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虎と月
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虎と月の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.74pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全27件 1~20 1/2ページ
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良い子は読んでる中島敦『山月記』をモチーフ(オマージュ)とした作品。 『山月記』を読んでいないとハテナ?となるので、良い子じゃなかったならば、先に『山月記』を読むことをおススメする。 本作品は、李徴の息子が主役で、父にまつわる怪異譚の隠された真実を探る。対象となる読者は、良い子がちょっと大きくなったぐらいの年齢層だろう。 果して、息子は父と同じ運命を辿ることになるのか。本作品のオチは、そう短絡的なものではない。主人公の真実の求める旅は、本家(!)をも別な物語として塗り替えてしまうのだった。 | ||||
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この頃過去の名作や著名人のパロディ小説にはまっている。中島京子さんの「イトウの恋」などがそれだ。 そんな中でも柳広司さんの「黄金の灰」は、シュリーマンという人物のチョイスや文体のテンポが自分にとって心地よかった。 そこで、大きな期待を持って読み始めた本書。 裏表紙の煽りにも促され読み進めるも、ストーリーや描写が軽い印象。 「まぁこれからだろう」と思っていたかわ、残り20ページほどになると、だんだんと「あれあれ、、、」と。 そして、そのまま読了。 ミステリとしてのロジックも目新しかった。 「山月記」というテーマも良かった。 ただ、「物足りなさ」をつくづく感じた。期待が大きかっただけに、少し違和感が残る。 次は、パロディ小説ではなく、ストレートな小説を試してみようか。 | ||||
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10代向けにつくられたとのことなので、仕方ないかもしれないが、全体の文体が軽い。 死ぬかもしれない状況で切迫感のない主人公。 これで終わり?と疑わせるカタルシスの小さなオチ。 文庫版表紙の雰囲気や中島敦作品が題材ということで、期待しましたが、残念な内容でした。 | ||||
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中島敦という最高の素材、柳広司という一流のシェフ、それを使って作らせたのが、”お子様ランチ”とは! 私は40年間中島敦を愛読しています。そして柳広司の「ジョーカー・ゲーム」シリーズのファンです。才能溢れる二人の作家を登用してこんな中途半端な作品を作らせた出版社、編集者の見識を疑います。 万城目学は「悟浄出立」(cf「悟浄歎意」中島敦)を正攻法で記し、森見登美彦は自由奔放な発想で彼流の「山月記」を記しました。そして宮城谷昌光が「玉人」(cf「牛人」中島敦)を書き上げたように、柳広司にはもう一度本気で中島敦作品に挑んでもらいたいと祈念しています。また彼にリターンマッチの機会を与えるのが当時の編集者及び出版社の責務だと思います。 | ||||
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中島敦「山月記」を下敷きとした冒険物語だ。 「息子」が父親が虎になった理由を探し求めるストーリーで、そのなかでいろいろなひとたちと出会い、世の中の理不尽さや優しさを知っていく。 しかし、正直に言っておもしろいとは思えなかった。全体的に薄味だし、物語の抽象度が高すぎて、イマイチ入り込めない。 また、結末というか、トリックの部分も一般的ではない感じだし。 2014年には文春文庫になっている。 | ||||
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素晴らしい作品です。2時間で読めます。 私も著者と同じく、学生時代に書写をし、アラフィフの今でも、繰り返し読み、 小学生の息子にも読み聞かせています。風呂に風呂用書籍も買った程です。 最初は、原作通りの病的神経質なイメージと違い、違和感がありましたが、 李徴の妻のイメージを変えることで、大きく物語を作られていることに感心しました。 人によって確かに印象は変わりますよね。李徴ではなく実は、嫁さんが。。 本当に発想の転換です。漢文の知識もあるようで、勉強になり、楽しく読みました。 読後は、ほっこりした気持ちになります。子供にも読ませようと思います。 父親としても子供へのある意味、メッセージになる内容です。 森見某とは、全く違い、中島敦も喜んでいると思いますよ。 この本も、教科書の副読本になっても良いくらいです。久しぶりに感激しました。 | ||||
