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夜が明ける
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夜が明けるの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.58pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全66件 41~60 3/4ページ
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2人の少年の人生を交差させて描かれる苦しみは、人ごとのようだけど…身近で誰もがいつでも当事者になりうる…とゆう警鐘のよう。 自分は今どこにいるだろうと、自分を客観視するきっかけになる。 母親の立場だったり少年の立場だったりどちらも自分と重ねて、読んでいると苦しくなった。ただ…何か深い何かが足りない気がする。なんだろう。 | ||||
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負の連鎖が渦巻き続ける。 蟻地獄の中で、もがき続けるわかびとたち。 どんなにもがいてもあがいても変わらない状況は深みに沈んでいく。 社会で必死になって生きている彼らなのに。 生まれる前からの環境によるものと、生まれてからの環境変化によるもの。 ここに社会に対する西加奈子の思いがぶつけられている。 ”苦しかったら、助けを求めろ”と。 助け合う、そんな社会であれと。 | ||||
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貧困、ヤングケアラーって自己責任なのかぁ。 負の連鎖に落とされ浮かばれないよぉ。 「でもな、そこで負けちゃダメなんだ」という 中島さんの言葉が聞こえる。 「負けたくないから」と話す 遠峰の声は変わらない。 しかし俺は自己責任を果たそうとして 果たせない渦に巻き込まれる。 「田沢さん、苦しかったら助けを求めろ」と 伝えてくれた後輩の話が嬉しい。 苦しかったら助けを求めろ... しかし夜は明ける...だろうかぁ。 保証はない。それでも歩くのか。 きついなぁ。 | ||||
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私は現在52歳。今まで読んで一番衝撃を受けたのは浪人時代に読んだ村上春樹の「ノルウェイの森」。(映画はびっくりするくらいひどかった)この作品はNHKのニュースで紹介されていてハッピーエンドでないことは知っていた。どこがどうだ、という感想は正直、よくわからんが、すごい本だ。たぶん感想文書けと言われてもどう書いていいのかわからない。 | ||||
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読み進めるの、すっごく辛かったけど、結末の著者のメッセージにつながった瞬間、すっと楽になった。 そうだ、私たちは変えられるんだって。 こんな酷い現実は変えなきゃ。 まずは現実を知らなきゃと思った。 多くの方に読んでもらえますように…。 | ||||
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人気の作家さん、初めて読みました。ネタバレあります。 これは小説として昇華されているんだろうか?というのが印象。字面をひたすら追いかけたのですが、最後の最後に一人の登場人物に全部言いたいことを背負わせた感じがしました。今の日本の確かに一部なのでしょう。ただ、小説として登場人物への共感、感情移入、感動があったかというと、それはありませんでした。私がわかっていないのか。しかし、何しろ人気の方、他の作品も機会があれば読みたいと思っています。 | ||||
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セレブ左翼が頑張って貧困について書いたという感じ。サラバや通天閣、漁港の肉子ちゃんを書いた作家が、どうしてここまでつまらない本を書く様になってしまったのかが不思議。 | ||||
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商品が無事届きました!大変迅速且つご丁寧なご対応に感謝致します。 今後ともよろしくお願い致します。 | ||||
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作者には新聞読みなさいと言いたくなる。 | ||||
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俺の視点と俺がアキを説明する視点が入り乱れていて集中力を保つのが難しかった まだリアルの事件も取り扱いながらフィクションの話なので非常に混乱する 森の言葉はすごく響いた | ||||
