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短編ミステリの二百年1
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短編ミステリの二百年1の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.38pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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過去のミステリだが、現代のミステリにはない、クラシカルな雰囲気を味わえる。 | ||||
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三谷幸喜のおススメにつられて、知っている作家や作品が載っているところから読みはじめ、最後はこの第1巻になりました。やはり、こういった複数巻にまたがるものは全部読みたくなりますね。 正直なところ、それほどミステリ好きというわけでもなく、エラリー・クイーンもクリスティも横溝正史だって全く読んだことがなくキチンとした謎解きのミステリを辿ってきたわけではないけれど、一応「黒死館殺人事件」に「ドグラマグラ」、江戸川乱歩の主だった短編も読んでるし「虚無への供物」は面白かった。山田正紀の「ミステリオペラ」に皆川博子の「開かせていただき光栄です」の連作はお気に入りだし、ハードボイルドもモチロン好きなので、人並みには興味があったんですね。 それに本の半分は小森収さんという監修者の方の解説?なんだけど、これがミステリというだけではなく、例えばブラッドベリやハーラン・エリスンといった大好きなSF作家のことなんかも書いてくれてたりして、そういった意味でも興味をそそられるものでした。 で、自分が知っているといえば、チャンドラーから始まりローレンス・ブロック、あとはフレドリック・ブラウンにお馴染みのブラッドベリ、などが載っている巻から読み進めた次第。 最近、同じ東京創元社から出てる「日本ハードボイルド全集」も好きな作家のものから読んでたのですが、さすがに同じ作家の同じジャンルという作品を続けて読んでいるとけっこう疲れたけれど、この全集はそんなことありませんでした(当たり前か)。 各作品冒頭の紹介文を読むと、それこそ100年前後前というのもモチロンあるのですが、そこが翻訳物のいいところで、キチンと現代の文脈文体になっているので、その時代の日本の小説の様な古さは全く無くて、むしろソリッドに、その作品が書かれた時代の気配や気分を感じることができました。 まあ、この手のアンソロジでは避けがたいことですが、面白いもの面白くないもの、これがミステリ?と訝しむものから単なる文芸小説と感じるものまで、種々雑多。でも、なんとなく勉強した気分にもなって、全6巻楽しめました。 ミステリに明るくない自分が言うのもなんだけど、いわゆる謎解きとしてのミステリを期待すると外した感じにもなりますが、「ミステリ」に留まらないざまざまな小説のスタイルを楽しむということでは、とても面白い内容だと思います。 あ、小森収さんの解説ですが、これはこれで折々に伏して楽しもうと思って全然未読です。しかし、この解説の質量だけでも十分価値あるものの気がするなあ。 | ||||
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中学生のころだったか高校生のころだったか「世界推理短編傑作集」をワクワクして読んだ。 そして「短編ミステリの二百年」を書店で見かけてに期待して購入。 しかし、第一集の収録されているものは短編ミステリーといいながら収録作品のミステリー色は薄い。 「世界推理短編傑作集」の影の内閣っといっているのもののどのような基準で選んだのかわからなかった。 解説は読んだことのない作品についても多くが割かれているのでピンとこない。 語り手が誰であるか人称がどうとかあまり興味は持てなかった。 ミステリーとしての面白さについての解説もなかった。 期待が大きすぎて低評価になってしまったかな。 | ||||
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同じ創元推理文庫から出ている江戸川乱歩編『世界推理短編傑作集』の「影の内閣」として編まれたアンソロジー。私が狭量なのだろうが、犯罪が起こり、探偵が登場し、謎が解かれる古典的な推理小説のイメージから外れた作品ばかりでちょっと残念。著者の評論も、その博覧強記には驚かされるが、論じられる作品の多くを知らないのでよく分からない。 | ||||
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よかったです | ||||