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歴史上の人物や文学作品を題材にした作者のシリーズの中では、中学生(の年齢)を主人公にしている点から、「漱石先生の事件簿(猫の巻)」に一番似た味わいの作品。本作の題材は中島敦氏「山月記」であり(漱石以外は初めてだろう)、主人公は「山月記」で"虎"となった李徴の息子(14歳)。この息子が父親が"虎"となった理由を探しに旅に出るという体裁の物語なのだが、様々な工夫で本作を楽しく、そして一段と優れたものとしている。 まず、原作が硬質の文体で、一種近寄り難い雰囲気を醸し出していたのとは対照的に、14歳の少年の一人称という体裁から文体が平易で、容易に感情移入出来る内容となっている。この少年の冒険談と謎解きとを巧みに絡ませている点も絶妙で、読む者を自然と物語に惹き付ける。加えて、謎解きの元ネタが原作のみに依存している点も評価できる。 また、「安禄山の乱」を初めとする原作が背景にしている唐のこの時代についての解説が加わっている点も本作の奥行きを深めており、更に、この背景が謎解きと密に関係しているのだから、まさにアクロバティック的手法と言える。作品全体を通して、"言葉"の大切さと共に、"言葉"が意味するものが画一的ではなく、多様性を持っている事を主張している点も共感が持てる。一見10代の若者向けの作品の様に見えるが、大人が読んでも十二分に楽しめる秀作と言って良いのではないか。 | ||||
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著者の柳広司さんは、1967年三重県生まれ、歴史上の人物や文学作品をミステリーと融合させた作品を得意とされているようです。 本作品もその路線に沿った作品で、中島敦さんの短編「山月記」の後日譚といった趣の作品になっています。 中島敦さんの「山月記」は、唐の時代、秀才の誉れ高い李徴主人公です。李徴は若くして、科挙の試験に合格し、役人になりますが、 その身分に満足できず、職を辞し、詩人として名を成そうとします。しかし、そうは上手くいかず、再び小役人の生活に戻ります。 しかし、その屈辱的生活に耐えられず、突如、山のほうに向け出奔し、そのまま行方をくらまします。 一方、科挙時代からの親友、袁'は官吏として旅をする途中、虎になった李徴と遭遇し・・・・・ 柳さんは、李徴の残された14歳の息子を主人公にして後日譚を書き上げています。 いつかは自分も父と同じように虎になってしまうのではないか、と悩む息子は、唯一、相談できる袁'のもとに赴きます。 しかし、袁'は留守で、仕方なく、父が虎になった姿を目撃された、商於に出向いて、その真相を確かめようとします・・・・・ 本書は、あとがきにもあるように「ミステリーYA!」シリーズ(理論社)の1冊として、ヤング・アダルト向きに書き下ろされました。 しかし、一般の人が読んでも十分面白く読めると思います。 漢詩の押韻といった知識も必要ですが、途中から意外な展開の連続で、ほのぼのとした恋も絡み、最後は、リドル・ストーリー風のエンディングになっています。 しかし、さすがにこの展開にはかなり無理があります。 「山月記」は、李徴がなぜ虎にならざるを得なかったか、その経緯が順を追って述べられていて、一つの完結した名作になっています。 したがって、逆説的になりますが、「山月記」をよく知らない人ほうが、本作を面白く読めるのではないかな、と思います。 何はともあれ、文庫化され手軽に読めるようになったのは、嬉しい限りです!! | ||||
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人間性を広げるうえで大変ためになりました!やはり活字を読むのは大事ですんね! | ||||
