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仮想儀礼
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仮想儀礼の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.43pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全102件 61~80 4/6ページ
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宗教の内容は難しくてわかりずらい。 が、とにかく、展開の速さ、えぐさに引き込まれる。 最後の終わり方も楽しめる。 集中したい人にはオススメです。でも、宗教の説明が長いので、めんどくさがりやの方にはオススメできません。 | ||||
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最初 割に軽い感じで始まります、が、 段々事態が 大掛かりな事になっていきます、 どうなるの、どうなるのと 気になって 読み進めることになります、凄く面白いです。 内容は他レビューにゆずります、では 時間のゆとりをもって覚悟を決めて仮想儀礼の世界観へ 行ってらっしゃーい 迷ってるあなた、読みたまへ。 | ||||
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最初 割に軽い感じで始まります、が、 段々事態が 大掛かりな事になっていきます、 どうなるの、どうなるのと 気になって 読み進めることになります、凄く面白いです。内容は他レビューにゆずります、では 時間のゆとりをもって覚悟を決めて仮想儀礼の世界観へ 行ってらっしゃーい迷ってるあなた、読みたまへ。 | ||||
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ページをめくるたびにアイタタタタ・・・、と目をつぶってしまうくらい痛い本です。こんなに痛い本をよく書かれるものだと恐れ入ります。主人公たちのこれからの生活にエールを送らずにはいられません。 | ||||
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ページをめくるたびにアイタタタタ・・・、と目をつぶってしまうくらい痛い本です。こんなに痛い本をよく書かれるものだと恐れ入ります。主人公たちのこれからの生活にエールを送らずにはいられません。 | ||||
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新興カルトの運命を中心に据え、人々の心の動き、社会の思惑を交え描かれている。 構成も引きもリアリティも、作家がかなりの腕を持った人物であることを物語っている。それでいてエンタテインメントとして成立しているのだから凄いの一言につきる。 だがしかしここに描かれていることは新興カルトのみならず、『古参の』宗教にも当てはまる。実は由緒あるというアレらの宗教も新興カルトも大して変わらない構造なのだ。 信者総数が膨大で、内包する犯罪者の数よりも模範的な信者の数の方がいくらか多いという一点しか違わない。 解体することが出来ないほどに膨れ上がったカルト。それが古くから続く宗教の実体のひとつだ。 2000年頃に、『カソリックの教会関係者が孤児院の少年たちを強姦していた』というニュースが世界を駆け巡った。神父ら4000人以上の教会関係者の凶行。被害者数は1万5千人以上にものぼった。判明したものだけで。 さらにこの少年強姦は1600年代には書物にも残されている古くからの根深い問題だという。 人は道に迷うとき、事故や病気に見舞われたとき、とかく安易によりどころを求めがちなものだ。 しかし、それは仕方のないことだし何かを信仰することも時には役立つ。 だが信仰とはおうおうに麻薬的であることも把握しておかなければならない。 | ||||
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新興カルトの運命を中心に据え、人々の心の動き、社会の思惑を交え描かれている。構成も引きもリアリティも、作家がかなりの腕を持った人物であることを物語っている。それでいてエンタテインメントとして成立しているのだから凄いの一言につきる。だがしかしここに描かれていることは新興カルトのみならず、『古参の』宗教にも当てはまる。実は由緒あるというアレらの宗教も新興カルトも大して変わらない構造なのだ。信者総数が膨大で、内包する犯罪者の数よりも模範的な信者の数の方がいくらか多いという一点しか違わない。解体することが出来ないほどに膨れ上がったカルト。それが古くから続く宗教の実体のひとつだ。2000年頃に、『カソリックの教会関係者が孤児院の少年たちを強姦していた』というニュースが世界を駆け巡った。神父ら4000人以上の教会関係者の凶行。被害者数は1万5千人以上にものぼった。判明したものだけで。さらにこの少年強姦は1600年代には書物にも残されている古くからの根深い問題だという。人は道に迷うとき、事故や病気に見舞われたとき、とかく安易によりどころを求めがちなものだ。しかし、それは仕方のないことだし何かを信仰することも時には役立つ。だが信仰とはおうおうに麻薬的であることも把握しておかなければならない。 | ||||
