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正義の弧



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【この小説が収録されている参考書籍】
正義の弧(上) (講談社文庫)
正義の弧(下) (講談社文庫)

正義の弧の評価: 4.59/5点 レビュー 27件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.59pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全27件 21~27 2/2ページ
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No.7:
(5pt)

ハリー・ボッシュ・フアンなら絶対読まなければならない『砂漠の星』

マイクル・コナリーのハリー・ボッシュ・シリーズのなかで本書『正義の弧』(原題:DesertStar)は、五本の指に入る傑作だと思いながら読み終えた。
バラードとボッシュの捜査の展開を、リアル感を満喫しながら読む進む。
上巻では、大昔の資料を調べ、関係者への聴取など地味にストーリーは進む。
下巻に入ると犯人を見つけたよう読者をミスリードしていくが・・・。
が、ホシは、本ホシではなかった。
意外な本ホシを見つけ追跡するボッシュ。
このあたりから地味な警察小説ではなくなる。
ギャラガー親子4人を皆殺しにした捜査に執念したボッシュが、キーウェストのガリスン湾に浮かぶハウスボート上でこの物語のクライマックスを迎える。
エンディングでは、ボッシュフアンは、きっと涙ぐむと思いながら、ハリー・ボッシュ・フアンなら絶対に読まなければならない本書「砂漠の星」上・下巻を読み終えました。
正義の弧(下) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:正義の弧(下) (講談社文庫)より
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No.6:
(5pt)

ボッシュラストダンス?

本作のエンディングや、訳者による後書きでコナリーの動向を考えると本作がラストダンスになってもおかしくなかったと思える。
今作で、ここ数年皆無だったダークサイドの活躍を見せるなど、ボッシュシリーズのベスト3に入ってもおかしくない。

様々な状況をみると、ラストダンスまでまだもう少し先送りなのか!?
次作はリンカーン弁護士のようだが、ボッシュも絡むようで一安心。

ボッシュファイナルに向けて、自分が生きてるうちに大円団を、と思いつつ、
この先も10年後のボッシュも見たい。
この先はバラード&マッシュ&リンカーン弁護士に主軸を移していくための、非常に重要な作品となったと思える。
正義の弧(下) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:正義の弧(下) (講談社文庫)より
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No.5:
(5pt)

ハリー・ボッシュの「白鯨」

「ダーク・アワーズ」を読んだのが、2022/12月。そして巻末の古沢嘉通さんの訳者あとがきに従えば、邦訳が原作のリリースに追いついた本書。レネイ・バラード&ハリー・ボッシュ・シリーズの第四弾。
 2022年。LAPDに復帰し、未解決事件班のリーダーになったレネイ・バラード。レネイはハリー・ボッシュをボランティアとして同班に呼び寄せます。
 物語の骨子は二つの事件から成り立っています。
 ボッシュが手がけたにも関わらず未解決だった「ギャラガー一家殺害事件」。一家四人が殺害され砂漠に埋められた事件の再捜査をエサに引き寄せられ(笑)、班に加わるボッシュ。一方、LA市議会の議員であるジェイク・パールマンは30年近く前に妹サラを何者かに殺害され未解決のままだったその事件を解決すべくその班に政治的影響力を行使しながら再捜査へと向かわせます。その二つの事件。
 主にその二つ目の事件にページ数が割かれて描写されていますが、そのDNAを追った捜査のディティールとレネイとボッシュ、ボッシュと関係者たち、レネイと<権力者>たちとのやり取りがいつものように強烈なサスペンスを生み出しながら深層へ、真相へと近づけていきます。読者のハート・ビートの高まり。
 実はその主要事件のアーキテクチャにはいつものボッシュ物の持つストーリーの切れを感じることはありませんでしたが、しかし以下の2点については現時点誰にも真似のできないコナリー・ワールドの凄みを垣間見ることができて平伏したと言って過言ではないでしょう。
 1点目は、終盤、ボッシュはヘミングウェイのいた場所へと向かい、捜査のため或る酒場を訪ね、その店のバーテンと会話を交わしますが、そのシーンは幾多のスリラー、映画を凌駕して最高の「酒場」シーンだったこと。ボッシュが追う”Moby Dick”は、過去作品の犯罪者たちが持つ負のオーラを全て背負ってその姿を現します。今も昔もこの酷薄な世界に対して「神様がこの世界にいなくなってしばらく経つ・・・」と言ったのは矢作俊彦だったか?
 2点目は、スリラーにとってのクリティカル・ポイントでもあるので詳述できませんが、やはり終盤に於けるレネイとボッシュの対話に尽きることになります。原題でもある”Desert Star”に纏わるやり取りには読んでいて唇が震えるものがありました。
 MichaelConnelly.comによると次作はミッキー・ハラー物、”Resurrection Walk”。リリースは、2023/11/7。早い翻訳を期して待つ。
 何度でも繰り返しましょう。
 「だれもが価値がある。さもなければ誰も価値がない」
 □「正義の弧 上・下 “Desert Star”」(マイクル・コナリー 講談社文庫) 2023/7/18。
正義の弧(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:正義の弧(上) (講談社文庫)より
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No.4:
(4pt)

