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NSA



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【この小説が収録されている参考書籍】
NSA 上 (ハヤカワ文庫SF)
NSA 下 (ハヤカワ文庫SF)

NSAの評価: 4.13/5点 レビュー 15件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.13pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全15件 1~15 1/1ページ
No.15:
(3pt)

読後感が良くはないです

歴史改変系SFなのですが…
Q.ナチスが高度に発展したインターネット網やコンピューター技術を持っていたら?
A.彼ららしく悪趣味に使いこなしたでしょう
さて主人公たちがそれを打倒する流れかと思いきや、…1984的なものへの耐性がないと辛い読書体験となる作品でしょう。ナチスが使いこなしましたで終わってしまうと1984ナチス版、というかアンネ・フランク他2.3の史実とのリンクを除くとそもそも時代と場所設定が説明不要の悪としての舞台装置でしかないように感じられるのが残念です。翻訳はとても読みやすく、良い訳者さんです。
NSA 上 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:NSA 上 (ハヤカワ文庫SF)より
4150123527
No.14:
(2pt)

「もしもナチがゾンビウィルスを開発したら?」並みの三文SF。

「クルト・ラスヴィッツ賞受賞」という謳い文句と、友人の勧めで読んでみましたが…。
まぁ、昨今のSFの劣化具合を改めて確認できる内容でした。
SF好きな人にはオススメできない内容です。
ツッコミどころ満載な内容、ご都合主義満載な展開、描写力の低い人間ドラマ……。
百歩譲ってそれらを差し引いても、一番残念なのが、著者の視野の狭さ。
もし、WW2の時点で現代並みの情報技術が存在していたら、
ドイツだけでなく世界全体がもっとダイナミックに変化すると思います。
SFなのであれば、いやフィクションだからこそ、そういうものを読みたいと思うのですが、
そう思うのは私だけなんですかね。
SFは、細やかな世界の道理にまで目が行き届いているかどうかというのが
一つのポイントだと思います。その点で言うとこの作品は0点ですね。

個人的には、こういう作品を面白い、と言ってしまう現代こそがディストピアだな、と思います。
まぁ、パソコンの歴史やスノーデンの告白、ナチ以前/ナチ時代のドイツの歴史が疎いのであれば、
こういう作品でも楽しめるんでしょうかねぇ……。
ちょっとした救いとしては、解説の文章が少し及び腰なところでしょうか……笑。
やはりパソコンとインターネットの発展というのは、アメリカの気風なくして育まれなかったでしょう。
それを安易にワイマール時代のドイツからナチ時代のドイツにまで転換してしまう様を見てしまうと、
逆に「時代が時代だったら、この技術は我々ドイツ人が生み出していてもおかしくなかったんだ」
という著者のナチズムに通じる空虚な自尊心を感じました。

まぁ、この本を読むぐらいだったら、我々の世界のNSAが何をやっているのかを
調べることをオススメ致します。こんなしょーもないSFで時間を潰すよりも、はるかにその方が
あなたの知見を広げる結果になると思います。
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4150123527
No.13:
(5pt)

おもしろいが

エロ描写が妙にねちっこくて笑った
ドイツの小説という感じ
あと後半で自由意志と脳の意思決定プロセスにまで触れていたのは良かった(WWⅡの時代設定なのに!)
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4150123535
No.12:
(5pt)

最近の翻訳は本当に良くなったなあ

もしも第2次世界大戦中にコンピューターとインターネットと携帯電話があったら、もしもナチスがそれを使って国民の監視をしていたらという、もしも系のSF。しかし、同時に現代社会の風刺にもなっているのが面白いところでもある。
上下巻で1000ページくらいある長い小説だけど、面白いからすぐに読み終えてしまう。
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4150123527
No.11:
(5pt)