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長〜い大作ですが 飽きさせず破綻なく最後まで持っていく筆力はお見事です。 主人公とその相棒の人物造形がうまくてリアルだし、 なにより二人のキャラに好感が持てるのでイヤにならずに読めました。 男性の作家なら必ず書きそうなありがちなハーレム的な描写もない。 世間のしくみもよくわかって書かれていて(著者は元公務員だそうですね) とにかくげっそりするとこが少なかったです。 ラストの後味もよい。 ただどうでもいいことですが 女性の服装の描写が????? ファッションに興味のない著者なんでしょうか。 くわしく描写されるほど、意味不明な感じになります。 オシャレでハデな服装を表現しているらしいのに なんかすごくダサいカッコだったり。 ちょっと惜しい。 | ||||
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長〜い大作ですが 飽きさせず破綻なく最後まで持っていく筆力はお見事です。 主人公とその相棒の人物造形がうまくてリアルだし、 なにより二人のキャラに好感が持てるのでイヤにならずに読めました。 男性の作家なら必ず書きそうなありがちなハーレム的な描写もない。 世間のしくみもよくわかって書かれていて(著者は元公務員だそうですね) とにかくげっそりするとこが少なかったです。 ラストの後味もよい。 ただどうでもいいことですが 女性の服装の描写が????? ファッションに興味のない著者なんでしょうか。 くわしく描写されるほど、意味不明な感じになります。 オシャレでハデな服装を表現しているらしいのに なんかすごくダサいカッコだったり。 ちょっと惜しい。 | ||||
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ビジネスのつもりででっち上げた宗教団体(聖泉真法会)ではあるが,徐々に軌道に乗り,一時は7000人の信者を獲得するまでに至る。その聖泉真法会の教えは,密教を参考にでっち上げたものとはいえ,「仏は自分の内にある」というもので,それなりに魅力的なものに感じた。入信するからといって従来所属していた宗教団体から離脱する必要はないなど,微温的な教義は,詐欺的な新興宗教とは一線を画している。 そんな聖泉真法会であるだけに,上巻の興隆期は読んでいて応援したくなるほどだった。家族の誰からも必要とされない主婦,統一協会を思わせる団体に入って心がボロボロになった女性。そうした人たちが「癒し」を受けられる場としては,やはり宗教と,宗教で結び付いた仲間との生活しかないのだろう。 そうであれば,正彦らのでっち上げた聖泉真法会は,それほど悪い存在ではなかったと思われた。 人が宗教に頼らざるを得ない心理的・社会的状況や,宗教団体が本質的に持たざるを得ない危うさなどをリアルに描いた作品であり,分厚い上下巻ではあるが,一気に読み切ってしまった。 | ||||
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簡単なあらすじは、普通の公務員だった主人公が、ゲームのシナリオのアルバイトで小銭を稼いでいたが、ある担当者から乗せられて、脱サラする。公務員という安定を求めて結婚した奥さんはその時点で離婚。学生時代に少し体験したり勉強したりした宗教の知識で8000枚の壮大なシナリオを書き上げるが、その仕事自体が架空の話だったという事で、すべてを失ってしまう。 失意の中、自分をだました担当者と道で出くわし、なぜか共同生活が始まり、冗談でネット上に新しい宗教を立ち上げる。 最初は簡単な人生相談のようなメール対応だったのが、集会所を創ったりして人が集まりだし、バーチャルからリアルになっていく。 色々な偶然やラッキーが重なり、当初50人で食べていける、300人でベンツに乗れる…という軽い目標があったのだが、はるかにそれを上回る信者と金が集まる。 絶頂期を迎えたら、落ちていくのは世の常。別の宗教団体からの弾圧、妬み、脱税などの悪への誘い…。 そのような外的要因だけではなく、内部の信者の色々な問題が山ほど出てくる。 最終的に教団は社会から抹殺されてしまうのだが、話はそれで終わらない…。 オウムまで行かなくても、この話に近いような事は、知られていないだけで日常茶飯事で行われているのだろうと思えるくらい、リアルなストーリーに仕上がっています。 特に組織が崩壊してから、それでも残っていた信者たちの行動は、あのオウムのニュースで見た、トランス状態で体がゆらゆらしたり、バタンバタンのたうちまわったり…というシーンの再現。なぜあんなことになるのだろうと不思議に思っていたし、何かやらせではないのか?と思ったりしたが、この本を読むとあの状態に陥るのは無理もないというか、理解できるようになった。 この作者は、本当によく調べたと思う。世の中で実際にこんな事が起こっているのかもしれないと思わせる筆力には参った。 | ||||
