺境に強制移住させ、仏像など文化的なもの一切を破壊したのは中国文化大革命、僧侶達を皆殺しにしたのはカンボジアのポル・ポト政権を夫々想い起こさせる。しかしゲルツェンは決して専制独裁者ではなく、徹底した完全平等を目指す思想の人物だった。そこであらゆる便利な文明的なものまで否定、その結果として無理が生じ、たちまち破綻へと向かうに至る。 当初弥勒菩薩像だけでも救い出すつもりの永岡だったが、否応なしに混乱に巻き込まれていくうちに、色々な疑問がわき上がり、この国の運命を本気で心配して行動するようになる。こんな国が過去に有ったし、現在も朝鮮やビルマ、そしてアフリカでいろんな国が混乱状態だ。「ゴサインタンー神の座」から一歩進み、この「弥勒」そして最近作「転生」へと宗教と政治絡みの問題に、正面切って取り組んだ篠田の三部作はどれも素晴らしい | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読んだ後の救いの無い後味の悪さが最初の数ページで想像できたので読みませんでした。 もったいないので知り合いに無理やりに読ませたら、感想を聞いた第一声が案の定「救いが無い」でした。 読まなくて良かった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
篠田節子の本を初めて読みました。周囲の連中をスノッブとして馬鹿にする主人公自体、エリート意識丸出しで、いざとなったら超へなちょこのスノッブ野郎です。あまりといえばあまりの超スノッブさに何度も読むのを止めようかと思ったほどです。で、個人的には主人公よりもむしろ解放軍の首領ラクパ・ゲルツェンに深く共感しました。ゲルツェンを責め、否定するのは簡単です。みんなで負けたやつを指さして「あいつが全部悪い!」って大合唱すればいいだけです。そしてすべてを昔へ戻して、めでたしめでたしにしてしまいます。富を増し、科学を発達させ、制度を改革することですべてが解決すると思っています。でも何よりも大切なのは、(本書で描かれているように)人間自身について知ることではないでしょうか。なんでも自分に都合良く解釈してしまう、私たち人間自身について知ることなのではないでしょうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
篠田節子の本を初めて読みました。周囲の連中をスノッブとして馬鹿にする主人公自体、エリート意識丸出しで、いざとなったら超へなちょこのスノッブ野郎です。あまりといえばあまりの超スノッブさに何度も読むのを止めようかと思ったほどです。で、個人的には主人公よりもむしろ解放軍の首領ラクパ・ゲルツェンに深く共感しました。ゲルツェンを責め、否定するのは簡単です。みんなで負けたやつを指さして「あいつが全部悪い!」って大合唱すればいいだけです。そしてすべてを昔へ戻して、めでたしめでたしにしてしまいます。富を増し、科学を発達させ、制度を改革することですべてが解決すると思っています。でも何よりも大切なのは、(本書で描かれているように)人間自身について知ることではないでしょうか。なんでも自分に都合良く解釈してしまう、私たち人間自身について知ることなのではないでしょうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
大作です。読み応えは十分堪能できます。 新聞社社員の永岡はヒマラヤの小国パスキムに潜入するが、そこで見たものは、政治という暴力の中に犠牲になる人民、婦人、子供たち。外国からは、宗教や美術から桃源郷のごとく認識されている小国で起こる悲惨な現状を物語る。そこには、血液、内臓、病い、負傷、匂い、叫びがあるが、平和な風景がない。 美術の商業化、政変の舞台への侵入、結婚/性愛、小国のニュース性などどれひとつとっても重くてまじめなテーマに本書はまじめに取り組んでいる。 そのためか読後感はとっても重くて、軽さを希望する人にはしんどいものでしょう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
大作です。読み応えは十分堪能できます。 新聞社社員の永岡はヒマラヤの小国パスキムに潜入するが、そこで見たものは、政治という暴力の中に犠牲になる人民、婦人、子供たち。外国からは、宗教や美術から桃源郷のごとく認識されている小国で起こる悲惨な現状を物語る。そこには、血液、内臓、病い、負傷、匂い、叫びがあるが、平和な風景がない。 美術の商業化、政変の舞台への侵入、結婚/性愛、小国のニュース性などどれひとつとっても重くてまじめなテーマに本書はまじめに取り組んでいる。 そのためか読後感はとっても重くて、軽さを希望する人にはしんどいものでしょう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
大作。 こんなにいっぺんに、たくさんのことを語りかける作品は他にないんじゃないの、と思うくらい、さまざまなことを問うている。 美とは何か、宗教とは何か、政治とは、国とは、人間とは・・・。 なのに盛り込みすぎの感もなく、内容に破綻がない。 架空の国の物語なのに、絵空事の物語とは全く感じられず、強い吸引力で小説世界に引き込んでゆく。 主人公・永岡とパスキムという国が、どういった運命をたどるのか、追いかけずにはいられない。没頭してしまう。すごい。 美の鑑賞者であり賛美者である永岡。 培われた歴史と文化の中で生み出される奇跡のような美は、何よりも尊く、人の命を代償にしてでも守り抜かなければならない、と考える彼の価値観。 不遜ながらも高邁な彼の精神は、安全で豊かな暮らしを当然のこととして享受しうる基盤があるからこそのものだろう。 洗練された現代人であった永岡が、原始的な生活を強いられたとき、彼の心はどう変わるのか。変わらないのか。そしてもし、それが自分だったら?つきつけられる疑問は、難しく、怖い。 さらりと軽く楽しく読み流せる本ではないが、読み応えは満点。タイトルの堅さとページの厚さで、敬遠しないでほしい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
