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斜め屋敷の犯罪
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【この小説が収録されている参考書籍】
斜め屋敷の犯罪の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.77pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全62件 41~60 3/4ページ
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もはや本格の古典・教科書の域にある本書ですが、いまだ最高峰として君臨しています。 「占星術殺人事件」「異邦の騎士」「暗闇坂の人喰いの木」までの御手洗もの長編は、現在新本格として出版されている作品とは比較できないほどの結末の切れ味、雰囲気そして作品としての完成度を持っています。 最近の御手洗を読んで、今ひとつと感じた人も読んでみてはいかがでしょうか? | ||||
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これは、本格推理にありがちの「読む人によってリアクションが分かれる作品」だろう。この作品は、連続密室殺人というトンデモナイプロットが基本だが、第2の殺人で使われるトリックがまたものすごい力業(笑)。これに匹敵するのは、赤川次郎の「三毛猫ホームズの推理」くらいのもんだろう。一読驚嘆、寝転びながら読んでて飛び起きちゃったという人と、こんなんアリか!と本を壁に投げつける人がいるだろう。それは個人の嗜好しだいだが、私は幸運にも前者だったため、評価は満点です。 | ||||
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北海道の最北端、海を見下ろす高台の上に、 三階建ての西洋館と、まるで鏡のように周囲を映し出すガラス張りの塔が建っている。 それらの建造物はなぜか、最初から傾けてその地に建てられていた。 館の周囲には人家はなく、ただ海と草原だけが広がっている。 その奇妙な建物の中で、奇妙な出来事と殺人事件が次々と発生する。 警察が到着しても事件は続き・・・。 学生の頃、初めて読んだ「推理小説」です。 当時「推理小説」に抱いていたわだかまり(読まず嫌い?)を払拭してくれる話であり、他のたくさんの「推理小説」を読むきっかけを与えてくれた話でした。 文章は軽快で読みやすく、人間に対するユーモアと皮肉に満ちています。 「推理小説」が初めての人でも、サクサクと読み進めていけると思います。 (ただ隙あらば! とにかくもう、何かしらツッコミが入るので、それがあまり気にならないといいんですが・・・) 不可思議に(しかも異様に大きく)膨らんだ多面体みたいな謎を、論理という言葉でパタンパタンと折りたたんでいき、最後には手のひらに乗るような、シンプルな結末に導いてくれます。 トリックが明かされると、スカッとする爽快感さえあります。 そしてスカッとした後で、「でもこれって、論理でいけたとしても、現実的・実際的にアリなの?」と、ふと首を傾げてみたりもします。(笑) けれど、面白いので、一読の価値アリです。 あと、出てくる人物たち、何か濃いです。何より主役が一番濃いです。 もっと別タイプの人間群像ってある気もするんですが・・・。(笑) | ||||
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読者への挑戦状が挟んでありますけど、 挑戦されて、このトリック見破った達人なんているんでしょうか!?w こんなのゼッタイ解けないないないないないって!!w さすが、美大でてるだけあって、こういった立体トリックは島田の得意です。 島田はトリック考えるときは絵を描いて、3次元で考えるんだそうです。 そういった絵心があるので、こんなトリックができたんですー! ただ、御手洗が、もうなんのためらいもなくあっさり解いてしまうのだ、 なんかなー!! だって、この屋敷初めてやってきて、ろくにしらないのに、ズバズバ的中させるんですよ!? 占星術事件では、大阪まで行って散々悩みまくって、ようやく解決してたのに、 占星術事件よりも難解だろうと思えるこの事件を、何の迷いもなく 一発的中! なんか天才過ぎてイヤあだわ・・! 花壇の模様は、さいしょはなんだか分からなかったけど、 そうと分かったらそうとしかみえないところがスゴイ!! | ||||
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「占星術」に続く2作目。作者の代表作であるばかりでなく、日本ミステリ史上に残る傑作。全体が"斜め"に傾いた屋敷という趣向。雪の中、幻想感溢れる雰囲気、奇矯な探偵御手洗の登場と舞台設定が抜群だ。 作中で起こる様々な不可思議な現象も、事件と有機的に繋がっており、それが最後に合理的に説明されるのも心地良い。とにかく、メイン・トリックの壮大さは他に例を見ない程で、良い意味で笑い出してしまう程だった。カーの良く出来た密室物を読んだ時と同じで、「良くこんな事を思いつきますねぇ〜」という想いだった。作者がミステリに対して夢とロマンを持っているとヒシヒシと感じた。 実は、犯人(分かりやすい)が席を外した時、このタイミングで犯行を行なっているなぁ、と察したのだが、方法が分からなかったのだ。それが、ああいう説明とは......脱帽しました。御手洗の奇矯な言動が不自然ではない程うまく整えられた舞台設定と壮大なトリック。冒頭でも述べたように、日本ミステリ史上に残る傑作である。 | ||||
