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私の家では何も起こらない
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私の家では何も起こらないの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.95pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全37件 21~37 2/2ページ
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幽霊屋敷、恩田陸って感じでした とても良かったですよ\(^o^)/ | ||||
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恩田さんの作品はちまちまとびとびで読んでいて、色んなジャンルがあるのですがこれはもう私好みの大変ツボな作品でした。 なんとなーく見かけてあらすじも読まずに、そう、それこそなんとなくいいような気がして買ったのですが、することも忘れて吸い込まれるように読んでしまいました。 怖さも残酷さも、不思議な雰囲気でまとまりまさにひとつの家に集まった家族のようになじみ、いいー感じに心地よくゾクゾクしつつ。 個人的にはラストのデジャビュで、ああそうか、と私の持論にも取り込もうかとおもいます。昔から、あれ、前もあったような、忘れてるだけかな?でも、とそんなデジャビュに首を傾げることがあったので、ひじょうに感覚が一致しました。 私もいつか丘の上の家に迎えてほしいですね。 | ||||
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丘の上の家を巡る、時代を超えた怪異譚です。 短編集のようになっていて、一つの家を取り巻くそれぞれの怪異を描いていますが、残酷な出来事も描写されているのに、まるで日常的なものごとを語るかのように描かれているので、それほどグロさを感じません。うっかりすると、そんなに怖い話だったっけ?と錯覚するくらいです。 丘の上に建つ家に、数々の悪霊がいて、入居する人間を、その人生を狂わせていく・・・という恐ろしい家なのですが、この家を売りたい不動産屋が雇った腕のいい大工?が、家を修繕する話では、恐ろしいのに、何故かこの家に囚われている幽霊たちのユーモラスな一面が出ているような感じがして、思わず笑ってしまいました。 私自身、恩田さんの小説ではラストがどうしても尻すぼみになってしまい、途中までのワクワク感や高揚感がもったいないのにと思っていて、長編は苦手なのですが、この短編は面白いなと思いました。 | ||||
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題名の「私の家では何も起こらない」という一文でもう期待値MAXになってしまって・・・。 もっと絵本を読むようにフラットな気持ちで読めばよかった。 | ||||
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一見怪談のように見え、実際に怪談めいた出来事も起こるのだが、しかし、怖さというものがそれ程あるわけではない。 それはおそらく、本書に収められている十の短編において、「怖さ」に物語の焦点が当てられているわけではないからだろう。そのためどこかしら、ドールハウスの中で人形たちが動いているような、作り物めいた印象を受ける。実際作者自身が「文庫版あとがき」で、ドールハウスに言及している(それを読んだからこそ、こちらの印象が遡って「ドールハウスめいた」というものへと改変されたということも否定できないのだが)。 さらにこのことは、最終章「附記・われらの時代」に現われた次の文章へと接続する。 世界は人類なしに始まったし、人類なしで終わるだろう。 この言葉はレヴィ=ストロースの『悲しき熱帯II』からの引用である(「世界は人間なしに始まったし、人間なしに終わるだろう。」中公クラシックスp425)。これ以上の記述は本文にはなく、したがって暗示でしかないのだが、この引用があることで明らかになることがある。「物語の主体」についての問題だ。主体はだから「人間」ではない。そう考えれば、タイトルの「私」が誰であるのかということの意味が突如転倒する。 なるほど、からくりの中心はタイトルにあったわけだ。 | ||||
