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風少女
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風少女の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.09pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 21~23 2/2ページ
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正直なとこ、これならデビュー作のほうが良かったと思う。会話のキレの良さや、ハードボイルドっぽい自嘲的な言い回しは相変わらずだと思ったが、どうも本書に登場する人物たちに魅力を感じなかった。だが、悪いところばかりでもない。本書はミステリの出来としては第一作をはるかに上回っている。ヒロインの死というやるせないシチュエーションもそれなりの効果を上げている。これは、本来ならあってはならないことだ。ヒロインが死んでしまうなんてとても辛い状況ではないか。しかし、本書はそこから出発しているのだ。このスタイルは斬新。無残な格好で殺されているヒロインなんて、あまりにも悲惨すぎる。だが、そこで浮き彫りにされるヒロインの人物像が納得いかなかった。そう思ってしまうと主人公である斎木もその他の人物もみな精彩に欠けるように思えてきてしまった。 と、好き放題書いてしまったがこれは樋口作品としてみた場合の話である。あの樋口有介だからこそ、大きな期待をかけすぎた結果こういう評価になってしまったというわけなのだ。だから、作品としての完成度はそこそこだと思う。ぼくとしてはもっと樋口テイストを満喫したかったのだ。この人はそれだけ特別な作家ということなのだ。言いかえるなら「ぼくと、ぼくらの夏」がそれだけ鮮烈な印象を与えた作品だったということなのだ。 | ||||
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最近、再評価の機運が高まっている樋口有介のデビュー2作目。 最近次々文庫で再発された柚木草平シリーズのファンならば、彼のおなじみの世界がこの作品にも瑞々しくあらわれているのに気づくと思います。 この作品の主人公は<永遠の38歳>こと柚木草平ではなく、21歳の大学生ですが、まるで草平を若返らせて少しシャイにしたみたい。お洒落でさわやかな会話が印象に残ります。 それほど深みがあるわけではないですが、吹き抜ける風のように、静かだけど強い印象を残す作品になっています。 かつての同級生が死に、その謎を主人公が解くために自分たちの過去に向き合う。 甘酸っぱさと切なさと、そしてほろ苦さ。 このモチーフは樋口氏が手を変え品を替え、書き続けているテーマですね。 これはその原点であると同時に、素晴らしい完成度を誇る傑作だと思います。 特に、筆者の文章のうまさ(決して美文家というわけではないですが)には目を見張りました。舞台である前橋に行ってみたくなります。 | ||||
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一応,ミステリですが,事件の真相などはおとなしめです. また,小気味のよい会話もカッコよく楽しめはするのですが, 21歳という主人公の年齢から考えると,やや違和感があります. ただ,同級生たちとの微妙なやり取りや,初恋の女性など, ミステリというよりは,むしろ青春物語のような印象を受け, さらに,方言や情景と,冬の地方都市の様子はしずかで美しく, その数日間に起きる恋の物語には,切なくて心をくすぐられます. ほかにも,法月綸太郎氏の巻末解説もていねいですし, 単行本刊行時の思い出などをつづったあとがきとともに, 本編を含めて,本当に『最後』まで楽しめる作品でしょう. | ||||
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