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人物造詣や設定の有無より、まずトリックで驚きたいという人にはお勧めの作品。 トリックは眼前に広がっているのに気づかないような鮮やかさであり、それを証明する御手洗の話術や行動に「ううむ」と唸らされる。 このトリックは、作者の手腕と御手洗という登場人物によって遺憾なく発揮されているように思える。 戦後の本格ミステリ史でも類をみない秀作 | ||||
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ミステリーにおけるトリックについて、私は自分なりの判断基準がありました。リアリティ、必然性、厳密さ、解明された瞬間の衝撃度。島田荘司氏が「斜め屋敷の犯罪」において仕組んだトリックは、トリックそのものの驚きもさることながら、トリックに対する私の判断基準を根底から揺るがす、まったく新しい思考をもたらしてくれました。この作品のトリックには詩的な輝きがあるのです。そのフォルムには優美さが、そのトーンにはユーモラスで物悲しい音色が、その色彩には淡く儚い霧のような時が刻印されているのです。「トリックにおける美の追求」私はこの作品に出会うまで、そんなことを考えたことすらありませんでした。これ以降、きっと私はミステリーを読むたびに、その本の作者に心の中で問いかけるでしょう。「あなたのトリックは美しいですか?」と。 | ||||
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初めて読んだ島田作品です。最初はよくある設定だと思いました。最初にある理由で、犯人は解ったのですが殺害方法は読めませんでした。 最後残り3分の1になって探偵が登場するという展開にも感銘を受けました(そこまでムリなく読めた引きのある作品でもあったという事ですね)。そしてあのトリック。素晴らしすぎます。ヴォードレールの引用もゾクゾクします。「占星術」を読んだ方にはニヤリとする箇所もあり面白いと思います。 | ||||
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前作『占星術殺人事件』と同様、御手洗潔が活躍する島田荘司の2作目です。事件の内容はタイトル通りで、ピサの斜塔のようにわざと斜めに建てられた邸宅で連続殺人事件が起きるというものです。いずれの事件も密室殺人で、犯人が部屋に入ることも部屋から出ることも全く不可能に思えます。雪国での事件だというところがひとつのミソでしょう。前作のような怪奇的な趣はなく、極めて現実的に筆が進みます。が、トリックを知った時の驚きは前作以上かも知れません。ストーリーにはあまり関係ないと思っていた部分がこんな意味を持っているとは!読者の気を逸らすミスディレクションの使い方がとてもうまく、騙される快感を見事に与えてくれる作品です。 | ||||
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謎解きのその一言を読んだとき、思わずうーんとうなってひっくり返った覚えがある。単なる偶然とか、全く無意味な犯人の勘違いとか、そういうものの積み重ねの上で、至極奇怪な犯行現場が完成した、という落ちの推理小説がある(残念なことに、この作者が本作以降、時々それをする)が、本作は本筋ではそれはない。トリックも壮大で、フェアである。リアリティーがどうとか批判する人がいるそうだが、推理小説って最初から虚構の世界のものなんだから、そんなこと言わずに、素直に驚愕したら良いと思うんだけどなあ。御手洗の出番が少ないのが残念。 | ||||
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言わずと知れた島田荘司氏の「占星術殺人事件」と並び賞される傑作。勿論最大の評価点はあの驚天動地の大トリックなのでしょうが、さらにこの作品で評価したいのは、むしろあの単純明快なトリックを、しっかり伏線を提示しながらも、ラストまで見事に読者から隠し通しているという点にある気がします。読者は初読で大トリックにただ驚き、再読では巧妙な伏線に唸るという、本格推理の正しい楽しみ方ができるわけです。大トリックを用いたミステリにありがちな、単なるワンアイデアもので終わっていない稀有な作品です。幸いにもノベルズ刊行時にこの作品に出会ってからミステリにはまって20数年、あの時の読後の衝撃を超える作品には未だ出会っていません。 | ||||
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御手洗シリーズの『占星術殺人事件』に続く作品。1981年12月に『占星術殺人事件』は発表されていて、その次の作品として本作は1982年11月に発表されている。いわゆる本格推理作家としての第2作として発表されたということで、本作の巻頭にはヴァン・ダインの作品のように全登場人物と事件現場の詳細な構造図が図示されている。しかしながら本作の後、氏の御手洗シリーズはプツリと止まり、再会は1985年11月の短編『数字錠』、長編に至っては1988年4月の『異邦の騎士』を待つことになる。実はここに氏の御手洗潔に対する妥協のない愛着を感じずにはいられない。実際は最初に書かれていた『異邦の騎士』はいつでも発表できる状態だったであろうし、その内容の素晴らしさからも読者に圧倒的な支持を受けるのは分かっていたであろう。しかしながら氏は受け入れる読者の熟成と発表の機を待ったのである。『暗闇坂の人食いの木』以降の作品を読めば一目瞭然だが、氏は単純な本格推理として御手洗を出したくなかったである。単なる謎解きではなく、並列して発動するストーリーに伝説や過去の重要な事象それ自体をひとつの物語として組み込む手法が加えられ、それらが最後に一つに連環し、一挙にリンクする素晴らしいプロットが完成するという仕立ての上の一つの香辛料として謎解きはあるべきだと考えていたに違いない。ということで本作はいわゆる『本格推理小説』としての御手洗最後の作品と言えると思う。謎解きやトリックは良くできている。しかしながら作者はそれでは満足できなかった。それの何よりの証明が3年間の御手洗の封印だと僕は思う。 | ||||
