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扉は閉ざされたまま
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扉は閉ざされたままの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.24pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全43件 21~40 2/3ページ
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倒叙形式ではありながら、犯人の動機は伏せられたたまま、物語が進行します。 犯行現場となった部屋は密室にされ、犯人以外の関係者は、被害者の生死も確認できず、 また、確認しようにも、歴史的価値のあるドアとセキュリティシステムが施された窓のため、 それらを破壊し、進入することも躊躇われるという状況設定がなされています。 そして本作のキモは、なぜか犯人が密室を維持し続け、死体の 発見を遅延させようと、関係者を誘導しているところにあります。 普通の密室ミステリなら、密室を破る場面が序盤に置かれますが、おそらく 本作ではそれを転倒させることによって異化効果を図ったのだと思われます。 そのために、本作の特異で独善的な動機が案出されたのでしょう。 犯人の些細なミスを見逃さず、それに基づいて真相を導き出す探偵役の推理は 鮮やかですが、本作の場合、他殺と想定した時点で、犯人をほぼ特定できる、 というのが残念(まあ、犯人当てではないので仕方ないですが)。 | ||||
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このミス2006年の二位にランクインされていたので読んでみた。とにかく優佳の推理がすごい。 最初はただの脇役かと思ったら探偵役でした。 筆者の伏線をことごとく拾っては論理を展開していく。 なぜそんな発想が出来るのか嫉妬してしまうほど 説得力のある推理をしてくれる。 この人にお近づきになりたい、読み終わった後そんな 気持ちになった。 ただ、残念だったのは殺人の動機と最後の終わり方。 動機は納得できないし、最後の終わり方も読み手の 想像にお任せします的な感じだった。 それでも最後までテンポも良く、読んで良かった! と思える作品だった。 | ||||
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まさにコロンボのようですが、いきなり殺人シーンから始まり、そのトリックがわかってしまってからスタートします。 その後犯人周辺の状況が明かされていき、犯人対探偵役の構図がゾクゾクする臨場感で語られていきます。 手に汗握るようなストーリーではありませんが、その対決はなかなか奥が深く、小説としては手頃の長さの心理戦で非常に読み応えがあります。 結末の恐ろしさ(女性の?)もゾクっとするものがあり、普通のミステリーにはない面白さ。 ちょっと動機として弱いかなあとも思いますが、犯人の頭の良さと潔癖症を考えると、それもいいかなあと納得。 手ごろにミステリーを楽しみたい方にはオススメです。 | ||||
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面白かった…というのが読み終えた後の感想でしたが中盤辺りから歯痒さといか苛立ちを感じたのは事実です。自分の中で事件を解いていく女性を余り印象よく思えなかったのがあります。天才的な頭脳をもっているにもかかわらず言っていることが少し幼稚で我儘な所が好きではありませんでした。ですが、犯人側の犯行の様子や心情が感じとれやすく非常に読みやすかったです。最終的には『こういう終わり方もありかな』と頷ける小説でした。 | ||||
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この本を選んだのは、近所の本屋さんでお勧めしていたためです。 石持さんと作者の本は初めてよんだのですが、殺人犯である伏見の心の動きが分かりやすく表現されていました。 盛り上がり部分が多彩とかいうよりも、気づいたらのめりこんで読んでいたという感じでしょうか。 「古畑任三郎」のように初めに犯人がわかっているので、ミステリーを徐々に紐解くストーリーが好きと言う人にはお勧めできません。 この小説に出てくる女版の古畑任三郎こと優佳(ゆか)が、冷静に伏見を追い詰めるところは、現実の女性にいたら、絶対に頭が上がらないだろうなぁという感じで読んでいました(笑) また、読者の気を持たせた状態で物語が終わってしまうので、気になって仕方ないです(笑) ワタシ的には、犯人の心理描写にドキドキ感を味わえたので、面白く読めましたよ。 | ||||