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小さな丘に立っている古い家。 そこに住む女性作家に、男はこの家がどんなに恐ろしい場所なのかということを懇々と説きます。 何を言っているのか、この家、"私の家では何も起こらない"というのに…… 言いがかりのようにも聞こえる男の言葉で始まる物語は、ストンと転換します。 12編の短編小説は、舞台となる家で起こる・起こったゴーストストーリー。子ども、姉妹、工事に入った大工……この家に関わった様々な人々を通じたストーリーは小粒ながら、一篇一篇がぞくっとする寒さを感じさせます。 古い家の籠もったほこり臭い香りとともに、この物語は様々な匂いを喚起させます。 特にいくつかの物語に登場するアップルパイの香り。この言葉が物語に登場する度に、良い香りがする気がして……怖くなってきます。 恩田陸さんの作品の中でも、読者置き去り感の少ない作品で久しぶりに大満足でした。 | ||||
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これだけ色々なジャンルに挑戦するというのは、「書き癖」を意図的に封印しないといけないので、読者が思っている以上に困難極まりない作業。 それをこの方はヒョイヒョイやってのけているみたいに感じる。もう脱帽です。 そんな恩田さんの作品群で一つ選べとなると、やっぱりこの作品ですね。 プロットのパズルの組み方がすごくシームレス。 この幾重にもあるクライマックスシーンの緊迫感はなんだ? 遂に「『小夜子』の体育館のシーンを量産できるようになったのか!」と肝を抜かしました。 恩田さんはクライマックスが滅茶苦茶上手い。 スタッカートは日本随一なのではないでしょうか。 | ||||
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装丁家の方(名久井直子さん)が以前、「情熱大陸」に出ていたこともあり、いつか読みたいと思っていた作品。 カバーやヘドバン(背の内側についている布)のデザインを目で楽しみ、しっとりした音楽を聴きながら、雰囲気を楽しんで読み終えました。 一つ一つの物語が、『優雅なグロテスク』であったり、『爽やかな残酷さ』であったり…怖いのに、穏やかな気持ちで読める、不思議な作品です。 読後の余韻もホラー小説(?)なのに、何故かすっきり。 お気に入りの作品になりました。 乱文失礼しました、気になっている方はぜひ! | ||||
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丘の上に建つ小さな家に、ある日”男”がやって来る。「なぜこの家を買ったのか?」 「あなたの叔母は何か言っていなかったか?」男の意図するものは?この小さな古い家には、 奇怪なできごとに染められたたくさんの歴史が積み重ねられていた・・・。表題作「私の家では 何も起こらない」を含む9+1編を収録。 異次元の空気をまとい、ひっそりと丘の上に建つ家。そこで起こった数々の信じられないできごと! 「生」と「死」。人はいつもその間に線を引きたがる。けれど、このふたつの間には、線など 引けるはずがない。表裏一体。「生」と「死」はふたつでひとつなのだ。からみ合い、混じり合い、 そこから伸ばされた手は読み手の心をつかみ、恐ろしいまでに締めつける。最初から最後まで 不思議な雰囲気が漂い、恩田陸の独特の世界が果てしなく広がる。けれど、作者の意図をきちんと 理解するのが困難で、読んだ後も、もやもやとしたものだけしか残らなかった。消化不良の 作品だった。 | ||||
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「ラストには驚愕の書き下ろし短編」などとあるからどんなに怖い物語が満載されているのかと期待を持って読んだのですが、 もちろん、優しそうな女性にさらわれて壜詰やマリネにされてしまう子供たち、台所で殺しあった本当は仲のよかった姉妹など、一つ一つのエピソードは面白く、狂気が静かに伝わってきて、怖いには怖いのですが、でも期待したほどではなかったです。 「驚愕の書き下ろし短編」なる最後の短編は、驚愕でもなんでもない。完全に蛇足。 | ||||