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ビジネスのつもりででっち上げた宗教団体(聖泉真法会)ではあるが,徐々に軌道に乗り,一時は7000人の信者を獲得するまでに至る。その聖泉真法会の教えは,密教を参考にでっち上げたものとはいえ,「仏は自分の内にある」というもので,それなりに魅力的なものに感じた。入信するからといって従来所属していた宗教団体から離脱する必要はないなど,微温的な教義は,詐欺的な新興宗教とは一線を画している。 そんな聖泉真法会であるだけに,上巻の興隆期は読んでいて応援したくなるほどだった。家族の誰からも必要とされない主婦,統一協会を思わせる団体に入って心がボロボロになった女性。そうした人たちが「癒し」を受けられる場としては,やはり宗教と,宗教で結び付いた仲間との生活しかないのだろう。 そうであれば,正彦らのでっち上げた聖泉真法会は,それほど悪い存在ではなかったと思われた。 人が宗教に頼らざるを得ない心理的・社会的状況や,宗教団体が本質的に持たざるを得ない危うさなどをリアルに描いた作品であり,分厚い上下巻ではあるが,一気に読み切ってしまった。 | ||||
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簡単なあらすじは、普通の公務員だった主人公が、ゲームのシナリオのアルバイトで小銭を稼いでいたが、ある担当者から乗せられて、脱サラする。公務員という安定を求めて結婚した奥さんはその時点で離婚。学生時代に少し体験したり勉強したりした宗教の知識で8000枚の壮大なシナリオを書き上げるが、その仕事自体が架空の話だったという事で、すべてを失ってしまう。 失意の中、自分をだました担当者と道で出くわし、なぜか共同生活が始まり、冗談でネット上に新しい宗教を立ち上げる。 最初は簡単な人生相談のようなメール対応だったのが、集会所を創ったりして人が集まりだし、バーチャルからリアルになっていく。 色々な偶然やラッキーが重なり、当初50人で食べていける、300人でベンツに乗れる…という軽い目標があったのだが、はるかにそれを上回る信者と金が集まる。 絶頂期を迎えたら、落ちていくのは世の常。別の宗教団体からの弾圧、妬み、脱税などの悪への誘い…。 そのような外的要因だけではなく、内部の信者の色々な問題が山ほど出てくる。 最終的に教団は社会から抹殺されてしまうのだが、話はそれで終わらない…。 オウムまで行かなくても、この話に近いような事は、知られていないだけで日常茶飯事で行われているのだろうと思えるくらい、リアルなストーリーに仕上がっています。 特に組織が崩壊してから、それでも残っていた信者たちの行動は、あのオウムのニュースで見た、トランス状態で体がゆらゆらしたり、バタンバタンのたうちまわったり…というシーンの再現。なぜあんなことになるのだろうと不思議に思っていたし、何かやらせではないのか?と思ったりしたが、この本を読むとあの状態に陥るのは無理もないというか、理解できるようになった。 この作者は、本当によく調べたと思う。世の中で実際にこんな事が起こっているのかもしれないと思わせる筆力には参った。 | ||||
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この小説は三回楽しめます。 最初は喜劇として。食い詰めた元公務員と元編集者の二人がその場の思いつきで始めた新興宗教が軌道に乗り出すまで。 次に悲劇として。迷いの末に救いを求めた若い信者がさまよった挙句一人で死んでいくまで。 そして最後がホラーとして、既に主導権をなくした教祖が信者に引きずられるように事件を起こしながらさ迷ってラストに流れ込むまで。 とにかく長いですがそれだけのことはあります。 | ||||
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この小説は三回楽しめます。 最初は喜劇として。食い詰めた元公務員と元編集者の二人がその場の思いつきで始めた新興宗教が軌道に乗り出すまで。 次に悲劇として。迷いの末に救いを求めた若い信者がさまよった挙句一人で死んでいくまで。 そして最後がホラーとして、既に主導権をなくした教祖が信者に引きずられるように事件を起こしながらさ迷ってラストに流れ込むまで。 とにかく長いですがそれだけのことはあります。 | ||||
