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黒い海 船は突然、深海へ消えた
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黒い海 船は突然、深海へ消えたの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.43pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全96件 21~40 2/5ページ
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著者の熱意ある取材と緻密な調査に感服する。 丹念に事実を調べて考察し積みあがており一級品の価値ある内容となっている。 対して、結論ありきで筋書きを無理やりに作り上げた事故調査報告書のいい加減さに閉口する。 事故調査過程の情報をすべて不開示とするような、隠ぺいする強い意思をもった組織からだされた調査報告書をどうして信用できるというのだろうか? 著者をはじめ、野崎社長やご遺族ならびに関係者のみなさんの憤りや無念さはいかばかりか。 海にかかわる方だけでなく、多くの方に読んで欲しい1冊です。 | ||||
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面白い、といえば語弊がありますが、腹立たしさをも感じながらあっといまによんでしまいました 123便事故の究明に似たいい作品です | ||||
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非常に読み進めやすい文章でした。女性であるがゆえに警戒感を緩めて話してくれたこともあろうかと思いますが、この粘り強い取材力には関心しました。国の姿勢にはどうしようもない無力感を抱きましたが、この著者のような気骨のあるジャーナリストが増えることを期待してやみません。 | ||||
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読み始めは国が都合の悪いことを隠そうとする、最近では珍しくもない案件の一つかと思っていた。しかし次第にもっと恐ろしい事が背後で起きていると感じ始める。国の機関が仕事の体裁を整えるために現場で起きていることを無視して、事実を捻じ曲げてでも表面上は完成度の高い報告書を作成して幕引きを図ろうとしている。17名の犠牲者が出た海難事故にも関わらず、報告書の作成に関わった人は事故のことを覚えてすらいない。そこに明確な悪意は無いが、人格のないのっぺらぼうと対峙するような恐怖感がある。 さらに読み進めると、潜水艦が絡んでいることが濃厚に感じられてくるが、日本だけでなく他の国でも、軍事的な機密に関して明白な証拠を突きつけられない限りしらばっくれるという事情がわかってくる。 事故から随分と経ったが、当事者はその後震災でも大きな被害を受け、今は原発の処理水放出を受け、ずっと翻弄され続けている。未だに闘いは終わっていない。 この本を書くために筆者が取材に費した労力が大変なことは想像に難くないが、情報開示を求めより真実に近づくための努力は現在進行形で続けられている。当事者と筆者の姿勢がわずかながら希望の光と感じる。この本を読む機会があったことに感謝したい。 | ||||
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断片的に散らばったままの事実と記憶を丁寧に拾い集め、全体像を浮かび上がらせていく。その作業を必要とするものは、おそらく無限にある。(同書より) 荒波による海難事故と思いきや世界の恐ろしい闇に突き進んでいく一級サスペンスで読み止めれませんでした。また今、海洋放出で矢面にたつ福島魚連の野崎会長のルポでもあり福島に生きる人たちの話でもありました。市井の人々の目線から真実を地道に追求していく著者の姿勢に揺さぶられつつ役人のなめきった態度にも怒りを覚えました(しょこたん乗せられるなら潜水調査しろ!)。 まだ取材継続中とのことで続編を期待します。 | ||||
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沢山の潜水艦浮上時の事故があると思う | ||||
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緻密な取材で不可解な事故の謎を追いかけていく本作は、ミステリーのような読後感があった。 不都合な真実を暴いていく書きっぷりは、まさに正統派ノンフィクションの傑作と言える。大宅賞を受賞したのもうなずける。 | ||||
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大変興味深く拝読しました、最後の結論が不明瞭なのは著者がそこまで追求出来ないのか、やっても追及 させてくれない公の妨害があるのかな?ともおもいたくなりますね! | ||||