歴史改変SFからディストピアへ

ハヤカワTwitterから。面白かった。
ナチ+超兵器のSFはかつてもあったが、ビッグデータというだけで新鮮に思えた。現代と通ずるからか(現代はそれほど効率的でないことに感謝?)。
ナチ的男女観が時折描かれるが、主人公2人がデータを私的利用する章は退屈かも(主に上巻)。アメリカからの設計図奪取はスリリングだが割とあっさり?で、どちらかといえば2人の絡みが主眼か。
本番は下巻で、ディープラーニングや顔認識めいた技術が登場すると一気に歴史改変SFからディストピアに移行するあたりが本書の醍醐味(人によっては唐突ないし性急かもだが)。
ナチドイツの内政的未来の活写。ヘレーネのラストは1984を想起した。
・ルドルフは妻にはいい人では?(何かモデルがいる?)妻の方が毛嫌いする辺りは何か著者の意図が?(いい人だけでは生理的嫌悪は如何ともし難い?)
・良し悪しはともかく、ヘレーネは、色々と深入りしなかったり、旦那に妥協できていれば、あの時代にあって幸せな部類なんだろうな。
・その意味で、ヘレーネの自己肯定感の低さ、頑固さ?が、その能力より物語の狂言回し感。
・レトケ、手段はともかく少年時代の屈辱で性格は歪むのはありがち。屈辱を与えた人間が「復讐に捧げる人生でいいのか」なんてえらく勝手な言い草。
・ICT技術・サービスは現代相当だが、ある意味で「SNSは存在していない」ように思えた。ドイツフォーラムは機能的にはBBSくらいな印象。実際、統制国家で、国民同士の社会的つながりって百害あって一利なしだし、宜なるかな。SNSはやはり自由民主主義(=資本主義)下の民間サービスとして生まれるものと勝手に納得。
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4150123527
No.10:
(3pt)

アイデアは良いが、長い…

歴史改変モノSFとしては、冒頭のアンネフランクの一件以降は、下巻の中盤までビックリするような出来がが無く、主人公二人のいきさつが延々語られ、読むのがちとつらい。下巻中盤以降は緊張感が増すが、女の方のオチは1984みたいだし、男の方は結構シアワセみたいでムカついたwww あと、きわどい性的描写が結構多く、人には勧めにくい。ともかくもう少し整理してスッと読めるようにしてほしかった。
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4150123535
No.9:
(3pt)

監視国家の行末は、脳電極による思想改造?

下巻は、主人公らがクラッキングでUCバークレーからオッペンハイマーの原爆製造文書を。ビッグデータによる異常行動検知は『マイノリティ・レポート』で既出かも。脳電極で人間の思想をコントロールできるかどうかは...。

 ナチス側の意図の描写が今ひとつ浅いためか、それほど本質感が感じられません。

 ドイツのSFとしては、『ドローンランド』の方が衝撃的でした。
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4150123535
No.8:
(4pt)

第二次世界大戦中のドイツにデジタル監視庁があったら。

スマートフォン、ソーシャル・メディア、ビッグデータを監視する「デジタル庁(NSA)が、第二次世界大戦中のドイツにもしあったら」というSF。アンネは、キャッシュレスの食料品購入データと世帯データとから一人当たりのエネルギー消費の特異値として隠れ家を発見され、ミュンヘンの白バラたちは、ビラ投函・会合でのスマートフォンの位置情報集積と相互の通信記録からあぶりだされてしまいます。

 NSA職員の一部は、私的な目的でビッグデータを悪用。ただし、悪用のレベルが低過ぎるのが、やや残念なところ。

 キャッシュレス推進は、非国民をあぶり出すため。スマートフォンは電源を切っていても目的人物を見つけるため。未だにアカウンタビリティのない伝統日本においては、政府/デジタル庁がマイナンバー含めてこれらを普及させたい目的は、こういうことなのでしょう。読みやすい訳です。
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4150123527
No.7:
(5pt)

