あおい
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作者のデビュー作のようです。テヘラン生まれの大阪育ちという経歴からなのか、独特の世界観に感じられました。ただ、この作風はどこかで誰か別の作家さんでも読んだような。なんか誰かの作風に似ていますよね。 「あおい」の序文と呼べるような書き出しのところが、とてもみずみずしい文体です。あおいは子供の名前だったんですね。私も長女が生まれたときに漢字一文字にしようと思って、”葵”はその候補の一つでした。 「サムのこと」は作者の実体験なのでしょうか?ラストがいいですね。あの終わり方はとても新人作家さんの終わり方とは思えません。ひとつ難点があります。プロレスを見に行ってサムに絡まれるシーンの会話文で、「なあアリ」とありますが、猪木の話の後なのでモハメッド・アリのことかと勘違いしました。これは主人公が有本なのでアリと呼ばれていたから、サムが有本に呼びかけているシーンだと解るまでに、時間がかかりました。読者の誤解のないように書くべきでは、と思います。 もう一つ細かい指摘で恐縮ですが、会話文の「 」内、最後に”。”がつきますが、必要ないですよね。この辺も作家になって日が浅い感じで、なんか初々しいです。 この作家の代表作、「サラバ!」を読んでいないので、今回は星3つにとどめました。 | ||||
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西加奈子のデビュー作。表題作「あおい」の他、「サムのこと」「空心町深夜2時」の短編を収録。 ・・・ 西さんの恋愛ものは難しい。自分の常識に合わない女の子が大概主人公。 裏表紙を見ると、27歳、スナック勤務、三歳年下の駄目学生・カザマ君と四カ月前から同棲し、彼の子供を身ごもる、とあります。 友達ならば面白いんだろうなあとか感じます。でも、私の読み方は自分だったり近しい人を投影して読むタイプ。こういうのが自分の嫁だったり娘だったりしたら・・・それは困りますわ笑。 ・・・ 散々ウームと(やや否定めに)唸りつつ、でそれでも読んでしまう、西さんの作品。 ふと考えるのは、自分は一体何に惹かれるのか、ということ。 山崎ナオコーラさんが書いている解説にその答えが。 「率直」「みたまんま」。 これです。 「あおい」にせよ「サムのこと」にせよ、登場人物がどうにも憎めない。でそれはやっぱりどの人物も「率直」なんです。私はこういう、思ったことをそのまま伝える人に親近感を感じるみたいです。 もちろん、伝えることには非常な技術が必要であり、その言語力だけは西加奈子レベルでありますからね笑 この言葉のセンス、これが私にとっての西さんの一番の魅力なのかもしれません。 ・・・ ということで西さんのデビュー作でした。 恋愛小説が好きな方、純文学が好きな方、西さんが好きな方にはお勧めできる作品です。 因みに私は「サムのこと」が面白いなあと思いました。友人の葬式で初めてその友人の素顔を知るという話です。 | ||||
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デビュー作を含む短編集。 「あおい」は、年下カレシと同棲中のアルバイター27歳の物語である。真っ正直ゆえに不器用な女子と腹に地図のタトゥーを入れた捉え所のない学生。二人の日常は実に微笑ましい。同棲四ヶ月、主人公の妊娠が分かって…、という展開だ。不安に押しつぶされそうになりながら、「こんな好きになった人、おらん。」とひとりつぶやく主人公の大阪弁にぐっとくる。デビュー作から可笑しくてせつない西加奈子節炸裂である。 「サムのこと」は、事故死した友の通夜の出来事。集まったトンガリキャラたちに惹かれる。その他、お別れの夜に思う事「空心町深夜2時」。 | ||||
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何だかスッキリしなかった。 | ||||
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解説で山崎ナオコーラさんが書いているように、西さんは真面目で率直なんだと思う。 「ワキ剃ってないねん(あおい)」 「しょうこうしょうこう(サムのこと)」 という台詞からも感じられるように「普通女性がそんなこと言うかぁ!?」「オウム真理教というタブーをセリフの中に放り込むんだぁ…」と思わず躊躇ってしまうような表現を文章にしている。 きっとそれは、執筆しながら西さんが思い浮かんだ言葉なのだろう。多分、タブーだろうと、ちょっと下品だろうと、それでなくてはならない言葉だったんだろうなと感じた。 セリフでなくても、小説の展開で、普通に浮気やレイプや死やダウン症というものを扱う。大々的に取り上げるのではなく、ふつーに流れで扱うのである。ちょっと気を緩めて読めば見逃してしまいそうなくらい。 そこがまた面白いなと感じる。確かに、浮気もレイプも死もダウン症も、考えてみれば意外と身近なもの。それらに悩まされてる人って、実は近所にもいるのかもしれない。 だからあえてサラーッと扱う西さんの文章は面白い。いや、日本より治安の良くない国に住んだことがあったり、スナック勤めなどのアルバイト歴のある西さんは、これまでにたくさんの事情のある人々と出会ってきたのだろう。 だからこそ、我々が「重いな…」と感じるテーマであっても、違和感なくサラーッと扱えるのかもしれない。 そういった物語の執筆中に西さんが思い浮かんだ言葉こそが、リアルなのだ。 読みやすくユーモアがあっても、決してユートピアー理想ではない、シリアスな状況を書き、率直な文章で綴る西さんの小説が好きだ。 | ||||
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