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呼人
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呼人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.63pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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小学校最後の夏休みに自分たちで作った秘密基地で無邪気に遊ぶ仲良し3人組、秀才の潤、 スポーツマンの厚介、そして本作品の主人公呼人(よひと)。彼らのマドンナ小春が家出したのを 追いかけて多摩の山奥に探検に出かける3人。まるで「スタンバイミー」のような光景だ。 だが、この呼人には大きな秘密がある。成長しないのだ。145cm、32kgで成長が止まっている。 そして、その意味するところは、彼は老うこともなく、死ぬこともない。この日本流 「スタンバイミー」は大きなテーマとして神の存在を抱えながら、地球規模で展開して行くことになる。 些か荒唐無稽な感はある。自分をこういう体にした母親を求めて呼人は、アメリカ、欧州に 旅に出る。人間誰もが求めて来た不老不死は決して本人には幸せであるとは限らないこと、 本当の幸せの意味とは何かということを深く流れるテーマにしながら、この作品はやはり エンターテインメントとしての味付けをたっぷりと施されて、読者に読ませる。この作品は1999年に 単行本として刊行された。だが、本作品の中で近未来として描かれる多くの事件の中で、 大きなテロのうねりや原子力発電の事故の様子が実に生々しく描かれている。まるで2001年の WTCビルの同時テロ事件や、東北大震災時の原発事故を予期していたかのような描写だ。 野沢は2004年に自死を遂げるが、惜しい才能を失ったと今でも思う。 | ||||
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1973にうまれる。12歳で、成長が止まる。 1985年から物語がはじまる。 潤、厚介そして小春。4人を中心として物語が進む 1985(12歳);1992(19歳);1999(26歳); 2005(32歳);2010(37歳) 潤はアメリカの大学に行き、そして、銀行のトレーダーとなる。 厚介は、自衛隊に入りそして、特殊工作をうけ、北朝鮮にはいる。 片足が吹っ飛んで、帰ってくる。 小春は、伝説的な存在となり、妻子ある男と結婚するが結果別れてしまう。 なぜ、成長がとまってしまったのか。「遺伝子操作」 母親探しをする。 新左翼、「日本赤軍」、イスラム原理教。 あつかう話題は広く、そして、成長がとまることへの恐れ。 | ||||
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国際的テロリストの母、製薬会社の研究者の父により、 12歳のままで、彼が望む限りの永遠の生命を持ってしまった呼人くん。 呼人くんも戸籍上は年を取るわけで、大学も出て就職もします。 でも心も身体も12歳のまま。 小学校の同級生の潤くん、厚介くん、小春ちゃんがそれぞれに 進学、就職、結婚、離婚などしていく中で、12歳の視点でみんなを励まし見守っている。 自分の持つ≪永遠≫の意味とは何なのか。 母親が望んだのは、世界の終わりを見届ける神のような存在なのか、 ただ自分の子供を愛し、長生きして欲しいと願っただけなのか。。。 いろんな世代の人に読んでほしい作品です。 12歳の自分が読んだらどう感じたんだろう… | ||||
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この作品は他のものと比べて異色ではないかと思った。出だしは青春小説、中盤で得意のサスペンスの色が強くなり、恋愛は少しだけ。成長が止まるというファンタジーを読みながら感じた感覚は、村上春樹。でもこれらが淡々と続き、野沢尚のものにしては起伏がゆるいまま終盤へ。しかし、最後に一転抑えていた感情が噴出す。それまでのすべてが伏線だった。さすが。 | ||||
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読み始めはまさにスタンドバイミーで、少し肌に合わないと感じていたのですが、作中で年月が流れるにつれ、どんどん引き込まれていきました。 手に汗握る自衛隊の独白はエンターテイメントとしてとても読み応えがあります。 「不老」の恐怖、「成長」の恐怖が相対的に書かれ、グローバルな視点からの史実も加わって、重厚な物語になっています。 当時書かれた近未来予想を今と比較しながら読んでみるのも面白いかも。 | ||||
