■スポンサードリンク
永遠の仔
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
永遠の仔の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.54pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全149件 41~60 3/8ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最近は目が疲れやすくなって小さい字を追うのが面倒になりつつある。だからよっぽど惹きつけられる小説でなければ、長編を読了するのは本当にしんどい。 高村薫の『レディ・ジョーカー』は、上下巻2冊の長編だったが、一気呵成に読了した。それだけ著者の技巧が優れているということだろう。読者を飽きさせない見事な筆致。 今回は『永遠の仔』、天童荒太の書き下ろしだ。 天童荒太の代表作といえば『家族狩り』で、山本周五郎賞を受賞している。読後は何とも言えない重苦しさに喘いだような記憶がある。 それがどうだ、『永遠の仔』の方がさらに輪をかけた如く息苦しさに見舞われた。なんなんだ、この閉塞感は?! 限りなく結末の見えないラストに苛立つし、絶望的なまでの孤独感に襲われる。あらゆる意味でドラマチックで、読後は放心状態になってしまう。いや本当に。 まず念頭に置きたいのが、幼い子どもらに向けられる虐待がいかなるものか、その辺をきちんと整理しながら読み進めないと、単なる小説の中の絵空事で終わってしまう。 現実に性的虐待などで心身ともに病んでしまった子どもたちを収容する施設と、養護学校が存在することを踏まえた上で、主人公ら3人の壮絶な成長を追っていくのが望ましい。 話はこうだ。 舞台は愛媛県のとある田舎町。双海小児総合病院は、様々な理由で精神状態の落ち着かない子どもたちを受け入れていた。 優希もその一人で、ある事情から外界を遮断するスイッチを持つようになった。 そんな新入りの優希に興味を持ったのは、ジラフ(キリンの意)とモウル(モグラの意)と呼ばれる二人の少年たちだった。 ジラフは母親からタバコを体じゅうに押し付けられたせいで、丸い火傷の痕がキリンの模様のように付いていた。それは大切な性器や尻に至るまで、まるで悪ふざけのように火傷痕が残っていた。 モウルは、母親が知らない男を連れて帰る度に暗い押入れの中に閉じ込められ、男が帰るまでトイレにも行けず、自分の性器をちぎれるほど握りしめて堪えなくてはならない状況下にあった。そのせいで、灯りのない場所に極度の恐怖と不安を覚えるようになり、おまけに男性としての機能が全く働かない身体となってしまったのだ。 そして優希は、なんと、実の父親から性的虐待を受けていたのだった。 物語は、17年後の現在、優希が看護士、ジラフが刑事、モウルが弁護士となった今と、17年前の小児精神科の治療を受けていたころと、交互に進んでいく。 3人の辛く哀しい過去が現在まで尾を引き、様々な形で事件につながっていく。 どうしようもない過去から目を背けて生きて来たところ、3人が再会することで、否が応でも打ち消すことの出来ない記憶を辿らなくてはならない。 背負うものが余りにも重過ぎて、苦しさから逃れられない。 このどうしようもない絶望的な嘆きの前に、神も仏もなく、ただ傷口を舐め合う仔犬のようにうずくまるのだ。 ラストは、読者各々が感覚として捉えた輪郭をなぞるものだと思う。それは形がなく、曖昧で、無性に孤独を促す結末かもしれないが、寝る間も惜しむほどに引き摺りこまれる作品だった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一言一言が大変重く、天童作品の代表作であることに実感が持てました。 あとがきまで読み切って作者の作品に対する思い入れが理解できました。 僕自身ももっとはやくから読んでいたかった。 きっとこの作品を読んで生きることに救われる人がいると思う。 人生観を変える可能性のある作品だと思います。 ボリュームに負けて手が出にくい人もぜひ読み始めることをお勧めします。 きっとあっという間に世界観に浸かることと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
