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エラリー・クイーン完全ガイド
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エラリー・クイーン完全ガイドの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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これからクイーン作品を読んでいく(初めて読む作品もあれば、久しぶりの再読となる作品もあります)にあたって、「自分にとって、どの作品が面白そうか」「作品のどの辺に着目して読んでいくと、より良く味わうことが出来るか」といった点で、本書はとても参考になりました。 まず、コラムが充実しているのが良いです。 五頁ほどのコラムが六つと、一頁のミニ・コラムが十六、収められています。それぞれのタイトルは、以下のとおりです。 【五頁ほどのコラム】 ⚰️ クイーンが変えた本格ミステリ ⚰️ クイーンはアメリカでどう読まれたか? ⚰️ クイーンは日本でどう読まれたか? ⚰️ 〈後期クイーン的問題〉とその波紋 ⚰️ 名探偵のイメージと時代(★翻訳者が語るクイーン像てことで、中村有希、越前敏弥、両氏の寄稿文あり) ⚰️ クイーンの世界は終わらない 【一頁のミニ・コラム】 ♟️ クイーンのフェアプレイ ♟️ クローズドサークル ♟️ 密室 ♟️ 恋愛 ♟️ ライツヴィル ♟️ エヴァンゲリオン ♟️ 見立て殺人 ♟️ ダイイング・メッセージ ♟️ ミッシング・リンク ♟️ 時代と名探偵 ♟️ 叙述トリック ♟️ 共犯トリック ♟️ 『そして誰もいなくなった』 ♟️ クイーンの翻訳 ♟️ 消去法推理 ♟️ 名探偵最後の事件 本書の要(かなめ)である【全作品ガイド】では、特に、当該クイーン作品に影響を受けた〝後継作品〟が挙がっているのが有り難かったです。 欲を言えば、現代の代表的なクイーン翻訳者である中村有希、越前敏弥、両氏の寄稿文は、もう少し分量があって欲しかったです。 とは言え‥‥。 越前氏の寄稿文の最後のほうにあった、《『災厄の町』『フォックス家の殺人』『十日間の不思議』『九尾の猫』の四作を、個人的には「挫折と再生四部作」と呼んでいるが、これは若き日のエラリーがあってこその挫折と再生である。》p.224 のおかげで、『災厄の町』よりも先に『オランダ靴の謎』に行こうって決めることが出来ました。どちらを先に読むか、大いに迷っていたんです。そんな私にとって、「ここはやはり、『オランダ靴の謎』『ギリシャ棺の謎』『エジプト十字架の謎』の創元推理文庫本を読んで、それから『災厄の町』に行こう。」その決心に到ったこの文章は、実に有り難いものでした。 | ||||
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私はレーン四部作と、国名シリーズを読破しただけなので、この本の第2章以降の作品は未読。紹介文を読むと、作風がガラリと変わるようなので、大いに興味をそそられた。特に中期のエラリーは、キャラ自体が一変? 今から読むのが、楽しみである。 既読作についても、私にとって斬新な視点が提示され、とても参考になった。特にレーン四部作。私はこの探偵のアクが気になり、あまり高く評価してなかったのだけど、ドルリー・レーンの特異性の指摘は、正に目からウロコ。再読せねば、と思っている。 「完全ガイド」と言う名だけど、クイーンの作品を時期別に分けて、その特徴を論じた評論であった。もちろんガイドの役割も十分に果たすし、さまざまな読者のニーズに応える良書。 | ||||
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この本再刊待ってました。この関係の本は余り出版されないので良かった。 | ||||
