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(短編集)

虚数



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【この小説が収録されている参考書籍】
虚数 (文学の冒険シリーズ)

虚数の評価: 3.67/5点 レビュー 9件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.67pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(1pt)

翻訳者にセンスが無い、ような気がする

架空の本の序文や架空の物のパンフレットの文面をおさめた作品。

造語がうまく訳されていません。そのため作品がかなりダサく仕上がっています。本書が刊行されるまで何年も翻訳が出なかったのはあえて出さなかっただけであり、わざわざ出版したのは翻訳者達にセンスと客観力が無くて虚栄心と自己顕示欲が有ったからだと思います。

高機能自閉症の人のような、言葉遊びが好きな人に受けそうな本。大抵のsfファンは読む必要が無いです。ワムの全作品を制覇したいと考えるワムファン向けとも言えます。
虚数 (文学の冒険シリーズ)Amazon書評・レビュー:虚数 (文学の冒険シリーズ)より
4336035938
No.1:
(1pt)

文学の堕落の象徴

こういう本を読むと、言葉の無力さを痛感しますね。レムの思想が高尚過ぎて言葉が追い付かないという意味ではありません。まったく逆。こんな無意味な言葉の羅列、最良の場合でも入り組んだ比喩に過ぎない文章が思想として受け取られるという現実に愕然とします。つまり読み手がレムという人の本心を文章を通して知ることがまるで出来ていないということです。
 中に実在する思想家たちの名前が出てきますが、レムが彼らの思想内容を大雑把にさえ把握できていないのは明らかで、科学的な記述もありますが、ほとんど中学生レベルのお粗末な理解から書いているようです。踏み込んだ内容についてはまるで触れられていない。
 フィクションだから、小説だからそこまできっちり書く必要はない、というのはこの場合間違いです。なぜなら、現にレムの博識ぶりや哲学的万能ぶりに感心してしまう人がたくさんいるわけではありませんか。
 作中で触れられている思想に、もし正面から向き合って、万人に分かるように書いたなら、おそらくレムのあさはかさに読者はあきれるでしょう。
 単純に、ファースとして楽しんでもらいたいというなら、それとわかるように書かなければいけません。ありもしない知識や教養があるふりをしてはいけない。もっとも、レムはまさにそう見せたかったのでしょう。それがこの本の核心です。だから読者はこの晦渋な文章からレムの尊大で傲慢な心を読み取るべきなのです。
『無敵』や『ソラリス』は優れた作品だと思っていたので、ブライアン・オールディスが彼の小説を無価値だと評していたのは意外でした。今思えば、オールディスはかれのほかの作品も読んでいたのかもしれません。そしてレムの本質に気づいていたのかもしれない。私はここに至ってオールディスに賛成したくなりました。
虚数 (文学の冒険シリーズ)Amazon書評・レビュー:虚数 (文学の冒険シリーズ)より
4336035938

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