大作。 こんなにいっぺんに、たくさんのことを語りかける作品は他にないんじゃないの、と思うくらい、さまざまなことを問うている。 美とは何か、宗教とは何か、政治とは、国とは、人間とは・・・。 なのに盛り込みすぎの感もなく、内容に破綻がない。 架空の国の物語なのに、絵空事の物語とは全く感じられず、強い吸引力で小説世界に引き込んでゆく。 主人公・永岡とパスキムという国が、どういった運命をたどるのか、追いかけずにはいられない。没頭してしまう。すごい。 美の鑑賞者であり賛美者である永岡。 培われた歴史と文化の中で生み出される奇跡のような美は、何よりも尊く、人の命を代償にしてでも守り抜かなければならない、と考える彼の価値観。 不遜ながらも高邁な彼の精神は、安全で豊かな暮らしを当然のこととして享受しうる基盤があるからこそのものだろう。 洗練された現代人であった永岡が、原始的な生活を強いられたとき、彼の心はどう変わるのか。変わらないのか。そしてもし、それが自分だったら?つきつけられる疑問は、難しく、怖い。 さらりと軽く楽しく読み流せる本ではないが、読み応えは満点。タイトルの堅さとページの厚さで、敬遠しないでほしい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
これ、主要なモデルは文化大革命ですね。 ある日突然政変が起きて…という部分はポル・ポトでしょうか。 読んでいくうちにあちこちで「ああ、これはアレがモデルかな」ということが思い浮かぶのですが、 それで鼻白むということもなく、ぐいぐいと引き込まれていくのは作者の筆力というしかありません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
これ、主要なモデルは文化大革命ですね。 ある日突然政変が起きて…という部分はポル・ポトでしょうか。 読んでいくうちにあちこちで「ああ、これはアレがモデルかな」ということが思い浮かぶのですが、 それで鼻白むということもなく、ぐいぐいと引き込まれていくのは作者の筆力というしかありません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読んでいて感じたことはこの作品が、架空のものだと思っている方が大いことです。もちろん、小説ではありますがこれと同じこと、あるいはもっと酷いことをまさにいま中国共産党がチベットで行っていることをほとんどの日本人が知らないことを驚くとともに、大手のマスコミの中共への偏向振り、隠蔽を改めて感じました。 この作品はとてもお勧めですが、同時にチベットの現状なども意識されるともっと深く読めると思います。ポルポトや毛沢東の残虐な行為はいまも共産主義の名の下に引き続き行われていることを改めて思い出す良質の作品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読んでいて感じたことはこの作品が、架空のものだと思っている方が大いことです。もちろん、小説ではありますがこれと同じこと、あるいはもっと酷いことをまさにいま中国共産党がチベットで行っていることをほとんどの日本人が知らないことを驚くとともに、大手のマスコミの中共への偏向振り、隠蔽を改めて感じました。 この作品はとてもお勧めですが、同時にチベットの現状なども意識されるともっと深く読めると思います。ポルポトや毛沢東の残虐な行為はいまも共産主義の名の下に引き続き行われていることを改めて思い出す良質の作品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本書を読むにあたり、連続した強い緊張を強いられる。到底、平常心では読めない。ヒマラヤの小国で永岡が体験した事は、人間の極限状況の連続だ。宗教を含むすべての文化を否定する、絵空事の様な革命思想、強制労働、強制結婚、女性への真の愛情、極度の飢餓、地雷による片足の爆失など、秘仏に対する妙な好奇心を出さなければ、体験する事が無かった事ばかりだ。永岡が強制労働のため、ストレス潰瘍で血反吐を吐くというくだりがあるが、彼が日本で体験したストレスなど、問題にならない。 革命家は、人々から信仰心を奪取する事は出来なかった。 信仰心を持たない永岡ですら、最後は無意識に祈った。 そして、背中にかついだ仏像に宇宙を感じる。 長大な時間と空間をイメージさせられる。 祈りとは?救いとは?慈悲とは? こんな自問自答をせずにはいられない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本書を読むにあたり、連続した強い緊張を強いられる。到底、平常心では読めない。ヒマラヤの小国で永岡が体験した事は、人間の極限状況の連続だ。宗教を含むすべての文化を否定する、絵空事の様な革命思想、強制労働、強制結婚、女性への真の愛情、極度の飢餓、地雷による片足の爆失など、秘仏に対する妙な好奇心を出さなければ、体験する事が無かった事ばかりだ。永岡が強制労働のため、ストレス潰瘍で血反吐を吐くというくだりがあるが、彼が日本で体験したストレスなど、問題にならない。 革命家は、人々から信仰心を奪取する事は出来なかった。 信仰心を持たない永岡ですら、最後は無意識に祈った。 そして、背中にかついだ仏像に宇宙を感じる。 長大な時間と空間をイメージさせられる。 祈りとは?救いとは?慈悲とは? こんな自問自答をせずにはいられない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
なにげに読んでみたら・・・やばかった。この作者何者?っていうくらいすごい濃く深い内容でした。舞台はネパールの辺りの架空の国、仏教云々の内容ではなく、政治的パニック小説に分類されるのかな?この作品で相当はまり、篠田節子はすべて読みました。残念ながらこれ以上の迫力のある作品には出会えませんでしたが、おそらく天理教の教祖中山みきのエピソードをモデルにしている「ゴサインタン」、これはけっこう深かった。おすすめです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
なにげに読んでみたら・・・やばかった。この作者何者?っていうくらいすごい濃く深い内容でした。舞台はネパールの辺りの架空の国、仏教云々の内容ではなく、政治的パニック小説に分類されるのかな?この作品で相当はまり、篠田節子はすべて読みました。残念ながらこれ以上の迫力のある作品には出会えませんでしたが、おそらく天理教の教祖中山みきのエピソードをモデルにしている「ゴサインタン」、これはけっこう深かった。おすすめです。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!