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(短編集)

ママは何でも知っている



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ママは何でも知っているの評価: 4.03/5点 レビュー 33件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.03pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全33件 21~33 2/2ページ
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No.13:
(4pt)

戦後短編小説隆盛期の安楽椅子探偵

ヤッフェ後年の長編作品を町の図書館で見つけ、あとがきから本作のことを思い出し、調べたら電子版で再版されているとのことで購入しました。

短編らしく切れ味のよい推理が展開され、妙なややこしさもないので気楽に読み進めることができます。
探偵役のママ自身は職業として犯罪捜査に従事しているわけではないため、いわゆる実証を伴わない論理の展開は鮮やかな反面、予断や(当時なりの)偏見に基づいている面もあり少々もやっとして終わることもありますが、それもまあ短編ならではと考え楽しみました。(ミス・マープルものでもこうした読後感はあり、そういう意味でも似た部分があると思います)

さほど詳しく描かれませんが、当時のブロンクスという街の様子を多少知ることのできる点も興味深いです。主人公を含めた戦前からのユダヤ系をはじめとした中産階級といえる移民が肩を寄せ合い、一方で中米系などの新しくより貧しい境遇に置かれた移民も増えてきて後半の作品にはそうした出自をもつ人々も登場してくるようになります。(ブロンクスを舞台としたより後年の作家の小説は、どんどん治安が悪くなっていきますね…)
世間では公民権運動が興り、これまで社会の少数派であった人たちも自分のルーツやその文化を意識し主張するようになってきた時代です。移民の子孫である著者も(新しい世代であることを自認しつつ)ユダヤ人らしい家族を重んじる習慣への馴染みを大事にする主人公に自分を重ねているのか、ことあるごとに(ママの小言をとおして)伝統や古い習慣への愛着を強調してきます。
こういう主人公の姿は、いまの私たちから見ると『いい歳をしてマザコンもいいところだ』と映るかもしれません。ただ、全ての人を単一の価値観で推し量り暗に表にそれに従うことを強要する社会(時代)の中で描かれた作品であることを考えてみると、また違った感想を持つことができるのではないでしょうか。現代の米社会でやたらと分化的多様性という考えが幅をきかせるのも、(やや反動的とはいえ)移民国家と言いつつ少数民が口を閉ざすことが当たり前だった世代の経験があるからこそなのかもしれません。

余談ながら、紙版や77年版のオリジナル版には恐らくあったであろう解説や訳者あとがきといった内容は含まれていません。電子版ではこうしたことが多いように思うのですが出版社の意図などでそうなっているのでしょうか?
浅学な一般読者にとってはこうした文章は作者や作品の背景、関連書籍など興味深い情報が多く楽しみでもある読み物です。こればかりは電子書籍という出版形態の残念でならないところです。
ママは何でも知っている (ハヤカワ・ミステリ 1287)Amazon書評・レビュー:ママは何でも知っている (ハヤカワ・ミステリ 1287)より
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No.12:
(3pt)

プレゼントとして

小学校の孫にあげました。
本好きの孫10才、読んでるようすでした。
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No.11:
(1pt)

時間を損した気分です。

評価が高かったので買ってみましたが、全くの期待外れでした。
マザコン刑事の捜査中の殺人事件を、ママが謎解きするというという短編集です。
謎そのものがつまらない上にくどい、なぜこのように高い評価なのかわかりません。
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No.10:
(5pt)

面白い

まあ、シャーロックホームズと、ABC殺人事件を合わせたような、というか、ジェシカおばさんの事件簿かな。
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No.9:
(3pt)

どこからでも読めるけど

1話完結のミステリ.話を聞いて,その場で解決してしまうスタイルはミス・マープルなどと同じ.なので,自分も謎解きに挑戦しながら読み進められる.読み切りを意識し過ぎてか,毎回,同じ話の展開で(事件や謎は違うけど),なかごろは,ちょっと飽きました.が,通勤時間の娯楽には◎
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No.8:
(4pt)

安楽椅子探偵ものの古典的名作

安楽椅子探偵ものの古典<ブロンクスのママ>シリーズの短編集である。

解説にもあるが(ちなみに解説は法月綸太郎氏)、主人公たる「ママ」は「隅の老人」と同じパターンの安楽椅子探偵。ニューヨーク市警の刑事である息子のデイビッドから事件のあらましをきくやいなや、いくつかの質問を発したかと思うと、ママの慧眼はたちどころに事件の真相を言い当てる、という趣向のものがたりである。

