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八つ墓村



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八つ墓村の評価: 4.52/5点 レビュー 130件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.52pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全130件 81~100 5/7ページ
No.50:
(5pt)

本格推理として評価されるべき[八つ墓村]

例えば、映画の貞子のおかげで世間的には超絶ホラーとして認識されている鈴木光司の[リング]だが、読んでみたら、最後に謎が見事に解けて、[実は推理小説だったんじゃないか!]と驚かされた。

後で、乱歩賞に応募した作品だったのだと知って、なるほど、と納得させられたわけだが…映像化の影響や表にまとう意匠によって、このように誤解されてしまう作品も少なくない。

この[八つ墓村]などもその代表例ではないだろうか。

新版の角川文庫の惹句からして、[現代ホラー小説の原点とも言うべき、シリーズ最高傑作!!]と謳われているし、冒険小説や恋愛小説の要素もたっぷり含んでいるが故に、推理要素が希薄だという意見も少なくない。

確かにそういう部分もあって、尼子の落ち武者狩りに始まり、その怨念のような田治見要蔵三十二人殺しを経て現在に伝わる因縁、そして村人の集団ヒステリーなど、凡百のホラーなど敵わないほどの濃密さで恐怖を描き出しているし、鍾乳洞の波瀾に満ちた大冒険も一級品のサスペンスにあふれている。

またどの作品よりも個性的かつ魅力的に描き分けられた女性たちの存在感が、怪奇や冒険の中に恋愛小説的な彩りをふくらませてくれる。

これだけでもページを操る手が止められなくなる要素は満載なのだが…
横溝正史と並の作家との違いは、決して怪奇色や冒険だけで読ませはしないということだ。

断言する。
この作品は正真正銘の第一級の本格推理である。

確かに他の代表作のような大トリックは登場しないし、金田一の存在感も希薄で、犯行の手口の解明にも若干の甘さはあるのだが、何より圧巻なのは至る所に周到に仕掛けられた伏線の妙。
実際の所、怪奇や冒険以上に、自分がわくわくしながら読み進めたのは、あらゆる場面に大量に張り巡らされた伏線が、推理小説的な興奮を否が上にも高めてゆくからだった。

本格推理にありがちな退屈な部分も、この作品では怪奇色と波瀾に満ちた冒険や恋愛によっていささかの渋滞もなく物語が流れてゆく…
むしろ読者に伏線の存在を忘れさせるほどに高められたリーダビリティこそが、この作品に仕掛けられた最大のトリックではないのか?
そう思わせるほど、実にその手法が見事なのだ。

だからこそ、最後に怪奇や冒険から解き放たれて現実に戻った時、バラバラッと全ての謎が解けてゆく。
その快感は、完全に本格推理そのものだ。

ホラーにせよ冒険にせよ伝奇ロマンにせよ、全ての要素において一級品であり、それらが渾然一体となって独特の世界を作り上げているが故なのだろうが…
あれほど探偵小説に執念を燃やした横溝正史が、これほどの重厚な大作で推理的な要素をおざなりにするはずがない。

読み終えてページを遡ってみれば、見事なまでの騙し絵が全編に渡って緻密に織り上げられていることに改めて驚嘆するはずだ。

最も脂の乗り切った横溝正史が自分の持てるあらゆる要素を傾注し駆使して、最高に面白い読物に仕上げた本格推理史上に燦然と輝く傑作だと思う。

映画が怖すぎて眠れなくなった人でも、原作に触れたら[八つ墓村ってこんなに素敵な物語だったのか!]と思いを新たにするに違いない。

そう考えると、横溝正史のほぼ全業績を収録した角川文庫において、先陣を切って登場したのがこの[八つ墓村]だったのも頷けよう。
八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304016
No.49:
(5pt)

小説の視覚化の最高峰の一つ

横溝正史作品の漫画化作品の中でも、否、小説の視覚化という点でも最高峰の出来映え。
実に1976年角川映画版犬神家の一族にも比肩すべき存在です。
本作の好評によって、横溝作品を一般に膾炙させた歴史的功績も大きいといえます。
原作にかなり忠実で、省略も適切であり、筋運びがスムーズで迫力を減じていません。
省略された最たる物は辰也と典子の恋愛譚ですが、横溝の他の作品にも共通して言えますが、この種の情欲譚はいつも少し余計で饒舌すぎると私が個人的に感じている部分でもあります。
これを横溝作品の持ち味という人もいるかもしれませんが、私は苦手です。

