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同志少女よ、敵を撃て



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【この小説が収録されている参考書籍】
同志少女よ、敵を撃て
同志少女よ、敵を撃て (ハヤカワ文庫JA)

同志少女よ、敵を撃ての評価: 4.06/5点 レビュー 520件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.06pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全56件 41~56 3/3ページ
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No.16:
(3pt)

著者のこれからに期待。

独ソ戦をまったく理解していなかったので
この話題の本をきっかけで興味を持つことができた。
景色や主人公周りの描写が良くて、序盤の村の情景や澄んだ空気まで感じ取れるのはすごいな、と思ったんだけどなんだかどうしても会話がラノベというかマンガっぽい・・・
会話をすべて会話で表記してしまうから、かな?
小説の良さって会話をすべて絵が描かない部分に想像を足して楽しむのも大きいと思うんだけど、これも時代の流れかな?
ともあれ、これが盛り上がることで活字界が潤うなら、出版に携わる身としては嬉しい限りです。
まだ新人さんのようなので、これからが楽しみ。
同志少女よ、敵を撃てAmazon書評・レビュー:同志少女よ、敵を撃てより
4152100648
No.15:
(3pt)

オマージュの嵐をどう見るかで評価は変わるかも。

まず、面白いかどうかと問われれば、間違いなく面白いとは思う。

何より、読みやすい。描写が軽くて浅い印象は受けるが、シンプルでストレートな文体で過不足なく伝えるべきことを伝えられる技量は、個人的にはもっと評価されても良いとは思う。

ただ、揶揄するわけではないのでご不快に感ぜられたら申し訳ないが、これが「史実を題材に扱った小説」を名乗るのはちょっと烏滸がましいかな、とは正直感じた。もしもこれが「史実をモチーフとしたファンタジー」だったら、素直に楽しむことができた。それほどまでにアニメ的、ラノベ的、オマージュ(悪く言えばパクリ)要素が多かったから。(特に進撃の巨人・ドラクエ4辺りの既視感が ちょっとあからさまにすぎる)。

それらを許容できる 方なら手に取って後悔はしないだろう。自分の場合は、武器の重量の概念が全くないこことや、まるで渋谷系DQNみたいな悪役ザコキャラ、絶体絶命のタイミングで都合よく味方が助けに来るシーンなどを読んでいくうちに、ちょっと入り込めなくなってしまった。

別にアニメやラノベが悪いというワケではなくて、それならそうと初めから言ってくれれば、自分も抵抗感は感じなかったと思う。

例えが悪いかも知れないが、「るろうに剣心」も「アドルフに告ぐ」も、テイストは大きく異なるが、どちらも優れた「史実を題材にした漫画」だ。ただ本作の問題は、本当は「るろうに剣心」寄りなのに、あたかも「アドルフに告ぐのような本格史実小説」を謳ってしまったところにあると思う(あくまで私見)。

折しもウクライナ侵攻という時事問題に合わせるが如く、本作を強引にプッシュする輩には、正直不誠実さを感じるし、誤ったイメージを広められるのは、作品にとってもありがた迷惑な話なんじゃないだろうか。

少し危ういな、と感じたのは、本作に数多の賞を授与したり、それをセンセーショナルに宣伝することに疑問を感じる人が「いわゆるお上」には殆どいない点。「売上至上主義」「読者の評価が全て」は確かにそうなのだが、本作の場合、優れているのはオリジナリティ(独自性)やクリエイティビティ(創造性)ではなく、エディタビリティ(編集能力)のように感じる。

見方によっては同人作品や二次創作とも定義できてしまうほどに「借り物」要素が多いのだが、「お上」がそれに気づいていないハズはない(一般人の自分ですら気づけるのだから)。仮にそれらを見て見ぬ振りをして権威を持って強引に「文芸作品」と定義するのなら、今後はこのような作品がどんどん増えていくだろう。それは良いことなのだろうか。

個人的には(再度、ご不快に感ぜられたら本当に申し訳ないのだけど)「ジョジョ5部 黄金の旋風」や「PSYCHOPASS」など、「お上」が大衆娯楽と見下すアニメ・漫画作品の方が、様々な意味で文芸的になってしまっているとは思う。

という訳で☆3つにしたが、面白いことは確かだし、作品自体に罪はないので、元ネタを知らない人・オマージュを気にしない人であれば、もっと評価は上がるハズ。
同志少女よ、敵を撃てAmazon書評・レビュー:同志少女よ、敵を撃てより
4152100648
No.14:
(3pt)

たしかに筆力は認めますが...

