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死者は噓をつかない
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死者は噓をつかないの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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昨今の海外ドラマなどの長い作品のボリューム感に慣れてしまったためか、盛り上がりきらずに終わったなといつ印象です。 唯一の味方である教授があっさり亡くなったあたりで少し冷めてしまいました。 設定は面白いので実写でどのように料理されるか楽しみです。 | ||||
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幽霊が見えるという誰もが思いつくような設定を、著者らしい少年主人公のリアルな世界観で物語を描いている。 もう少し少年の友人と協力したり、冒険するような展開があればさらに良かった。 | ||||
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あの『キャリー』他でお馴染みの巨匠のホラー作品を初体験。設定がとにかくユニーク。 | ||||
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読み始めは…よそよそしいキングと云う印象があった。久しぶりに読むキング作品だからか?作風の変化か、それとも作者の企みか…フレンドリーに語りかけてくる物語は少しずつ語り手が遭遇することになる事件に近づいていく、怖いのは人間!?いやキングはスーパーナチュラルを忘れてはいない。霊魂だけではない、何故か、何者か、そこに取り憑いたモノ…物語は終わってはいない。「笛吹かば、汝は現われん」彼がつきまとう霊魂を退けたときにかけた呪は「笛吹かば、我は現われん…」と返される。 | ||||
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この本の紹介を読んで「アレ?」と思っていた。 死者を見ることができ、話もできる少年、という設定はあの『シャイニング』を思わせるし、特別に酷い死に方をした死者以外は普通の生きている人と見分けがつかない、当然話をしても普通に知り合いと話すのと変わらない、というのはあの有名映画と似すぎていると感じたからだ。 実際読んでみても、さすがに当代最高のエンタテインメント作家だけに面白い「読ませる」作品なのだが、その能力を使って連続爆破魔と対決するというのも予想通りだし、その過程で遭遇することになる "死の光" についてもページ数が少ないせいか描写があっさりしていると思っていたのだが・・・ 事件解決後の展開を読んで「なるほどそうか」と納得した。 おそらくキングがこの小説で本当に書きたかったのはこの後日譚のような部分なのだ。 キングのファンなら彼の父親が失踪しており、母親の女手ひとつで育ってられた経緯はご存じだろう。だからキングはある種のあこがれをこめて「父と子」の物語を書き続けてきた。 この小説はその「父と子の物語」の陰画、子供に何も伝えることなく消えてしまい、そのくせ遺伝子の形で資質を子供に一方的に押し付けた父親に対する恐怖を描いた作品なのだ。 子供は父親を選ぶことはできないし、その遺伝形質が仮に病原になるようなものでも拒むこともできない。その不条理を納得できるのは父親が我が子に自らの意志できちんと接し、「この人が自分の父親なのだ。だからこの人がくれた人生をこの人が伝えてくれた資質で生きていくのだ。」ということを受け入れさせてくれた時だけだ。 ラストで「ある人物」から自分がお前の父親だ、と告げられた時、ジェイミー少年は何も言わずに背中を向け立ち去る。 自分の中にある能力について尋ねることも、恨み言のひとつも言うことなく。 その人物がカミングアウトしたのは自らの意志ではなく、ただ尋ねられたことについて「死者は嘘をつかない」からに過ぎないのだから。 この作品中、キングはしつこいぐらいに「これはホラーストーリーなのだ」と繰り返している。 真の恐怖は爆弾魔セリオーでも死の光でもなく、父との断絶によりキング自身の分身ジェイミー少年が抱え込みことになったもの・・・・この小説はエンタメ小説の形をとった、キングの極めて私的な恐怖を語った私小説なのだと思う。 | ||||
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自分はいわゆるスティーブン・キングのマニアではない。その作品も、多くは映画で見て知っている程度だ。 本作はポッド・キャストにある本の紹介番組で知った。あらすじを聴いて、この本ならあまり怖そうではないなと感じたのだ。邦訳の中では最新刊というのにも惹かれた。 本が届いてビックリしたのは、単行本ではなく文庫本だったことだ。これは自分がウッカリしていたからだが、1,600円もする本が文庫本だなんて、信じられるか? さすが、スティーブン・キングではないか。ネームバリューが違うのだ。 物語はある青年が子供時代を起点にした回想をするという形式で進む。彼は死者が見える(死んでからしばらくだが)だけでなく、挨拶を交わし、死者と話もできる。その会話においては、死者は聞かれたことに答えなければならないばかりではなく、ウソもつけないのだ。そうした約束事があるので、彼はいくつかの事件に巻き込まれてしまうのである。 全体としては、ホラー色の薄い、少年の成長譚と言えよう。だが、周囲にいる大人たちは一癖も二癖もある人物ばかりで、そのために少年は苦労させられるのだ。 二日で読み終わってしまった。それだけ、スティーブン・キングの語りが巧みということだろう。 ただ、青年が少年時代の事を語るので、対象は高校生の高学年か大学生以上から大人だ。官能的な描写があるわけではないが、セクシャルな設定もあるので、中学生には少し早いと思う。 | ||||
