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ウランバーナの森
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ウランバーナの森の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.85pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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この作品の主人公はただジョンという名前が出ているだけですが、明らかに元ビートルズのジョン・レノンですね。妻のケイコはオノ・ヨーコ、息子のジュニアはショーンということになります。読み終わってまず思ったのは「ビートルズ・ファン以外の人が読んでわかるんだろうか?」ということでした。私は昔、ビートルズが好きで、関連本もいろいろ読んでいたので、ジョンが母親に世話を拒否されて叔母夫婦の元で育てられたことやそれがずっとトラウマになっていたこと、毒舌家ゆえにいろんなトラブルがあったことなど前知識があったので話がすんなりと頭に入ってきました。が、このあたりのことを何も知らなければ、この小説を読んでみてどう感じるのだろう?と??になってしまいました。 ビートルズはメンバー間や所属会社との内紛の末に解散してしまい、ジョンがオノ・ヨーコと結婚したこともその一因になりました。ヨーコは前衛芸術家で変わっていて理解されにくい人でしたし、多分にアジア人蔑視もあったと思いますが、ジョンを惑わせビートルズを壊した女としてひどいバッシングを受けました。その後、ジョンは精神的に不安定になり、音楽活動も世間に出ることもやめてしまいました。言わば休止期間であったその4年間のことを、著者奧田英朗氏があれこれ想像して創作したのがこの作品です。ジョンがヨーコの実家所有の軽井沢の別荘に、まだ幼いショーンと滞在していたのも本当のことです。 この期間を経て、新たに発表したソロ・アルバムは明らかに作風がまったく違っていました。ジョンの精神的な変化に関して奥田氏が想像されたことは、当たらずとも遠からずという感じで、何らかの安らぎや着地点を得たものと思われます。この小説中では、自分が犯したかもしれない罪、ひどく傷つけた人々、愛憎混じり合って複雑だった母親への思いなどについて、幽霊になったキース・ムーン(当時の人気バンド、ザ・フーのドラマー。薬物中毒で早世)があの世との繋ぎ役になって、いろんな人との再会や贖罪を果たします。幽霊が出てくる時点でファンタジーといっていいと思います。 ジョンが便秘で悩むのは何かの象徴なのか?便秘で力むシーンが何度も何度も出てくるのですが、別に汚いシーンだからというのではなく、同じことの繰り返しが多すぎるのでこの場面は飛ばし読みしてしまいました。個人的には、このシーンはもう少し省略してもよかったのではと思いました。 ただひとつ気になったのは、ジョンの最初の妻シンシアとその息子ジュリアンのことでした。ここではほんのちらっとだけ出てきますが「子供の頃は平凡な家庭に憧れたが、いざそれを手にしてみると、その平穏さに馴染むことができなかったのだ。最初の妻が古風な女だったということも、最初はそれを求めていたくせに(中略)ジョンにはそれが重荷だった。ジョンは責任を取りたくなかったのだ。」ということ、ジョンがシンシアにひどく当たったこと、そして終生に渡ってジュリアンを無視し続けたことやヨーコも彼を冷遇していたこと、見かねたビートルズのメンバー、ポール・マッカートニーたちがジョンを批判しジュリアンのアルバム・デビューに手を貸したことなども知られています。ここでは、ジョンもヨーコもとてもいい人に描かれすぎていて、お話なのでそれでいいのですが、他のことが事実に沿って描かれているだけに、そのあたりがなんだかすっきりしませんでした。シンシアとジュリアンも真っ先に謝るべき人たちではないのかなあ・・・。 どうしてデビュー作でジョン・レノンだったのか?あとがきで奥田氏は、4年間の空白を置いて発表されたアルバムが実に穏やかになっていた、「空白の4年間に何があったのか、その部分を埋めてみたかった」というのが、この小説を執筆した動機だと書いています。ただ、ビートルズは永遠だといえど、特に若い人にはジョンのことを知らない人も多くなってきているのでは・・。デビュー作でこのテーマは、結構リスキーじゃないのか?そんなことも考えてしまいました。 奥田氏作品は、「東京物語」、「邪魔」と、まだ3作目です。すでにこの3作だけでもまるで違う作家が書いたかのように作風がまったく違います。次は「最悪」が控えているのですが、これからも読んでいくのが楽しみです。 | ||||
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その夏、世紀のポップスター・ジョンは軽井沢で過ごした。家族との素敵な避暑が、ひどい便秘でぶち壊し。あまりの苦しさに病院通いをはじめたジョンの元へ、過去からの亡霊が次々と訪れ始めた……。大ベストセラー小説『最悪』の著者が贈る、ウイットとユーモア、そして温かい思いに溢れた喪失と再生の物語。 | ||||