本作品は大変な話題作であるため、多くの批評が寄せられていますね。もっともこうした話題作ではよくあることなのですが、評価がかなり鮮明に2つにわかれているように感じられます。
評価する方のひとたちの言い分は充分に予想されるもので、とにかくこの作者のストーリーテラーとしての才能を高く買うし、資料収集の努力やそれを土台にした物語の臨場感に感心するというものです。これに対して反対派は、ソ連人でもなく、ソ連に住んだこともない、戦争体験もない30代の日本人がなぜ独ソ戦を舞台にしてこのようなフェミニズムをテーマに据えた小説を書かなければならなかったのか、という必然性を問うものが多数であるように感じられました。決定的な問いは「では作者は沖縄戦を舞台にしてこのような小説が書けるのか?」というものでしょう。また戦史に詳しい方からは、独ソ戦の歴史を都合良く解釈しているのではないかとか、これは歴史を知っている後世の人間の考えであって、その現場にいた人間の感じ方ではないのではないか、といった批判が寄せられていました。

わたしはヨーロッパ戦史には詳しくありませんが、大東亜戦史にはかなり詳しいと自負しています。一応戦争の常識を弁えたものの疑問として、狙撃兵のみで構成された最高司令部付の独立小隊といったものが実際に存在したのか(日米には存在しませんでした)、存在したとしてそれが女性兵士のみで編成された小隊が存在したのか、というのが最大の疑問でした。わたしには知識がありませんが、この辺が単なる創作だとすると、タチが悪いという批判も頷けます。物語中にもあるように、ソ連軍は女性が前線の戦闘に参加した珍しい例であるので、そうした部隊も存在したのかも知れませんが、エリート的養成所の存在まで含めて、その部分が創作だとしたなら(繰り返しになりますが)タチが悪いといわれても仕方がないと思います。

云うまでもなく戦争の現場における実体は殺し合いですが、その背後にある思いには各国でかなり大きな開きがありました。日米は太平洋を挟んで文字通り死闘を繰り広げましたが、両軍に「督戦隊」などは存在しませんでした。督戦隊や秘密警察が大きな力を持っていたソ連軍というのはやはり特殊な軍隊なのであって、彼らの戦闘の背後にあるのが素朴な祖国愛ではなかったことは明らかだと思われます。その辺の複雑な政治事情がこの小説を面白くしている大きな要素なのですが、前半はその辺が上手く書けているのですが、後半に行くにしたがって女性差別に対する思いは強くなっていくものの、政治体制に対する疑問・批判は薄れていくのに物足りないものを感じたのは事実です。特に最後の辺りになりますと、これは戦争を俯瞰することのできるひとの感想でしかないように感じられました。ヨーロッパにおいて第二次世界大戦がどのように発生したのかという「そもそも論」は当然あるのですが、それは歴史家の領域であって、兵士であるなしに拘わらず同時代を生きた庶民(いや政治家までも含めて)論じることは不可能な問題なのではないかと思います。

久しぶりに上梓された“本格小説”でかつ売れもしたので、大変話題になったのですが、読み終わって考えてみるとちょっと「...?」という小説です(ということは逆に読ませてしまう力はやはりすごいと思いますが...)。なお、多くの方が『戦争は女の顔をしていない』との関連を論じていらっしゃいますが、はっきり云って無関係だと思います。話題の本に興味があって時間のある方にはお勧めしますが、忙しいかたが時間を割いてまでお読みになる本ではないと思いました。
同志少女よ、敵を撃てAmazon書評・レビュー:同志少女よ、敵を撃てより
4152100648
No.13:
(3pt)

意外と平凡なストーリー

先が読めそうなストーリー展開で、途中から退屈した。
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No.12:
(3pt)