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著者は九州大学理学部卒だそうで、なるほど理系らしい非常に理論的な犯罪計画と推理の応酬が展開され、最後まで読者を捉えて離さない。 本書の面白い所は、事故死を装った密室を作り上げた主人公・伏見と事件に疑問を抱く優佳との息詰まる頭脳戦であり、 若く美しい優佳の鋭い推理に心理的に追い詰められていく描写はなかなか秀逸。 また、伏見と優佳はかつて恋愛関係に発展しそうになったエピソードもあり、二人の対決に恋愛の駆け引きも絡み、 最後にはとんでもない取り引きが交わされるのだが、それまで石持浅海という作家は女性だと思っていたので、もしもそうならちょっと意外に感じてしまった。 また、犯行の動機については賛否両論あると思う。 ちょっと理解に苦しむ動機であり、しかも利害が絡んでいないため優佳の推理が動機について触れる所になると 論理が飛躍してしまい、推理に無理がある様に感じてしまった。 登場人物のメンバーは大学の研究員や翻訳家だったりするので、 もう少し知的でペダンティックな会話があったらさらに面白かったのではないだろうか?(これは好みの問題ですが) | ||||
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これはゼロ時間へ向かうミステリーだと思う。すべてが完結した中からこのように展開するのだからたいしたものだ。ぐいぐい読ませる内容だった。一気に読み進めることが出来た。 面白い。 | ||||
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クローズドサークルが好きなので、その点では 「なるほど、こんなクローズドもありか」と、楽しめました。 ただ登場人物の現実味が薄く、なかなか感情移入することはできませんでした。 しかしラストぎりぎりまで引っ張ってくれる話の展開は、 最後の最後まで楽しませてくれました。 クローズドサークル好きの方は、ぜひご一読をお勧めします。 | ||||
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読んでいる最中、ずっと頭には「巧妙」と言う言葉が浮かんでいた。とにかく、巧妙さに溢れた作品、というようのが私の第一印象である。 まず、作品の進め方そのものが巧妙だ。主人公は犯人である伏見。読者は、伏見が新山を事故に見せかけて殺害したことは知っている。密室を作ったこともしっている。とにかく、時間を稼ごう、という伏見の心情も伝わってくる。しかし、どうやって密室を作ったのか? なぜ時間を稼ごうとしているのか? そもそも新山を殺そうと思った理由は何なのか? という事は一切わからない。伏見と共に、優佳に看破されないだろうか? と怯えながら、一方で伏見が行ったことがどうなのかを楽しみに待つという相反することを同時に味わうことになる。 そして、舞台設定の巧妙さ、である。タイトルの通り、作中、ずっと新山の部屋の「扉は閉ざされたまま」である。伏見を初めとした面々は、常にその部屋の外にいて、そこからわかる状況だけで推理が進められていく。そう簡単に扉が開けられず、また、開けさせないようにする伏見の仕掛け…というったところが実に面白い。 開かされた動機がどうのこうの、など気にならない点がないわけではない。でも、これだけシンプルに見せておきながら、一方で巧妙な作品というのはそうそうあるものではない。06年版『このミス』2位というのも納得の出来だった。 | ||||
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非常にすっきりとしたミステリだったと思います。 論理的に詰めてありますし、ある程度、肩の力を抜いて謎解きを楽しみたい、という場合にお勧めの一冊です。 犯人と犯行場面は最初から提示されています。 紹介に書いてあるとおりです。 あとは、その謎解きと詳細なハウダニットを明らかにしていくプロセス。 非常に静かです。 実際の犯行に立ち会ったらこうではないだろうとか、細かいことを考えてはいけません。 淡々と進む犯人が追い詰められていくプロセスをとっぷり楽しめると思います。 | ||||