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他の方のレビューコメントにあるように用語の使い方には誤りがあるようですが、著者が真相を解明したいという執念が感じられました ただ、大宅壮一賞を受賞したということからすれば正しい用語を用いて欲しかったと思います また、単純な決めつけはしたく無いと繰返し記載していますが、そのきらいが感じられるのは著者の力量のせいかもしれません 本筋ではありませんが、書籍版のP55等のマスコミの取材対応は社会部記者にありがちな自分が社会正義のような傲慢な対応について記述されている点はマスコミ関係者には真剣に受け止めてもらいたいと思います 難点はいくつかありますが、著者の執念を評価して5つ⭐︎としました | ||||
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大変迅速丁寧な対応で受け取りした商品にも満足しています、また機会があればよろしくお願いします | ||||
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「氷海からの生還」(長尾三郎)1987を思い出した。長尾(1987)は、昭和60年4月20日「第71日東丸」の不可解な沈没事故を追ったノンフィクションだ。第71日東丸の沈没が、「黒い海」で描かれた「第58寿和丸」の沈没とよく似ている。長尾(1987)は、「第71日東丸」の沈没の原因を、赤いクジラ(ソ連の原子力潜水艦)との衝突説を有力としている。「黒い海」で「第58寿和丸」の沈没の原因をアメリカの原子力潜水艦との衝突説を有力としているのは、自然だと思う。 | ||||
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読書仲間の只野健さんの書評で知ったドキュメント『黒い海――船は突然、深海へ消えた』(伊澤理江著、講談社)を手にしました。 一気に読み終わった時、真実を覆い隠そうとする者たちに対する怒りに震えながら、松本清張の『日本の黒い霧』を想起しました。米国に忖度する日本という情けない構図が共通しているからです。 2008年6月12日、太平洋上で漁船・第58寿和丸が突然、2度の衝撃を受けて転覆・沈没してしまいます。助かった乗組員は3人、4人が死亡、13人が行方不明という大事故だが、運輸安全委員会が「波による転覆」という結論を出したため、この事故は世間から急速に忘れ去られていきます。 「人は忘れやすい。どんなに耳目を集めた出来事であっても、潮が引くようにニュースは減り、世間の関心は薄れていく。17人の乗組員が犠牲になった第58寿和丸の事故もまさにそうだった」。 事故から11年後の2019年秋、ひょんなことから、この事故を知り、「波」という原因に疑問を抱いた著者・伊澤理江の関係者への粘り強い聞き取り行脚が始まります。 「第58寿和丸は波ではなく、何らかの要因で船体が損傷したのではないか。考えれば考えるほど、自力で調べれば調べるほど、この『疑念』が明確な姿となって見え始めていく」。 「第58寿和丸事故の資料を集めていた私は、この横浜の『(海難審判庁横浜地方海難審判)理事所』が真相解明に向けた重要なカギを握っているはずだと考えていた。横浜の理事所は、生存者3人や僚船の乗組員たちからの事情聴取、現場の気象状況や海況などの事実に基づいて、事故原因は波によるものではなく、船体が何らかの損傷を受けたことが原因ではないかと推察していた節があるからだ。しかも彼らは潜水艦との衝突も視野に入れていた」。 「船舶事故調査の後継組織・運輸安全委員会の事務方のトップは事務局長だ。国交省の官僚が務める」。 「どうやったら、こんな(波による転覆という)内容の報告書ができあがるのか」。 「(第58寿和丸を所有する)酢屋商店社長の野崎哲は、運輸安全委員会の調査プロセスは『どうやったら波で転覆させられるか、一生懸命考えているようだった』と取材に語った」。 「取材の記録や資料などが、次第に私の手元に積み重なってきた。報告書の内容が生存者らの証言と一致していない実態は、明確になった。しかし、報告書の内容が生存者らの証言と違っているというだけでは、十分ではない。もっと確実な『何か』をつかむ必要があった。それがないと、取材は先に進めない」。 「ここに至って私は、潜水艦と軍に精通する人々への取材に手を付けた。すると、軍事大国が人知れず海中で繰り広げている潜水艦の隠密行動と民間船舶の接点が想像以上に多いという知られざる実態が次々と浮かび上がってきたのだ」。 「実際、潜水艦による事故を隠そうとし、その後に露見してしまった日本船絡みの事例がある。1981年4月9日に発生した貨物船『日昇丸』と米原子力潜水艦『ジョージ・ワシントン』号の衝突、当て逃げ事件だ」。 「元外交官は続ける。『第58寿和丸が潜水艦と衝突したのだとすれば、その国は普通に考えればアメリカでしょう。