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こういうアンソロジーは、個人の好みと、世間の公平性のバランスをとるのが難しい。この分野ではすでに、古典的作品では江戸川乱歩の編集版があるだけに編者もご苦労だったと思うが、面白いまとめ方で、それでも気になるのか、長い編集後記がついているのがほほえましい。こちらはバランスがいい。ま、これは21世紀初頭の創元社版、として楽しませてもらった、次の10年後には早川書房版、次は文春版、と、リレーで出ると面白いかも。とにかく、一つの規範ではすでに短編でもミステリーは網羅できない時代になってしまった。 | ||||
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この厚みに怯んではいけない! 「世界推理短編傑作集」(全5巻)の向こうを張ってしかも読み応え十分。これは楽しい。 狭い意味でのミステリの範疇には必ずしも含まれないかもしれないが、とにかくバラエティとクオリティに圧倒される珠玉の傑作群。 加えて、小森氏の短編ミステリ論が、質・量ともに、なにしろ読ませる。唸らせる。知らず知らず、前半の短編を早く読み終わりたいと考えてしまう。 ミステリ好き、短編好き、読書好きの全員に薦めたい。 | ||||
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本編には満足しましたが、解説が長すぎて、そのうえ読みにくいし、つまらないときている。第二巻以降は、解説者を替えていただきたい。 | ||||
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本編には大満足です。但し、解説の長さが尋常ではなく不満足です。 | ||||
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東京創元社のwebミステリーズ!に現在も連載中の短編ミステリ論を基にしたアンソロジーだが、良くも悪くも編者の好みが前面に押し出されている。賛否両論は当然あるだろうが、お決まりの名作集には無い、この大胆さが非常に刺激的に感じる。 巻末の160ページ以上にも及ぶ評論の章題にあるように『世界推理短編傑作集』のいわば影の内閣を選ぶ、ミステリ周辺の作品を多数収録することで従来のミステリ史を洗い直し、再構築する壮大な試みだ。完結の暁には『クイーンの定員』に比類するような画期的な仕事になることだろう。 | ||||
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本編が380ぺージほどで、解説が160ページほど。 その中で巻頭の「霧の中」が個人的ベスト。収録作の中で最長のぺージを割く価値が十分にあると思った。 作者名は初見で作品に対するハードルが低かったことや、個人的にミステリ色が強い作品が好みということもあって大いに楽しめたのだと思う。 本作はミステリのツボをしっかりと抑えつつ、構成にも工夫を加え、語り口も絶妙。さらに適度なユーモアやアイロニーを織り交ぜて、愉快な物語を構築している。言うことなしの傑作だと思う。 巻頭作の面白さから、続く収録作への期待がいやがおうにも高まったが、残念ながら「霧の中」に匹敵する作品には出会えず。 そんな中でも、あまりにもバカバカしい掌編の「スウィドラー氏のとんぼ返り」、編者曰く「関節のはずれたような展開」でひねくれた語り口の「アザニア島事件」、小説家としての信条と生活の金銭的な側面との間で懊悩する純文学作家を描いた「創作衝動」が楽しめた。 その他の作品も水準以上の出来になっていると思う。続巻が楽しみだ。 | ||||
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同じ創元から全5巻で出ている1844年~1951年までの短編ミステリを集めた傑作集の存在がまずあり、 ではその後に短編ミステリはどう発展していったのかということを示すために企画されたアンソロジーが本書とのこと。 ただし、この最初の巻には1951年以降の作品ではなく、以前のアンソロジーと同じ時代の、謎解きや探偵要素が中心ではない広義のミステリや、その周辺作を収録しています。 『世界推理短編傑作集』を読んでいる必要はありませんが、作品の傾向がそういったものだということは理解しておいた方がいいでしょう。 巻末には収録作や当時のミステリに関する編者の150ページを超える評論も収録。収録意図や作品の理解の助けにもなります。 とはいえ、短編に関するビアスの評価など、編者の意見に必ずしも同意できない部分もありました。 「最初に技巧を称えたのが芥川龍之介だから、ちょっと割り引いた方がいい」というのもよくわかりませんでしたが、 そうして芥川の名前を出しながら、関わりが深く、ミステリ要素も大きい代表作の一つ『月明かりの道』には触れていないのはなぜでしょうか。 また、「現代の視点からは納得がいかない古い考え方を大前提にしているのが、小説として問題となってしまう」という意見は、読者の想像力を馬鹿にしすぎていないでしょうか。 この考え方では、独自の論理を持つ異世界を扱ったファンタジーや、様々なものごとが変容した未来や人類以外の存在を扱ったSFさえも、同じように現代人と同じ視点では納得できないのでダメだということになってしまうと思うのですが。 | ||||