浅い

残念ながら、臨場感が不足。
同志少女よ、敵を撃てAmazon書評・レビュー:同志少女よ、敵を撃てより
4152100648
No.11:
(3pt)

一読の価値はあり

ロシアがウクライナを侵略し、多数の犠牲者がでている今だからこそ、一読の価値はある本だと思う。ただし、あくまで小説。あくまで、ロシア目線。これで、歴史を勉強した気になってはいけない。日本語の表現が、翻訳された文章のように感じられるところもあったし、面白いが非現実的な部分が多く、小説として賞をもらうほど優れているのかは、疑問に思った。
同志少女よ、敵を撃てAmazon書評・レビュー:同志少女よ、敵を撃てより
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No.10:
(3pt)

独ソ戦を舞台にしたラノベ

最初はワクワクしながら読み進めていましたが
途中からノリが学園モノっぽくなり始めて…
ラストは意外な展開でしたが個人的には気に入りました
戦争は虚しさだけが残りますね
同志少女よ、敵を撃てAmazon書評・レビュー:同志少女よ、敵を撃てより
4152100648
No.9:
(3pt)

あくまで娯楽作品です

面白いことは面白いです。ただ独ソ戦という重いバックグラウンドの割には話は軽いっていうかラノベ的っていうか。あくまで日本人が書いた娯楽作品です。あんまり深みを期待するものではないと思います。
同志少女よ、敵を撃てAmazon書評・レビュー:同志少女よ、敵を撃てより
4152100648
No.8:
(3pt)

デビュー作なの?驚いてみた

いやはやなんともよくも投稿作でこの舞台を選んだもんだ

なるほどおぞましい論理には超えられない性差ってのがある事に納得してしまった。「〇人狙撃」と「暴行〇人」を同列に並べて語るミハイルの感覚はどうにも分からん。狙撃は戦果だが暴行は戦果にゃ入らんだろう
論理は理解できないが、そういう感覚の存在は当り前に知ってる
女だけの独立隊にした理由がよく分かる

巻末選評で「アガサ・クリスティー章」なるものがあったのを初めて知った…
ん~…でも、これを「シスター・フッド」と表現して欲しくないなあ。カタカナにすると途端に印象が軽くなる。気がするのは自分だけか?

面白く読みました
同志少女よ、敵を撃てAmazon書評・レビュー:同志少女よ、敵を撃てより
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No.7:
(3pt)

薄いテーマが物足りなさに拍車をかける

狙撃戦の描写は結構読ませるものがあったが、雑に死んでいく味方にいちいち没入感が薄れる。序盤の虐殺描写などは機龍警察を彷彿とさせるものがあるが、あちらにあった、一つ一つのシーンが明確な意味をもちながら進んでいく緻密なストーリーは期待すべくもない。主人公達の行動原理はひたすら場当たり的で時に幼稚ですらあり、こちらの予想を下回る動きばかりしてくるので少しイライラする。プロットの進行のために無理やりキャラクターが動かされているという感じ。キャラクターの年齢を考えるとある意味ではリアルなのだが戦争を前にしてそこまで子供でいられるか?というツッコミは出てくる。
戦争に翻弄される女性というテーマがあるのだが、それを表現する要素が性的暴行くらいしかないのがテーマの重さを薄れさせている。当然性的暴行は許されないが、それ以外に何が言いたいのかあまり伝わらず、クライマックスまでそこに終始する構成に残念感があった。
手に汗握る銃撃戦や戦争を通して孤児同然の少女達が自己の生きる道を見出すドラマなどを期待して買うと痛い目を見る。
同志少女よ、敵を撃てAmazon書評・レビュー:同志少女よ、敵を撃てより
4152100648
No.6:
(3pt)

フェミニズムのお守り的使用法(?)

