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肖像彫刻家
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肖像彫刻家の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.40pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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これ、63歳ごろに書いた作品のようですが、それに関係なく、ものすごく面白い。 デビュー当時の仕掛けに凝った作品より全然面白いです。こういうの円熟っていうんでしょうか。 続編を期待してます。 | ||||
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面白かったです。こういうアプローチもあるんだなと。小説の書き方の勉強になります。作者はとりわけオカルトめいた場面になると筆が冴えますね。 | ||||
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三話目ラスト付近まではリアルで、お金のやり取りまで生々しく描かれています。その後、心霊現象的なお話になり、このままそっち側に行くのかと思いきやそうでもなく・・・、と予想をはぐらかしながら、熟練の連作が続きます。読書の楽しみを堪能できた一冊でした。 | ||||
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『小説新潮』に2017から18年にかけて発表された連作を単行本化。かつて純粋芸術を目指し、今は生計のために肖像彫刻家になった主人公が作る作品にどうやら魂が宿るらしい。得意のサイコ・ホラー的要素とリアルな金属彫刻技法の記述に老人問題や夫婦間の問題なども絡めた出色のエンターテイメントになった。それぞれの彫刻話にほろ苦いオチをつけつつ、ストーリーが進行していく。まさに円熟の境地だと思う。素晴らしい。 | ||||
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流石の筆致にぐいぐいと惹きつけられて最後まで。 現代世情をほぼ余すところなく伝え、笑わせられているうちに、しみじみと考えさせられて、読み応え満点だった。 映画にしたらさぞ面白い作品になるに違いない。 読み終えて、ちょっと謙虚な気持ちにもなり、愚かしくもあり、可愛くもあり、寂しくもありの人間讃歌でもあった。 | ||||
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正道は53歳バツイチ。短大の非常勤講師の仕事をしながらいくつかの美術展に入選しつつも生活は嫁の収入に頼ってばかり。一人息子が高校を卒業するのを機に遂に嫁が息子を連れて出ていく。折よく美大の先輩からイタリアの肖像彫刻家に弟子入りしないかとの話に即座に乘り、父親に「そんなに芸術家をやりたいのなら、モノになるまで帰って来るな。連絡も寄越すな」と言われて8年。帰国すると両親は既に亡く、二つ上の姉に小突かれるように墓前で土下座して謝る。両親の壮絶な介護の愚痴を言うこともなく正道の住まいやら何やらと手はずしてくれ八ヶ岳麓で肖像彫刻家として再出発する事に。そうそう銅像の注文がある訳もないところ思いがけず近くのお寺の開山の祖雪姫像を写真から制作してくれとの依頼があり引き受ける。納品を済ませ暫くすると住職から呼び出しが。正道の制作した雪姫像が夜な夜な歩き回るとのこと。また収入のない弟を見かねた姉が亡くなった両親の胸像を依頼してきた。母親の像が仕上がり姉に見せたところ、突然に母の像に向かい姉は介護していた折の鬱憤を吐き始めた。しかも両親の胸像が仕上がり姉の家に置くと夜な夜な亡くなった両親が喧嘩すると…。その後も亡くなった妻の像や恋人の像と依頼がある度正道の作る像には魂が宿ったように話したり動いたりの不可思議な事が起きて・・・。 | ||||
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売れない、バツイチの、中年肖像彫刻家を主人公とした連作である。 イタリアで高度な技術を習得したが、芸術家としてのセンスは今一で、なかなか注文が来ない。 しかし、あるときから、彼の作った作品が動き出したり、喋り出したりするようになる・・・・。 基本、コミカルでペーソスもたっぷり。 その点で、奥泉光のクワコーものよりも、他の作品との落差に違和感がなく、ぼくにとっては彼女の方が好ましい。 ぼくと同じ世代の作家で、『女たちのジハード』を読んで以来、初期作品も含めてずっと読み続けている。 とにかく、一作でも多く、長く書き続けてほしい作家の一人である。 ところで、彼女は東京学芸大の音楽科卒業でバイオリンを専攻したらしい。 芸術家が登場するものも面白いが、音楽家を扱ったものにはさらに説得力がある。 そういえば、彼女にせよ、小池真理子にせよ、70年ごろを振り返った作品には第四インターがよく登場する。 しかも、かなり好意的に。 まあ、ブントはボロボロだったし、乱暴だったから、嫌われたのかもしれない | ||||
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篠田節子の作品はやっぱり重厚感あるテーマのほうが読み応えあるし面白い。 本作は雑誌の連載をまとめた作品であり、その点では統一感を持った全体的な訴求力は薄く、中途半端な感じは残る。 それでもいつもの作品のように、日常の生活からいつの間にか人間の心の底が現れてくる部分は垣間見れ、読み進めるうちになじんでくる展開である。 | ||||
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彫刻家になる夢を追い求めてイタリアに渡り、モノにならず、挙句の果てに嫁に愛想を尽かされて息子と出て行かれた主人公… 彼の作品がいろいろな人の人生や心にさざ波を立てる、そして彼自身も変わっていく、そんな物語です。 自分が作った作品に振り回される主人公の姿は可笑しさいっぱいで、思わず笑いがこぼれます。 でも、いつしか、その笑いは泣き笑いに変わります。 それは、私自身が喪失感を抱えながら、自分の仕事の成果物に振り回されながら生きているから。 私は主人公ほどの才能がある人間ではありませんが、彼の日常が私の日常に重なります。 人生は自分の行状に振り回されることの連続。 主人公のように、私は後ろを振り返ることなく前を向いて生きていくことができるでしょうか? 折れた心にそっと寄り添ってくれる、そんな一冊です。 | ||||
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「介護」の話になると強烈に爆発するところが胸がすく 「死んでやる」と脅されたら「死んでしまえ」と、心から、言える。日本死ねとは思わない。「お前が死ね」と思う …は、置いといて 「モノ」になっても、それがどうした?の現実が「哀れ」ではなく「滑稽」で、全体的にのんきな感じ これ程重宝な「後妻」に当たった先生はラッキーだ。ンでも、自分が先生の「身内」だったら、どんな手段を取ってでも、勿論「排除」に全精力を傾ける。当事者の安寧と、血族の「大変とても面白くない」には深い谷が存在するなあ 大変楽しく読みました | ||||
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