■スポンサードリンク
(短編集)
人喰いの時代
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
人喰いの時代の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.14pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
★★★☆☆ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
1999年一刷発行。私が読んだのは2014年七刷。けっこう売れているんだ! それは大いにけっこうなんですが、本編でも解説でも誤植や脱字がそこかしこにあります。出版社は増刷の際に直さないのでしょうか。著者、解説者にメールで確認取るだけだと思うのですが…。 なお本書の単行本初刊は昭和も終わり近い1988年。5000円札一枚で買収されるアパートの管理人の金銭感覚に時代を感じさせられるのであります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
Reader Store版で再読。 盧溝橋事件前夜の小樽を舞台にした連作推理短編。ネタバレになるので具体的には書けませんが、 連作短編なりの仕掛けもちゃんと仕込んであります。 探偵小説的には各話はちょっと薄口かな。どちらかというと、探偵小説すら書けない時代へと なだれ込んでいく世相が主役になっているように見えます。 それにしても、山田正紀氏はこの「世相」を本当に何十年も倦まず弛まず描いていますね。 その熱さだけでも圧倒されるものがあります。 この世代の作家がいなくなる時、戦後は最終的に終わるのでしょう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
終章はとりあえず措いといて、 「人喰い雪まつり」が良かったのではないかと思う。 特高の逆説的な脅しと母親から毎晩昔話を きかされていた被害者の娘の行動が奇妙な死体発見現場を 生み、拷問の痕跡がない状況が謎として残り、霊太郎が 事件を解き明かす傑作であり、回想形式で何かしら哀感をも 漂わせている。 終章は現在と過去の事件を交錯させながら進行し、これまでの チャプターを一気にまとめあげる。 過去に関しては特高なる権力への反発もさることながら、 それ以上に、こすからい資本家に対する憎悪を感じさせる。 その象徴である藤子義三を射殺せんとする秀助をひきとめた 霊太郎はまったくのリベラリスト、本物の遊民なのだと 再認識させられる。 現在の事件で推理の誤りを霊太郎に指摘され、やさしく諭された 秀助はやっと過去の桎梏、権力や資本家に対する恨みから 解放されたようである。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
昭和初期を舞台に、放浪する二人の若者が殺人事件に遭遇、または関与するストーリー。 時代を跨って描かれているため、短編をこま切れで読むとちょっと時代がわからなくなることがあった。 内容は絶賛するほどではないが、つまらなくもないといった印象。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「人喰い船」、「人喰いバス」、「人喰い谷」、「人喰い倉」、「人喰い雪まつり」、「人喰い博覧会」の6つの作品から構成される連作短篇集。作中でワトソン役(以上だが)を務める秀助なる人物が、昭和60年代の時点で、太平洋戦争直前の陰鬱なムードが漂う時代を背景に、霊太郎という風変わりな探偵役(本人は人間心理研究家と称している)と共に関わった事件を回想するという体裁で描かれる。 最初の5つの短編の出来がミステリ的に余りに稚拙かつ不自然なのだが、それを最終短編で説明するというのが趣向。しかし、これ位の発想は平凡に堕しており、作者の書き方次第で"どうとでもなる"ものなので、ミステリ的には全く興を覚えなかった。作者は本作を「探偵小説」として執筆した由だが、それなら完全な失敗作だろう。 むしろ、特高を初めとする往時が産んだ唾棄すべき権力体制・思想統制に対する舌鋒の鋭さの方が印象に残る(小林多喜二「蟹工船」が何度も引用される)。表題が「この時代に多くの無辜の人々が喰われてしまった」という意味なら、それなりの意義があると思うのだが......。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
地味だわ。山田正紀はSFは派手だが、ミステリは地味だと思っていたけど、ミステリ・デビュー作から、そうだったのか…… 何か納得。内容は終章も含めてフェアでわかりやすい(誰でも謎解きを楽しめそう)。宝石泥棒2をSFMで飛ばし読みして以来、山田正紀は頭悪いんじゃないかと思っていたが、だからこそ(正しい知識の多い所謂そのタイプの頭の良い人にはできない)奇抜な発想や愚直ともいえるミステリが書けるのだろうと思う。 ジャンルで、とりあえず読むものなくなったら、また読もう。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!