NHK「100分de名著」でノーベル賞作家アレクシエーヴィチ『戦争は女の顔をしていない』(岩波現代文庫)の解説を務めた東京外国語大学・沼野恭子教授の書評(推薦文)をたまたま目にする機会があり、興味をひかれた。

著者の筆力については、すでにプロの評価(アガサ・クリスティー賞を審査員満場一致で受賞!)や売り上げ(出版後即重版!)という形で客観的に結果が出ているので、こちらからとやかく言うこともない。参考文献表の提示や専門家からのチェックもしっかりなされているようだし、学術的な裏付けに対する誠実さの面でもエンタメ作品としては申し分ないものだろう。ただ内容面で、読み終えて少しひっかかる部分があったので、この割り切れぬ気持ちを書き記して他人の判断を仰ぎたくなった。本書をことさら強く批判しようという思いはあんまりない。読む価値はあると思う。

前置きになるが、独ソ戦をテーマにしたエンタメ作品はロシアでは毎年のように作られていて、たとえば近年に限っても『ヒトラーと戦った22日間』『T-34:レジェンド・オブ・ウォー』『1941:モスクワ攻防戦80年目の真実』『ナチスバスターズ』といった新作映画が、実は日本のそれなりに大きな映画館で上映されていたりもする。どうしてこういった作品群がロシアでじゃんじゃん撮られているかといえば、毎年5月9日の戦勝記念日に合わせるような形で、国からの支援も受けて振興される産業になっているからだ。

そうした映画はお金がかかっているだけあって、エンタメとしてだけ見ると正直かなり見ごたえがあって面白いものが多い。しかし当然のことながらそれらは「数多の犠牲を払ってファシストを倒し戦後の平和を作り上げたロシア」を誇示するプロパガンダとしての性格も色濃く持つものなので、『同志少女よ、敵を撃て』で取り上げられているような、戦時の性暴力・男女間の軍隊内での格差といったテーマは扱われない。男たちはもっぱら強く勇敢で、女子供を命を賭して守る存在である(別にそれが真っ赤な嘘だと言いきれもしないが、偏ってはいる)。こうした現状からすれば、現代日本の三十代の作者(性別は分からない)が『戦争は女の顔をしていない』を読んで感銘を受け、隠されてきた軍隊の中での女性差別というテーマを選び、独ソ戦を舞台に一本書こうと思い立ったことの有意義性というか批判的意味は小さくないとは思う。

ならば、評者が気になった点とはなにか。本書では三人称視点が取られ、語り手が主人公セラフィマを始めとする登場人物たちの心情を描写し、そこに独ソ戦の趨勢、大規模軍事作戦の概要、主人公たちが身に着ける狙撃技術等に関する解説を挟むという形でプロットが形作られている。そしてそこでは、たびたび用いられる自由間接話法(三人称の地の文のなかで、セラフィマを「彼女」ではなく「自分」と称したりするなどがその例)が、無垢な若者たちが否応なく戦争という「地獄」に直面し変わっていく様子を臨場感を持って描き出す。

……そう、臨場感をもって描き出しはするのだが、まずその話法のせいで、『戦争は女のしていない』とか松戸清裕『ソ連史』(ちくま新書)とか大木毅『独ソ戦』(岩波新書)とかを読んでその知識を持っているらしい語り手(独ソ戦当時は到底知りえない情報を山ほど知っている神のような存在)と登場人物の境目がときに曖昧になって、セラフィマが1930~40年代のロシアの賢い村娘の限界を飛び越え、現代の日本の大学でジェンダー論かなにかを学んだ学生のように見えてきてしまう。(かつて妹尾河童『少年H』が似たような批判をされていたように思うのだが)どうも未来人がいきなり独ソ戦に従軍して、愚かな男どもを裁断しているみたいな違和感を覚えてしまうのである。これは先日リドリー・スコット監督作品『最後の決闘裁判』で、14世紀フランスに生きる女性主人公を見たときにも感じたことなのだが、「過去の空気と因習とパラダイムに同じように取り巻かれ縛られているはずなのに、どうしてこの主人公だけこんなにも賢いのか」という疑問は湧く。