人の心の奥底に潜む闇と、悲痛な思い出の中に絡み合うように時を感じさせない強い絆が描かれている。その絆は互を思い合うだけのものではなく、自分を受け入れてもらったという事実であり、その時を生きていくために必要なものだったのだ。 小学生の頃、病院で知り合った三人の想いが悲しいほど伝わってくる。大人になっても救われることは求めておらず、普通の人にとっての日常の中ですら笑顔を避け、ふさがらない傷口に触れられたような痛みを感じさせる。 父親に乱暴された過去を持つ看護師・優希。物語を読みきった後、優希は登場人物のみんなに強烈に愛されていたのだという印象を持つ。最後の母親の遺書で確信を持った。そんなに愛されていたにもかかわらず幸せになれない皮肉さが辛い。 絶対的な悪が、事件を起こし皆を不幸の連鎖に巻き込むという構図ではなく、心の闇をいつまでも消化できない切ない日々が育んだ悪魔だろうか。犯罪者と呼べる人を攻める気持ちにはならない。はけ口のない想いが吹き出したような事件の連続である。 幼い時期において、過酷な虐待を受けた三人の影響は測りしれない。大人になるまで生きてこれたのは、幼いころの思い出のおかげであり、誰にも立ち入れない深い絆の意識のおかげだ。 最後まで辛いストーリーであったが、登場人物の痛みとともに引き込まれていった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この作品に出遭えたこと、大切にしたい。きっと一生の宝になる。 序盤〜中盤は主に雄作に対する激しい憎しみが占めていた。 優希と物理的に距離が近い場面は鼓動が激しくなった。息が苦しかった。 理想とする父親像から、最も遠いところにある人物がそこに居たから。彼の存在を激しく嫌悪した。 終盤は、哀しくてしょうがなかった。 この物語が早く終わって欲しい。主人公達に早く安堵の日々が訪れて欲しい。 祈るようにページを進めていった。 私は彼らのようなひどい虐待を受けてはこなかった。 それでも彼らに気持ちを乗せられたのは、彼らの生きようとする力、救い合い、認め合う力がとても素晴らしかったから。 最後は私の望むような結末ではなかったが、こんなにも胸を熱くさせてくれた、心から感謝したい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
暗い、悲しい、辛い。 とにかく起こりうるいやなこと全ての連鎖に、沈み込んでいた4巻まで。 物語は、意外な方向にめぐり、全ての因果は、ここに帰着する。 奈緒子さんの愛情と、まり子さんの引き金とモウル。 遺書とは何かを、もはや灰に帰した紙切れは、思い出の場所すら失って いく三人には、届かない。 罪の意識も、傷だらけの心も、それがすべて人間なのだと、学習する。 それが大人になることなんだと、知る、いや知らされる。その出発の場が 双海病院の院内学級であったこと。そして学習しきれずに、いや学習して いる子供たち。 最近聞いた言葉で、とても印象的な言葉。 「人は二度死ぬの。一度は肉体の死。もう一度はみんなの記憶の中の死。」 この言葉がとてもシンクロして、一度に私に向かってくる。 そんな最終巻です。 この作品の長さが必要だったかと、審査委員の議論が交わされたようですが、 確かに微妙です。ただ、一つ一つが確かに必要なパーツであり、一つ一つが 叫んでいる。その叫びの高揚が見事でした。 100点。傑作です。設定はあり得ないけれど。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
三巻まで読み終えて、はあーってため息が出るくらい、どん底。 とにかく沈むところまで沈んでいく感じ。 優希とジラフ、モウルの三人の人間模様に、とにかく悲しいことの 連続で。人間の性というか、宿業というのか、因果の連続が、結果 人を一人ぼっちにさせていくのか。 文章は上手いのですが、ちょっとクドイ。そこまで言わなくても、 って感じのところまで読者を追い込むというか、引き込むというのか、 分からない。 果たしてこの後に、どう展開するのか、最終巻に向かいます。 はあーってため息が出てしまうくらい、死んでいく。 高評価のようですが、私は70点。終わりよければって願いを込めて。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
告白、って言うサブタイトルですが、全くその通り。 優希の家の焼失が前半で、衝撃的な告白が、後半を占めます。 子供の心理、なんて甘い世界ではありません。 比較的えげつない経験をしてきたし、周りから見ると、おかしな ことを知っているつもりでしたが、この告白はその中でもかなり 深いものに当たります。 とにかくよく取材され、一部はご職業がらみの知識なのでしょう。 細部にわたって緻密に描かれる世界は、とにかくどろどろしていて、 その深みの中に自らが落ちていく感じ。 この手の、過去と現在を行ったり来たりして、少しづつ焦点が 絞られていく作品は、時にその焦点が呆けがちですが、非常によく 描かれており、秀逸です。 但し。テーマがあまりにも陰湿。ここからどのように展開するのか。 80点。暗すぎる。落ちるところまで落ちる感じ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ちょっとテーマがきついので、読むのが結構大変です。 第一巻であり得ないと思っていた設定が、少しずつ転がり始めます。 あり得ないと思われた設定が、現実味を帯びてくるとき、複雑に事件が 起こります。 「私のせい?」と優希はつぶやきます。 「親がいなくても、自分でえさを探して生きていくんだ」と梁平は言います。 聡志も、笙一郎も、すこしづつ絡まる糸に、手足がとられていく。 蜘蛛の巣が張られたのは、いつ? 重いテーマと、絡み合う事件と、そのきっかけとは何だったのか、謎は過去と 現在を交錯して、複雑に錯綜し始めます。 テーマが暗すぎる。文章のうまさが、余計陰の指向性を強めています。 80点。ちょっと辛いですね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