劇画ということもあり、1977年の松竹の映画化に際してかなり参考にされたふしがあります。
それは配役イメージやシナリオも含めてのことです。
原作同様に辰也視点で描かれているシナリオはその最たるものでありましょう。
もって本作の偉大を推しはかるべきです。

なお、映画では八つ墓伝説によるオカルト調の余計な脚色がなされていますが、そこに至る筋を本作・原作・映画と比べて見ると無限の興趣が湧くことでしょう。
映画版の渥美清の金田一は賛否の分かれるところでしょうが、本作と原作の中間のようなイメージを考えると腑に落ちる所があろうかかと思います。
八つ墓村 (講談社漫画文庫)Amazon書評・レビュー:八つ墓村 (講談社漫画文庫)より
4062602733
No.48:
(5pt)

横溝作品の中でも、もっとも気になる作品

八つ墓村・・・前々から気になってて、映画やドラマなどは見てました。多分横溝作品の中でも好きな作品に入ると思います
金田一耕助の活躍も気になりますが・・・八つ墓村で起きる祟りや呪いそして財宝のありかを示す鍾乳洞など・・・ドキドキとワクワクが
あると思うので。
八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304016
No.47:
(5pt)

感想

影丸先生の作品 とても良かったです、力強いタッチ 読み応え十分ありました。
八つ墓村 (講談社漫画文庫)Amazon書評・レビュー:八つ墓村 (講談社漫画文庫)より
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No.46:
(4pt)

はまりました

初めて横溝作品を読みました。なんとなく知っていた本作品を、これまたなんとなく読んでみてはまってしまいました。小説はほとんど読む習慣がなく、活字は読んでもノンフィクションくらいだったので、今更ながらもっと早く読んでいればと思います。これを機に、獄門島、本陣殺人事件、夜歩く、悪魔の手鞠唄を読破しようと意気込んでいます。

本作品は金田一耕助はあまり全面に出て活躍する内容ではありませんが、主人公の語りで進む展開、歪んだ性描写、地方農村の分限者の権力等、今の時代では想像つかない背景も引き込まれた要因かもしれません。
八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304016
No.45:
(2pt)

冒険浪漫小説

さすがに原作だけに、映画版やテレビ版よりも遥かに完成度が高い。
この作品は推理小説というよりも、主人公の一人称による冒険浪漫小説という気がする。
作品のオチもよくできているし、そう思って読んだほうが作品を楽しめる。
八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304016
No.44:
(5pt)

懐かしい

懐かしくて一気に読み終えました。暗く悲しく恐ろしく救いもある物語。
八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304016
No.43:
(5pt)

映画よりもリアル

映画でしか見たことがないので、一度ゆっくりと読んでみたく購入しました。視点が金田一でないのが面白かったです。ほかの作品も気になりました。
八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304016
No.42:
(4pt)

読まず嫌いだったんですよ

津山32人(だっけ?)殺しとか、落ち武者伝説とか双子の老婆とか…
あまりに土着アイテムが多くて陰気な小説だと決めて掛かって、今まで読んでいませんでした。
映画も見ていなかったし。
他のは色々読んだんですけど、何だか犬神家や悪魔が来たりてのようにパンチが効いていない。
で読まず嫌いだった八つ墓村、読みました。

いや、面白かったです。
さすが何度も映画化され、ファンの多い理由も解りました。
横溝正史の話は事件の大事のわりに動機が薄かったり、説明不足で?となる物も多いのですが
(短編長編係らず)、この作品は最初から最後まで丁寧に書かれて完成度の高い作品でした。

登場人物では典子ちゃん
いいですねえ。彼女があんなに重要人物になるとは思わなかったですよ。
横溝の作品は可憐な少女がキーになる作品が多いのですが(本陣殺人事件・車井戸は何故軋る等)、
本作品もご他聞に漏れずです。
でも主人公の辰弥の最初の印象「いくらか足りないのではないかと思われた」は酷すぎ><
彼女は横溝作品の中に登場する少女(26ですが)の中でも、ピカ一に頭が良い女の子です。
何はさておき、散々主人公から酷い思われようだった彼女が頭の良さと努力で、自分の恋を
成就していく過程はなかなか読み応えがあります。

