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NSA
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NSAの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.13pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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エロ描写が妙にねちっこくて笑った ドイツの小説という感じ あと後半で自由意志と脳の意思決定プロセスにまで触れていたのは良かった(WWⅡの時代設定なのに!) | ||||
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もしも第2次世界大戦中にコンピューターとインターネットと携帯電話があったら、もしもナチスがそれを使って国民の監視をしていたらという、もしも系のSF。しかし、同時に現代社会の風刺にもなっているのが面白いところでもある。 上下巻で1000ページくらいある長い小説だけど、面白いからすぐに読み終えてしまう。 | ||||
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ハヤカワTwitterから。面白かった。 ナチ+超兵器のSFはかつてもあったが、ビッグデータというだけで新鮮に思えた。現代と通ずるからか(現代はそれほど効率的でないことに感謝?)。 ナチ的男女観が時折描かれるが、主人公2人がデータを私的利用する章は退屈かも(主に上巻)。アメリカからの設計図奪取はスリリングだが割とあっさり?で、どちらかといえば2人の絡みが主眼か。 本番は下巻で、ディープラーニングや顔認識めいた技術が登場すると一気に歴史改変SFからディストピアに移行するあたりが本書の醍醐味(人によっては唐突ないし性急かもだが)。 ナチドイツの内政的未来の活写。ヘレーネのラストは1984を想起した。 ・ルドルフは妻にはいい人では?(何かモデルがいる?)妻の方が毛嫌いする辺りは何か著者の意図が?(いい人だけでは生理的嫌悪は如何ともし難い?) ・良し悪しはともかく、ヘレーネは、色々と深入りしなかったり、旦那に妥協できていれば、あの時代にあって幸せな部類なんだろうな。 ・その意味で、ヘレーネの自己肯定感の低さ、頑固さ?が、その能力より物語の狂言回し感。 ・レトケ、手段はともかく少年時代の屈辱で性格は歪むのはありがち。屈辱を与えた人間が「復讐に捧げる人生でいいのか」なんてえらく勝手な言い草。 ・ICT技術・サービスは現代相当だが、ある意味で「SNSは存在していない」ように思えた。ドイツフォーラムは機能的にはBBSくらいな印象。実際、統制国家で、国民同士の社会的つながりって百害あって一利なしだし、宜なるかな。SNSはやはり自由民主主義(=資本主義)下の民間サービスとして生まれるものと勝手に納得。 | ||||
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スマートフォン、ソーシャル・メディア、ビッグデータを監視する「デジタル庁(NSA)が、第二次世界大戦中のドイツにもしあったら」というSF。アンネは、キャッシュレスの食料品購入データと世帯データとから一人当たりのエネルギー消費の特異値として隠れ家を発見され、ミュンヘンの白バラたちは、ビラ投函・会合でのスマートフォンの位置情報集積と相互の通信記録からあぶりだされてしまいます。 NSA職員の一部は、私的な目的でビッグデータを悪用。ただし、悪用のレベルが低過ぎるのが、やや残念なところ。 キャッシュレス推進は、非国民をあぶり出すため。スマートフォンは電源を切っていても目的人物を見つけるため。未だにアカウンタビリティのない伝統日本においては、政府/デジタル庁がマイナンバー含めてこれらを普及させたい目的は、こういうことなのでしょう。読みやすい訳です。 | ||||
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筆者は本作品の上巻を読み終えた段階で、本作品はコンピューターと携帯電話のネットワーク以外の点では概ね史実通りなんだろうと思い込んでいた。実際に本下巻でも427ページまで東武線線は史実通りの劣勢だ。 そこから先の展開は王道すぎてかえって意外であり、そこが大変面白かった。主人公男性と主人公女性の対照性を吹っ飛ばした上で、安易な感情移入を拒絶する結末も秀逸。 | ||||
