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極夜の灰
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極夜の灰の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.52pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全21件 21~21 2/2ページ
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| 1967年。精神科医のジャック・ミラーは陸軍医療センターを訪れます。彼はCIA幹部、ポール・コティから、入院中のコナー・マーフィー陸軍兵卒から北極圏にある陸軍の極秘基地で発生した火災に関する情報を探り出すよう依頼されていました。 グリーンランドの極秘基地は実はソビエト連邦向けの弾道ミサイルの配備先として予定されていた施設でしたが、或る理由から配備計画は撤回され基地が引き払われることになりました。徐々に人員が去り、火災発生の直前にはわずか3人を残すばかりになっていました。コナーと下士官でありながら主任研究員のスティグリッツ、陸軍三等軍曹のヘンリー・カーベルの3人。 11月25日に退去するはずだった3人に一体何が起こったのか? グリーンランドでは11月の末から太陽が昇らない「極夜」が始まります。そして、その「極夜」において極秘基地では辛気臭い火災が発生することになります。ジャックは重度の火傷を負っているコナーから真相を探るべく病室でヒアリングを重ねますが、果たして、その真相は? グリーンランドの「極夜」を描写した極上のスリラーですからそのディティールを明かすことはできませんが、ジャックがまるで<私立探偵小説>の探偵のように関係者にヒアリングを重ねる内に或ることの真相が覆り、二転三転しながらその真実が明らかになっていきます。そのよく練り込まれた「論理」の美しさが本書の読ませどころだと思います。世界は見た目通りではなく、そこに生きる人物もまた一通りではなく、誰かから語られるストーリーの中に真実への橋渡しとなるような「気づき」を得たとき、ジャックはこの物語をダイナミックに反転させながら、眠らない「極夜」を健全な夜明けへと導こうとします。 イヌイットの言葉、「眠らない闇」、「自分で自分の日の出をつくらなければならない」、「希望とは、思いこみではなく、空想と現実の均衡を保つことだ」(402p)。それは特に「極夜」に限らず、この悪辣な現実世界に於いても同じことなのではないでしょうか? そして、ジャックのその精神科医としての成長によって、関係者たちのその後の深い眠りが保証されることになるのだと思います。 作者(サイモン・モックラー)は、1960年代後半の米国の雰囲気をバックグラウンドに置いて、幾人かの印象深い登場人物を描き分けながらシャープな物語を構築しています。次作もまた速やかに読めますように。 ◻︎「極夜の灰 "The Dark That Doesn't Sleep"」(サイモン・モックラー 創元推理文庫) 2024/8/29。 | ||||
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