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(短編集)
怪奇クラブ(三人の詐欺師)
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怪奇クラブ(三人の詐欺師)の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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ロンドンを舞台に、科学という手法を知識として得た、知性に自信のある御仁達が奇怪な出来事にアプローチしていくと段々怖いことになっていくという皮肉なプロットに、いろいろ新規なアイデアをまとわりつかせたのが、Three Imposters「怪奇クラブ」。 その中で特に、イングランド、ウェールズに古き時代より生き延びてきたものどもの恐怖がそそられる。ラヴクラフトが影響を受けたというのも納得できる。 テーマ設定と織りなす文体は凝りに凝っているのに対し、プロットの構成は断片の無理なツナガリでぎくしゃくしているようにも見えるが、その混乱が全体に妖しげな雰囲気を漂わせ、大都市ロンドンを複雑怪奇さを執拗に強調している。本当に怖いのは妖怪なのか人間なのかも、もはや不確か。 Great Return「大いなる来復」の語りのスタイルは洗練されているが、やや神秘主義臭さいか。 | ||||
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汚穢の作家と評されることもあるマッケンが、世紀末の魔都ロンドンを舞台に、闇の跳梁跋扈する奇怪な世界の絵巻を綴る。眼鏡をかけた若い男を探して、三人の詐欺師が次々と姿を変えて有閑人ダイスンとフィリップスの前に現れ、それぞれに信じられない話を語ると云う形式のもので、マッケン自身が認めている様に、スティーヴンスンの亜流と言える作品。通常は『新アラビア夜話』を模したものだと言われるが、『ダイナマイター』(未邦訳)の方が正しいらしい(因みに本書の邦題はこれもスティーヴンスンの『自殺クラブ』を真似たものだろう)。 現実がどろどろに溶解し、太古の怪異が現在に息づく無気味な話の数々が、息も吐かせず繰り出されて読者を幻惑するが、中でも「黒い石印」「白い粉薬のはなし」が特に有名。 他に奇譚「大いなる来復」を収録。第一次大戦を背景に、海に近い小さな町ラントリサントで起こった善意の充満の奇跡を描く。 尚本書に収録されている2作品は、平井呈一による『アーサー・マッケン作品集成』のそれぞれ2、3巻でも読むことが出来る。 | ||||
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