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塩の湿地に消えゆく前に
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塩の湿地に消えゆく前にの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1件 1~1 1/1ページ
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「塩の湿地に消えゆく前に "Please See Us"」(ケイトリン・マレン ハヤカワ・ミステリ)を読み終えました。思いのほか、読むのに時間がかかりました。 舞台は、アトランティック・シティ。湿地に並べられた二人の女性死体。主人公は、まずは二人。一人目は、ボードウォーク沿いの占い店で働くクララ。彼女は、或る種のヴィジョンが見えるサイキックとして描かれています。もう一人は、カジノホテルのスパで働くことになったニューヨーク出身のリリー。 そして、尽きるところは「オピオイドの蔓延、カジノの閉鎖、犯罪組織による暴力、海岸に壊滅的な被害を与えたハリケーン・サンディ」 (p.326)と描写されるアトランティック・シティが実はこの物語の本当の主人公なのかもしれません。 湿地に並べられた女性死体が増えていき、女性たちの視点が或る間隔を置いて変わっていく中、微妙な時のズレがサスペンスを盛り立てていると言えなくもないですが、ミステリという以前に、男たちに虐げられて生きる女性たちの"Please See Us"の物語と言っていいのでしょう。 男たちは重苦しい読書を強いられることは間違いありません。何故そう感じるかと言えば、どれほど世界が変わり、時が変遷していこうと根っこは変わらないとつい考えてしまう私がいるからかもしれません。アルコール、セックス、暴力、ドラッグ、ギャンブル。「・・・それ ─ ─ つまり 死 ─ ─ から身を隠そうと、薄暗い洞窟でレバーを引いてみずからの蓄えを無駄にしている」(p.101)ギャンブラーたち=男たち。一時の快楽を人生の目標にした不埒な男たちの姿に自己を反映させながら、密かにうなだれるような物語にも思えたりもしました。私だけかもしれませんが。 | ||||
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