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世間でなかなかの評価を得ています。ずっと気になっていまして、ようやく購入しました。 冒頭から犯人が被害者を殺すところから始まり、その後に完璧な計画が第三者により徐々に崩されていく展開です。もちろん動機も最後まで解りません。 登場人物も非常に少なく、とある家の中のごく一部の部屋だけで話は進んでいきます。設定が非常にシンプルな割に、最後まで飽きずに読めました。しかし登場人物に特徴がいろいろと設定されていますが、そんなに生かし切れていない気がします。もう少し全員の個性が際立つと動機の面でもより深く納得できるかと思いますが…。 総評としましては、星4つくらいでしょうか。設定はなかなか面白かったですし、理詰めは好きです。 | ||||
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論理的に物事を突き詰めていくところ、状況を作るプロセス、犯人と探偵とのやり取り、など緻密に考えられていて、非常に好感が持てました。実際に密室事件が起きた場合、中の様子が確認できなければ一般ではそう簡単に扉をぶち壊したりして開けようとはしないのではないか? そういうところにも作者の深い考えを感じ取ることが出来ました。 ただ、それでも小説内の人物がこれだけの論理的思考をもちながら、このような行動を起こすのか? という疑問もないわけではありません。これは個人的な意見なのですが…。小説内のリアルに主要人物がかみ合っていないようなちぐはぐな感じも受けたということだけ記します。 それだけに、私としては、惜しい!! もう少し人物にも気を配って欲しかった!! という心残りがあります。まぁ、上にも書きましたが個人的な感想ということで。 | ||||
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新しいタイプのミステリです。一見倒叙ミステリのようではありますが、根本的な作りが違います。開かない扉を前にして、犯人とそれを暴こうとする者の推理合戦。ちょっとした出来事や事柄から、どんどん推理を組み立てていく。まるでエラリー・クイーンの推理を見ているようです。緻密な推理、論理の積み重ねが、どんどん犯人を追い詰めていきます。しかし結末は・・・。ただの倒叙ミステリではありません。一ひねりしてあります。こういう結末があっても良いでしょう。 | ||||
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この人の作品初めて読んだけど、素直に楽しめました。 動機の弱さとか、登場人物の非リアリティさとか粗は それなりにあるけど、それが問題になるかどうかは この作品に何を求めるかによるのではないでしょうか。 ライトノベルだし、時間つぶしに読むにはもってこいです。 斬新なアイデアと限られた人物の会話だけで進む展開は 肩肘張らずに楽しめました。 | ||||
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「小説としての肉付けを徹底的に排して、謎解きに徹する」という姿勢は、必ずしも否定するものではありません。問題は「わざとそう書いている」のか「そのようにしか書けない」のか、という事でしょう。 謎解きの構成に関していえば、これは実に見事なものです。時節柄『容疑者Xの献身』と比較されることも多いようですが、この点に関しては、遥かに東野作品を凌駕していると思いますし、『容疑者Xの献身』が中途半端な人間ドラマを盛り込むことで、却ってリアリティのないお話に堕しているのに対し、著者の姿勢はむしろ潔いとさえいえるのではないでしょうか。動機について批判も多いようですが、現実にこのような動機(一人よがりな正義感)で、殺人を犯す人間がいないとは限らないと思います。 ただ、人物の内面から何から、全て「説明」してしまうのは、小説としてはあまりにも芸がなさ過ぎます。これまでの石持作品でも、その点に不満を覚えました。「描写」ができない限り、「そのようにしか書けない」のではないかという疑いは拭えません。しっかり取材をしているように見えて、物語に直接関ってこない部分では確認が疎かになり、誤った記述をしている点があるのも気になります(『月の扉』で自閉症を「心の病」と記述している点など)。 『扉は閉ざされたまま』については、デビュー以来の石持スタイルが最もうまく結実しており、僕は星4つは差し上げたいと思います。ただ、このスタイルで「小説」を書き続けることには、正直、賛成はできかねます。これからに期待しての、4つ星です。 | ||||