どうしてこういうことになるかを想像してみると、おそらく独ソ戦という悲惨な人類史的経験を日本の作家が扱うにあたって、それを単なるおもしろおかしいエンタメ作品として提出するわけにはいかないからだ。何らかの社会性を帯びたテーマ(本作であればフェミニズム)を盛り込み現代的に「アップデート」することが必然的に要求される。これはハリウッドの娯楽大作などでも同じことだろうし、取り立てて不当な振る舞いとは思わない。ただそうした思想的・社会的な打算みたいなものを想定したうえで主人公の少女兵たちが繰り広げるいささかアニメ/漫画じみたやり取りを眺めると、結局この作品におけるフェミニズムというものが、ミリタリーファンに満足してもらえるような血沸き肉躍る戦闘シーンを、あるいは可憐でけなげでしかし酷薄で狂気にとらわれた魅力的な少女兵たちの描写を可能にするための、ある種のエクスキューズとして利用されているに過ぎないのではないか? フェミニズムと書かれたお札を買ってきて店頭に掲げたので、あとは好きに商売させてもらお、という話なのか? という警戒心が評者の心中に惹起されることにはなった(べつに独ソ戦を題材に『ガールズ&パンツァー』をやりたいわけではないんですよね? 信じていいんですよね? という)。

もちろんこれは、著者の側からすると不当な非難、邪推でしかない可能性も大いにある。というかたぶんそう反論されるだろう。だが著者は、たとえば沖縄戦を舞台に似たようなストーリーを書こうとは思わなかったわけで、勝者の側からぞんぶんに戦争を描きたいという(最初に紹介したロシアの映画ならば隠しもしない)欲求を糊塗する「お守り」としてのフェミニズムなら、それは危うい。

リベラルか保守かというのは表面的な差異に過ぎず、結局『同志少女―』(マッチョな男どもを正義のソ連少女兵が討つ!)と『ナチスバスターズ』(マッチョな美男子ドイツ将校を正義のパルチザンが討つ!)がやりたいことは、根っこの部分では同じなのではないか?という疑念。もちろんこうした厳しい目は読者の側にも(つまり評者にも)投げかけられるべきだろう。本作におけるフェミニズム的テーマは、ソ連ではなくナチス・ドイツの側に確実にいた大日本帝国の後裔たる我々が、戦勝国の目線に立ったエンターテインメントを楽しむことにつきまとううしろめたさを優しく包んでくれている、のか?

長々と書き連ねてきた。ノーベル賞作家と、本作が第1作目の新人作家を比べるのはあまりに酷というものだけど、やはり『戦争は女の顔をしていない』の多声的な証言が生み出す重みを、本作の「百合」的展開・ミリオタ的描写がスポイルしているという部分はあるんじゃないかなあ……。書いてて思ったけど、ちょっと著者に対して意地悪すぎるだろうか?そこまで求めんなよって?うーん、皆さんどう思われます?
同志少女よ、敵を撃てAmazon書評・レビュー:同志少女よ、敵を撃てより
4152100648
No.5:
(3pt)

WEB小説みたい

作者が日本人だから云々家族もいて云々は正直どうでもいい。
それを言ってしまえば、コナンドイルはホームズみたいな殺人事件に遭遇していないだろう。
問題は作者のことではなく作品のこと。

まず、これはWEB小説のような感じがした。描写が足りない。
これで満点なら審査員はやめた方がいいか、アガサ・クリスティーに謝ったほうがいい。

加えて、ミステリーではない。
本の後半に、応募者作品の選評がある。ファンタジー色が強かったと書かれていた作品もあったが、それならばこの大賞作品はミステリーですらない。
同志少女よ、敵を撃てAmazon書評・レビュー:同志少女よ、敵を撃てより
4152100648
No.4:
(3pt)

思わず手に取ってみたものの

少女の美しい顔とライフルを構える姿に違和感をおぼえ、思わず本書を手に取ってしまいました。最初の連想は、2015年ノーベル文学賞のスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ『戦争は女の顔をしていない』(岩波現代文庫)です。この作品は小梅けいと著のコミック版(KADOKAWA)も出版されており、とうとう小説版も出たかというのが本書の第一印象です
 しかし、アレクシエーヴィチ『戦争は女の顔をしていない』とは全く違います。ドイツ軍に家族を殺された少女の復讐劇です。復讐のために近代戦争に参加した兵士は、男女にかかわらず、いるのでしょうか。本書は『戦争は女の顔をしていない』のようにノンフィクションでなく、小説ですから何でもありでしょうが、やはり不自然です。

