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迷宮の月
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迷宮の月の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.53pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全15件 1~15 1/1ページ
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遣唐使節を再開するために、命の危険をおかしてもその使命を果たそうとするその心意気に感動です。 過去の日本にはこんなことがあったのかと、先人の努力には頭が下がります。 | ||||
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安部龍太郎の≪古代史小説≫ 私が『ふりさけ見れば』を出版前に予約してまで読むというので≪そこまで入れ込むのは、きっと面白いのだろう≫とある友人が評した。ちょっと補足解説しよう。 ≪古代史小説≫は安部が近年に開拓した新しい領域であり、まだ続く作品があるかもしれないが、今のところでは『ふりさけ見れば』は、≪古代史小説≫の最期を飾るものだ。 私は『ふりさけ見れば』の単行本化を待つ間に安部龍太郎に≪古代史小説≫があるのを知って興味深く読んでみたのだ。 安部龍太郎は、これまでに古代史小説を3作品ものにしている。このシリーズを列挙してみる。 刊行年月、タイトル、作品が扱う時代だ ①2015年8月『姫神』 推古天皇の御世、聖徳太子が隋との国交を目論む。九州の宗像一族が橋渡しを命ぜられる。タイトルの≪姫神≫は、宗像神社の沖津宮(おきつぐう)の祭神である田心姫神(たごりひめのかみ)のことだ。 ②2018年5月『平城京』 藤原不比等による新都平城京造営計画 主人公は阿倍船人(架空人物だが)作品③に登場する。彼が平城京造営の実務者を務める。この仕事を引き受けることで、作品③の唐からの帰国時の不始末による罪が許される。 平城京造営に成功し、阿倍船人は希望する遣唐使船の船長として復活する。吉備真備と阿倍仲麻呂(架空人物である阿倍船人の‟甥”にあたる設定)を唐に送る。 ③2020年4月『迷宮の月』 白村江の敗戦後初めての遣唐使派遣と国交回復。遣唐執節使は、粟田真人。作品では、架空と思われる阿倍船人が、粟田真人の娘の許嫁で、第4船の船長に抜擢される。しかし唐からの帰国時の不始末で処分される。 ④2023年7月『ふりさけ見れば』 遣唐留学生として唐に渡り長期滞在し国家試験である科挙に合格、時の皇帝玄宗に取り立てられ出世し、国際人として大活躍する主人公阿倍仲麻呂。 ご覧の通り、歴史の経過は①⇒③⇒②⇒④となる。 | ||||
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当時の艱難辛苦が思いやられる。 | ||||
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この1冊でも面白い、のですが、 できれば作品世界の後年に生じた遷都を語る「平城京」を先に読了しておくと もっと楽しく読めます あと気になるのは 最終段で異なる進路を選んだ若き船長(「平城京」での主人公)が どのように闘い抜いて帰国したのか何処かで書いていただけたら いつか読めるといいなと望んでいます | ||||
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一気読み!白村江の戦いに日本渡海軍が破れて、遣唐使が途切れて,30年余。再会するべく死を恐れず唐に渡ったが、唐は無く皇帝は変わっていた!どうなるか?一気読み! | ||||
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藤原不比等の時代、遣唐使再開に奮戦する話。フィクションが強いと思われるが、遣唐使の航海はかくありなんと思わせる内容で、興味深く読んだ。 | ||||
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安部龍太郎さんの「平城京」を読み、「迷宮の月」を読んでみました。 どちらも国の将来を背負う苦しみを感じることができます。 「平城京」では現場視点での苦しみを、「迷宮の月」では外交官のトップとしての苦しみを。 時系列としては、「迷宮の月」→「平城京」となります。 どちらも読むと点が線でつながり、作品を一層興味深く読めると思います。 | ||||
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白村江の戦いで唐と断交していた日本が、国交再開を目的に第8次遣唐使を率いる粟田真人の姿を描いた作品である。 唐との国交を開くためには唐に臣従する必要があるが、天皇が中国の皇帝の臣下になることは日本の政治情勢が許さない。その難問の克服する真人は、還暦を超えて体調管理に苦労する老人で、最初は頼りない感じがしたが、粘り強く外交交渉を進め、その上唐の姫君とロマンスまで展開する活躍に、非常に楽しく読み進めることができた。 (以下はネタバレ) ただ、読んでいて違和感を感じる箇所があった。例えば真人が元々は百済出身で少年時代に虐められたというエピソードの必要性には疑問を感じ、百済出身であることが史実として正しいのかネットで調べたが、そのような情報は確認できなかった。更に最後に公主から伝えられた恐るべき事実というのが、「天皇の祖先は中国から倭国に渡った」ということであったというのは、物語の筋とは全く関係ないし、何故このようなエピソードを挿入するのか、著者の思想背景に疑問を感じざるを得なかった。 せっかく面白い小説なのに最後が興ざめだったのが実に残念。 | ||||