情景描写が単調に陥りやすいあたりを、若奥さんのシャーリー(この人はインテリという振れ込み(いったい幾つのカレッジをでているのやら!)なのだが、ちょいととぼけたところがあって楽しい)や、同僚のミルナー警部(好人物のようでもあり、堅物のようでもあり・・・)がうまいことひっかきまわしてくれるところもちょっと面白い。一方で、ママの謎解きは案外驚天動地な着地をみせてくれるし、結末を長々と書きすぎないところなどは文章構成の妙だ。本作は基本的に分量のほとんどが会話文で構成されているので、読み進むのがサクサク進むのも好印象な気がする。

ミステリを最終的にあるていど網羅的に読んでいくつもりなら、外せない一冊なのでは。
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No.7:
(5pt)

ママに花束を!

部屋から一歩も出ずに推理だけで事件を解決する安楽椅子探偵物の最高峰。殺人課の刑事の主人公が、ママの家で食事を取りながら事件の話をします。なにより嬉しいのは、探偵役のママと読者が、純粋に同じ情報しか持っていないということ。事件の関係者に会うわけではないので、読者もママと同じ土俵に乗って謎解きに参加できます。しかし、ママの突拍子もない『簡単な質問』と、人生的洞察力にあふれた想像力には太刀打ちできません。単なるパズルではない、血の通った事件の真相を見抜く名探偵のママに、感嘆しっぱなしです。どの事件も一ひねり二ひねり有り、真相が明かされた瞬間、『簡単な質問』にそんな意味が!と驚くこと毎回です。ママが真相を示してから、主人公や刑事の上司があわてて警察に電話して、「あいつを逮捕しろ!」と言うシーンが好きです。とっても面白い本格ミステリでした。やるね、ママ!

ママの家にヌードル・スープを食べに行きたいです。
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No.6:
(5pt)

安楽椅子探偵シリーズの最高峰

【収録作品】
ママは何でも知っている
ママは賭ける
ママの春
ママが泣いた
ママは祈る
ママ、マリアを唄う
ママと呪いのミンクコート
ママは憶えている

1950年代から60年代にかけて発表された《ブロンクスのママ》シリーズを集成、当初は日本オリジナルであった1977年刊行の短編集の復刊。古くからの翻訳ミステリファンには懐かしく、若い読者には新鮮な驚きを持って迎えられるだろう。
ニューヨーク警察殺人課の刑事である息子とディナーを囲みながらママが解き明かす難事件の数々。彼女が発する一見何気無い質問から解き明かされる謎の解明は意外性が横溢、切れ味鋭い本格ミステリの醍醐味を堪能させる安楽椅子探偵ジャンルの最高峰。
ママと息子、その妻など登場人物のユーモラスな会話や心温まる交情も魅力的で、若年の頃にはいささか無味乾燥な不可能犯罪物の書き手だったヤッフェの作家的成長も目覚しい。馴染み薄いニューヨークのユダヤ系家庭の習慣や風俗も興味深く読め、小説としての滋味にも満ちている。
我が国の所謂〈日常の謎〉をテーマとした作品群や都筑道夫の『退職刑事』など、後世に与えた影響も大きい。
ママは何でも知っている (ハヤカワ・ミステリ 1287)Amazon書評・レビュー:ママは何でも知っている (ハヤカワ・ミステリ 1287)より
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No.5:
(5pt)

シリーズでこの短編集が一番好き

ブロンクスのママシリーズ、実は長編を全て読み終えたあとに、この作品が先だったと知って手にしました。
長編はどれも出だしのパターンが似ていますが(それなりにおもしろいのですが)、こちらのほうが、作品もバラエティに富んでいて、一話一話の話のキレがよく、濃い。なんといってもブロンクスのママ、息子の警官、その妻、のキャラクターが立っている。食卓を囲み、息子の話を聞きながら人間の心理に造詣の深いママが、殺人事件の関係者の心理を捉え、鋭く事件を解決、ってのもいい。そのあいだの食卓を囲む微妙に毒のある?ウィットに富んだ会話も好き。ユダヤ人社会というのはどんなかな、って興味もわきます。出てくる料理がどれもおいしそうで、読み終えるとお腹が空きます(それも実は好きなポイント)。
こんなすてきな作品が絶版というのが信じがたいです。ミステリー好きならこの作品、読んで損はしません。
ママは何でも知っている (ハヤカワ・ミステリ 1287)Amazon書評・レビュー:ママは何でも知っている (ハヤカワ・ミステリ 1287)より
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No.4:
(5pt)

プロットが抜群!