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筆者の方は、以前にもぶんか社から類書を出されていますが、本書はオリジナルの原稿を元にした別の書籍のようです。(一部、既出の記事や転載した文章があるかもしれませんが) (探偵としての)エラリー・クイーン、ドルリー・レーンの登場作品のみを扱うので、ノンシリーズ作品についてほとんど触れられていないのが残念です。一方、シリーズ作品については、日本の新本格作品への影響について作者自身の見解や、(軽く触れている程度とはいえ)作者が聞いた他の作家さんが語った影響についても言及されています。 ガイドブックを読むなら、オリジナルを読め、という声もあるかもしれませんが、名作ミステリシリーズの副読本として、ファンなら手元に置いておくべき一冊ではないでしょうか。 | ||||
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エラリークイーンのファンとしてはたまらない内容です。既に読んでいる作品についても十分に楽しむことが出来ます。さらに、それぞれの作品に付属して付けられているコメントも納得できるものでした。内容を忘れている作品をもう一度読んでみようという気にさせてくれる本です。 | ||||
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確かに星いくつとかなくて、初心者向けではないかもしれないけど、数作読んでいる程度やコンプリートした方にはたまらないと思います。 | ||||
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アメリカの推理小説、エラリー・クイーンのガイドブック。 完全ガイドとありますが、作家のエラリー・クイーンの完全ガイドではなく、探偵キャラクターのエラリー・クイーンの作品と、悲劇4部作の作品の解説になっております。 内訳は、 「ローマ帽子の秘密」 「フランス白粉の秘密」 「オランダ靴の秘密」 「ギリシャ棺の秘密」 「エジプト十字架の秘密」 「アメリカ銃の秘密」 「シャム双子の秘密」 「チャイナ蜜柑の秘密」 「スペイン岬の秘密」 「エラリー・クイーンの冒険」 「中途の家」 「ニッポン樫鳥の謎」 「悪魔の報復」 「ハートの4」 「ドラゴンの歯」 「エラリー・クイーンの新冒険」 「災厄の町」 「靴に棲む老婆」 「フォックス家の殺人」 「十日間の不思議」 「九尾の猫」 「ダブル・ダブル」 「悪の起源」 「帝王死す」 「犯罪カレンダー」 「緋文字」 「クイーン検察局」 「クイーン警視自身の事件」 「最後の一撃」 「盤面の敵」 「第八の日」 「三角形の第四辺」 「クイーンのフルハウス」 「恐怖の研究」 「顔」 「真鍮の家」 「クイーン犯罪実験室」 「最後の女」 「心地よく秘密めいた場所」 「間違いの悲劇」 「Xの悲劇」 「Yの悲劇」 「Zの悲劇」 「レーン最後の事件」 となりました。長い写経の様ですいません。名義貸しの作品は含まれていない様です。 今までは断片的にクイーンの評論や評価を読んでおりましたが、ここまで歴史的、体系的にクイーン物、レーン物の作品は読んでいなかったので、大変に目から鱗が落ちる様な感覚を覚えました。 ネタバレ解説もありますが、ネタを割る前に警告をいれてくれている配慮も嬉しいです。それと、現在進行形でクイーンの翻訳をされている翻訳者二人の方に、どういう観点で翻訳を進めているかを寄稿してもらっていて興味深かかったです。 所謂「後期クイーン的問題」に関しては少々難し過ぎるので、完全に理解したかは自身がありませんが、作家のクイーンが「推理小説とはなにか」という命題を自身の作品で問うたのを、現代の作家が独自の解釈で回答して作品にしている様に思えました(違ったらすいません)。 個人的にはこれまでただ純粋にミステリとしてクイーンの作品を楽しんできたので、これから読み返す機会があったら、本書を座右に置いて、参照しながら読んでみようかと思います。 クイーン物、リーン物の充実した論考を読めるガイドブック。クイーンのファンにも、これから読む人にもお勧め出来ます。是非ご一読を。 | ||||