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この殺人動機は飛躍しすぎで、およそ読者の共感は呼ばないだろう。犯人も探偵も感情移入しにくい異常人物として設定されているので、さほど唐突感はない。だが、せっかく動機まで謎解きに組み込まれているのに(前半ではそこまで期待していなかった)少しもったいない思いがした。特に発端となる犯人の職場における小エピソードにリアリティが無い。 それ以外は完璧だ。犯罪が露見する前の段階での、犯人と探偵役の暗黙の知的闘争という趣向が秀逸で、名人同士のチェスを見るかのような緊迫感がすばらしい。ミステリを読む楽しさここに極まる、という感じだ。 「このミステリーがすごい」2位という結果には特に不服はない。これだけ彫り込まれた作品はザラにはないだろう。ただ、これと対照的に、華やかなキャラクターの楽しさと謎解き・ドンデン返しの痛快さを見事に融合した傑作「交換殺人には向かない夜」(東川篤哉)が選外というアンバランスを思うと、まだまだミステリの世界には深刻至上主義が根強いのだなあと思わざるをえない。 | ||||
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おどろおどろしい深い怨恨がないことも、もしかしたらそんな名探偵がいなければ逆にパッピーエンドだったかもしれない事件をどん底にたたき落とすような名探偵がでてこないことも、とても良い感じでした。 | ||||
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この作者は「みんなが善人」というような雰囲気の話が多いのだが、 それが作品の底に流れるものと相容れず、 なぜか読者に(私に)大きな不快感をもたらす、ということが多かった。 この作品は、妙な善人風を吹かすのをやめて、一部の登場人物を表面上あえて無機的な感じにしたのが良かったと思う。 相変わらず、主に言葉のやり取りで謎に迫る手法はうまい。 動機については、もう少しドラマチックなことがあったのではないかと思いながら読んでいたので拍子抜けしたが、 一応、作品の中の世界では成立しうるかな、という気もする。 ラストも、これまでの石持作品の中で一番良かった。 | ||||
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密室殺人を扱った本格ミステリーだが、探偵が密室トリックや犯人を暴くストーリーではなく、はじめから犯人と犯行方法が分かっている、TVドラマの「古畑任三郎」のような、いわゆる「倒叙もの」のスタイルをとっている。 「倒叙ミステリー」とはいえ、なぜ犯人は「密室状態」を構築してまで死体の発見を遅らせる必要があったのか、肝心の殺人の動機はなんだったのか、謎は、扉と同様に伏せられたままである。 物語は、犯人・伏見の犯行から始まり、中盤までは伏見の「事後」の成り行きを思惑通りに進めるための、臨場感あふれる心理描写中心に展開し、終盤、探偵役の女性・優佳(ゆか)と伏見との緊迫感のある「対話」へとなだれ込む。そして彼女によって事件の真相が暴かれ、最後に「密室の扉」が開かれる。 その場の皆が騙されるなか、ただひとり勘の鋭い優佳に疑問を抱かれ、伏見が焦る場面などは迫真で、おもわず手に汗握り、自分が犯人になったような気がしたほどである。 著者の石持浅海の作品は’02年のデビュー作『アイルランドの薔薇』をはじめ、’03年、各社のミステリーランキングの上位に選ばれた佳作『月の扉』、’04年、水族館を舞台にした話題作『水の迷宮』を読んできたが、いずれも程よい長さで、展開がスピーディで緊迫感にあふれていて面白かった。 本書もその例に漏れず、いやそれ以上に最後まで緊張感を持って、一気読みをしてしまった。さすが’05年のいろんなミステリー・ベストテンで上位にランクインされたミステリーである。 余談だが、そういう役回りを著者が演出したんだろうけれども、探偵役の優佳が私にはイヤミに感じられるくらいに個性的に描かれていて、ハナについてしまい、決してこういう人とはお近付きになりたくはないと思った。 | ||||
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天才的頭脳を持った犯人vsそれを上回る頭脳の探偵役、のシンプルな構図ですが、 この作品は一味違います。 疑念が不審に変わり、推測が推理に発展し、ついには結論へ。 これが閉ざされた密室のまま行われるとしたらどうでしょう。 ある意味、形を変えたアームチェアディテクティブのようなものですが、実際読んで みると新鮮です。着地もひねりが効いていて見事。 動機は納得出来かねますが、特にマイナス要因とは思えず、私は気になりませんでした。 この作品のポイントはそこではないですからね。 ボリュームもコンパクトにまとめられ、新鮮度の高い作品です。 | ||||
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