(上巻)のレビューに歴史非改変SFと書いてしまって恥ずかしい。

筆者は本作品の上巻を読み終えた段階で、本作品はコンピューターと携帯電話のネットワーク以外の点では概ね史実通りなんだろうと思い込んでいた。実際に本下巻でも427ページまで東武線線は史実通りの劣勢だ。
そこから先の展開は王道すぎてかえって意外であり、そこが大変面白かった。主人公男性と主人公女性の対照性を吹っ飛ばした上で、安易な感情移入を拒絶する結末も秀逸。
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4150123535
No.6:
(5pt)

歴史非改変(?)SFの傑作

まだ下巻を読み始めた段階で上巻について述べる。本作品はコンピューターネットワークと携帯電話だけが100年早く普及した世界で、だから携帯電話の材料はアルミニウムとベークライトだ。物語の冒頭でそのコンピューターネットワークと携帯電話がナチスに活用されている。いきなりあの有名な一家が登場して災禍に見舞われる。この辺りの語りの巧みさ。我々が生きる現代の暗喩。
 主人公男は反社会性人格障害っぽい嫌なやつで、主人公女は自閉症スペクトラム障害っぽいがまあまあいい奴っぽい。主人公女はいい奴ぶりとは無関係にその有能さ故にナチスの手先としてより侵襲的だ。そういう逆説的な描写も冴えている。久しぶりに長い作品を一気に読みつつある。結末も楽しみ。
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4150123527
No.5:
(2pt)

悲惨の極致のバッドエンド

コンピュータネットワークを利用した、特に全体主義国家による監視社会への強烈な警鐘をテーマとした、歴史改変ディストピア小説。

テーマは古典的なれど、ここで描かれる、インターネットや既存メディアを駆使した情報戦と、現実の戦闘を組み合わせたハイブリッド戦争ともいわれる戦争のかたちは、奇しくも今、現実にロシアの独裁者が行っているものと同じで、不幸にも時宜を得た作品となってしまっている(早く良いかたちで終わりますように)。

現実にもいやおうなく進行している、個人の全てのものの支払い購入履歴がどこかにデータとして残される、電子決済社会の描写には、身近な問題として誰もが不安感を増幅させられるでしょう。

第二次世界大戦前後のドイツを舞台としたこの物語は、NSA(国家保安局)の女性コンピュータプログラマーのヘレーネと、彼女の男性の同僚であるアナリスト、レトケのふたりの視点で語られる。

ヘレーネは一見純粋そうに見えて実はそうでもなく、行動理由が利己的なところもあるし、レトケは、過去のトラウマから女性に対し偏執的な行動をとる小悪党の個人主義者で、どちらも好感を抱くまでには至りにくいキャラクターです。
でも、何しろふたりとも幼少期からの半生が数百ページを費やしてこと細かに描かれている上に、レトケには中盤以降のキャラ変もあり、どちらに対しても少なからず感情移入してしまった。
なので、彼らが意図せずとも成し遂げてしまう成果や諸々の事象を考えたら、さすがにハッピーエンドはあり得ないとしても、あまり悪い終わり方をしなければ良いなと思いながら読み進めて行ったのだけれど、その結末は、想像をはるかに越える、考えうる限り最悪で悲惨の極致のバッドエンドでした。
1000ページあまりを読まされた末のこれは、かなりきつい。

本作が、行きすぎたコンピュータ依存社会と、強権独裁国家への警告を動機として書かれているのは明らかで、そうすると、これくらいの強烈さがなければ意味がないということなのかもしれない。
バッドエンドが、このタイプのディストピア小説の暗黙のルールなのかもしれない。
しかし、それもここまで来ると正直、悪趣味でさえあるし、個人的には、メッセージ性よりも作品への忌避感が勝ってしまいかねないと感じました。

少なくとも一般向けではないので、こういう結末に耐性のない方にはあまりお薦めできません。
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No.4:
(5pt)

1984系

1984系のこわい話ですが、素晴らしい出来ですね。
SQLのしょぼいプログラミングとディープラーニングよりもさらに高度そうなAIのギャップは目をつぶる、というのはさておき。
驚いたのがSNSの描写。日本のネトウヨの方々のSNS投稿を取材したのか、と思うくらい日本の今の状況との相似が感じられます。
ドイツの戦前の話なのに。
そういう意味でも、今現在の日本の状況も含め、いろいろ考えさせられる本です。
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No.3:
(5pt)

プログラマーが活躍する歴史改変SFの傑作

ジャンルとしてはディックの「高い城の男」や,トライアス氏の「ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン」など第二次大戦前後の歴史に「if」を持ち込んだ歴史改変SFに属する作品です.

