■スポンサードリンク
仮想儀礼
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
仮想儀礼の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.43pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全102件 101~102 6/6ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
新興宗教団体の虚実を描き切った力作。 ただただ金儲けのためだけに作られた宗教団体が、いかにして発展し、かつ、崩壊してゆくのか、教祖の心の動きを中心に描いている。 作られた虚構でしかない団体が、信者を集め、その信者の盲信のゆえに、教祖の手を離れて暴走してゆく‥‥。 これと並行して、この団体を取り込もうとしたり取り潰そうとする外部の暗躍が。 非常にスリリングな展開が綴られてゆく。 宗教法人の会計のしくみなどを十分に取材していなければ意外と描けないような、そういった場面も出てくる。 また、行政の福祉関係の職員だった作者の体験が活かされているのではないか、という場面も、ところどろに効果的にちりばめられている。 いわば、社会的弱者がいかにして新興宗教団体に取り込まれてゆくか、ということをも描いているのだ。 むしろ、そこが本書の言わんとしているところなのかもしれない。 一気に読ませるだけの力がある。 いわゆる「カルト宗教団体」はこのように作られてゆくのかもしれないな、と思わせる、そんなリアルさにも満ちた作品となっている。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
作られた虚構でしかない新興宗教団体。 しかし、そこで人間の営みが行なわれれば、虚構だったはずのものが否応なく現実となって、ひとりひとりを苦しめてゆく。 信者の盲信と暴走、それを止められずにどんどん追いつめられてゆく教祖。そして、ついには最悪の結末が‥‥。 心が壊れてゆく。 団体そのものが壊れる、ということ以上に、そこにかかわるすべての者の心が壊れてゆく。 それを深く描いた小説である。心理描写が非常に巧みであった。 ひとりひとりの登場人物の、リアルな描写も際立っている。 小説そのものも虚構ではあるが、すぐ目の前で現実にその場面が繰り広げられているような、ある意味で「ぞっ」とするような凄みのある小説だ。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!