入口は愛媛県、霊山石槌山。西日本最高峰の霊山でした。 少年二人と、少女の登山から幕開けを迎えるこの作品は、遠いかなたに ゴールが設定されていることを前提に読まないといけないことに、半分くらい 読み終えてから気がつきました。 因縁ではありません。明らかに意図された一つ一つのベクトルが、ある一つの 場所で一致する。 その姿を、一つ一つ、丁寧に丁寧に、これでもかってほど丁寧に紡いでいき ます。 優希とジラフとモウル。それぞれの世界、それぞれの背景に、息づき始めます。 絡みます。 その絡みゆく、そしていつか事切れるかもしれない紐を一つ一つ描いています。 幕開けは、あくまでも静かに。設定は残念ながら凄く不自然。ありえない。 そう思いながらも読まされてしまいました。80点。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
書店で文庫担当だったので小説はかなり読んでる方だと思う。 そんな私のNo.1がこの本。 読め!つまんなかったら返金しますと帯に記したい(笑) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
すごくよかったです。 この本の何もかもよかった。 虐待の中生き抜き、その後も生き地獄から抜け出せず はいつくばって生きながらえてる人間の現実をきちんと書いてくれていると思いました 。 きれいごととか、説教じみた本にはまったく涙もでず共感もしないのですが 最後涙がとまりませんでした。 驚いたのは、同じ経験をしていない健康な人(著者)がなぜ暗闇を生きる人間の気持ちがわかったのだろうってことです 重たいとかは思いませんでした この本が私の現実だからです | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
長い長い物語でありました。 以前から興味はあったものの、手に取ることもなく。最近ふと、生きてる内に一度は、と、やっと手に入れました。(文庫版ではなく、上・下刊ですが) 個人的に、キャストがピンとこなかったこともあり(特に、優希さんの)、テレビドラマ版は見ておりません。結局、読了後も、「ドラマも見よう」という気にはなりませんでした。この物語の世界は、この本の中だけで(自分の中だけで)、と思ってしまいました。 主人公達にとってはつらい時代であったろう子供の頃のエピソードが、最も深く、心に染み入りました。年のせいか涙腺も緩い今日この頃ではありますが、ポロポロ涙がこぼれまくるのが、その子供時代の話でありました。ただし、悲惨なエピソードのオンパレードで悲しくなったというよりは、つらい境遇における彼等3人の絆が、ただただ羨ましいなぁと感じられ、今のわが身が情けなくなっただけかもしれません。 やりきれないラストかもしれませんが、読了後1週間を経ても、自分の中にいまだ残り続ける感情は、ただただ、あの3人が「愛しい」ということだけです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今まで読んだ本の中でベスト3に入ります。 文庫本で5冊ですが、皆さんがレビューで書かれている通り、 先が気になりどんどん読み進んでしまいます。 幼少時代と現在を行き来し物語は展開していきます。 幼少時代は主人公の3人がある施設で知り合い、 不器用ながら交流していき、 最終的にある事件を起こす事になります。 このある事件の真相は最後の最後までわかりません。 一方現在は、幼少時代につらい体験で傷ついた3人が 刑事・弁護士・看護婦となり再会するところから始まり、 こちらはどちらかといえばサスペンスとして展開します。 幼少時代と現在の交互にどちらもおもしろいので、 どんどん読み進んでしまうのです。 絶対に読むべしです! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今まで読んだ本の中でベスト3に入ります。 文庫本で5冊ですが、皆さんがレビューで書かれている通り、 先が気になりどんどん読み進んでしまいます。 幼少時代と現在を行き来し物語は展開していきます。 幼少時代は主人公の3人がある施設で知り合い、 不器用ながら交流していき、 最終的にある事件を起こす事になります。 このある事件の真相は最後の最後までわかりません。 一方現在は、幼少時代につらい体験で傷ついた3人が 刑事・弁護士・看護婦となり再会するところから始まり、 こちらはどちらかといえばサスペンスとして展開します。 幼少時代と現在の交互にどちらもおもしろいので、 どんどん読み進んでしまうのです。 絶対に読むべしです! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今まで読んだ本の中でベスト3に入ります。 