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(短編集)
人喰いの時代
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人喰いの時代の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.14pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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Reader Store版で再読。 盧溝橋事件前夜の小樽を舞台にした連作推理短編。ネタバレになるので具体的には書けませんが、 連作短編なりの仕掛けもちゃんと仕込んであります。 探偵小説的には各話はちょっと薄口かな。どちらかというと、探偵小説すら書けない時代へと なだれ込んでいく世相が主役になっているように見えます。 それにしても、山田正紀氏はこの「世相」を本当に何十年も倦まず弛まず描いていますね。 その熱さだけでも圧倒されるものがあります。 この世代の作家がいなくなる時、戦後は最終的に終わるのでしょう。 | ||||
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終章はとりあえず措いといて、 「人喰い雪まつり」が良かったのではないかと思う。 特高の逆説的な脅しと母親から毎晩昔話を きかされていた被害者の娘の行動が奇妙な死体発見現場を 生み、拷問の痕跡がない状況が謎として残り、霊太郎が 事件を解き明かす傑作であり、回想形式で何かしら哀感をも 漂わせている。 終章は現在と過去の事件を交錯させながら進行し、これまでの チャプターを一気にまとめあげる。 過去に関しては特高なる権力への反発もさることながら、 それ以上に、こすからい資本家に対する憎悪を感じさせる。 その象徴である藤子義三を射殺せんとする秀助をひきとめた 霊太郎はまったくのリベラリスト、本物の遊民なのだと 再認識させられる。 現在の事件で推理の誤りを霊太郎に指摘され、やさしく諭された 秀助はやっと過去の桎梏、権力や資本家に対する恨みから 解放されたようである。 | ||||
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