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優等生は探偵に向かない
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優等生は探偵に向かないの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.62pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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「自由研究には向かない殺人」シリーズ2作目とういか、巻末の解説が述べている通り、第2部という感じです。登場人物は前作とほぼ被っていますし、本作の冒頭部は前作の完全ネタバレになっていて、ストーリー全般に前作の流れを引きずっています。よって、本作単独でも楽しめないことはありませんが、前作を読んでいないと魅力が半減しますので、要注意です。 前作ほど劇的な展開ではありませんが、個人的には本作の方によりリアリティを感じますし、好みではあります。正義を果たしきれない「法」と、正義を声高に叫ぶ悪意というやりきれなさを描いています。 あいかわらず主人公・ピップが大活躍するわけですが、本当の主人公は街である「リトル・キルトン」そのもののように思え、かつての名ドラマ「ツイン・ピークス」のような雰囲気を醸し出しています。 とても楽しく読み進めることができますが、ラストはかなり重苦しいものとなっています。これも、3作目(第3部)が用意されているのがわかっていることが救いとなっていて、やはりシリーズを通して読むのが前提のようですね。 | ||||
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すぐ届いて読みたいときによめた。装丁もきれい。 | ||||
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商品も梱包も大変満足しています | ||||
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外国の小説は翻訳にもよりますが読むのは疲れます。ただ、これは評判になっているとおりとても面白く一気に読んでしまいました。 登場人物の名前も一覧がありわかりやすかったです。 | ||||
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前作「自由研究には向かない殺人」の後日譚があり前作の犯人や結末に触れているので順番に読むことを強くオススメします。 | ||||
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「自由研究には向かない殺人」の続編。作中、主人公のピップが事件をポッドキャストで配信している。車社会の欧米ではポッドキャスト番組を車内で聞く率が上がっており、「シリアル」「ダーティー・ジョン」などの実録犯罪番組はファンも多い。これらがピップの設定に影響を与えているのは明白だろう。脱線するがドラマ「マーダーズ・イン・ビルディング」でもポッドキャストの犯罪番組はストーリーの柱に位置づけられており、それだけ浸透している証左となっている。 仮に本作の内容を日本でリメイクしたらどうなるか。日本国内のポッドキャスト普及率は欧米の1/4足らずなので難しいだろう。それよりも映像媒体、特にyoutubeを使うことになるのではないだろうか。ピップが犯罪ドキャメンタリーのyoutuberとして活躍する、もし顔出しに難があるのならVTuberとして架空のキャラを立てるのもありだろう。あるいは「ゆっくりキャラ」を使うかもしれない。現在国内での動画による事件解説は、新聞記事を粗雑にまとめたものを除けば過去の事件の引き写しか、イデオロギーに染まったものがほとんどだ。ピップのようなリアルタイムでの事件レポートは、日本の動画界隈に小さくない足跡を残すであろう。 ……などということを、読み終えながら想像してしまった。できのいいヤングアダルト小説として前巻同様オススメである。 | ||||
