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(短編集)
明治断頭台
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【この小説が収録されている参考書籍】
明治断頭台の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.48pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全29件 1~20 1/2ページ
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『警視庁草紙』の前日譚……といいましょうか、プロトタイプ? 警視庁の創設以前、弾正台の大巡察を務める香月経四郎と川路利良のコンビが奇怪な事件の数々の捜査に当たるという基本パターンの連作短編ミステリであります。白人美女に巫女のコスプレをさせて探偵の役まわりで霊媒をやらせるなんてアイデアを1970年代に考えついたのだから、凄いよ、山風先生! 天才か? それとも、変態なのか!? 実在の有名人(河上彦斎やら高橋お伝やら)が次々にゲスト出演する展開は楽しいものの、それぞれのお話運びは強引だし御都合主義だし粗が多いしで、何だか残念な出来だなあと思っていたら……最終話でひっくり返した! ゆるーく繋がった連作短編ミステリの結末で、個々の独立したエピソードの中に隠された真相が明らかになるという展開は現在でこそ「お約束のパターン」ではあるものの、いったいいつから始まったものなのでしょうか? 振り返ってみると『妖異金瓶梅』やら『おんな牢秘抄』やら、山田風太郎先生にはこのパターンの作例が多かったですね。「お約束」を始めたとはいわないまでも、「お約束」を布教する上で大いに影響があった功労者の一人に挙げてもよろしいのでは。 『警視庁草紙』では怪物的な大物官僚だった川路利良も、本作ではまだまだ実直な現場の一捜査官。あれもこれもと欲張りすぎて、歴史の流れに呑まれた感がある『警視庁草紙』と比較して、歴史を素材にしたエンターテインメントとしてはこちらの方がシンプルに楽しめました。 | ||||
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「魔界転生」や「甲賀忍法帖」などで有名な山田風太郎による、明治初期の混乱期を舞台とした歴史時代ミステリー。連作短編集ではあるが、全体を通してひとつの長編ともなっている。 役人の不正や汚職を摘発する、警察の原型組織に所属する川路利良らが、謎のフランス人美女らの手を借りて不可能状況による殺人事件を鮮やかに解決していく。事件のひとつひとつに大仕掛けのトリックが用意されているし、物語終盤にはその奥に隠された意外な真相が明かされ驚かされる。 当時の街並みや暮らしぶりなど、明治初期の雰囲気が伝わる描写がよいし、主要キャラ・端役を問わず歴史上実在した偉人・有名人が意外なかたちで登場するのも楽しい。ラストには手に汗握るクライマックスも用意されていて、サービス満点のエンタテイメントである。おすすめ! | ||||
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未だ読書完了とはなっておりませんが、本のあらすじから興味深いとおもわれます。 | ||||
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維新の初めに宮家側と武家側の思想の違いははっきりしていた、実務を重視する政府のほうが西洋を 理解していたが、なぜか過激に復古を主張するフランスに遊学した武士が狂言回しになっている。 フランスを見たから復古派になったかということには触れられていないが。。。 著者の明治物として最上とは言えないがからくり、仕掛けはさすが風太郎。 明治はすっかり時代劇になったんだなという印象、著者の不戦日記をよめば 彼の冷めた目と読み物だから面白くなければという奇想も理解できるような気がする。 | ||||
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明治もので本格的な小説でした!! 意外なコンビの活躍がクセになる異色の物語です!! なぜかフランス人女性が出てきて物語たりのキーマンに!! あまり言うとネタバレしてしまうのでここまでにしておきますが好きな小説でしたね(^○^) | ||||
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登場人物に実在のものを出した(川路利良)ということで、現実にこんなことがあったかもしれないという臨場感が溢れています。まあ、本当の事件はまた違ったんだ展開をしていたのかもしれませんが。それにしてもこのトリックというか、筋書きが、たとえフィクションであったとしても抜群に面白い。途中で止めることが困難になり兼ねません。最後の結末がまた予想外でびっくりしました。これ以上話すよりは読んでみて下さい。 | ||||
