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夜が明ける
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夜が明けるの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.58pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全39件 1~20 1/2ページ
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今どきの若い世代の子たちは大変そうだなとは思っていたけれど バブル世代の私にはピンとこなかった。 この本を読んでちょっとは理解できた気がする。 QOLって聞くけどそれを享受している若い子っているのかな? 願わくば夜が明けて欲しい。 | ||||
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西加奈子さんが現代の日本の若者の貧困や過重労働などについて書いた本と聞いて、読みたかったのですがやっと読めました! あらためて読んで、ニュースでみた奨学金問題、虐待、過重労働など、読んでいて苦しくなるけれど、それらを「仕方がない」ことだと見捨てないで小説を作ったことに救われた思いがしました。 もともと何も悪くない若者が苦しむなんて、夜は明けないといけない。 | ||||
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大学を卒業して勤めたアトリエ事務所は、業務委託契約で毎月一桁の給料だった。 キャンプ用のマットと寝袋で週四日机の下で寝てた。帰れるときは早くて朝の3時で、企業に勤めた友達からもらった自転車で通勤してた。北向きの23区内とは思えない家賃の部屋でルームシェアしてた。朝の4時にシャワーから出て、玄関で仮眠を取って7時には家を出てた。 3時間眠れるときが、そのときの最大の幸せだった。 この世にないものをつくる。 そのことだけが多分原動力だった。でも作ったものの良さよりも、少しの汚れやカーテンのわずかなゆがみ、触れてわかる塗り直しの凹凸、コンクリートのむら、窓ガラスの水滴、、、、完璧からわずかにずれると価値はなくなる。落胆や罵詈雑言が返ってくる。完璧を求めると作り手から悪意と罵倒を浴びせられる。 4年くらい経ったときに突然横断歩道が渡れなくなった。 目の前に事務所はあるけど、道路が越えられない。記憶が曖昧なまま、1日目はネカフェにいって、金もないから一晩歩いたり、港湾沿いの人気のない公園に逃れたり、シャワーと飯のためにネカフェにたまに行ったり、いつの日かスマホの通知がならなくなったころに部屋に戻った。 いまだにスマホの通知音はバイブなしのサイレントにしている。 何回か部屋のドアが叩かれたり、チャイムも聞こえてたけど、絶対に動けなかった。深夜3時ごろの人気のないときにマイバスケットで食料を買って、毎日逃げてた。貯金も何もなくて、大学のときにつくったクレカのキャッシングで1ヶ月生きてたけど、すぐにショートした。 ルームシェアの友達がいつのまにか親に連絡してくれてた。大学時代全てを注ぎ込んだ高い建築本をすべて親が部屋から出してくれた。情けなかった。そのまま実家に戻って、3年半ほとんど家から出なかった。親という存在がたまたまいてくれてたから俺はいまいる。たまたまルームシェアしていなかったら、東京でいなくなってた。 東京で部屋に逃げてたときに、たまたま夕方に外に出れて、はじめて見つけた本屋で直木賞受賞で平積みされてたサラバを謎に衝動買いしていた。 実家に戻ってしばらくして、文字が追えるようになってサラバが俺を救ってくれた。何の誇張もなく、本当に生きているのはサラバのおかげ。あの世界がなければ、生きることに目を向けられていない。 社会に戻れて四年余り。 あのときほどの激務じゃないけど、毎日13時間くらい働いて、ある程度の給料をもらえて暮らせている。 職場で聞く他者への寛容のなさ。貧困に対する想像力のなさ。知らない人への悪意と笑い。触れるたびに心が逆立つ。 西さんはまだちゃんと闘っていた。人間を信じて。救われた。でも周りに救いはあまりにない。 夜明け前の暗さ、太陽にさらされる苦しみ、光がさす希望。まだ生きていきたい。人を信じて。 また救ってくれて、ありがとうございました。 | ||||
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主人公2人が若者の期間のストーリーは、他人事として、 架空の話として、過酷だーとか思って面白く読むことができた 中年に差し掛かってからのストーリーは、なんだか身につまされるというか 自分を投影してしまう。醜いものを剥き出しにされ、読んでいて しんどくなった。 自分の将来が不安になった。 正社員を辞めてみて初めて分かったけど、貧困は直ぐ側にあって、一度レールを外れると這い上がれない。でも、正社員を維持するのもまた地獄。 三人、志強く、周囲に良い影響を与えて生きている人が登場する。ああはなれないけど、素敵だ。 扉ページの市原悦子の引用が、気に入った。 共感性を発揮し過ぎる事なく読める人は、この本おすすめです。彼らの半生を一緒に過ごしたよう感じがする。ハードカバー版の表紙がどぎついけどね。 | ||||