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恩田陸さんの本はほとんど読んでいるのですが、この本はその中でも 好きな一冊です。まず表紙の可愛さ☆本棚に飾ったりもしてましたが 内容と雰囲気がばっちり合っていると思います。 内容はそれぞれに関係しあっている短編集みないな感じで、読み終わった後 もう一度バラバラに読み返しても面白かった。 リアルでそれでいてファンタスティクでゾクゾクしながら読んでいるのに 一冊読み終えるまで一気に読んでしまう(量も多くないので)感じです。 | ||||
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『幽』に連載された作品を加筆修正したものに書下ろしを加えた、10本の連作短編を収録小さな丘の上の家を舞台とした、幽霊屋敷もの「私の家では何も起こらない」アップルパイを焼いているキッチンで殺しあった姉妹が住んでいた屋敷が舞台死者の特権が静寂なら、生者の特権は喧騒か 幸福も、そして不幸も生者のみに与えられたものなのかもしれない「私は嵐の音に耳を澄ます」丘の上の屋敷で起きた攫ってきた子供を調理し、旦那様に食べさせる使用人の事件攫われた少女の視点で書かれますかなり猟奇的な内容ですが、死者の穏やかな視点で書かれている為グロテスクな描写は殆ど無く抑えられた文体で書かれているそこが、逆に恐怖感を倍増させる恩田さんはヒトが悪い(これは褒めているのです)「我々は失敗しつつある」死者が幽霊屋敷に留まれるのは、その場所に対して因縁があるからなのか幽霊として留まり続けるには、やっぱり深い業が必要なのか「あたしたちは互いの影を踏む」アップルパイが焼けるキッチンで殺しあった姉妹彼女達の惨劇の模様が描かれるその引き金は、屋敷で起きた過去の事件の面影だったのかそれとも彼女達自身の過去にあったのか「僕の可愛いお気に入り」理知的で、大人びた性格ゆえ、世間に絶望している美少年彼には秘密が2つあった丘の上の屋敷の地下にいる少女との親交そして、彼は連続殺人鬼であった彼は地下の動かない少女の傍らで自殺することで自らの短い人生に決着をつける「奴らは夜に這ってくる」古代から言い伝わる「這う奴ら」という怪物怪物は、本当に存在するのかそれとも、それは不幸の連鎖なのか不幸とは世代が変っても繰り返し感染していくものなのか静寂の内に幕を開けた物語は、どんどん、剣呑さを増していく「素敵なあなた」この丘の上の屋敷を建てた家族の物語最初から不幸が付き纏っていたことが明かされるやはり、この土地自体にも何かの因縁があるようだ「俺と彼らと彼女たち」新しく小説家がこの丘の上の屋敷に住むことになり、大工の親子が家を修繕することになる彼らは、この家で多くの死者達を目撃する家が取り壊されることを心配する死者達も、彼ら大工たちの目的が修繕であることを察すると自ら傷んでいる箇所を教えるなど、協力的となる和やかなテイストだった「私の家へようこそ」人の生活空間で、過去に人が死んでいるのは当たり前であるそれなら、人のいる殆どの土地には死者がいるはずだ世の中全体が幽霊屋敷なのかもしれない土地に積み重なった人間の記憶が外側に作用すると幽霊となり内側に作用するとデジャ・ビュとなるこの考えは、非常におもしろかった「附記・われらの時代」SF的な壮大なヴィジョンを感じさせる結末だった予想外の終着をむかえた | ||||
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自分の中に密かに潜む狂気が、いつの間にか、忍び寄ってくるような、静かな怖さを感じる作品です。 全体を通して、過去と現在の事象が、淡々と乾いた視点で描かれている所が、一層怖かった。 主人公達は、過去の屋敷の幻影によって絡め捕られていくと思いきや、過去の亡霊はただそこに留まるだけ。自ら狂ったのは・・。 | ||||