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前作で新鮮な面白さを披露した作者。過去の二つの死をめぐって元気溌溂な少女探偵ピップが大活躍を見せたが、第二作ではっきりしたのは、それぞれが独立した作品と言うより、三作で完結する連続シリーズと考えた方がよさそう、ということだ。前作『自由研究には向かない殺人』から直結したプロローグとなるので、のっけから前作のネタバレが念入りというほどにされている。いきなり本作から読もうとする方はストップ! 本シリーズを100%楽しみたい方は、まずは前作と言うスタート地点へどうぞ。 本作は前作の容疑者の法廷裁判中、新たに起こった行方不明事件をピップが依頼されるものである。ピップはもう探偵仕事はやめようと決意しており、持ち込まれた依頼に対してあまり気が乗らなかったものの、行方がわからなくなったのが友達の兄であるため、ポッドキャストを使っての情報のやりとりをする。ポッドキャストとはネットでの音声ファイル公開であり、ここでは公開捜査として使うことをピップは思い立つ。音声での情報公開とそれを日々更新しつつ、広く情報を募り、集まった情報と進捗をまとめて発信する。いわば私的公開捜査システムと言うべきか。 スマホのアプリにより、持ち主の足跡を時間軸に従って追跡する手法など、相変わらずディジタル&ネットを駆使した現代っ子ならではの捜査新鮮で、小説としての前衛的表現としても斬新であり、かつ変化に富んで読みやすい。 かと言ってストーリーがスムースに進んでくれる物語ではない。女子学生ピップ。心理状況や人間関係、初の探偵役を経験することになった前作とは異なり有名となったピップの今の状況、彼女の捜査方法の是非を内外から問われつつ情報を集めることの難しさ、等々、リアル要素も多々与えられるため、捜査進捗も忸怩たるところ。読者はピップを応援しつつも、難しい彼女の立場や素人捜査の難しさを我らがヒロインとともに体験させられることになる。 しかしその構図こそがこの作品の醍醐味でもある。素人探偵であるゆえの困難と限界を覚えながらも、敵対する者たちを強引に視界の外へ追放しつつ、捜査の価値や必然性、彼女としての使命感などを一途に唱えて突き進む少女の勇気に読者は心を持って行かれると思う。そして彼女を支える友情もよいです。ほんわか! 後半、唐突に事件の見え方が一気に変化する。いささか唐突ながら、過去の犯罪がピップに反撃してくる状況となり、この辺りからはジェットコースター感が高まり、ほとんどの読者は巻置く能わずの状況に追いやられることだろう。前作同様のページターナーぶりを、表現の多様さの中で思い切り味わいながら、最後の最後まで読者は突き進むことになるだろう。 それにしても一作目と比べて、スッキリ感がこない。連続シリーズの経過作との印象だけはぬぐえないのである。きちんとすべてが解決するカタルシスのためには、三作目が待たれるだろう。この座りどころの悪さも、いわば面白さのうちである。それらは基本的には次作を待つエネルギーとなるだろう。最終的な拍手を送るには最終作品がどうしても必要な状況となってしまったからである。ううむ。 | ||||
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2018年4月、ピップは18歳。イギリスの小さな町リトル・キルトンに両親と弟と暮らす高校生だ。友人のコナーから兄のジェイミー・レノルズが帰宅しないと聞かされる。しかし地元警察は成人しているコナーは単なる家出の可能性もあり、すぐには捜査に入ってくれない。コナーのたっての願いでピップは独自の調査を始める。なんといっても彼女は先年、学校の自由研究のテーマに選んだ未解決殺人事件を見事解決して、ネット上では大きな影響力を持つ高校生探偵になっているのだから……。 -------------------------- ◇2022年本屋大賞 翻訳小説部門 第2位 ◇〈ハヤカワ・ミステリマガジン〉ミステリが読みたい! 海外篇 第1位 ◇『このミステリーがすごい! 2022年版』海外編 第2位 ◇〈週刊文春〉2021ミステリーベスト10 海外部門 第2位 ◇『2022本格ミステリ・ベスト10』海外篇 第2位 と、昨年(2022年)輝かしい受賞歴を誇った『 自由研究には向かない殺人 』の続編です。 