著者がドイツ人なのでナチスドイツの描き方が秀逸です.現実よりも1世紀ほど早くコンピューター,インターネット,携帯電話に相当するテクノロジーが実現したとき,(一般人の個人情報保護などという概念を持たない)ナチスがどのように振る舞うのかを,情報機関NSA(エヌ・エス・アー)で働く若い男女各1名の主人公の視点から説得力を持って描写しています.彼らの人物と人生の描写もリアルで感情移入できます.(共感できるかは別ですが.)

当初からテンポのよい物語展開ですが下巻ではさらに加速します.その上でいろいろな伏線が見事に回収される高い完成度を持っています.また,中盤で自分なりに結末を予想しましたが見事に裏切られました.

終盤では機械学習や脳インプラントまで開発され,これらの技術が全体主義国家で使われたときにどうなるかというところまで話が進みます.

ちなみに本作品はハードSFでも時間SFでもなく,巻末の山形氏の解説にもあるようにもっともらしい技術の説明もありません.(データサイロなどのそれっぽい描写はありますが.)その意味ではSF的なセンス・オブ・ワンダーはないのですが,物語が面白いのでのめり込んで楽しめます.私自身もプログラミングをするので,データベース言語(SQL)やプログラミングの描写が頻繁に登場する点も面白かったです.

しばらく前に流行ったスチームパンク系もそうですが,歴史改変SFは退屈なものが多い印象を持っています.しかし本書は,上質なエンターテイメントとしてだけでなく,現代の我々にも起こりうる危機をわかりやすい形で警告してくれるという点でも,後世に残る(残したい)傑作だと感じます.
NSA 上 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:NSA 上 (ハヤカワ文庫SF)より
4150123527
No.2:
(5pt)

ネタバレになりますが

ネタバレなってしまいますが、戦況不利でもコンピュータシステム(とそれによる監視社会)が確立したナチスドイツ。でもオイゲンは悪事が露呈し前線送りに、ヘレーネは収容所に送られてしまいます。そしてナチスドイツは超兵器トゥールハンマーで大逆転を果たします。
その後、ヘレーネは助け出されたようで脳をアレされてしまい、オイゲンは自殺未遂を図りアレを採取されるだけの存在となります。なんともやり切れないオチでしたが、意表を突かれすぎて面白かったです。
NSA 下 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:NSA 下 (ハヤカワ文庫SF)より
4150123535
No.1:
(5pt)

サイバーディストピアのナチスドイツ

SNSや掲示板(ワールドネット)や国民電話(携帯)があり通貨は廃止されカード一枚に集約されたナチス政権下のドイツ。戦況厳しい中で、NSAの活躍により日記で有名なあの一家を逮捕した話の後、前線へ送られたくないサイコパスな生き方のオイゲンと流されているようでありながら自分らしく生きたいと思っているヘレンの視点で交互に物語は進んでいきます。
いわゆるネット上の情報や通話や買い物履歴全てがNSAに掌握されており、何年も前のネットの書き込みをヘイト認定され収容所送りという現代にも通じる怖さや、バカバカしいナチスの政策がネットを駆使していかに国民を巧妙に取り込んで行ったかも描かれています。通貨廃止の理由を聞いたら便利そうですがゾッとするくらいです。オイゲンのように個人情報を地位を利用して悪用するのもそうです。まさにサイバーディストピアのナチスドイツと言うべき作品です。
NSA 上 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:NSA 上 (ハヤカワ文庫SF)より
4150123527

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