横溝作品には珍しく後味の良いのも○
八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304016
No.41:
(3pt)

もし「八つ墓村」を読むなら

もし、あなたが初めて「八つ墓村」を読むなら、角川文庫版で充分である。
角川文庫版は、新刊で買わなくても、ブックオフやヤフオクなどで、100円以下で手に入る。
誤植が多いだの、語句の書き換えが多いなどという偏屈なマニアの枝葉末節にこだわった、たわごとは聞く必要はない。
もし、マニアなら、いつでも手に入るような作品だけを収録したこの選集を揃える必要はない。
ハードカバー版なら過去に刊行された講談社版の全10巻本か全18巻本を古本屋等で探したほうがいい。
重要なことは、誤植や言葉狩りに目くじらを立て、間違い探しに時間を浪費することではなく、
より多くの横溝作品に触れてみることである。
横溝正史自選集〈3〉八つ墓村Amazon書評・レビュー:横溝正史自選集〈3〉八つ墓村より
4882933160
No.40:
(5pt)

現時点(2012年)での現行本で、唯一正しいテキストの『八つ墓村』は本書だけ

意外に思われるかもしれないが、横溝正史没後『八つ墓村』を販売してきた出版社は角川のみ。
だがその独占状態にかこつけて現在までテキストを改悪した状態のまま現在に至っている。
それに危機感を抱いたからかどうかは判らないが、07年に出版芸術社が出したベスト・オブ・横溝ともいうべき
この『横溝正史自選集』は本来あるべき正しいテキスト校訂がなされている。

では角川版は何が改竄されているのか? ごく一部だが記そう。
最初期の黒背(緑304)あたりはまだマシなのだが、96年豊川悦司主演映画「八つ墓村」公開時に出た単行本からテキスト改悪が明白になる。例えば、

本書57頁上段4行目「どん百姓扱いに」(○) → 角川「馬鹿に」(×)
本書131頁下段21行目「醜い兎口」(○) → 角川「兎口」(×)
本書281頁下段1行目「犬殺し棒」(○) → 角川「棍棒」(×)

更に、正しい各章の見出しは本書のとおり「発端」「尋ね人」「無気味な警告」・・・と続いてゆくのだが、
角川は編集部が勝手に章立てを捏造し「発端」「第一章 尋ね人」・・・としてしまっている。
他にも細かい改竄はあるのだが長くなるのでこれだけにしておく。

言葉狩りもそうだが、章立てを改竄する理由が全くわからない。そしてこの状態のままの現行角川文庫版は解説さえもない。
明らかにケアレスミスではなく恣意的な改悪。角川文庫は全く信頼性のないテキストなのだ。
だから『八つ墓村』を、いや横溝正史を初めて読む方は角川文庫を買ってはいけない。欠陥商品なのだから。

愛蔵本である本書には正史のポートレート頁や解説、ご遺族(亮一・宜子・瑠美お三方)による語り下ろし座談、
『八つ墓村』について正史が語るエッセイが附録資料として掲載されている。
1951年の単行本化以来削除されてしまっていた箇所が初めて復元されたのも重要。
「危機を孕んで」〜「狐の穴にて」あたり(例えば本書251頁付近)を過去の本と比べてみるとよい。

映画・ドラマしか知らない方も是非本書を読んでほしい。
いつも映像では削除されてしまうが原作はヒロインの一人として里村典子が活躍し、
主人公・田治見辰弥と森美也子は鍾乳洞の中で乳繰りあったりなどしない。

上記のテキスト比較に関し、創元推理倶楽部秋田分科会及び掛谷治一郎氏の誠実な研究結果を参考にさせて頂いた。
深く御礼を申し上げたい。
横溝正史自選集〈3〉八つ墓村Amazon書評・レビュー:横溝正史自選集〈3〉八つ墓村より
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No.39:
(5pt)