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哀しくて、切なく、圧倒的なやるせなさの中に、ミンティアのような清涼感がスーッと一息分だけ吹き抜けるような物語。 是枝監督の映画「誰も知らない」を想起させるような、社会の片隅で息を潜めて生きてきて、精神を病む母を見ながら、時に痛めつけられながら体だけは大きくなったアキと、ある日父が亡くなって困窮学生となったクラスメイトの、十数年の魂の交流が語られる。アキが憧れたフィンランドの俳優のプロットが小説全体の通奏低音になっていて、最後にあっという展開になる。 貧困、パワハラ、長時間労働、メンタル、ホームレスへの暴力など今の日本のリアルが反映され、「サラバ!」(2014年初刊)の時よりも社会全体で心を保つ難しさが増しているように思う。 それでも、組織の矛盾に「どうしてですか?」を屈託なく問える女性社員の存在が、暗雲から差し込む日差しのよう。 | ||||
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かなり久しぶりに西加奈子さんの作品を読了。明るい面白い感じかと思えば、真逆の貧困を扱った作品。『52ヘルツのクジラたち)の後にこれを読んだので、余計にテーマが重かった。親の虐待や、両親のどちらかの死亡によって、残された子供だけになると貧困の確率が高まるんだろうなぁ。そんなときに仲間の存在は大きいよなぁ。大人になったとしても、一人では暮らせない場合もあるしなぁ。とはいえ、終始、興味深く読めました。 | ||||
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西加奈子の「夜が明ける」をゆっくりゆっくりと読んだ。 この小説ででてくる人物と同じような境遇を持つワシとしては、結構キツイものがある。 が、最後まで読んでどうにも引っかかるのが、西加奈子は「物語」を描きたかったのか?それとも「ドミュメンタリー」を描きたかったのか?がわからないということ。 Amazonのレヴューを見ると絶賛する声ばかりで気持ち悪いんだが、そんなレヴューを読んでいてなんとなく思ったんだが、これ作者自身が物語とリアルの狭間でどっちつかずの状態で描いてるのだ。 だから、たんなる「酷い世の中を描いてる」にすぎない。 高みからの見物でしかない。 具体的にこの小説の救済は、「助けてと声をあげること」である。 誰でも言ってることであるし、誰でも声をあげたいのだし、声をあげても助からないのがリアルだ。 たぶん、もう西加奈子の今後の作品は読まない。泥沼に身を落として文章を描くなら柳美里とかが一流だ。精神的におかしくなるぐらいの覚悟がないとリアリティなんて描けない。 ブルジョア感のある人は、この小説がオモロいというのだろう。 帯にある小泉今日子のような感想を抱くのだろう。 被災地に笑いを届けるんだと向かう漫才師みたいな気持ちになるんだろう。 そこには本来、葛藤があるはずなのだ。 事故現場から生還したひとがいう「なんで俺は生き延びたんだ」というトラウマがそれだ。 作者は、その葛藤から最後の最後に逃げている。 リアルはもっと残酷で優しいものだ。 | ||||
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とにかくこれが2021年を代表する一冊だったと思う。それくらいの衝撃作であり、永久保存版な一冊。 | ||||
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人と比べた時に自分の境遇が他人より優っている劣っているから始まって、常に誰かと何かと比較し続け、自分はまだまだ恵まれている。こんな事で音を上げる様では、甘えていると言われるのでは?と 心を擦り減らしやり甲斐を搾取される。 人生には運が大きく関わり、やる気や努力だけではどうにもならない事が多くある。 それを口に出せば努力を怠る負け犬になってしまう。時代は大きく変わっているのに、変わる事を拒む様な社会のシステムと世間の価値観。 そんな中でもがいている主人公に何処までも容赦なく、そして優しく寄り添う作者。直接的な答えは書いていない。ただ 何時も思うのは、彼女の作品を読んだあとは、不思議なパワーが心に宿るのです。 この作品もそんな風な気持ちになります。 | ||||
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西加奈子さんならではの素晴らしい作品です。煇身の名作ですね。 | ||||
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読み進める程に、主人公2人それぞれの切実な現実が胸に迫り、救われて欲しい、いつ救われるんだ、と問い詰めるような気持ちで一気に読んだ。 この小説に救いはあるか。意見が分かれると思う。でも今現在、救いを求めている人には、どこか響く箇所があるのではないか。例え主人公のような過酷な状況にはなくとも、読み手個々人の求める救いに広くアクセスしてくるような、不思議な包容力のある小説だ。 私はこの小説を、現在家族の問題を抱える友人に手渡したいと思っている。 | ||||