ママと「僕」の関係にお嫁さんという三者がいつも夕食時に出てくるが、この関係がなんとも面白い!
さらにいつも問題解決にママが問う「質問三つ!」が、簡潔に出されているのに、あとではなるほど~~!と感じさせてくれます。
こんな極上の謎解きが35年も前に出てたなんて、今まで知らなくて損した気になりました。
おすすめです。
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No.3:
(3pt)

読んでみてもいいけど・・・

ジェームズヤッフェのデビュー作品で、
安楽椅子探偵の名作として名高い「ママは何でも知っている」。

ずっと読んでみたいと思っていたため、過度に期待してしまいました。
読後の感想は「こんなもんかぁ」とちょっと落胆。

知り合いの誰それを引き合いに出して推理する手法は、
アガサクリスティのミス・マープルの常套手段。
15歳の少年のデビュー作として割引いても、
物まね作品との印象がぬぐえません。

更にユダヤ社会特有のユーモアや落ちも何となくしっくりこない。
嫁と姑の丁々発止のやりとりが微笑ましい作品ではありますが、
特に優れた作品とは思えませんでした。
ママは何でも知っている (ハヤカワ・ミステリ 1287)Amazon書評・レビュー:ママは何でも知っている (ハヤカワ・ミステリ 1287)より
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No.2:
(5pt)

安楽椅子探偵ママ

本書の名探偵には名前がない。ただ”ママ”とだけ呼ばれる。彼女をママと呼ぶのは、息子でニューヨーク市警殺人課刑事のデイビッド。妻のシャーリーを伴って定期的にママを訪ね、夕食の席で、自分が担当中の未解決事件についてママに話す。息子の話を聞いたママは、いくつか質問をしただけで、鮮やかに事件の真相を解く…という、典型的な安楽椅子探偵物の短編集。細かい点までカッチリと組み立てられた、精巧なジグソー・パズルのような本格推理が楽しめる。さらにすばらしいのは、ママの鋭い推理が、深い人間洞察に裏打ちされている事。ママの推理により浮き彫りにされる、人間の愚かさや哀しさが、単なる推理パズルではない、深みと暖かみを物語に与えている。文体は会話主体で、とても軽くて読みやすいのに、内容的にはとてもコクがある。さらに、ママ、デイビッド、シャーリーといったキャラクターが、生き生きと描かれている。特に興味深いのはシャーリー(好きという意味ではない)。大学出の才女なのだが、想像力に著しく欠けるため、探偵としての才能はからっきし。頭の良さにもいろんな種類があるのだな…と妙な感慨を覚えた次第である。本シリーズの他の作品は、短編ではなく長編で、しかもデイビッドがシャーリーと死別し、警察を辞めて、ニューヨークからロッキー山麓のメサ・グランデに移る…という、本書とはかなり趣の違うものになっている。あまりにも違いすぎて、食指が動かない。本書のパターンが非常に気に入ったのに、とても残念である。
ママは何でも知っている (ハヤカワ・ミステリ 1287)Amazon書評・レビュー:ママは何でも知っている (ハヤカワ・ミステリ 1287)より
4150012873
No.1:
(5pt)

ホームドラマ+謎解き

警察に勤める息子が、解決できずに困っている難事件について母親に相談します。すると母親は、息子の話にふくまれている情報だけを手がかりに、見事な推理を組み立てて事件を解決してしまう--いわゆる「安楽椅子探偵」ものに分類されるミステリーの短編集です。探偵役をつとめる母親が、いつまでも息子を子ども扱いする典型的なジューイッシュ・マザーという設定がミソで、そのため、母と子が殺人事件を話題にしていても常にユーモアがあり、テレビのホームドラマを見ている感じで気楽に読めます。「ママが泣いた」のようにしんみりした読後感の短編もありますが、総じて軽めのタッチで書かれています。しかし、謎のほうはがっちり組み立てられていて、うるさ方のミステリー・ファンも満足するでしょう。!!ブロンクスが舞台なので、ウディ・アレンものなどニューヨーク近辺で作られた映画が好きな人だったら、かなり楽しめると思います。
ママは何でも知っている (ハヤカワ・ミステリ 1287)Amazon書評・レビュー:ママは何でも知っている (ハヤカワ・ミステリ 1287)より
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