表紙にだまされないで

品のないおどろおどろしい表紙なので、怪奇ホラー小説を連想しますが、中味は立派なミステリー小説です。退屈で読み飛ばすようなところはほとんどなく、次から次へと色々な事が起こり、一気読み必至です。このような昔にこんなすごい小説を書くとは、横溝氏恐るべしです。私的には「獄門島」「本陣殺人事件」よりもこちらの方が面白く感じました。
しかし、角川は装丁のセンスがどの小説をとってもよくないですね。
八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304016
No.38:
(5pt)

若き日の読書原体験の一

中学生の頃、夜一人布団の中で腹這いになって読み始め、止まらなくなり徹夜で読み終えた記憶があります。その間、余りの怖さに体が金縛り状態になって、後ろを振り向くことができなかったのも、鮮烈な記憶です。本書でそういう読書体験を初めて味わえるあなたが羨ましい。私にとっては、今もなお体が覚えて離さない至高の読書体験を与えてくれた(★5つでは全く足りない)日本探偵小説史に燦然と輝く一書です。
八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304016
No.37:
(3pt)

ミステリとしては△。ただ、その歴史的意義というのは大きいだろう

言わずと知れた『八つ墓村』。

以前に『悪魔の手毬唄』を読んで非常に面白かったので、他の横溝作品も試してみようと言うことで手を出してみた。年代的なものも考えて割り引かないといけないのだろうし、好みの問題もあるだろうが、イマイチ物足りないと感じた。

1950年頃に連載されていた作品のようなので、おそらく、異人殺しの伝説をモチーフにした作品としてはかなり古い部類に入るのではないかと思う。ただ、登場人物の行動が、あまりに短絡的だったり、また、推理小説的な謎解きの要素が少なかったり、ミステリとして見ると、ちょっと残念という気がする。ただこの辺りの作品になると、そういった点よりもむしろ、作品それ自体がある種記念碑的な意味を持っている面もあるので、なかなか難しい。
横溝正史自選集〈3〉八つ墓村Amazon書評・レビュー:横溝正史自選集〈3〉八つ墓村より
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No.36:
(3pt)

読みやすいけど

映像作品は観たことないです。
友人に強烈に勧められて読みました。

横溝正史の作品は旧い日本の狭い地域に長く積み重なった人間関係・血縁関係に発する愛憎劇と予想していました。
そしていわゆる謎解きは犯行の謎解きというより、その複雑に絡み合った人間関係と愛憎関係を解いていくところが真骨頂じゃないかなと。

その意味では少々物足りなかった。

まずは大昔の八つ墓村の語源となった忌まわしい伝承がほとんど本編の力になっていない。隠し財宝だけ。最初の導入部分のみでおわり。
本編の事件の発端から歪んで絡み合った血縁関係・人間関係の葛藤や愛憎がそれほど迫力がなかった。
また、それに付随する謎も期待したほど複雑ではなく、登場人物それぞれの隠れた強い思い、激しい感情もあまりなかった。
なので、謎解きも迫力に欠けた印象であった。

要するに「伏線」があまりないんですよね。淡々と事件が進み、終わった感じ。

文中金田一耕助いわく、この事件は私がどうこうするより勝手に終息した、というのが笑ってしまった。

以上の部分が私の期待していたものより少々弱かったかなという印象。

洞窟の場面と描写がこの作品のもっとも売りになるのかなとも思ったが、「暗闇」の恐怖はいまいち。
また、洞窟内をさまよう「時間」の恐怖ももう少し読み手に与えればよかったのにという感じ。
複雑な洞窟の広がりはまあまあ感じられたけど、宝探し的にも試行錯誤というよりクライマックスの偶然であっさりおわり。
発端となった残虐な忌まわしい殺人犯の発見も予想範囲内で、もうちょっと本筋に力を与えて欲しかったが、その瞬間だけなんだよなぁ。

イマイチなことばかり書きましたが、主人公の本当の血縁、本当の父親との本当の再会、女性との恋慕のあたりは良かったように思います。
期待したオドロオドロしい部分よりむしろそのようなピュアな(?)展開描写が心に残ったかな。