正編も大いに堪能しましたが、この続編はさらに面白さが倍増している気がします。その理由は3つあると私は思います。 ひとつには、前作同様、主人公のピップがデジタル・ネイティブ世代として、ネット環境を駆使して捜査と推理を進めていく課程が、実に痛快かつ爽快です。ポッドキャスト、ティンダー、インスタグラム、フェイスブック、レディット、フィットビット。事件の背後にある巨大な闇に一高校生が肉薄していくことができるのも、こうしたネット世界に精通しているからこそ。サイバー空間に難なく分け入り、次々と情報を拾って事件の真相へと素早く迫っていく姿に幾度も快哉を叫びたくなりました。 そしてジェイミー・レノルズ疾走の背景にも虚実ないまぜのネット社会の恐怖がひそんでいたことが明るみになっていきます。実に現代的、21世紀的な事件の真相が浮かび上がってきて、その闇の深さに息を呑みます。 ふたつめの魅力は、この物語が正編『自由研究には向かない殺人』とは独立した第2長編ではなく、正編とは切っても切れない物語である点にあります。 正編で描かれた事件によって小さな地域社会は大きく傷つきました。真犯人にたどりつくまでに多くの疑心暗鬼が住民の間に生まれ、また、信じてきた相手に深く裏切られた思いが強く残っています。つまり正編が幕を閉じたところでひとつの区切りがついているわけでは一切なく、そうした傷ついた社会が厳然と今も続いていること、そしてそれは一朝一夕では解消されることはないという現実がピップと読者に突きつけられています。 さらにはこの続編では正編で逮捕された人物の法廷闘争が進行しています。それ自体はジェイミー・レノルズの失踪事件とは関わりがあるわけではありませんが、犯人を逮捕して終わりではない冷徹な事実が冷ややかに描かれている点が特異と言えるところであり、この物語に絵空事ではない生々しい手触りを与える結果となっています。 そしてみっつめの魅力は、主人公ピップがスーパー女子高生ではない点です。 確かにデジタル・ネイティブとしてSNSや様々なアプリを使いこなして事件を追う能力は、私のようなおじさん読者の目には十分、スーパー・パワーに見えます。ですが、ピップはジェイミー・レノルズ失踪事件の背後にいた人物に奇妙に寄り添う心情を抱く一方、正編の事件の被疑者には抑えきれない憤りと憎しみを抱きます。後者に対しては、ピップは一線を越えてしまうといってよい所業に乗り出してしまいます。それはネット上の私刑と言えるもので、司法制度をないがしろにした行いとして肯んじることのできないことでしょう。 そこがピップという少女の幼さ、そして割り切れない人生を消化しきれない彼女の稚拙さと断じることもできるでしょう。しかしそれもまた、迷い、惑いながら人として歩んでいくピップの今後の成長を読者に感じさせるものであり、まだまだ発展途上にあるこの少女を見守りたいと強く思わせる物語だと考えるのです。 ピップの探偵家業はさらに第3長編『 As Good As Dead 』で一層の深みを増すのではないでしょうか。ピップのさらなる成長が服部京子氏のすぐれた邦訳で読める日が来ることを今から楽しみにしています。 -------------------------- *421頁:校正漏れが一箇所ありました。 ×「ポーチのとこにすわるっているのはどうかな」 ○「ポーチのとこにすわるってのはどうかな」 . | ||||
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前作『自由研究には向かない殺人』終了時から1か月後。 (※ばっちり前作のネタバレがあるので、他のレビュアー同様、絶対に順不同で読んではいけない) 女子高生ピップは今度は友人コナーから「兄が行方不明なので探してほしい」と依頼される。しかし前回の調査で危険な目に遭ったうえ愛犬が殺され、未だ心無い投稿もされることから一旦は断る。 彼女は警察へ赴くが、またもや非協力的で、とうとう引き受けることに…。 大好きなラヴィとともにポッドキャストでリスナーに配信して情報収集し、捜査を進めていく。 私は今作はしばらくちょっと退屈に感じた。動機となる捜索する対象の事件性がはっきりしないことから、読む側にとっても危機感や切迫感が弱かったためだろう。もちろんピップは一生懸命調査を進めていくのだが。 