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戦後の乱歩の作品の中で最も影響力が強く、たくさんの読者の人生を変えてしまったのではないかと思われる江戸川乱歩編『世界短編傑作集』が60年ぶりにリニューアルされた(リニューアル版は『世界推理短編傑作集』)。本シリーズはそのリニューアルの派生企画のようである。全6巻の予定。選者及び評論は小森収氏。 原版『世界短編傑作集』の短編は1860年のコリンズ『人を呪わば』から1951年のクックの『悪夢』までで、戦後は『悪夢』とスタウト『証拠のかわりに』(1946年)の2編のみだが、本シリーズは19世紀から21世紀までの作品より厳選するとのこと。楽しみである。 さて、第1巻に収録された12編を年代順に並べると、1874年ビアス『スウィラー氏のとんぼ返り』、1878年スティーヴンスン『クリームタルトを持った若者の話』、1901年デイヴィス『霧の中』、1913年サキ『セルノグラツの狼』、1924年サキ『四角い卵』、1926年モーム『創作衝動』、1928年ラードナー『笑顔がいっぱい』、1930年フォークナー『エミリーへの薔薇』、ラニアン『ブッチの子守唄』、1932年ウォー『アザニア島事件』、1937年ウールリッチ『さらばニューヨーク』、1941年コリア『ナツメグの味』となる。 つまり、全部が戦前の短編で、乱歩が編集対象とした年代と完全に重なっている。 評論の序章において、小森氏は、「ディテクション(謎解き)の小説を中心にして編まれた『世界推理短編傑作集』」、「ディテクションの小説の影の内閣」、「『世界推理短編傑作集』と同時代にあって、影の内閣を形成する」と繰り返しておられ、少なくとも、本第1巻においては、ディテクション(謎解き)の小説以外の小説(クライムストーリー、サスペンス小説、ミステリーのボーダーラインの小説)から選ばれたようである。 『世界推理短編傑作集』との重複作品はない。『世界推理短編傑作集』に別作品が選ばれているのは、コリア『クリスマスに帰る』、ウールリッチ『爪』。クイーン『犯罪文学傑作選』に別作品が選ばれているのは、モーム『園遊会まえ』、スティーヴンスン『マークハイム』、フォークナー『修道士』である。また、本書収録のスティーヴンスン『クリームラルトを持った若者の話』、デイヴィス『霧の中』は「クイーンの定員」に選ばれている。 収録短編はおそらく全部既訳があると思われるが、今回は全部新訳とのことである。 短編集私的感想 〇著名な作家や作品が多いので、読者の関心は作品の読後感よりも、小森氏がその作品を選んだセンス(読後感と無関係ではないが)の方に向きがちになる。そこで、実に、大変に失礼とは思うが、小森氏の短編選択への私的共感度を5点評価でつけてみる。 5点・・コリア『ナツメグの味』(コリアはやはりこれ。ただし、影の内閣ではなく、本物になってしまうか) 4点・・モーム『創作衝動』(初めて読んだ。面白かった)、デイヴィス『霧の中』(選んだ理由があまり書いてない。読者により好き嫌いが分かれそう。私は巻頭に置くのはいいセンスと思う)。サキの二編(サキを選ぶべきかどうかは別として、作品はいい選択)、ウォー『アザニア島事件』(やりたい放題の作品だが、一応ミステリー) 3点・・フォークナー『エミリーへの薔薇』(こんな文芸名作まで収録しなくてもよいと思う)、ラードナー『笑顔がいっぱい』(作品は嫌い。選ぶセンスは理解できる)、ビアス『スウィラー氏のとんぼ返り』(ビアスは苦手。本編も理解不能。短いことはよい)、ラニアン『ブッチの子守唄』(赤ちゃんネタは選んでほしくない)、スティーヴンスン『クリームタルトを持った若者の話』(スティーヴンスン作品としては平凡安全すぎる選択) 2点・・ウールリッチ『さらばニューヨーク』(名作多々ある中で、ウールリッチ節のやや希薄なこの作品を選ぶ理由は、評論に長々と書かれていて、この評論自体は面白い。しかし、この作品を選ぶという結論には全く納得できない。嫌だ嫌だ) 評論私的感想 〇本書の作品を選ぶ理由が長々と書かれており、まるでネットのマニアのおしゃべりがそのまま本になった感もあるが、面白かった。 〇本書に短編の収録されていないクリスティ論面白かった。『クィンの事件簿』はほかの短編集とは違う・・はい、そうですが・・どういう読み直しになるか心配。 〇評論の中で一番長いのがウールリッチ論。しかし、ここまでウールリッチ短編を論じながら、選者はウールリッチをあまり好きではないようだ。「ウールリッチの持つ通俗性」・・いけませんか?? 私的結論 〇第2巻もぜひ読みたい。 | ||||
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