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篠田節子さんの作品のなかでは、「ゴサインタン」、「弥勒」などの系譜に属する宗教ものといえるでしょう。内容が重いということも、共通しています。 主人公たちは金もうけを目的に軽い気持ちで新宗教を立ち上げますが、そこに「生きにくい系」の若者、超能力嗜好者、巨大教団の中年女性信者、不安を抱える中小企業の経営者などがこの順番に、吸い寄せられるように集まり信者になっていきますが、問題が発生し教団が社会からバッシングを受けるようになると、その逆の順番で信者たちが潮が引くように去っていきます。 てっとり早く教義をこしらえるために主人公がつくったのは、チベット仏教をベースにした密教系の教義でした。著者は「ゴサインタン」や「弥勒」でもチベット系密教をとりあげており、チベット仏教に対する関心が強いのでしょうか。 「ゴサインタン」では、自然発生的な小教団の中心になるネパール出身の女性は、神がかり的な能力を持っていましたが、今回の作品では教祖となる男性主人公がきわめて世俗的な人物であるのは現代社会の風潮を反映しているのかもしれません。 彼がむしろ理性的であり、ときとして良心的ともいえる人物であるため、かえってなすすべもなく、数人の女性信者たちの宗教的狂熱に巻きこまれ、破綻へと突き進んでいきます。 長編ですが、一気に読ませてくれます。「ゴサインタン」や「弥勒」に比べればやや軽めの読後感ですが、多くのことを考えさせてくれる力作であることはまちがいなく、読んで損のない作品だと思います。 | ||||
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篠田節子さんの作品のなかでは、「ゴサインタン」、「弥勒」などの系譜に属する宗教ものといえるでしょう。内容が重いということも、共通しています。 主人公たちは金もうけを目的に軽い気持ちで新宗教を立ち上げますが、そこに「生きにくい系」の若者、超能力嗜好者、巨大教団の中年女性信者、不安を抱える中小企業の経営者などがこの順番に、吸い寄せられるように集まり信者になっていきますが、問題が発生し教団が社会からバッシングを受けるようになると、その逆の順番で信者たちが潮が引くように去っていきます。 てっとり早く教義をこしらえるために主人公がつくったのは、チベット仏教をベースにした密教系の教義でした。著者は「ゴサインタン」や「弥勒」でもチベット系密教をとりあげており、チベット仏教に対する関心が強いのでしょうか。 「ゴサインタン」では、自然発生的な小教団の中心になるネパール出身の女性は、神がかり的な能力を持っていましたが、今回の作品では教祖となる男性主人公がきわめて世俗的な人物であるのは現代社会の風潮を反映しているのかもしれません。 彼がむしろ理性的であり、ときとして良心的ともいえる人物であるため、かえってなすすべもなく、数人の女性信者たちの宗教的狂熱に巻きこまれ、破綻へと突き進んでいきます。 長編ですが、一気に読ませてくれます。「ゴサインタン」や「弥勒」に比べればやや軽めの読後感ですが、多くのことを考えさせてくれる力作であることはまちがいなく、読んで損のない作品だと思います。 | ||||
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シナリオライターの一面を持ち、東京都職員をそのシナリオの夢で退職した鈴木 正彦と、その編集者だった女に優しい男矢口 誠が、失業と9.11によるショックから、思いついた宗教の事業としての側面。サービス業を虚業として捉えるならば、宗教は信仰という商品を扱う第4次産業だ、という考えのもとに教団を立ち上げます、あくまで儲けるために。宗教を手段として割り切った、収入を得る為のものとして。その土台はシナリオ作りで日の目を見ることの無かったゲームシナリオ。東京都職員あがりの鈴木は冷静な視点を持つ常識家だからこその教祖、実務にたけ、だが感情移入もしてしまう矢口がその世話人。オカルトと脅迫は無し、悩みの解決と気分の安定(決して精神の安定ではなく、気分の安定!)という宗教サービスに対してお布施という対価を受け取ることをまっとうとするある意味カウンセラーのような存在を目指した教団・聖泉真法会の行き着く先はどこなのか? 最初に2人が想定したユーザーは2種類、精神というか気分の安定を得るためにお金という対価を払っても良いという大人と、日常生活に退屈しきった<生きづらい>系の若者、この2種類が本当にお金を落としてくれるのか?また教祖とはどんな存在なのか?宗教が現代に必要とされるのはどんなものなのか?上下巻の分厚いけれど非常に読みやすい語り口の鈴木の1人称で語られる教団の盛衰史です。 