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一口に長編といっても、その長さはいろいろ。 キングの長編は邦訳で二冊以上にわたる分厚いものが多いんですが、私はゴールデンボーイや図書館警察といった中編とされている作品(二本収録で700ページ超えとか、実際には長編ではという気がするものもありますが)に好きなものが多いので、300ページちょっとという長さの本書には余計に期待して読ませてもらいました。 内容は瑞々しい少年(青年の回想)ホラーで、のめり込んだまま一息に読み切ることができたのもこの長さならでは。もちろん満足度も十分でした。 死者が見える(声が聞こえる)といった設定自体はよくあるものですが、私の好きな設定で、タイトルにある「死者は嘘をつかない」というルールを一つ持ち込んだこととその活用もさすがは熟練のキングでした。 | ||||
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『ビリー・サマーズ』と同じ年に発表されたキングにしては短めの長編作品。 ブルース・ウィルス主演の例の映画同様、死者が見えてしまう少年ジェイミー・コンクリンの物語です。 死者が見える、と聞くとただ単に恐ろしい、と反射的に思ってしまいますが、見えたからといって、死者が自身を呪うといったなにか悪さをするわけでもなく、ジェイミーは自然と死者と会話を交わしたりして日常生活に支障は生じていません。 では、もし自身に、本書のジェイミーのように死んだ人と会話ができる能力が備わっていたら、その能力を何か有益なことに活かしてみたいと思いますか? 本書では、死者には死者のルールがあるとの設定がなされています。 それが、本書のタイトル「死者は噓をつかない」ということ。 本書原題は「Later(後になって)」ですが、日本オリジナルのタイトルは、なるほど本書のポイントを端的にとらえた良いタイトルだと思いますね。 死者はジェイミーから質問されると、生前なら絶対に答えたかったことでも答えざるをえない。 このルールがあるからこそ本書の面白さが生まれてきます。 息子の特殊な力を当初は信じられなかった母親も、いつしかその能力を認めざるをえないだけの事実の積み重ねがあり、息子のその能力を誰にも知られないよう気づかいながらも、家庭の経済的危機を救うためジェイミーの能力を1度だけ利用することを思いつきますが、なるほど、確かにその状況なら利用したいとの考えを抑えることは難しいだろうなと、思います。 多くの人を助けることに利用できることもあれば、個人的欲望を満たすために利用する者もいるでしょう。 後半の使われ方にはハッとさせられましたね。 そんな方法があったか、と。 さて本書には何度か「これはホラーストーリーだ」と書かれています。 ネタバレになってしまうので詳しくは書けませんが、キングの大長編『IT』を読んだことのある人なら、アッと気づかされることがあるでしょう。 | ||||
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ついこの間の4月に長編小説『ビリー・サマーズ』が邦訳出版されたばかりのスティーヴン・キングの、新たな長編がまたまた出版された。キングの作家デビュー50周年記念ということで出版社もお祭りをしたいのらしい。1年で2作もキング長編を読めるのはファンとしても嬉しい限りだ。 タイトルは『死者は嘘をつかない』、死者の霊を見ることができる少年を主人公としたホラーストーリーだ。「死者の霊を見ることができる少年」というと物語内でも言及される映画『シックスセンス』を持ち出すまでもなく、「ちょっとありふれてないか?」と思われるかもしれない。しかしそこはキング、一見ありがちなテーマに抜群のツイストを効かせてグイグイと読ませてゆくのだ。今作の長さは310ページといつものキング作品の半分程度、それもあってか発売日に手にしてその日のうちに読了してしまった。長さだけの問題ではなく、それほど引き込まれて読んでしまったのだ。そしてこのページ数だからこそのストレートさ、コンパクトさ、展開の明快さを楽しむことができたのだ。もちろんこれはベストセラー作家ならではの、このページ数における的確な構成が計算されているからこそだろう。 さてそれではどのような物語なのか?というと、コンパクトな構成だからこそ逆にネタバレになりそうで詳しく書くのが難しい。差し支えない程度に書くなら、 物語の本筋は、 単に亡霊を見てしまうことの恐怖を描くことではなく、主人公ジェイミーが亡霊を見ることができるのを知った大人たちが、その能力を利用しようと様々な無理難題を持ちかけてくる部分にある。それらは大人たちの私利私欲に関わることであり、まだ子供でしかないジェイミーは拒むことができない。次第にそれは危険な状況を生み出してゆくことになり、遂には闇の力を刺激してしまうのである。 物語を面白くさせているのは、ジェイミーが亡霊を見る時、そこには幾つかのルールが存在する部分だ。そのルールが物語展開を絶妙なものにしているのだ。まずその亡霊は基本的に自分が死んだ場所のそばを離れない。そして死んですぐなら見ることができるが次第に消えてなくなってしまう。そして最も重要なのは、ジェイミーが何か質問した時、「その亡霊は嘘がつけない」のだ。これらのルールを噛み合わせることで、物語は様々に目まぐるしく動いて行くことになるのだ。 もう一つの読みどころはその瑞々しい筆致だろう。これはキングの少年少女を主人公とした物語に顕著だが、この作品も一つの青春ストーリー、そして成長譚としての側面を持っているのだ。10代ならではのセンシティブで不安定な情緒が、次第に黒々とした口を開けて行く恐怖と相まって、独特のエモーションを醸し出してゆくのである。これなどはキングのやはり短めのダークファンタジー青春小説『ジョイランド』を思い起こさせるものがあった。それにしてもキング、今年齢76だというのに(そして作家生活50年だというのに!)、この瑞々しさはいったいなんだろうか。ホラー作家だけにやはり化け物並みなのか(失礼)。そして長かろうが短かろうがナッツぎっしり確かな満足を感じさせるキングの手腕に改めて脱帽である。 | ||||
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