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夏休みを謳歌するごく普通の少年だった。 ところが、12歳を境に少年の成長が止まる。 少年の真の母親の秘密...それを知る育ての親。 呼人の自分探しと母親探し、仲良し3人組の潤、厚介のその後の人生、そこに小春の存在が相まって物語りは進んでいく。 周りから取り残された呼人の孤独感、そこに絡まる出生の秘密を基に展開していきますが、残念ながら、著者の意図通りに読者に訴えかけるものが有ったかというと若干の疑問が残るのではないでしょうか? 母親探しの為に命がけでベルギーへ出向くのは、分からないでは有りませんが、潤、厚介を伴い目立つ動きをして危険に遭遇するところはかなり無理を感じます。 小春と呼人の結末は、ほぼ予想通りの展開ですし、後半部分の盛り上がりに欠けるのが全体の印象として残った感は否めません。 来るぞ、来るぞと思っているうちに終わってしまいました。 決して駄作では無く、読者を引き込みますが、野沢尚著ということで期待が大きすぎたのも読後感に影響しているとは思います。 | ||||
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おそらく野沢氏は後年こういった作品を書きたかったと私は思っている。 おもしろい。それだけだ。 ただ、惜しむらくは解説が。 日大教授とも思えない適当な解説が付いている。 解説を読んで購入するかどうか検討する方々へ。 こういった本作以外のストーリーが大半を占める、なにを解説したいのかわからない「解説」が昨今増えているが、野沢尚氏の後半の世界が好きならばこの本の解説は「解説」など読まずに購入してもよいかと思われる。 私は大変ロマンと時代を感じて、そして野沢氏らしさを感じて読んだ。 ただし、私が読んだなかで一番ではないので☆は4つ。 | ||||
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12歳で成長が止まってしまう少年を中心として話が展開される。冒頭の2篇は青春小説として読めるが、それ以降の篇はどのジャンルにも分けられないような不確かさを持つ。そこには著者が抱える社会に対する不満や警鐘が感じられるのだが、それが著者独特の筆捌きを停滞させてしまったようだ。すべては多摩川の始まりを見つけにいった冒険から始まるが、その流れが汚濁され川の清らかさを失い淀んでしまったようだ。 | ||||
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12歳で成長を止めてしまった少年・呼人。周りの仲間達が次々と成長し、老いていく中でも一人それを見送るしかない。かなりSF的な要素の多い設定ではあるのだが、ストーリーの基本は、12歳の呼人を聞き役として、潤、厚介、小春らが自らの思いを吐露するという青春物語の要素が高い。勿論、それと並行して、人間の生死であるとか、そういったことに関しても深く考えさせられる。ただ、終盤がちょっと飛躍し過ぎてしまったかな?という感じはある。85、92、99、05、10という年で章立てがされているのだが、04年も年末となってしまった現在で見るとどうしてもズレを感じざるを得ないし、また、最後がちょっとドタバタしてしまった印象。そのあたりが残念。 | ||||
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呼人は12歳まで普通に生活していた少年だった。だが、それから彼の時はぱったりと動くことをやめてしまったのだ。友達、義親、回りすべてが自分だけを残し年をとっていく。呼人は自分がすべきことを探すため旅に出ることを決意する・・・死は摂理である。そんな常識から取り残された呼人。私たちの中には「死にたくない」「年を取りたくない」という人がたくさんいると思う。実際に、私もそう考えていた。はたして、本当にそれは幸せなのだろうか。成長できない自分。周りはそんな自分を独り残し、死んでいく。「死にたくない」「年を取りたくない」と考えている人は是非これを読んでもう一度考えてほしい。 | ||||
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時が12歳で止まった少年、呼人を中心に、流れていく時代とキャラクター達を上手にストーリーとして纏めていると思います。呼人を核にして、生母と養母、それに同級生の少女の3人が彼につかず離れず存在していて、ストーリーの中で”母性”というものをうっすらと語っている感じのする話展開です。「反乱のボヤージュ」が父性を軸にしているのであれば、この本は母性をテーマにしているのかな、と感じました。しかし野沢さんの本だけあって、ストーリー展開ははらはらどきどきすること請け合い。呼人が生母にたどり着くまでのストーリーはどうなるんだろうと一気に読んでしまいます。最後の纏めは好き嫌いに分かれるところかもしれませんが、読後感も悪くありません。お勧めです。 | ||||
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確かにドラマで再現したら面白いだろうな・・・と感じました。映画「BIG」でしたっけ?子供の心で体がオトナになってしまうっていうトムハンクスの。それのような感じで、12歳の少年がそこで成長が止まってしまうという奇異な出来事にあい、様々なことを経験していくという話です。野沢尚さんは、ドラマの脚本家というイメージがあったので、小説という感覚では読めませんでした。しかし、よくあるオトナの心とを成長が止まってしまった12歳の少年を通して、浮き彫りにしていくところなんかは、はずかしいくらい共感できました。心に残る1冊という衝撃はないですが、ドラマにしたらいいなと思うものでした。映画でもいいかも。 | ||||
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