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楽しみにしていたこの本。 他の方も書かれていますが、まずタイトルからして! 「私の家では何も起こらない」。 起こるに決まってんだろう、とほくそ笑みながら読みましたが、 やはり良い。 丘に建つ、ある幽霊屋敷にまつわるお話で、 幽霊屋敷という言葉に少なからずときめく人ならハズレはないです。 説明が自然になされていて、どんどん読める。 静かな怖さ満載で、また適度に(?)猟奇的なのですが、 この方の場合 書き方がとても上手い。 ただもうやたらに残酷な描写を続けるのでなく、 整った文章でとんでもないことがさらりと描かれているので、 読み流してから「え?」と目を見開くことしばしば。 恐怖の美化が適度で、気取りすぎず心地好い。 一気に読んでしまいました。 恩田氏のホラー作品を何冊か読み、 とにかく「引っ張りの名手」であると痛感。 核心をなかなか明かさない小説はごまんとありますが、 恩田氏の作品は「出し惜しみ感」が皆無に感じられます。 いいから早く明かしてよ、という気分にならない。 フィナーレのために冗長な文章を追わなきゃならないのではなく、 今読んでいる箇所が面白いのに、猛烈に先が気になる。 故に、この方の作品はいつも切り上げ所が難しいのです。 あと1ページだけ、この章が終わるまで…と読んでいると、 気になる部分が次から次へと現れて、どうしても先が知りたくなる。 結局夜明けまで、なんてことも何度か。 ただ、引っ張ってるだけあって結末には納得いかない時もある。 途中までこれだけ夢中にさせてくれれば文句ないですが。 文章が上手いので、 頭の中にイメージが浮かぶまで先に進めない私は非常に助かっています。 世にこれだけ恐怖モノが溢れている中で、全く陳腐にならないのは流石の一言。 装丁も含め、ツボに入りすぎの一作でした。 怖いモノ好きな方は是非。 長文失礼致しました。 | ||||
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恩田陸氏は、私が最も好きな作家の一人です。『六番目の小夜子』を読んで、すぐに虜になりました。 ミステリ、SF、恋愛、青春小説……氏が書かれるどのジャンルの作品も好きですが、やはり最も好きなのはホラー要素を含んだ作品です。氏の書かれるホラーを読むと、まるで幼い頃に見聞きして以来、忘れることなく胸にしまわれていた、美しい残酷な童話に再び巡り会えたような感覚にとらわれます。 この作品もそうです。丘の上に建つ、あたたかい日差しに包まれた古風な洋館をめぐる、十の短編連作小説。平易ながら繊細な、考え抜かれた文章で紡がれる穏やかな雰囲気の物語。しかしその温もりの裏には、背筋を震わせる凄惨な事象が隠されています。 氏は「ノスタルジアの魔術師」と呼ばれているとのこと。最高の表現だと思います。その魔術師の手で紡がれる優しくて怖い童話を、ぜひお読みください。 | ||||
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この本を手に取った時、可愛らしいお話なのかなと漠然と思ったのですが、 これがまさかのホラーで、意表を突かれました。 わかりやすく読みやすい作品です。 一軒の家にまつわる10のお話で、それぞれ主人公の違う連作です。 凄惨な事件が軽い口調で語られるので、 コミカルな感じもしてサラッと読めると思います。 難点はやはり10番目のお話ですか。 これは本書を発行するにあたり加筆修正されたものとのことですが、 蛇足だったような気がします。 9つのお話だけでまとまっていて余韻もあって、 久々に気持ちよく読み終えたような気がしていたのに、 最後の章で焦点がぼけたというか、 急に哲学的で難しい本になってしまいました。 そこが残念でした。 | ||||
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恩田陸さんの小説はジャンルが多岐にわたっているので正直当たり外れがあるのですが、 個人的にひさびさの大当たりでした。 装丁も申し分なく綺麗だし、何よりタイトルが良い。 「私の家では何も起こらない」 …え?何も起こらないの?と思って帯を見てみれば、 「この家、あたししかいないのに、人がいっぱいいるような気がする…」 うわあぁ!めちゃめちゃ起こりそうだよ!! 暖房のガンガンきいた本屋で、ぞくっと背すじに寒気が走りました。 見事なホラーです。 淡々とした語り口が逆に恐怖を煽ります。 謎が謎を呼ぶ連作短編形式で、一気に読んでしまいました。 書き下ろされた最後の附記にも恩田さんらしさが滲み出ていて、 終わらない物語の中に放り込まれたような、不思議な余韻に包まれました。 この本は、夜読んではならない。 | ||||
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