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2人の男子高校生が33歳になるまでの物語。虐待、貧困、奨学金返済、ブラック企業といった現実をノンフィクションではないかと勘違いしそうなくらいリアルに描いてている。家庭に恵まれない2人が働きながら大学に通う。「弱い者を助けたい」と一人は制作会社のADに、特異な容貌をした吃音の一人は小劇団の下っ端になる。激烈に忙しい制作会社と劇団の描写が非常にリアルで引き込まれる。 ドキュメンタリー制作現場でこんな場面がある。 クルド難民が作った短歌「いつもいつも赤がつくのがいやだったぼくのからだは白いめいさい」に識者が彼の心情を思いやり抵抗や混乱の証しだと議論は盛り上がって歌会は終わる。そのあとアフマドという名の本人に聞くと「ケチャップが好きだけど白いTシャツにつくのが嫌で強い石鹸でごしごし洗ったらまだらになっちゃった」難民らしさを求められていた彼は「ごめんなさい」と頭を下げる。 うまい! 商店街でのバラエティ番組はきっと本当にこんな感じでADがこき使われてタレントは上澄みだけを持っていくんだろうなあ、と思わせる。仕込んだ「下町のおばあさん」がテレビに映ることに気負って美容院で髪をセットし小ぎれいな身なりをしてきてまったくインパクトがなくなり、魚屋の猫を撮ろうとリードを外したら逃げて隠れて出てこない。こき使われ次々に「飛ぶ」AD。 ADも劇団の下っ端も最低限の生活しかできない。そして心と体を壊していく。 西さんの5年ぶりの長編小説。5年前にシリア難民を描いた「i」は賛否が真っ二つに分かれた。全作品を読んでいるファンの私にとっては納得できない作品だった。それから5年「当事者でもない自分が、書いていいのか、作品にしてもいいのか」という葛藤を抱えたと書いている。その含羞が前作とは違って人々にわかってもらうのに相応しい筆力になっているのだろうと感じた。 つらく生きる人々をよく取材しているし、心の動きをただ内向するだけでは書く描いた小説の構成としてとても優れていて、苦しい時には誰かに助けてもらおう、というメッセージはよく伝わる。一方で最終章では強く政治的メッセージを発信し政権政党を腐し、批判もしている。ある時期に特定政党の広告塔のようになっていた小泉今日子さんと本書を語り、政治的メッセージを一緒に発信していきましょうという対談があった。行間からイデオロギーは感じるがあとは読者に考えさるという手法を取らず、露骨に政治信条の声をあげる。その部分は残念に感じるが、これが西さんの目指していた到達点だとしたら読者としては受け入れるしかない。大好きだった「大阪弁の寅さん」の西加奈子はもう戻って来そうもない。それでもやっぱり今後の西加奈子を読み続けるだろうけれども。 | ||||
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どこまでも深く冷たく重い暗闇の中を少しずつ這って行くような物語。 もし西さんにお会いできる機会があるなら聞いてみたい、本当に夜は明けるのか、と。本当に夜は明けると信じてこの物語を紡いだのか、と。 物語の核にいる二人の生き様は、あまりに凡庸だ。貧困、虐待、過重労働、暴力。そんなもの、私達はすでに見慣れてしまっている。政治家の偽善も少女の売春も、ふと顔を上げればいつだってそこにある。 そんなありきたりな悲惨を、なぜ西さんは、物語にしたのだろうか。 たぶん、おそらく、その悲惨の闇の中に、蠢く熱さのようなものを感じたからではないだろうか。カッターで切りつけた腕の奥で脈打つ鮮血のような、そんな何かを見たからではないだろうか。少なくとも私は、この凡庸な悲惨のなかに、救いのない現実のなかに、蠢く何かを見たような気がする。 決定的な問題があるとすれば、それは、この物語が小説という形態をとっているかぎり、この物語を本当に必要とする、悲惨のまさに只中にいる人々にはおそらくこの声は届かない、という点だ。冷たいスティックパンを一人でかじる誰かも、ゴミ捨てさえできずに腐臭の漂う部屋に横たわる誰かも、きっと小説を手に取ることはない。 夜は明けるのか。 やっぱり、よくわからない。 | ||||
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西さんの言葉に何回救われてきたか… 読み進めるうちに、「このシーン、このセリフを描きたくて、西さんはこの作品を書き上げたのだな」と感じる場面があった。それはとっても分かりやすい言葉で書かれていて、この小説の中でようやく出てきた希望の語りだった。 誰もが当事者になり得るのです。 西さん 私も戦うのではなく、抗っていきます。 | ||||
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