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島田雅彦がNHKで語っていた、名作はリサイクルすべき、とは「山月記」にも当てはまっていたんだ。これはヤラレたと思った。「山月記」はすでに中国の物語をリサイクルしているものだ。だからまさかの再リサイクルとは思ってもみなかった。しかし、その後どうなったか、という思いを抱いた人は案外少なくなくいるのかもしれない。「羅生門」だって、その後、男はどうなったのかと、授業で考えさせられたりする。それをプロの作家は、一つの仮定を提供してみてくれたわけだ。 「虎と月」はその他にも読んでみる効用がある。原作のあらすじをかいつまんで述べてくれている。漢詩の解釈もわかりやすい。それどころか、漢字、漢詩の見方を変えてくれる。そういうこともあるのかと。 もちろん、ミステリーだから一回読めば終わりにしてもいいが、そうでなくても一回読めば十分と思われる本書であるが、それでも発想のヒント原典の調理の仕方を、たくさん教えてくれるということでお薦めの一書だ。 | ||||
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こんな感じ、他ではなかなか味わえませんよ〜。 ほろりとした甘酸っぱさにひたりつつ、 妙に哲学的な気分にもなれる、 ・・・とにかく不思議な物語なんです。 ちなみに、“「山月記」の後日談” っていう位置づけではあるけど、 世界観はまるでベツモノ。 「山月記」は人間のエゴとプライドみたいなものを深くえぐるような鋭さがあって、 その痛さが忘れられない読後感をもたらしてくれるけど、 こっちはファンタジーめいた少年の成長記、といった感じかな。 主人公の妙にドライな葛藤に共感しちゃって、 ラストではホロリとさせられました。 ただ、一見普通の「冒険成長モノ」なのに、 裏テーマを仕掛けてくるのが柳さんのすごいところ。 人間にとって”言葉”とは何なのか、 文字の力とはどれほどのものか。 これは、そんな深遠な問いを投げかけてくる奥深い物語でもあるのです。 ストーリーのカギを握るのもずばり「言葉の力」。 言葉は”ただそこにある”だけだけれど、 使う人によって輝きも鈍りもするということ、 世界の概念を作るのも、 人と人をつなぐのも”言葉”だけなんだということを、 改めて思い出しました。こんな感覚、高校生のとき以来だよ(笑)。 でも、難しい話は抜きにして、 読んだあとはどこかホンワカ、 大切な人にたまには「言葉」で思いを伝えてみるのもいいかナアとか、 ふとそんなふうにも思えたり。 摩訶不思議なあったかさに心が包まれる、 心に優しい一冊です。 | ||||
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まさか山月記がミステリーになるとは、ねえ。 しかも面白いんだまたこれが。キタコレ。 高校の国語の教科書に載っていた山月記。なぜか心惹かれたのを覚えている。 理系だったせいか、漢文の論理性や漢詩の韻は面白かった。しかし句読点が無いことや、現代の意味とは異なる意味で使われる文字があることなどから、時として漢文の解釈は人によって大きくことなることがある。 その辺りを絡めて父が虎になった理由にその子が迫るミステリー。中学生ぐらいがターゲットの本なのかなあ。 他にもマルコ・ポーロやザビエル、ソクラテスを題材にしたミステリーを書いている柳広司という作家を知ったことが第2の収穫だ。 | ||||
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まさか山月記がミステリーになるとは、ねえ。 しかも面白いんだまたこれが。キタコレ。 高校の国語の教科書に載っていた山月記。なぜか心惹かれたのを覚えている。 理系だったせいか、漢文の論理性や漢詩の韻は面白かった。しかし句読点が無いことや、現代の意味とは異なる意味で使われる文字があることなどから、時として漢文の解釈は人によって大きくことなることがある。 その辺りを絡めて父が虎になった理由にその子が迫るミステリー。中学生ぐらいがターゲットの本なのかなあ。 他にもマルコ・ポーロやザビエル、ソクラテスを題材にしたミステリーを書いている柳広司という作家を知ったことが第2の収穫だ。 | ||||
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『山月記』が好きなので、読んでみたけれども、正直台無し感でいっぱいだった。 話は単純で、結末を知ってしまえば、もう手に取ることのない部類の本だと思う。 謎解きの好きな人は、漢詩を読み解くあたりはたまらないのかもしれないけど、『山月記』の好きな人にはお勧めできません。 | ||||