文庫本で5冊ですが、皆さんがレビューで書かれている通り、 先が気になりどんどん読み進んでしまいます。 幼少時代と現在を行き来し物語は展開していきます。 幼少時代は主人公の3人がある施設で知り合い、 不器用ながら交流していき、 最終的にある事件を起こす事になります。 このある事件の真相は最後の最後までわかりません。 一方現在は、幼少時代につらい体験で傷ついた3人が 刑事・弁護士・看護婦となり再会するところから始まり、 こちらはどちらかといえばサスペンスとして展開します。 幼少時代と現在の交互にどちらもおもしろいので、 どんどん読み進んでしまうのです。 絶対に読むべしです! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今まで読んだ本の中でベスト3に入ります。 文庫本で5冊ですが、皆さんがレビューで書かれている通り、 先が気になりどんどん読み進んでしまいます。 幼少時代と現在を行き来し物語は展開していきます。 幼少時代は主人公の3人がある施設で知り合い、 不器用ながら交流していき、 最終的にある事件を起こす事になります。 このある事件の真相は最後の最後までわかりません。 一方現在は、幼少時代につらい体験で傷ついた3人が 刑事・弁護士・看護婦となり再会するところから始まり、 こちらはどちらかといえばサスペンスとして展開します。 幼少時代と現在の交互にどちらもおもしろいので、 どんどん読み進んでしまうのです。 絶対に読むべしです! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今まで読んだ本の中でベスト3に入ります。 文庫本で5冊ですが、皆さんがレビューで書かれている通り、 先が気になりどんどん読み進んでしまいます。 幼少時代と現在を行き来し物語は展開していきます。 幼少時代は主人公の3人がある施設で知り合い、 不器用ながら交流していき、 最終的にある事件を起こす事になります。 このある事件の真相は最後の最後までわかりません。 一方現在は、幼少時代につらい体験で傷ついた3人が 刑事・弁護士・看護婦となり再会するところから始まり、 こちらはどちらかといえばサスペンスとして展開します。 幼少時代と現在の交互にどちらもおもしろいので、 どんどん読み進んでしまうのです。 絶対に読むべしです! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
子どもの人生は親が握っている、と言っても過言ではない。子どもは親を選んで生まれてくるなどとよく耳にするが、全くの綺麗事だと思う。そう思わされる一冊だ。 愚かな親によって付けられた深い傷を、子どもは一生背負って、翻弄されながら、自分自身の存在意義を常に問いながら生きて行かねばならない。親から愛されず、または歪んだ愛情しか与えられず、それでも親を心から恨み憎むことが出来ない。そればかりか、時には自分を犠牲にして守ろうとする。そんな痛々しい姿が、細かな情景描写に助けられ鮮明に脳裏に浮かぶ。読んでいる間中、胸が締め付けられ続ける。 子どもをきちんと育てることの意味を、あらためて考えさせられる作品だ。子育ては、親から子へ、子から孫へと、受け継がれてゆくものなのだ。 自分自身を犠牲にして子を守る、ということを出来ない親が増えた、現代社会への警鐘のように思えてならない。 ぜひ、子を持つ親に読んで貰いたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
とてつもなく切なく、壮絶な物語でした。 読み終わった後、しばらく動くことすらできませんでした。 児童虐待や老人介護といった重いテーマが、リアリティを持って迫ってきます。 また、そのような重い内容にも関わらずどんどん読ませてしまう、筆者の筆力にも感服です。 綿密な取材を経ていることも、文章を通じて伝わってきます。 何より、主人公の三人が愛しくて仕方ありません。 人間の心の弱さ、葛藤、そして美しさを見事に描き切った、名作です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
1999年、出版されたときにとても話題になったのですが、その時には読もうとは思いませんでした。10年以上経った今年2011年、ブックオフで目にして購入し、主人公の優希(ルフィン)・笙一郎(モウル)・梁平(ジラフ)、それぞれが受けた子供時代の壮絶な傷と親をはじめ、彼らをとりまく大人達の救いようのない行動を、作家は丹念に訴えます。この本が気になった人なら、きっと、自分の人生の中に、「あぁ、そうだった」と思える場面があるのではないでしょうか。そして、主人公達に無関係とは思えない殺人事件。子供時代と17年後の現在を行き来する構成は、自分の子供時代が、今の自分の源泉である事を突きつけます。一刻も早く下巻に進みたいと思う気持ちと、すこし休まないともたない自分がいました。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!