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星落ちて、なお
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星落ちて、なおの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.16pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全27件 21~27 2/2ページ
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画鬼と呼ばれた浮世絵師・河鍋暁斎の娘、河鍋暁翆の一代記。一女性「とよ」として生きることを何度も決意しながら、暁翆として生きざるを得なかった葛藤と迷いを描いている。暁翆としての活躍場面はバッサリ切られているから、このどっちつかずの描き方に納得いかない感じもする。しかし、きっと作者は、この煮え切らなさを描きたかったんだろうと思う。そんなに白黒つけられないんだよ、と。 直近二回の直木賞候補作での澤田作品に比べ、明らかに確かな筆致である。恥ずかしながら、私は葛飾北斎はさすがに知っていたが、暁斎は知らなかった。また、横山大観・下村観山くらいは知っていたが橋本雅邦は名前しか知らなかった。だから新鮮だったし、「朦朧体」は日本画近代化の革新技術だと思っていたのが、評論家から馬鹿にされて揶揄された呼称だと知ることができた。 ちょっと内容的に煮え切らないところもあったが、一つの世界と一群の人々の生きざまを紹介したことは着実な功績だ。 | ||||
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人気画家を父に持った娘の葛藤を描いた作品ですが、焦点の当て方が少しあいまいだと思えます。 生き方そのものなのか、自分自身の作品に対してなのか、作者はこれまでもいろいろな人物を描いてこられましたし直木賞受賞作品なので期待していたのですが少し残念です。 | ||||
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画鬼と呼ばれた絵師の河鍋暁斎を父にもつ娘とよの、激動の時代を生き抜いた女絵師の物語。 父でもあり絵の師匠でもある暁斎と、自分と同じように父を妬み慕う兄の周三郎。 娘を弟子としてしか見ぬ、越えようとしても絶対に越えられない父への憎悪と愛着、苦悩が物語全体に漂っていた。 暁斎という獄に捕われ、一途に父を追い続ける兄の周三郎への嫉妬と羨望を持ち続けるとよが、どのように絵と向き合い、折り合いをつけて、自分の作品を生み出していくのか、読み応えがあった。 人は喜び、楽しんでいい。 生きる苦しみと哀しみと、それは決して矛盾しない。 むしろ人の世が苦悩に満ちていればこそ、たった一瞬の輝きは生涯を照らす灯となる。 道具にしても人にしても、この世のものはすべて縁でつながっている。 絵がなかったら、りう、よし、八十五郎、松司清兵衛、ぽん太とも出会えていない。 暁斎と絵を疎み愛すればこそ、今のとよがある。 絵を通して繰り広げられる、とよの様々な苦悩や葛藤がこれでもかと伝わってくる物語だった。 | ||||
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絵師、河鍋暁斎(二百人以上の弟子をもち、師匠に「画鬼」とまでゆわれた鬼才)の死によって残された家族。偉大すぎる父を持ち、血ではなく、黒い墨で結び合った河鍋家。娘「とよ」(暁翠)、兄「周三郎」、弟「記六」、姉「とみ」、妹「きく」。 河鍋一門の行末を背負わされた「とよ」の生涯を中心に物語は展開していきます。残された膨大な遺産、急に訪ねてきた「ぽん太」、暁斎の娘と名乗り出てきた暁宴、家族の死、結婚、出産、関東大震災など、家族とは…、人生とは… 考えさせられる小説でした。 | ||||
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四十路に入り、同世代の方の書かれた作品なので、何か生きるヒントがあるかと思い、図書館で手に取り読みました。文体がとてもきれいで大変満足しました。 | ||||
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自らを「画鬼」と称した河鍋暁斎の亡きあと、娘、暁翠の歩みを追っていく。 その画力は受け継がれているのか。 血ではなく墨で結ばれし家族なのか。 明治から大正へと時代は流れていく。 世間の絵の見方、画法は変わりつつ、絵とともに生きる。 凛として立てども、「星落ちて、なお」も、生き方に葛藤する日々。 「人は喜び、楽しんでいいのだ。生きる苦しみ哀しみと、それは決して矛盾しはしない」 「たった一瞬の輝きは生涯を照らす灯となる」 その言葉に落涙する。 | ||||
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現時点では、彼女の最高傑作だと言えます。母の澤田ふじ子さんも天才でしたが、その娘さんの瞳子さんも天才です。是非、多くの人に読んでほしいと思います。 | ||||
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