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与那覇潤さんが薦めて読んだけど、もう1つの「秘本三国志」(陳舜臣)の方が面白かった・・。むやみに歴史上の登場人物を登場させる手法は、「島津戦記」(新城カズマ)で感じたけど、僕はあまり好きでないのかもしれない・・。 | ||||
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う〜ん、ラストは無念に感じた。組織に所属しているものは空気(上司の意向)を読み理不尽なことも受け入れてゆかねば浮いてしまい、頑固者(真面目君)として孤立していくのだろうか。私自身も会社では馴れ合いな人間関係を嫌い、どの派閥にも所属しないので、主人公経四郎の気持ちがわかる!!! | ||||
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擦り傷やへたり・汚れ等もなく綺麗な状態で届いたので大満足です。 | ||||
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明治維新直後の東京を題材にしたミステリー. 官僚にまつわる事件を暴いていく連作ミステリーの体裁で 福沢諭吉や西郷隆盛,内村鑑三など歴史上の人物が多く登場する. 一見バラバラな事件の連続で,それぞれに意外な真相が暴かれるのであるが, 最後にはある目的を持った1人の真犯人による企てであることがわかる. この真相はなかなか意外であり,それも単なる意外性だけでなく, 歴史背景に基づいた動機と,そのような人物像の描き方にもうならされる. 歴史が好きで,ちょっと変わったミステリーを読みたい人にはお勧め. | ||||
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角川文庫・山田風太郎著『山田風太郎ベストコレクション 明治断頭台』のレビュー。 2014年5月読了。 主人公は、川路利良と香月経四郎。 川路は、例えば司馬遼太郎の『翔ぶが如く』にも登場する歴史上の人物だ。 弾正台大巡察たる川路の描かれ方については、『翔ぶが如く』でのイメージがあったので新鮮だった。 香月経四郎は、佐賀藩にいた実在の人物「香月経五郎」の兄という設定の架空の人物。 フランスの美人巫女エスメラルダも架空の人物だが、福沢諭吉や河上彦斉・高村光雲ら明治期の実在の人物も多数登場する。 弾正台≒断頭台≒ギロチンがキーワードになった連作ミステリ。 個人的にはミステリの“仕掛け”はシンプルなものが好きなのだが、本作はかなり凝っている。 それは、時代背景と相まって「凝り過ぎなんじゃ?」と思う箇所もあった。 そのあたりが山田風太郎と言われればそうなだのだが・・・。 帯やカバーに書かれた「驚愕の結末に括目せよ!」とか「驚天動地のラストが待ち受ける」とかいうのは、俺には大げさに思えたけれど、明治開花期の雰囲気は伝わってくる小説だ。 | ||||
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まさに山田風太郎の世界に包まれる。実際に明治に活躍した人々の間を埋めるように嘘がちりばめられていきワクワクしながら読み進んでいけます。美女が解明するなぞの事件。そして最後にはあっと云うどんでん返し。本は面白くなくちゃ~ | ||||
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明治初頭、役人の不正を糺す機関、弾正台。 大巡察というポストの香月経四郎と川路利良が活躍する 連作探偵譚ですが、方法が一風変わっていて、 以前、経四郎がフランス逗留中にギロチン発案者の末裔エスメラルダと 知遇を得、処刑装置の輸入とともに彼女まで日本についてきて、 そのエスメラルダが巫女姿となり、屍体の霊魂を呼び寄せ、 イタコ状態で殺人事件の詳細をあばく奇想天外な展開を見せます。 事件は五つあり、核心につながる手がかり・動機は読者に示される。 周辺的な事情のある部分は公開され、別の部分は巫女の言葉でいきなり 開示されます。 だから、詳細は無理でも、あらかじめ真相の骨組みだけは読者に 霞んで見えてくるようになっている。 エスメラルダは、物語の戯画化のための、あるいは構成上の 奇矯な手段に過ぎない。 つまり、こんなキャラを使わず、経四郎がやれば事足りるのだが、 彼女を持ち込むことにより、ストーリーに珍奇な清澄感と諧謔を与える。 そしてクライマックスに向けての布石でもある。 終章のどんでん返しは、推理小説の醍醐味のほかに、川路利良と 真っ向から対立する経四郎の政治的見解が改めて強調され、 興味深いところである。 ※ 写真・自己紹介は無視して下さい | ||||