教団の立ち上がりにおけるそのルーズさというか適当さ、また乞われることで成り立たせていく教義、しかしその教義も、常識人鈴木正彦教祖の言葉には決して変わったものはなく信心がなければ、教祖の言葉としないで聞くのでないなら、なんら問題の無い言葉ではあるものの、それが通用しないものが出てくるところに恐怖があります。鈴木教祖の言葉に、説得に、私coboは異を唱える場面はほぼ無かったと思います。非常に常識的、精神衛生上誰もが考え付く範囲内での言葉であるにも関わらず、教祖の言葉にそれ以上の価値を見出したい方々にとっては「そうもとれる」という誤差が生じていくのが、恐ろしいのです。 常識的な教祖が教団を大きくしていくことに恐れや畏怖を感じながらも、不思議な縁とはいえ絶妙なバランス感覚で補う矢口との間の人間関係がなかなか良かったです。かなり特殊な人もたくさん出てきますし、いるいる、というステレオタイプな登場人物も多いのですが、読み物として読ませるチカラは十分です。私は篠田さんの小説を初めて読みましたが、描写も構成も良かったです。扱う内容が宗教というものでなかなか掴みにくい物ではありますが、決してただのカルト教団の話しではなく、2重3重に落とし込む構図を作り上げています。一見カルトに見えるものでも、その実信者にとってはそこにしかいられない、かけがえの無い場所であることや、家族という監獄という関係性も特殊だけれどありえるのではないか?と。 宗教とは何か、救済とは何なのか、信仰のもたらすチカラと軽々しく扱えない人の心の行く先が気になる方に、オススメ致します。 | ||||
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最近は面白い小説に当たらずにすっかり小説の食わず嫌いになっていた自分だが、新聞の書評につられて手に取ってみた。 数ページで引き込まれ、下巻のラストまでほぼ退屈せずに読むことができた。 上巻ではもっぱら二人の失業者による宗教ビジネスの立ち上げ、それから思いの他とんとん拍子で拡張していく様を描写。下巻ではその劇的な衰退が描かれる。どっちの方向もできすぎ(たとえば何の信仰心もないはずの元役人は舌を巻くほどうまく教祖を演じ、信者側では勝手に奇跡のようなことが起こる)の感があるが、それは所詮「小説」だということで読者は納得するのだろう。実際には数年のスパンにわたるストーリーなののだが、主な出来事が凝集されているので上下にわたる長編だといってもさながらダイナミックなジェットコースターに乗っているように新興宗教体験(信者の側ではなく作り手の側から)ができる。 登場するキャラクター群もいわゆる「生きづらい系の」壊れかけた若者から孤独な金持ち、企業経営者まで多岐にわたり、それぞれのリアリティも伝わってくる。特に最後に残る五人の女性信者にはその狂信的な言動を超えて親しみを感じてくるほどだ。 また著者の仏教教義、儀式から法律、経営に関する素養、様々な土地の描写から確かな取材力とそれを物語の中での編集力もうならされる。 最後のくだりでは静かな感動さえ覚え、しばらくこの物語世界から離れることができなかった。お話の内容は全然ロマンチックではないのにね。。 こんな作家が日本にもいたんですね。今まで「直木賞作家」には裏切られてばかりいたので、素直に感動。 | ||||
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最近は面白い小説に当たらずにすっかり小説の食わず嫌いになっていた自分だが、新聞の書評につられて手に取ってみた。 数ページで引き込まれ、下巻のラストまでほぼ退屈せずに読むことができた。 上巻ではもっぱら二人の失業者による宗教ビジネスの立ち上げ、それから思いの他とんとん拍子で拡張していく様を描写。下巻ではその劇的な衰退が描かれる。どっちの方向もできすぎ(たとえば何の信仰心もないはずの元役人は舌を巻くほどうまく教祖を演じ、信者側では勝手に奇跡のようなことが起こる)の感があるが、それは所詮「小説」だということで読者は納得するのだろう。実際には数年のスパンにわたるストーリーなののだが、主な出来事が凝集されているので上下にわたる長編だといってもさながらダイナミックなジェットコースターに乗っているように新興宗教体験(信者の側ではなく作り手の側から)ができる。 登場するキャラクター群もいわゆる「生きづらい系の」壊れかけた若者から孤独な金持ち、企業経営者まで多岐にわたり、それぞれのリアリティも伝わってくる。特に最後に残る五人の女性信者にはその狂信的な言動を超えて親しみを感じてくるほどだ。 また著者の仏教教義、儀式から法律、経営に関する素養、様々な土地の描写から確かな取材力とそれを物語の中での編集力もうならされる。 最後のくだりでは静かな感動さえ覚え、しばらくこの物語世界から離れることができなかった。お話の内容は全然ロマンチックではないのにね。。 こんな作家が日本にもいたんですね。今まで「直木賞作家」には裏切られてばかりいたので、素直に感動。 | ||||
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