 当時のロシア兵は、「母なる祖国は呼んでいる」とか「君は前線のために何をしたか」とおどされて、なかば強制的に参加させられていたのです。少女をスナイパーとして美化するのは間違いです。これも小説だから許されるのでしょうか。
 本作から、1993年にアメリカの黒人作家として初のノーベル文学賞を受賞したトニ・モリスンを連想してしまいました。モリスンの小説は人種差別を批判したものと言っていいでしょう。その批判は、奴隷制への恐怖を克服し、不安を鎮めるための「ロマン化」という文学的手法に向けられています。人間的な側面を描き出し、あたかもそれを大切にする振りすらして、奴隷制を受け入れやすいもの、好ましいものに見せかけるのです。
 本書は、この文学的手法を使って、戦争の悲惨さをロマン化して、スナイパーのカッコよさで覆い隠そうとしています。これも小説だから許されるのでしょうか。

 アレクシエーヴィチもモリスンも、真実をロマン化することなく、ありのままに描いています。本書を読むより、アレクシエーヴィチ『戦争は女の顔をしていない』を読むべきではないでしょうか。
同志少女よ、敵を撃てAmazon書評・レビュー:同志少女よ、敵を撃てより
4152100648
No.3:
(3pt)

全てが80点の凡作

物語の主題及び構成、人物の造形、文章力や表現力、全てが平均以上だが突出したものがひとつも無い。

恐ろしく読みやすいが記憶に残らない。

国際線のトランジットの待ち時間を潰すようなシーンに最適。
同志少女よ、敵を撃てAmazon書評・レビュー:同志少女よ、敵を撃てより
4152100648
No.2:
(3pt)

面白いは面白いが…

ネット上で騒ぎになっていたので、発売日に購入して読みました。

ストーリーの流れは流石で、グイグイ引き込まれていきますがそれもスターリングラード戦まで。スターリングラードでの戦いは情景の描写は目をつぶれば瞼に浮かんでくるほどリアルですが、浮かんでくるのはなんとなく中身が似ている2001年版の映画スターリングラードのシーン。

クルスクの戦いは急に回想になり、最後の戦いでは主人公のセラフィマは豹変してまるで別人、なぜか望月三起也のラストオブコサックが脳裏をよぎりました。

もう少し丁寧にセラフィマが変貌する描写を書いて欲しかったと思いました。

最近ではロシア本国でも研究が進み、捉え方が変化している督戦隊(後退阻止部隊)やNKVDの描写、赤軍兵士の生活の描写の薄さ等々を見ると、狙撃に関するプロットは精緻でしたが、それに比して赤軍、NKVDについての考察に伴う描写が旧来のステロタイプに陥り、とても薄いように感じました。

ソ連に対する描写が薄くなるとどうしても考えてしまうのが独ソ戦である意味があるか…?という点です。知らない事を描写しないという決断に敬意を表しますが、そのおかげで細かいリアリティが失われているように感じます。ということは、大日本帝国陸軍初の女性狙撃兵部隊!米軍スナイパーとの戦い!のように国と敵をそっくりそのまま入れ替えても話が成り立つんじゃないか…?という疑問が…

狙撃大隊じゃなくて歩兵大隊と書いてくださったことに感謝の☆3つです。
同志少女よ、敵を撃てAmazon書評・レビュー:同志少女よ、敵を撃てより
4152100648
No.1:
(3pt)

帯が煽り過ぎ

早川書房が全力で売り出そうとしている本書、
映画のあれこれを切り取ってそれと戦争は女の顔をしていないが売れているから、その要素も取り入れて、今風の小説に上手く昇華した作品だと思います。
だから衝撃かと言われると帯の評価は大げさ過ぎるのではないでしょうか。
口コミでじわじわ広がるでなく、仕掛けたブームに乗らせる為の作品といったイメージがあります。
ただ狙撃のシーンは流石でした。そこは凄いです。
ちょっとゲームっぽい印象もあり、銃と狙撃描写は秀逸だけど、他はそこまでではない良作といった印象です。
同志少女よ、敵を撃てAmazon書評・レビュー:同志少女よ、敵を撃てより
4152100648

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