ところが終盤――、驚きの展開とともに受けた感銘がとても大きく、ここは前作を凌ぐ内容で一気に評価がアップした。そしてピップ自身が被った影響も大きくぼろぼろに…。彼女はいろいろな意味で大人になっていく。 内容の中には洗脳もどきがあったり(現在わが国でも宗教によるものが大きく問題になっているが)、友人や同僚の、事が起こった時の対応で真の人間性が見えたりなど、事件以外にも問いかけてくるものがあった。 さらさらと読みやすい文章で翻訳も上手だと思った。ピップたちがいとも簡単に使いこなすSNSについても(それらとほぼ無縁の私でも)何とかついていけたように思う。 3部作-2作目であり、次作へと続く。 野放しにされた腹立たしい事案(前作から続いているもの)についても、ラスト編できっちりと決着をつけてほしいものだ。 | ||||
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圧倒的に巧みなストーリーテリングと情報開示のテクニックに舌を巻く。サスペンスの演出はより磨きがかかり、すべての面で前作を上回っている。好ましく逞しい少女――というだけではない主人公の暗黒面すら示唆しているのは見事。SNS普及時代のミステリの理想型がここにある。 ただし! 冒頭から遠慮呵責なく前作『自由研究に向かない殺人』の全真相に言及しているため、絶対に前作から読むように! | ||||
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『自由研究には向かない殺人』(原著2019年、邦訳2021年。以下前著)に続く、ロンドン在住女性作家ホリー・ジャクソンの第二作にて、前著の続編(原著2020年)の本邦初訳。つまり、イギリスの小さな町リトル・キルトンのグラマースクール最上級生のピップ(ピッパ)が探偵役となるシリーズ作品である。原題はGOOD GIRL, BAD BLOOD。 本書の解説にも、原著のアマゾンレビューにも書かれているように、本書冒頭で、前著の内容がほぼ完全にネタバレされている。 さて、前著はユニークな傑作とは思ったが、ハヤカワ・ミステリ・マガジンの2021年ベスト1になった時はちょっと驚いた。しかし、ちょっと考えて納得がいった。①ホロヴィッツのヨルガオは良かったが、カササギほどではない。②他の巨匠たちもちょっと弱かった。③華流も北欧もちょっと弱かった。それで、元気な(特に女性作家の)イギリスミステリーが上位に並び、その中でも、女子高校生自由研究による地域の過去の事件の捜査というユニークな設定、多様性の家族と友人、好感度高い主人公、青春ミステリー(は強い)、ストーリーの面白さ等で、前著が最高点となったのかと思う。 それで、ネタバレない範囲で、本書の内容を書くと、前著の事件解決でネットの名探偵となったピップは、友人のコナーから失踪した(昨日から家に帰ってこない)兄のジェイミーの行方を探すことを頼まれる。前著の事件捜査で危険な目に合い、周囲も傷つけたピップは強く断るが、警察が全く相手にしてくれないので、引き受けて、ソーシャル・メディアを使い、リスナーからジェイミー情報を集め、整理し、地域の人からも取材して、ジェイミーの失踪前後の行動を再構成し、その謎に迫っていく・・最後は意外な真相が待っている。 私的感想 ○良くできた第2作であると思う。地味に見えて、なかなかスリリングで、エキサイティングである。満足した。 ○ソーシャル・メディアを使った失踪人調査が面白い。そのほか、最初から最後まで、ソーシャル・メディアが絡んでくる。ソーシャル・メディアに弱い私には、大変勉強になった。 ○4分の3辺り(第30節)で、一旦リセットされた感じで、新たな事件展開が始まるが、全く予想のつかない展開で、ラストになだれ込む。お見事と思う。 ○小さな町にしてはわけあり人間が多すぎるようにも思うが、現実的偶然を小説的必然に見せるようにいろいろ工夫されている。読み返してみると、伏線もうまいと思う。 ○本書には、ピップの自我の確立への成長を描く、教養小説的側面もある。しかし、作者は最後で、ピップの自我を分裂(?)させ、読者をハッとさせる。おまけに✕✕✕✕にしてしまって、第三作はどうなるのだろう。 | ||||
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