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数あるミステリのトリックの中で、本書を超えるものがあるだろうか?勿論「占星術殺人事件」のトリックも世紀に残るくらい凄い。しかし本書からは「占星術殺人事件」のトリック以上の衝撃を受けた。まさか?! そんなことを?!という衝撃を頭にガツンとくらわせられた。正直、御手洗が登場するまではやや退屈な感が否めない。しかしそれを乗り越えたとき、読者は御手洗からご褒美として「驚愕する悦び」を貰えるだろう。まさに至福のひととき。 | ||||
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トリックは単純明快。今まで読んだ中には、細々とした理論云々が多過ぎて辟易したり、完全に忘れてしまっているものもありますが、これは頭にスパッと入り、いつまでも忘れられない類のものです。故に再読率は低いかもしれません。個人的には初の島田作品、噂に聞く御手洗潔との初の出会い。彼のキャラクターには圧倒されました。パロディものじゃないのに、ついつい笑み。 | ||||
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『占星術殺人事件』が、その時点で島田荘司氏が言いたい事を目一杯詰め込んだ観が強かったのに対して、この作品は、「本格である事」を徹底して意識したような造りです。物語作家、島田荘司の本領が発揮されているのですが、その天才的な文章力に裏打ちされたロマンティックでサスペンスフルなストーリーテリングやペダントリー、感動的な人間物語、などを全て吹き飛ばしかねない破壊力のオチ(トリック)が何より凄い。笑い出してしまうほど凄い。「本格ミステリ」という事で云えば、数ある島田荘司作品の中でも1、2を争うクオリティでしょう。掛け値無しの傑作にして代表作の一つ、だと思いますよ。 | ||||
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はっきり言って呆れてしまう、そんな凄まじいトリック。おもわず笑っちゃいました。「こんなのアリ?」って感じです。さすが新本格館ものの元祖と言ったところでしょうか、よく考えられていて、いたる所に伏線が張られています。御手洗さんの出番は後半の方ですが、待たせた分だけ期待以上の大暴れ(?)をしてくれます。こちらも爆笑です。 | ||||
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トリックが解明されたときには腰が抜けるかと思った。それくらいスケールが大きく強烈である。御手洗のはじけっぷりも面白く、登場シーンはとにかく笑った。御手洗シリーズの中では一番好きな作品。なお、読む際には絶対に後半のページの図説は読まないように。 | ||||
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わざと傾いて作られた屋敷の中で次々と密室殺人が起こります。どう考えてもどうやってやったのかわからない。動機も無さそうだし、奇妙な屋敷のおかげで殺人を実行出来る人物が特定できない。。。しかし、『読者への挑戦』が挿入されているということはそこまでの内容で事件を解決出来る条件がすべて整っているということで。。。。ラストの謎解きはえぇーっと驚くこと請け合い。こんな大掛かりなトリック、解けたらすごいと思います。ただひとつ不満なのは、半分以上読みすすめてやっと御手洗さんが登場するということ。彼と石岡くんの掛け合い、独特のセリフ回しなどが好きな私にとっては、もう少し早くから御手洗さんを登場させて欲しかったなと思います。よって☆マイナスひとつです。 | ||||
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大がかりな仕掛けがメイントリックの「館」ものトリックは後にも先にも大仕掛けに一発勝負ですので解ければ“なんでこんな簡単な問題が!”状態で分からなければ“こんなことあり得ない!”で終わってしまいます | ||||
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そもそもなぜ「斜め屋敷」なのか・・・?と疑問を抱く方は多いはず。それを解いてくれるのが、我らが御手洗潔です!最初から「なぜ・・・?」「どうやって・・・?」がたくさんちりばめられ、最後にはそれらが1つの方向へ向かっていく。そこに待っているのは「あぁ…!そうか!!」です。この島田荘司氏からの「読者への挑戦」、あなたには解けますか? | ||||
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