ボッシュの優秀さは健在 バラードの魅力は半減

『ボッシュ&バラード』シリーズ4弾。
本作も事件は二つ。現役中ボッシュは幼い子供二人を含めた一家殺人事件を解決できなかった。犯人はほぼ確定しているのだが、行方をくらませてしまったのだ。退官したあともボッシュはいまだにその事件に執念を抱き続けている。
そんな時バラードが、ロス市警が再編成した未解決事件班のメンバーにボランティアスタッフとして加わってほしいとボッシュを誘いに来る。ボッシュは先述の事件にとりかかれるため承諾するが、政治的な関係上、市会議員の妹が殺害された未解決事件を優先することになる。

さすがのコナリー作品で、テンポよく進行し、全く退屈させられることはない。
ただ、ここでのバラードは未解決事件班のリーダーになっており管理者的立場。女性ながらレイトショー(深夜専門勤務)で無欲にがむしゃらに事件に臨んでいた魅力が失われてしまっている。
ボッシュはここでもやはり際立つ勘とひらめきをもっているが(しかも謙虚)、それに比べてバラードは熱心ではあるが凡人のように感じられた。ボッシュは既に72歳。加えて#13『死角 オーバールック』(2007)で放射性物質に触れて被爆してしまい、発病した骨髄性白血病(だったか?)が再発している模様。ボッシュが活躍できるのも終焉が近いと思われるが、今後バラードだけの作品ではもはや物足りなさがあるのではと想像してしまう。
あとがきによると、次回準備されているのは『ミッキー・ハラー』シリーズ7弾のようだ。

それにしても相も変わらず古沢氏の訳文は「~だった」「した」など「た」の連続。流れとして稚拙にさえ感じられ、やはり読みにくい。だが、ここまできたら本人に問題意識は全くなく改善は無理なのだろう。…せっかくのコナリー作品なのに残念だ。
正義の弧(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:正義の弧(上) (講談社文庫)より
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No.3:
(5pt)

ハリー・ボッシュ70歳、冴え渡る

本巻でハリー・ボッシュは70歳になっている。あちこち痛いところはあるらしいが、それを感じさせない冴えを見せる。一家4人が殺された事件へのこだわり、並行して捜査する市議会議員の妹の未解決事件の残存証拠の解釈の鋭さ。容疑者・参考人に白状させてしまう迫力。
 作者マイクル・コナリーもボッシュに近い年齢のはずですが、この筆力には敬服するばかりです。
 多くの読者も同感でしょうが、ボッシュの歴代の相方ではエレノアの可憐さと、レネイのかっこ良さは双璧ですね。レネイの補佐(本巻では上司だけど)よろしきを得て、下巻へ突入する(以下、下巻のレビューへ)
正義の弧(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:正義の弧(上) (講談社文庫)より
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No.2:
(4pt)

晩年を迎えたハリー・ボッシュ

著者の37冊目の長編ミステリーであり、全作品が翻訳されているという現存作家では稀にみる人気にふさわしい作品である。原著刊行後、これほど早く邦語版が読めることを、訳者や出版社の努力に深く感謝したい。

舞台は例によってロスアンゼルス、猛威を振るった新型コロナの脅威も収まって未解決事件捜査チームが活動を再開する場面で始まる。新たに志願して責任者となったレネイ・バラードが、ボッシュをはじめ癖のあるボランティアを集めて古い事件の発掘を始めるおなじみのシーンである。

ストーリーは比較的簡単で、最盛期のボッシュのスリリングで迫力に満ちた展開を期待する読者にはいささか寂しいだろう。相棒レネイが管理職に縛られて活動が制約されてきたことも一因だが、DNA分析をはじめ科学調査の進歩で以前のような骨の折れる捜査過程が書き込めなくなったことも原因かもしれない。
 以前、ボッシュの捜査方針を河原の小石を一個ずつ裏返しにする執拗さと自ら要約していたが、読者と共に謎を解いていく感動がかなり失われ、場面の転換の速さだけが印象に残る。犯人も小粒になって、巨悪に挑む荒々しさはここにはない。

前著『ダーク・アワーズ』の巻末で訳者がほのめかした結末は予想した通りで、主人公が暦通りに年老いていく珍しい筋立てのこのシリーズでは避けられない。しかし、さらに続編を読めるかどうか、長年の愛読者としては気になるところである。あのボッシュですら一目置くレイチェルの姿も見えないのも残念です。

最後に邦題『正義の弧』について一言。原題『デザート・スター』が選ばれた意味は巻末で明らかにされて余韻が残るが、邦題はさっぱり意味が分からない。著者が考え抜いたに違いない原題を、まったく無関係な題名にすり替えても許されるのだろうか。
正義の弧(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:正義の弧(上) (講談社文庫)より
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No.1:
(5pt)

ボッシュ、どこへ行く?

(上巻レビューから続く)この下巻の結末は、ハリー・ボッシュファンの間でシリーズ最大の論争を呼ぶでしょう。「ナイン・ドラゴンズ」での香港の不幸な事件以来かもしれません(アマゾン・プライムTVシリーズでは、香港がらみは別の解釈で制作されているほど)。
 物語の最後でボッシュは、多重殺人容疑者の言葉に、怒りを爆発させる。
 そして、エピローグでの犠牲者への弔いのシーン。
 砂漠からLAに戻るレネイとボッシュの後ろ姿には、いろいろな今後の発展の解釈ができそうです。
正義の弧(下) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:正義の弧(下) (講談社文庫)より
4065318610

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