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構成、テーマ、描写、展開、凄いの一言。 | ||||
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あっというまにひきこまれて読み切った。それでも描かれる苦しくて時々ページをめくる手が文字通りとまった。同時に主人公とほぼ同年代だったので、自分の10代~30代までを違う視点で見直すような気持ちで読んだ。自分が今まで見てこなかったもの、見ていたけど無視してきたものをあらためて直視するような感じだった。 人は生き直せる、しかし、それをおしつぶし、希望を奪うことは恐ろしいほどに容易く、それを行うのは私たちがつくりだす社会だ。 | ||||
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森さんのセリフというかメッセージは賛否両論のようですが私はものすごく勇気を貰えました。暗く辛い小説だったけど森さんに救われたし読んで良かったと心から思えました。 弁護士のおじさんや、元クラスメートの女の子、モノマネバーの買春少女たちなど、『その後どうなった?』と気になってしまうので星を一つ減らしました。少し荒っぽい終わり方のような気もします。 あと、主人公が文字通り死ぬほど働いてるのに後輩の森さんが妙に優雅で余裕がある(マツエクしたり)のにも少し違和感です。 | ||||
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西氏の著書は初めて読んだ。 読了感としてフィクション臭が強いのは、小説として綺麗にまとめるための伏線や脇役のいかにも感のせいだろう。あとやはり著者が当事者ではないので限界があるのはしょうがない。 中間と最後の方で出てくる著者の代弁者みたいな登場人物の説教じみた長めのセリフは好みが分かれると思う。(他の小説でも見かけるが、こういう類の社会派小説はこういう長台詞がお決まりの展開なのか?) 最後の長台詞以降は飛ばし読みになってしまったが、著者の主張には同意する。 ハラスメントをそれと気づかない被害者の反応も現実味はあるし(自分がセクハラ被害を受けた時の反応と酷似しており嫌な記憶を蒸し返されるほど)、少しさめてしまうぐらいのフィクション臭の中にも心を掴んでくる生々しい心理描写がところどころ出てくるので、著者の熱意にやられて星を増やしたくなる作品。 個人的には登場人物ほどの貧困や劣悪な就労環境に晒されたことはないが、似たような勤務状況と精神状態で仕事を辞められなかった経験があるので、読むのが辛いというよりは共感しながら一気に読んだ。 こんなに追い込まれる前に仕事を辞めればいいと言い捨てられる方や、これが辛くて読めないという方は相当幸せな人生を送られているのではないでしょうか。 最後に、主人公があんなに余裕がないのに、森はなぜマツエクやらネイルやらをする金と時間があるの? | ||||
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読み切るのに凄く体力を使った。読み終わった後も夜が明けるのかわからないし感じる事もできない。 ずっとモヤモヤが続く作品。爽快エンターテイメントではなく他人には薦めることはできないけど、でも‥ 気力がある時に読む事を薦めます。 | ||||
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貧困や虐待などをテーマにした純文学。 非常に重いテーマで主人公が貧困や生活、失望感などに苦しむ様は太宰治や中上健次、村上龍などを連想させるが、それらの作品ほどの汚らしさがないので、比較的読みやすい。 文体が爽やかで軽快なのもあるが、誤解を恐れずに書けば女流作家であるからか、主人公2人に女性に対する執着やいやらしさがない事が大きいと思う。 このような排他的で絶望的な文学では往々にして淫靡さが付きまとうことが多く、主人公は自ら金銭的だけではなく性的にも堕ちていくような絶望感がある。主人公達は生活においては苦労しすぎる程、苦労しているが、恋愛面または性的な部分はほとんど排除してある(自慰を連想させる表現はあるが)。 それゆえに主人公たちがどれほど落ちぶれていっても、そこに一定の清涼感のようなものがある。 しかし清涼感ゆえにリアリティーがないような、竹内涼真あたりが主人公でドラマ化できてしまいそうな雰囲気ではある。 気持ち悪くドロドロした感じにすれば高尚というわけでもなく、この方が現代社会には受け入れやすいとは思う。 | ||||