当時の国際情勢から言っても、あの海域で活動していた潜水艦は日本とアメリカです。それにアメリカなら隠し通すということは十分あり得る。日本近海でアメリカの艦船が事故を起こし、多数の民間人が犠牲になったという事実が公になったら、在日米軍基地(の整理・縮小)問題に発展しかねない。アメリカなら隠そうとしますよ。潜水艦は軍事機密だから公文書も表に出ません。機密は絶対。軍人は退役しても喋らない。戦争をする国とそうでない国では、機密のレベルが全然違うんです』」。 「『セイルが第58寿和丸にぶつかり、潜ろうとして振り上げた縦舵がまた船体にぶつかった。潜水艦が原因だとしたら、その当たり方しかない』という元潜水艦隊司令官・小林正男の言葉が蘇ってくる」。 「情報公開をめぐる裁判と並行し、私の取材は今なお続いている。第58寿和丸の事故は潜水艦との衝突によって引き起こされた可能性が高いと判断している私の前には、軍事機密の高い壁がある。相手の国名や艦名を特定する取材は容易ではない。しかし、歩みがじれったいほど遅くても、壁を登っていく試みは放棄しない」。伊澤よ、頑張ってくれ! どこの国の何という潜水艦が、これほどの「事件」を起こしながら、図々しくも口を拭ってのうのうとしているのか、そして、外交問題化することを恐れ、許せないことだが犯人追及を妨害した日本の腑甲斐ない責任者は誰か――を突き止めてくれ! | ||||
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救助順位にプライオリティがあるとは知らなかった。 とんでもない事だ。 | ||||
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決定的な証拠は深海に沈んだ船体を引き揚げない限りは分からないだろうが、それでも手に入る限りの周辺情報を粘り強く得て、努めて冷静にあらゆる可能性から選択肢を絞り込んでいくその姿勢とプロセス、筆力に感心します。 内容で最も気になったのは国家や公的機関の秘密主義、及び手の平を返したような塩対応。リソースが足りない事情を斟酌しても、とても被害者に寄り添ったり、次の事故を無くすような建設的な提言をしたりするようにはとても見えない。自分も含めて日本とはそういう風土なのかとがっかりしつつも再認識させられた。 先のタイタニックツアー潜水艦事故ではたった5人の乗客にあれだけの人と金をかけてあっという間に深海から残骸を回収したのに、こちら17人不明で対応がまるで逆。世の不公平と不条理を感じます。 | ||||
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きっとここに記されている事が紛れもない真実なのだろうと強く感じさせる一冊である。我々の世界は本当に闇が深い。 | ||||
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漁船の不自然な転覆について丹念な取材で、隠されている何かに迫っていく。その中では、土着に生きる人間と、システムの中で生きる人間の対立が浮き彫りとなり、人が生きるとは何か?ということを、考えさせられる。 | ||||
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吉村昭を思わせるようなリアルさ よく取材されていなると思います | ||||
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渾身の取材を元につとめて冷静に描かれています。この事故は確かにフェードアウトしてしまっている印象ですが、今の日本が置かれている立場の結果だとすれば悲しいことです。そして取材対象だった漁協の方は現在は原発の処理水の海洋投棄問題で漁民の代表をされており、ニュースでも取り上げられていました。こちらも今後も長く続く問題になりそうです。 | ||||
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始めの部分で、おおよその原因は予想できます。 そこへの検証はキチンと出来ていて読み物としては良く出来ていますが、やはり深海への調査が出来ない限り立証出来ないし、調査の限界も有るのは分かりました。 それでも諦めずに調査している姿に、素晴らしいと思えました。 | ||||
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調査に次ぐ調査の連続。失わない客観性。専門的な分野の迷路に入り込んでもどんどん先に進んでいく根気。著者の方のエネルギーというか、記者魂? 作家魂? に胸を打たれた。 この本はミステリー×仕事物語として読んでも面白い。 政治の難しさ、お役所仕事の難しさ、をひしひしと実感した良書。 この本をきっかけに真相が明るみになることを切に願う。 | ||||
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