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山田風太郎氏の作品は「人間臨終図鑑」や「不戦日記」は読んでいましたが、 小説はこれが初めてです。 まず、舞台設定や人物が素晴らしい。荒唐無稽な部分もあるのですが、そういった 部分も含めフィクションとノンフィクションを織り交ぜた設定の妙というか、 当時の歴史、人物に造詣の深い山田風太郎氏ならではの世界観だと思います。 正直、推理小説としては各話のトリック部分が弱く、口寄せによる謎解きという方法にも 疑問を感じたのですが、最後のどんでん返しでそれらの疑問も一気に氷解します。 なお、本の内容とは関係ありませんが、個人的な趣味で言えば、南伸坊氏の カバーイラストは作品とあまりあっていない気がします。 この時代の筑摩はなんでもかんでも南伸坊氏を起用し過ぎです。 | ||||
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維新直後の日本については知らないことが多いのですが、ちょうどこのころを舞台にした推理小説でした。 そういう意味でも面白いのですが、推理小説としてのできも素晴らしいです。 いい本を読んだという充実感があります。 | ||||
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主人公の一人<川路利良>は、同じ作者による傑作明治小説「警視庁草紙」では、同郷の偉人西郷隆盛を敬い従う権謀術策に長けた初代警視総監として描かれていますが、本作品では、意外に情に篤く愚直な面も持ち合わせた不器用な薩摩人というふうに描かれているのが興味深いところです。 「警視庁草紙」に登場する<川路利良>をあまり好きになれなかった読者の中には、本作品を読んで彼に対する見方が変わったという方たちも多いことでしょう。 ストーリー自体は、明治草創期に起きた難事件、怪事件を「弾正台(政府の内部調査機関)」に所属する二人の有能な大巡察(警部クラスの警察官?)がどのように関わり解決していくかという筋立てですが、最終章のドンデン返しへ導くための短篇ミステリー・アンソロジーの体裁が採られています。 風太郎文学にはお馴染みの、歴史上の人物をまるで実際に見てきたかのように描写する著者の優れた文章力と豊かな想像力は、本作品においても如何なく発揮されており、毎度の如くただただ感心するばかりです。 | ||||
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J・D・カーやチェスタトンをも上回る奇想天外なトリックを駆使した不可能犯罪ミステリの一大傑作。 特に「怪談築地ホテル館」の凶器トリックは古今東西のミステリの中でもその豪快さにおいて無双。 明治物にして、著者のミステリとして『妖異金瓶梅』とならぶ最高作。 結末には驚天動地の驚きと奇妙な哀感に満ちた幕切れが待ちうける・・・。 本当は何も考えず「黙って読め」と言えばすむ一冊。 | ||||
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太政官弾正台、台巡察使香月経四郎、おなじく川路利良、仏国人の金髪美女エスメラルダの三人は 新政府の統治定まらぬ明治初頭の新東京を舞台に、次々と難事件のトリックを暴き解決してゆく。 まさに翁の面目躍如。「奇想天外」「痛快無比」のおもしろさである。 ある意味、翁の師である乱歩を超えたかもしれない。 さらに豪華絢爛の脇役陣、ローマ字のヘボン、キリスト者内村鑑三、毒婦高橋お伝、言文一致の二葉亭四迷。 しかしその登場には翁の「品行方正」がうかがえる。 「歴史的事実から鑑みて、そこにいる可能性のないものは絶対出てこない」のである。 | ||||
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私は山田風太郎作品の中でも、明治シリーズ?が殊更好きだ。この作品は中でも逸品だと思う。明治という混沌とした時代を舞台にしたからこそ書けるミステリーに違いない。そこかしこにちりばめられた様々な伏線すら、最後の大どんでんのカタストロフの為のエッセンスに過ぎなかったと思い知らされた時、まさに溜め息すら忘れる心地がする。山田風太郎の真骨頂がここにある。かように大好きな明治シリーズなのに、殆どの作品が品切れ状態で入手不可能なのが非常に残念!出来れば、また是非どの出版社でも良いから、この明治シリーズを再び世に出して下さることを切望している。 | ||||
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私は山田風太郎作品の中でも、明治シリーズ?が殊更好きだ。 この作品は中でも逸品だと思う。 明治という混沌とした時代を舞台にしたからこそ書けるミステリーに違いない。そこかしこにちりばめられた様々な伏線すら、最後の大どんでんのカタストロフの為のエッセンスに過ぎなかったと思い知らされた時、まさに溜め息すら忘れる心地がする。 山田風太郎の真骨頂がここにある。 かように大好きな明治シリーズなのに、殆どの作品が品切れ状態で入手不可能なのが非常に残念!出来れば、また是非どの出版社でも良いから、この明治シリーズを再び世に出して下さることを切望している。 | ||||
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