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厳しい「レビュータイトル」にしたが、本書のイメージは、このとおりだと思う。 著者は、日本におけるEQ研究の第一人者で、研究書で賞を受賞された方なのだか、そのためか「入門書」と言う名前の割に、これからEQの本を読んでみようと言う人には不向きな本になってしまったようだ。 同じ主旨で描かれた?「霜月 蒼」の「アガサ・クリスティ完全攻略」(早川文庫)の方が、断然「入門書」として優れている。 どこが問題かと言えば 本書では「アガサ」の様に作品毎に星何個といった採点も無くて、どれから読んでよいか分からない。 「アガサ」では、更に「傑作なのでとりあえず読むべし」等と、煽り文句まで書かれている。 本書の著者は、EQが好きなので独断で採点するのは、忍びないと考えたと思うが、やはり沢山の本の題名を並べられても初心者は、途方に暮れて、結局読まなくなるのでは無いか。 やはり、初心者なら、まず、この1作! みたいな作品の紹介が必要不可欠だと思う。 更に言えば、作品毎に影響を与えた日本の新本格派の作品を上げているが、これもいらない。 そもそも、初心者が、新本格派の作品に興味があるとは限らないからだ。 そして、研究者が問題にする「前期・後期問題」たが、これも全く初心者には、いらない知識で、返って、何か難しい印象を与えるだけだ。 「アガサ」も作風の変化について書いてあるが、それも含めて星何個で現してくれるのでわかり易い。 なので、EQ好きのミステリ好きには、中々面白い部分もあり雑談を聞いている様な楽しさもあるが、 「入門書」としては、評価出来ない。 残念である. | ||||
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英米本格ミステリーといえば、クリスティかカーかブランドで、エラリー・クイーンは有能なアンソロジスト、しかし、世界ミステリーベスト1は『Yの悲劇』という時代が過去の日本にあったように記憶しているのだが、いつのことだったろう。 本書は、飯城勇三氏によるそのエラリー・クイーンの完全ガイド。私はKindleで読んでいる。 完全ガイドという題からは完全ガイドのように思ってしまうのだが、「はじめに」を読むと、完全ガイドは著者の旧著(私は未読)の「パーフェクトガイド」のほうであって、本書は完全ガイドではないように思えてくる。 「はじめに」に載っている本書のコンセプトは次の二点。 ①対象を〈探偵エラリー・クイーンもの〉と〈ドルリー・レーンもの〉に絞る。 ②クイーンが日本の本格ミステリーに与えた影響に言及する。これをたっぷりと書く。 一、目次 宣伝の内容紹介に載っているので略。 二、構成 ○〈探偵エラリー・クイーンもの〉全作品と〈ドルリー・レーンもの〉全作品のガイドが中心。 ○各作品のガイドは5項目または4項目からなる。こじつけで書くと、5項目はストーリー→総説→特徴・ひねり①→特徴・ひねり②→結論・まとめと日本作家の作品への影響(影 響された日本人作品)という構成。 ○「クイーンが変えた本格ミステリー」など、コラムが6個ある。 三、私的感想 ○全くの初心者が本書を読んで面白いかどうかはわからない。ほぼ全作品を読んで、ほとんど再読していない私にとっては、各作品のガイドはなかなか面白く、新訳を読むのをサボっていたのを強く反省させられた。 ○各作品に影響された日本人作品については、ああそうですか、というレベル。あまり関心がわかなかった。関心のある人には面白いだろうとは思う。 ○しかし、コラム3の「クイーンは日本でどう読まれたか」は、後期クイーンがなぜ読まれなかったかの歴史でもあり、なかなか面白い。 ○各作品のストーリーは既読者既読忘却者にとっては有用と思う。しかし未読者にとってはちょっと詳しすぎてヤバい感もある。 ○コラム6のクイーンの世界は終わらない、も参考になる。しかし、クリスティと比べると、映像部門は何とも寂しい。(これは著者のせいではない)。 四、私的結論 ○作品ガイドは良くできている。良い本である。 五、蛇足 ○本書を読み終えたあと、石川喬司著『極楽の鬼』(1966年早川書房)をめくってみたら、1965年12月号のハヤカワ・ミステリ・マガジンに掲載された「エラリー・クイーンの苦悶」が載っていた。内容は新刊書『盤面の敵』の批評で、「犯人の意外性がスチーブンスンやヘレン・ユースティスやロバート・ブロックの使い古したもの」(すごいネタバレ)と酷評し、「この二年間に取り上げた約200冊のミステリの中ではベストテンに入れてもおかしくないほどの力作」とヨイショした上で、「「クイーンよ、さようなら」といわざるをえないのだ」と結論していた。 | ||||
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