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たてもの怪談
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たてもの怪談の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全24件 21~24 2/2ページ
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著者の実話怪談集の新刊ということで、楽しみにしてました! だけど…再録もチラホラ混ざっていて、完全新作を期待してたことでもあり、ちょっとさびしく感じました。 もしかしたら、著者は不思議なことと出会う機会が減っているのでしょうか。 怪現象と縁が薄くなったというなら、それは喜ばしいことなのかもしれませんが、読者としては(勝手な想いですけど)残念だなぁ。 タイトルを「たてもの怪談」と銘打ったのは、もしかして「のちの三角屋敷」を載せる予定があったんじゃないかとも想像してしまいました。 「三角屋敷」完全封印版の収録された「怪談徒然草」の文庫版あとがきの『あと十年もしたら、どこかでボソッと喋れるかも知れません』が、ちょうど平成十八年のことですし。 愛読者としては、載せる予定だったけど障りがあって書けなかった(から再録を入れた)というのも、あり得そうに思えてしまうんですよねぇ…。 (とはいっても、完全封印版が載ってる「怪談徒然草」は、あっさり文庫化されましたけどね。三角屋敷の関係者を再度刺激することになるだろうから、文庫化されないに違いない!と思い込んでたのに。笑) | ||||
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私のような鈍感な人間でも、ときには謂れの無いゾクゾク感に襲われることがある。 例えば自宅であっても扉や押入れを開けるのが怖いとか、 古い旅館やホテルに行くと、何となく居るはずのない気配を感じるとか……。 この本を通じて、それが、「建物」に取り憑いている気配なのだと言われた気がして、 なるほど納得させられた。 人が住む場所なのだから、この世のモノならぬ存在も棲む。 モノノケにだって、拠り所が必要なのだなと。 2話目の「道の話」は再録かーと思って気楽に読み始めたけれど、とんでもない。 加筆前の原稿を既に読んでいる人こそ、この話の真の怖さを味わえること間違いなし。 「終わりがない」ということこそが、怪異が怪異である所以だと改めて感じた。 全体を通じて、加門さんの作品には、愛がある。 「他の生物との共存ができない人間は、畢竟、人間にも冷酷だ」と、 この本の中にも書かれているが、 加門さんは、人間はもちろん、猫や鳩、カラスなどの生物と同様に、モノノケにもごく普通に接する。 お互いに気持ちよく(?)共存できるよう、ときには気を使い、ときには怒鳴り飛ばし……と、 日常の一コマの中に、たまたまモノノケが登場する、という視点が 凡人にとっては新鮮で、とにかく魅力的なのだ。 加門さんと一緒に過ごしていると、人も、猫も、モノノケだって楽しいんだろうな、と思ってしまう。 この世のモノならぬ存在を、 ただただ、怖がりたいだけの人にはお薦めできない一冊かもしれない。 | ||||
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「怪談」と言いつつ、前半の大半はマンションを手に入れるまでの身辺雑録、後半は風水で家や都市、公共建築を批評した軽い随筆で、怪異の占める割合はたぶん5%ほどしかない。せっかく出てくる怪異も、このだらけた空気に薄められてとんと怖くない。 職場の怪奇倶楽部の古参会員が「加門さんの怪談は霊の実在を前提に書かれているので今一つ怖くない」とつい先日述べていたが、まさにそれを裏付けてしまう本だった。怪談作家としてひとかどの名を成した人がこんな看板に偽りありの駄本を出すのは大変良くない。後輩にしめしがつかないでしょう? 怪談愛好家の不平不満・呪詛怨恨が積もり積もるとどうなるのか、私にも分らない…。 | ||||
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加門さんのすごいなあと思うところは、あまりにも怖い目に遭いすぎ、感じすぎ、見過ぎ、それでもその文体が明るさを失わないところだ。しかも、多少のそういった存在は周囲にあった方がいいとまでおっしゃる。気配が何もないと、かえって落ち着かないというのだ。 しかしいつも感じるように、加門さんの文章はとてもバランスがいい。多少の気配や存在はあった方がいい、という加門さんが、「Gから始まる黒いヤツ」だけは絶対に苦手で駄目だと書いているところ。このバランスの良さ。怖い話満載の中で、ふと読者を我に返らせてくれるこのバランス感覚が、私が加門さんの怖い話の本を安心して手に取ることが出来る要因なのだと今回も思った。 最初の引越物語は14話、131ページまでの長編だ。最初の方は、住みたい家はこういった感じ、でも…などと加門さんの家探しの話が続く。しかし途中から、見に行った先がかなりやばくて「ここはやめよう」になった話、ここに住みたいと思ったところに、数年前に手痛い目に遭った氏神様が…という話、いざ引っ越すと、やはりいろいろ出てきた話など、次第にじわじわと怖さを感じさせるエピソードが出てくる。 その他の8つの話は、それぞれが長すぎないだけに怖さはひとしお。期待通りの話が溢れている。 ただ、私はうっかり先に確認せず、買ってから知ったのだが、「ホーンテッド・スウィート・ホーム」「夜遊び好き…らしい」はすでに文庫になっている「もののけ物語」に収録されていて、「道の話-終わらない話」「ひとり旅の醍醐味」はやはり文庫になっている「怪のはなし」に収録されていることがわかった。私は「もののけ物語」をすでに持っているので、2話、読んだ話がかぶってしまったのは少し残念だった。 | ||||
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