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粟田真人による大宝年度の遣唐使を舞台にした小説。 文字文献が少ない中、関連する学術論文も全て読み込んでいると思われる書きっぷりは圧巻。 本書を貫くテーマと秘密、プロット、海外ドラマのような息をつかせない展開と全てが素晴らしい。 最大級の賛辞を送りたい。 一方でタイトルの「迷宮の月」の意味が最後までよくわからなかった。 また、粟田真人を身体の弱った老人のように描写していたのはやや設定ミスか。 もっとセクシーで屈強な男性に描いてもよかったのでは。 ラストシーンは、少し消化不良の終わり方。太平公主からのメッセージは、次の作に向けての伏線? 長編の物語なので、もっと大団円に終わらせてもよかったと思う。 | ||||
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私の知識は高校で学んだ歴史の教科書程度です。中国小説と言えば、井上靖、浅田次郎、宮城谷昌光その他が書架に並んでいますが、最近の読書と言えば、通信教育で大学の文学部に籍をおき、レポート作成のために読む時間で費やされていました。過去形で記すのは、私は85歳の高齢で、今春に中途退学しているのです。それはさておき、安部龍太郎の作品は初めてのようで、正確な文体に圧倒され、登場人物に魅せられています。私の趣味は読書だけでなく、洋画も描き、展覧会に応募したり、個展を開催して、そう、多忙なんです。それに古寺巡礼の趣味もあり、写真の撮影もしています。8月は『迷宮の月』に没頭することを決めて、レビューを記しました。 | ||||
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安部さんは、等伯(2015年9月発刊・直木賞)でファンになりました。小説はその1冊で、本作で2作目でした。実に面白い展開でした。真人の真摯さもよく伝わってきました。リーダーとしての苦悩も。令月との色っぽいシーンもよかった。粟田真人、実在の人物なんですね。映画化期待したいです!!! | ||||
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華やかな遣唐使の裏の顔に焦点を合わせた作品です。唐の後宮との関わりの場面は、日本の大奥を思わせます。帰国出来ないまま死んだ遣唐使は、どんな秘密を秘めて、世を去ったのか、と、勘ぐってしまいました。遣唐使派遣が中止されてから、日本は、独自の文化や制度が生まれます。中国と距離をおくことにした日本人は、遣唐使の持っていたしがらみに嫌気がさしていたのかもしれませんね。そんな思いをめぐらしてしまう本です。歴史の闇に、興味のある方に、お勧めです。 | ||||
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古代日本の外交使節は、代々苦難の連続であったことは想像の域を超えている。最大の苦難は、航海にあったと思えるが、第八次遣唐船の執節使に任命され、2回目の訪唐を果たした主人公の粟田真人が、いかに中国王朝と交渉を重ねたかが物語の中心となっている。律令制度を導入し、中央集権国家を目指す飛鳥・奈良時代の日本にとって、何としても中国王朝に認めてもらうことが必要であった。皇帝から天皇の存在を承認してもらうことが、朝鮮半島から撤退した日本にとっては、不可欠であったと思われる。遣唐大使よりも格上の執節使という立場は、理解しにくいが、従来の文物を持ち帰る使者とは違った意味合いがあったのだろう。 粟田真人の秘書のような役割で同行した山上憶良が、往路の船中で紹介した歌「世の中を憂しとやさしとおもへども 飛びたちかねつ とりにしあらねば」は、「万葉集」に載っているが、山上憶良が筑前の国司として任務にあたる中、律令制の租税に苦しむ、農民を歌ったものと理解していた。「貧窮問答歌」の中のほうが、鳥になりたい気持ちが伝わってくるような気がする。 ともあれ、無事に任務を達成し、その後の律令制度の発展に寄与した功績は多大なものがあったと考えると、1500年前の苦難の旅は、英雄達の旅でもあったのだ。 | ||||
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古代日本の黎明に、粟田真人という遣唐使が唐へ向かい、 則天武后と対面しようとするなんて考えてもみなかった。 スリル満点で読みごたえありました。 | ||||
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何の変哲もなく始まりながら、物語はだんだん右方上がりに面白くなっていき、 後半は手に汗握る展開に。真人の地味でありながら時に大胆な決断と実行で様々な 難関を突破していき、ついに目的(オペレーション)を達成し行く、まさにすばらしい冒険もの に仕上がっているところがすごくおもしろい。正直、遣唐使はどのようなものだったか、ほとんど 知らなかった小生でしたが、大変興味を持って読み終えました。これは超お薦めです。 | ||||
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