読み終わって、上記のとおり勝手に期待したところは期待外れ。勝手な期待でした。
違った面でまあまあよかったかなという感想です。

あまり頭をかきまわされない読みやすい作品です。
八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304016
No.35:
(5pt)

金田一さんは余り登場しませんが

私の中でBest10に入る作品です。

金田一さんの登場場面は少ないのですが、冒険、伝説、洞窟と江戸川乱歩を彷彿させます。

ボリュームのある作品ですが、スピード感があるのでサクサク読めます。

推理物より冒険小説ですが、もちろん横溝流の妖しい人間関係も十分盛り込まれています。

金田一さんの出番は最後のほうなので、金田一冥利を楽しみたい方はちょっと物足りないかもしれませんが。。

社会から隔離された奥深い村里の集団心理は怖いですね・・。
八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304016
No.34:
(5pt)

横溝ワールドの入り口

横溝正史という作家は、ホームランを打つか思い切り三振するかと言われるほど作品の質または評価が分かれる作家ですが、この作品は間違いなく名作でしょう。古来より伝わる奇怪な伝承、陰湿で閉鎖的な村社会、呪われた名家に財宝伝説。これだけの魅力的な要素に彩られて巻き起こる謎の連続殺人。息もつかせぬ劇的な展開で読者は魔物に憑かれたように物語の終焉へ誘われるのです。もしもドラマや映画で『八つ墓村』を鑑賞した方でも、この小説は楽しめます。何故ならこの話が壮大すぎて、忠実に映像化できているものが無いからです。是非とも独特の横溝ワールドを御賞味下さいませ。
八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304016
No.33:
(5pt)

映画よりも劇画向き。

これは講談社漫画文庫版ですが、プラチナコミックス版のレビューを見たら、角川文庫版の原作のレビューばかり。どうなってるんでしょうか?
横溝正史原作、影丸穣也作画、1968年に少年マガジンに連載された劇画です。
荒々しい影丸タッチが、原作のドロドロした雰囲気をうまく伝えています。
登場人物が次々に毒殺される場面で、「ゲワッ」とか「ゴフッ」とか言って血を吐く絵の汚さが最高です。
当時、小学生ぐらいの年齢で、この劇画で原作の存在を知り、横溝正史ファンになった人も、けっこうおられるんじゃないでしょうか。角川が文庫でブームを仕掛ける数年前の話。
そもそも映画化は無理ですよ、あの小説。舞台となる鍾乳洞にしても、劇画であればいくらでもイメージを膨らませることができても、映像となると、ハリウッドでもない限り、予算や物理的な制約で難しいでしょうしね。
黒澤明の「影武者」や「乱」を見に行って、公開前に出版された絵コンテ集の壮大さに比べて、映像があまりに平板だったので、脱力しちゃったのと同様の事情です。

八つ墓村 (講談社漫画文庫)Amazon書評・レビュー:八つ墓村 (講談社漫画文庫)より
4062602733
No.32:
(4pt)

孤島の鬼、必読。

孤島の鬼、とは江戸川乱歩が書いた冒険小説です。
鍾乳洞、鍾乳洞の探索方法、双生児、片輪という言い回しー。
そして、この本の視点は、金田一耕介ではなく、違う人物からの目線で描かれている。

ミステリーは混ざってるのだけれど、展開の速い冒険小説です。
孤島の鬼を見てから見ると、孤島の鬼が思い起こされるので、必読です。


そして、一番楽しいのは、金田一耕介が今回、とっても端役ってことです(笑)


八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304016
No.31:
(4pt)

推理冒険譚

横溝作品の中でも最もメジャーな作品の一つともいえる本作ですが、推理以外の様々な要素も含んでいる名作と言えるでしょう。

落人伝説によるオカルト要素、地下に広がる鍾乳洞での宝探しによる冒険要素、辰也とそれを取り巻く女性達とのロマンス要素が推理以外の要素として含まれています。
そういった多数の要素があるがために、作中で起こる出来事が現在の事件に関わるのか、それとも全く関係がないのか考える余地を与え奥行きを増していると言えるでしょう。

しかし、肝心の事件の部分が非常にあっさりと解決してしまうのが残念でした。金田一と犯人のやり取りをもう少し描写して、心理戦のようなものを描けていたら良かったのになと思いました。
八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304016

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