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面白い! 贅沢を言えば登場する2人はやや特殊ケースと感じてしまう面もあり、もっとありふれたケースの貧困ストーリーを期待していた。作者はそんなことは意図してなかったのかもしれないが前評判を読み勝手に期待していたものとは少し違ったのでその分★4つとした。 | ||||
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二人の物語が同時進行するさまは、新しい間隔に陥った。 同じ時期なのか、これはいつなのか。面白い錯覚を起こした。 僕は、メッセージ性を強く感じた。ありのままでいること。助けをもとめてもいい。不完全、完全ってのは誰が決めてるの? きっと大丈夫。 ※元気なときに読むことをオススメします。 | ||||
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西加奈子さんはイランのテヘランで生まれてエジプトのカイロで育っているという経歴を拝察する限りでは金銭的に恵まれた家庭で育ってきたのだと思う。その恵まれた環境を当然視することなく小説家としての成功を自分「だけ」の力と拡大解釈していないのだと思う。現実世界で実際にあった生活保護バッシングに代表される目を疑い耳を塞ぎたくなるような出来事が細部に描かれていているので、小説とはいえ実際に起きたことのように感じ心が重くなりページをめくっては休みを繰り返して読了。格差がむき出しの日本社会での生きる人々の話。 | ||||
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いまの時代を表す悲しい物語だと思った。悲しい、があってるかはわからない。 | ||||
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賛否両論あるとは思いますが、わたし的には、好きな作風だと思いました。私も子どもから大人になるまで貧しいと言える家庭環境でした。 貧困、自分ではどうにもならない、親とか誰のせいでもないのだけど、なんとかならないのかな、どうにかしてあげたらいいのにと思いながら読んでいきました。結局、答えは見つからないままでしたが、日本の政治、行政の人たちに、貧困から抜けられるように助けてほしいとお願いしたいです。貧困で悩んでいる人は一人で悩み苦しまないで誰かに助けを求めていいと思います。 | ||||
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自分だっていつそこに行くかわからない、世界。本当にすぐそばいて、たまに影がちらつき怖くなる。 「自己責任だ」ということは簡単で、人を傷つけるこもの簡単だ。でも少しだけ、ほんの少し想像して、思いやれる人でありたいと思った。 最後に西さんが「全責任は私にあります」と書いていたけれど、勇気をもって書いてくれてありがとうと言いたい。世界が少し違うように見えることに感謝。 | ||||
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読みやすく、引き込まれていく。 深く、深く考えさせられる作品。 | ||||
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生きるのは大変だなと感じる。うまくいかないことだらけだし、苦しいことが多い。理不尽なこともあるし、許せないことや悔しいことだらけだ。だが、そこで抱え込まず、相談や助けを求め生きていくことの意味を教えてもらった。思った通りにならないことだらけでも、いつか夜が明けると信じて生きる。例えどうなろうとも生きている。 | ||||
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2人の少年の人生を交差させて描かれる苦しみは、人ごとのようだけど…身近で誰もがいつでも当事者になりうる…とゆう警鐘のよう。 自分は今どこにいるだろうと、自分を客観視するきっかけになる。 母親の立場だったり少年の立場だったりどちらも自分と重ねて、読んでいると苦しくなった。ただ…何か深い何かが足りない気がする。なんだろう。 | ||||
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負の連鎖が渦巻き続ける。 蟻地獄の中で、もがき続けるわかびとたち。 どんなにもがいてもあがいても変わらない状況は深みに沈んでいく。 社会で必死になって生きている彼らなのに。 生まれる前からの環境によるものと、生まれてからの環境変化によるもの。 ここに社会に対する西加奈子の思いがぶつけられている。 ”苦しかったら、助けを求めろ”と。 助け合う、そんな社会であれと。 | ||||
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