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(短編集)
人喰いの時代
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人喰いの時代の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.14pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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「人喰い船」、「人喰いバス」、「人喰い谷」、「人喰い倉」、「人喰い雪まつり」、「人喰い博覧会」の6つの作品から構成される連作短篇集。作中でワトソン役(以上だが)を務める秀助なる人物が、昭和60年代の時点で、太平洋戦争直前の陰鬱なムードが漂う時代を背景に、霊太郎という風変わりな探偵役(本人は人間心理研究家と称している)と共に関わった事件を回想するという体裁で描かれる。 最初の5つの短編の出来がミステリ的に余りに稚拙かつ不自然なのだが、それを最終短編で説明するというのが趣向。しかし、これ位の発想は平凡に堕しており、作者の書き方次第で"どうとでもなる"ものなので、ミステリ的には全く興を覚えなかった。作者は本作を「探偵小説」として執筆した由だが、それなら完全な失敗作だろう。 むしろ、特高を初めとする往時が産んだ唾棄すべき権力体制・思想統制に対する舌鋒の鋭さの方が印象に残る(小林多喜二「蟹工船」が何度も引用される)。表題が「この時代に多くの無辜の人々が喰われてしまった」という意味なら、それなりの意義があると思うのだが......。 | ||||
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