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ジョンレノンのオマージュと思わしき主人公が便秘で病院に行って帰りに 幽霊を見るという内容が終盤まで延々と続き、ファンタジーなラストを迎えるという 何ともいえない作品 最悪や邪魔のような作品を期待して買ってこの内容だったので、 正直あまり楽しめなかった ビートルズファンなら楽しめる内容なのかもしれない | ||||
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序盤では主人公が悪夢と体調不良に苦悩する様子をリアルに描いており、その後の不穏な展開を想像し、ハラハラしながら読み進めました。しかし後半にいくにつれ、何やら肩透かしを食らった感じ。幽霊の存在が割と容易に確定してしまい、しかも彼らがあまりにも堂々としている点がイマイチ現実的ではないです。もっと現実と空想を曖昧にしてよかったのではないでしょうか。ですが、登場人物のちょっとした仕草や癖などをさり気なく描いた文章はさすがだと思います。全体的には家族愛に満ちた物語となっているので、家庭を持っている人には特に読んでもらいたい作品です。 | ||||
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あの夏、軽井沢で、ジョンは幽霊と便秘に襲われた。 奥田英朗のデビュー作。 デビュー作から、まさかのパロディ。しかも便秘と言う突拍子のなさ。 さすがですね、他の作家さんにはない要素です。 話の主軸は、SFチック。今は亡き友人達が、幽霊となってジョンの前に現れる。 そして彼らと会話を交わし、心のしこりが取れてゆく。 SFというよりも、ハートフル路線。 幽霊が出てくる以外はリアルなSF。SF苦手な人でも大丈夫でしょう。 そしてあとがきで語られる、この小説の意味。 何も知らなくても面白い。 知っているとより面白い。 他の奥田作品の方が好きですが、これも十分楽しめました。 | ||||
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新鮮でしたね。便秘って(笑) でも、真剣なんです(笑)いやでも、本当に便秘は大変ですからね。笑ってちゃいけませんね。 「病気のつらさは、それが生活のすべてになってしまうこと」ってことを言っていて共感しました。病気の機嫌をとって、これはいい、これは悪いって振りまわされるんですよね。自分で選んで食べたり遊んだりできなくて、病気が選んじゃうんですね。 もう一つ、心に響いた台詞が。ジョンの便秘がひどくて、医師は「でなくてもいいんでは?」というんです。でも、ジョンは「???」って感じで納得できなくて。その他諸々伏線はあるのですが、まぁそういう状況での医師の台詞の一つです。 「人間にしろ、動物にしろ、生きていくうえでしなければならないことなど実はひとつもないのです。読まなければならない本もなければ、会わなければならない人もいない。食べなければならないものもなければ、行かなければならない学校もない。権利はある。しかし義務はない。してはいけないことがいくつか存在するだけで、しなければならないことは何もないのです。あなたは《かくあるべし》という気持ちが強すぎる」 なんだか考えさせられてしまいましたね。そういう視点では非常に好きな本です。描かれているメッセージが好きです。 ストーリー展開的には、先が読めませんね。確かにちょっとしんどいかもですね。 | ||||
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モデルはジョンレノンですよね。 本物のジョンが実際に姿を隠していた頃の話だったっけかな? もちろんフィクションで 困難だったら面白いだろうなぁ〜って想像だと思うんですけど。 で、そのジョンは軽井沢でひどい便秘に悩まされていた。 耐え切れなくなって病院に言ったジョンの元に 過去の亡霊たちが現れてくる。 すでに死んだ人たちとの交信を図ることで ジョンは自分の過去と向かい合っていく。 あ〜精神世界のおはなしだぁ〜。 とはいえ、そこは奥田英朗。 そんなにへんなほうにも走らずに 上手い具合に均衡を保っています。 でも、すごく彼の作品の中では読みにくい作品でした。 しかも、伊良部先生シリーズを読んだ後に読んだものだから その差になかなか追いつけませんでした。 | ||||
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正直これまで読んだ奥田作品の中で一番面白くなかった。それはきっと時代背景が、いわゆる「ジョン=レノン」が生きた時代だから、僕にはうまく想像できないからかもしれない。いや、絶対そう。 ただ僕のような年代の人にはちょっと面白みや印象に欠けるのだと思う。 | ||||
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私はビートルズファンなので、楽しく読めましたが、そうでない人には共感すること、エピソードに頷くことが少なくてあまり面白くないかもしれません。文章は平易でテンポも悪くありません。場面によってはやや突飛な展開で、万人受けするとは言いがたい内容になっています。個人的には★4つでもいいかもですが、上記を踏まえ一つ減らさせて頂きました。ゴメンなさい | ||||
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