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まだ下巻を読み始めた段階で上巻について述べる。本作品はコンピューターネットワークと携帯電話だけが100年早く普及した世界で、だから携帯電話の材料はアルミニウムとベークライトだ。物語の冒頭でそのコンピューターネットワークと携帯電話がナチスに活用されている。いきなりあの有名な一家が登場して災禍に見舞われる。この辺りの語りの巧みさ。我々が生きる現代の暗喩。 主人公男は反社会性人格障害っぽい嫌なやつで、主人公女は自閉症スペクトラム障害っぽいがまあまあいい奴っぽい。主人公女はいい奴ぶりとは無関係にその有能さ故にナチスの手先としてより侵襲的だ。そういう逆説的な描写も冴えている。久しぶりに長い作品を一気に読みつつある。結末も楽しみ。 | ||||
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1984系のこわい話ですが、素晴らしい出来ですね。 SQLのしょぼいプログラミングとディープラーニングよりもさらに高度そうなAIのギャップは目をつぶる、というのはさておき。 驚いたのがSNSの描写。日本のネトウヨの方々のSNS投稿を取材したのか、と思うくらい日本の今の状況との相似が感じられます。 ドイツの戦前の話なのに。 そういう意味でも、今現在の日本の状況も含め、いろいろ考えさせられる本です。 | ||||
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ジャンルとしてはディックの「高い城の男」や,トライアス氏の「ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン」など第二次大戦前後の歴史に「if」を持ち込んだ歴史改変SFに属する作品です. 著者がドイツ人なのでナチスドイツの描き方が秀逸です.現実よりも1世紀ほど早くコンピューター,インターネット,携帯電話に相当するテクノロジーが実現したとき,(一般人の個人情報保護などという概念を持たない)ナチスがどのように振る舞うのかを,情報機関NSA(エヌ・エス・アー)で働く若い男女各1名の主人公の視点から説得力を持って描写しています.彼らの人物と人生の描写もリアルで感情移入できます.(共感できるかは別ですが.) 当初からテンポのよい物語展開ですが下巻ではさらに加速します.その上でいろいろな伏線が見事に回収される高い完成度を持っています.また,中盤で自分なりに結末を予想しましたが見事に裏切られました. 終盤では機械学習や脳インプラントまで開発され,これらの技術が全体主義国家で使われたときにどうなるかというところまで話が進みます. ちなみに本作品はハードSFでも時間SFでもなく,巻末の山形氏の解説にもあるようにもっともらしい技術の説明もありません.(データサイロなどのそれっぽい描写はありますが.)その意味ではSF的なセンス・オブ・ワンダーはないのですが,物語が面白いのでのめり込んで楽しめます.私自身もプログラミングをするので,データベース言語(SQL)やプログラミングの描写が頻繁に登場する点も面白かったです. しばらく前に流行ったスチームパンク系もそうですが,歴史改変SFは退屈なものが多い印象を持っています.しかし本書は,上質なエンターテイメントとしてだけでなく,現代の我々にも起こりうる危機をわかりやすい形で警告してくれるという点でも,後世に残る(残したい)傑作だと感じます. | ||||
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ネタバレなってしまいますが、戦況不利でもコンピュータシステム(とそれによる監視社会)が確立したナチスドイツ。でもオイゲンは悪事が露呈し前線送りに、ヘレーネは収容所に送られてしまいます。そしてナチスドイツは超兵器トゥールハンマーで大逆転を果たします。 その後、ヘレーネは助け出されたようで脳をアレされてしまい、オイゲンは自殺未遂を図りアレを採取されるだけの存在となります。なんともやり切れないオチでしたが、意表を突かれすぎて面白かったです。 | ||||
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SNSや掲示板(ワールドネット)や国民電話(携帯)があり通貨は廃止されカード一枚に集約されたナチス政権下のドイツ。戦況厳しい中で、NSAの活躍により日記で有名なあの一家を逮捕した話の後、前線へ送られたくないサイコパスな生き方のオイゲンと流されているようでありながら自分らしく生きたいと思っているヘレンの視点で交互に物語は進んでいきます。 いわゆるネット上の情報や通話や買い物履歴全てがNSAに掌握されており、何年も前のネットの書き込みをヘイト認定され収容所送りという現代にも通じる怖さや、バカバカしいナチスの政策がネットを駆使していかに国民を巧妙に取り込んで行ったかも描かれています。通貨廃止の理由を聞いたら便利そうですがゾッとするくらいです。オイゲンのように個人情報を地位を利用して悪用するのもそうです。まさにサイバーディストピアのナチスドイツと言うべき作品です。 | ||||
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