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理論社のミステリーYA!シリーズの一冊。 中島敦の『山月記』を題材にした中高生向けの小説だけど、流石、柳広司だけあって、よく出来ている話に仕上げている。 虎となった主人公の息子が10年後にその謎を追い求めるというもので、事件らしいものはほとんど起きないが、『山月記』の雰囲気を壊さず、味わい深いものなっている。 『山月記』といえば、高校時代に現国の授業で読んだきりだが、その授業で「なぜ主人公は虎になったのか」という先生の質問に答えたら、笑われたのを思い出す。あのときは、虎になったのは決して悲しむべきことではなく、むしろ主人公は望んで虎になったのではないかと思ったのだ。今でも、決して間違いじゃないと思うんだけど...たしかに著者の意図したのとは違うかもしれないが。 この本を読んだら、20年ぶりにそのことを思い出した。柳広司もあの『山月記』を読んでいろんなこと想像したんだろう。それがこの作品に結実した。とても面白かった。 | ||||
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『山月記』が好きなので、読んでみたけれども、正直台無し感でいっぱいだった。 話は単純で、結末を知ってしまえば、もう手に取ることのない部類の本だと思う。 謎解きの好きな人は、漢詩を読み解くあたりはたまらないのかもしれないけど、『山月記』の好きな人にはお勧めできません。 | ||||
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理論社のミステリーYA!シリーズの一冊。 中島敦の『山月記』を題材にした中高生向けの小説だけど、流石、柳広司だけあって、よく出来ている話に仕上げている。 虎となった主人公の息子が10年後にその謎を追い求めるというもので、事件らしいものはほとんど起きないが、『山月記』の雰囲気を壊さず、味わい深いものなっている。 『山月記』といえば、高校時代に現国の授業で読んだきりだが、その授業で「なぜ主人公は虎になったのか」という先生の質問に答えたら、笑われたのを思い出す。あのときは、虎になったのは決して悲しむべきことではなく、むしろ主人公は望んで虎になったのではないかと思ったのだ。今でも、決して間違いじゃないと思うんだけど...たしかに著者の意図したのとは違うかもしれないが。 この本を読んだら、20年ぶりにそのことを思い出した。柳広司もあの『山月記』を読んでいろんなこと想像したんだろう。それがこの作品に結実した。とても面白かった。 | ||||
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あの「山月記」の続きということですが、作者が違い、時代が違い、ジャンルが違うのでどうかなあ・・・と思いつつ読んでみました。 結論としては、私はそんなに楽しめませんでした。あの重厚な作品世界やテーマという点で中島敦が好きな方には微妙かも。パロディですから。作品のディテールは継承されているけれど、テーマはまったく違うし文体も軽い。ただ、山月記からの引用や教科書でおなじみの漢文作品からの引用がたくさんあってパロディ的に漢文世界が楽しめるので、中高生や国語の授業を懐かしむ向きにおすすめできるでしょう。謎解きであっと驚く方もいそうなので星三つにします。 | ||||
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あの「山月記」の続きということですが、作者が違い、時代が違い、ジャンルが違うのでどうかなあ・・・と思いつつ読んでみました。 結論としては、私はそんなに楽しめませんでした。あの重厚な作品世界やテーマという点で中島敦が好きな方には微妙かも。パロディですから。作品のディテールは継承されているけれど、テーマはまったく違うし文体も軽い。ただ、山月記からの引用や教科書でおなじみの漢文作品からの引用がたくさんあってパロディ的に漢文世界が楽しめるので、中高生や国語の授業を懐かしむ向きにおすすめできるでしょう。謎解きであっと驚く方もいそうなので星三つにします。 | ||||
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中国昔話とでもいうような簡素な文体で、一編の七言律詩をめぐった謎解きが描かれている。この律詩は中島敦の「山月記」に、実際に登場する。 リアリズムを排し、時代背景も情景も簡略化されている。文章自体の完成度や、不条理に身を置く心情の描出が魅力の山月記とは、大きく趣を異にする。 | ||||
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