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(短編集)
猛スピードで母は
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猛スピードで母はの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.95pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全63件 1~20 1/4ページ
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「サイドカーに犬」と「猛スピードで母は」の2作収納だが、どちらも子供目線から女性のたくましさが描かれる。 子供達は無意識のうちに大人達から何かを学ぶ。 子は親の背中を見て育つというがそんな言葉を感じさせる読書体験だった。 | ||||
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なんだかなあ。ごく日常的な出来事の描写の合間にところどころ少し気の利いた言葉をちりばめると芥川賞が獲れるのかと思ってしまった。じっさいにはそんなに簡単ではないことだが、それでもこの本を読んでいると芥川賞の立ち位置に疑問がわいてしまう。 気の利いた言葉が書けるのは、新しい視点、めずらしい視点がなければならない。それがあれば、読者を感心させる言葉を書くことができる。うらやましいことだと思う。だが、それだけか? とも思ってしまう。気の利いた言葉は言わばトッピングだ。作品のテーマとさほど関係がなかったりもする。読者は気の利いた言葉に感心するだけで満足するかもしれない。しかし、作品の根幹にかかわるテーマということになると、どうもそれだけでは物足りないのだ。 収録されている「サイドカーに犬」も「猛スピードで母は」も面白いとは思うが、面白い以上の意義が把握しづらい。これは当方の読解力が不足しているせいだろうか。もっと分析眼を持っていれば、この二つの作品に深遠なテーマ性を見いだせるのかもしれないが、小生は残念ながらそんな分析眼を持ち合わせていない。どうも食い足りなく感じてしまう。 もちろん、ごく日常といっても、主人公の置かれた立場や出来事はけっしてごく平凡な日常的なものではないし、その物珍しさで惹きつけるようなところもあるが、それって、奇をてらうのとおなじことではないのだろうか。それは言わば、ドラマトゥルギーではなくセンセーションということになりはしないか。つまり、小説としての要件で成立している作品ではなく、単にショッカーで売っているということになるのではないか。 それに、みじかいわりには夾雑物が少なくないように感じられる。テーマにかかわらない、どうでもいいことを重要な要素のように扱っているように見えるし、主人公の内面性や置かれた立場を象徴するためのものだと言われれば納得せざるを得ないが、それでも小説の醍醐味や面白さとは別次元のものとしか思えない。若いころ、ジッドなど西欧の古典に馴染んでいた身としては、どうも疑問符が頭のなかにわいてしまう。 とはいえ、けっして駄作ではない。読む価値はそれなりにあると思う。しかし、人間心理の掘り下げが一定の深さで止まってしまい、それ以上深みに行けないという印象もある。換言すれば、行間を読ませる作品という高評価も成り立つだろうが、行間そのものが薄膜の向こうにしか見えないのである。 | ||||
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夏井いつき先生の推薦本だったので購入しました。面白くていっきに読みました! | ||||
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何処がどういう風にというわけでなく、読んでいてどんどん引き込まれて、あっという間に読み終わっていた。こんなにすぐに読み終える作品に出会って、凄く満足した。猛スピードで追い抜く様は、痛快だっただろうと思ったが、何故抜かさなきゃならなかったのか?母の心理は中々奥深く理解できない所がまた良かった。 | ||||
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浮気、別居、再婚という親の問題と、その中の親や関わる大人の心情に、10代の子どもが巻き込まれる様子を、子どもの目線でわかることとわからないことを織り交ぜながら描写した作品。表題のサイドカー、猛スピードという乗り物に、子供から見た親を擬えていると捉えた。子どもの心情描写には共感できたが、読み終わった後のすっきりしない気持ちも残った | ||||
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芥川賞受賞の表題作を含む中編二作品です。 二作品でそれぞれ小学生の男女を語り手としていますが、著者の手による子どもの目から見た世界の描き方が出色です。些細な事がらを新鮮に感じたり、逆に大人の感覚なら違和感をもつような出来事も自然に受け入れてたり、読んでいるうちに、幼い頃にしか感じ得なかったみずみずしい感性が甦るようで、童心を描く巧みさに驚かされます。男性である著者ですが、『泣かない女はいない』などに著される女性の心理を描く手腕にも、特筆すべきものがあります。 以下、二作品について軽く触れます。 ---------- 『サイドカーに犬』 父の失業に端を発した母の家出に始まった小学四年生の薫の夏休み。ほどなく薫たちの家には、洋子という女性が現れ、父の仲間たちとともに毎日のように出入りするようになる。薫にとって忘れえないひと夏の少し風変りな日常を描く。映画化されている。 『猛スピードで母は』 母とふたりで暮らす小学五年生の慎。同級生に「おまえの母さんかっこいいよな」とも評される、ハードボイルドな魅力をもつ母と、どちらかといえば大人しい性格の慎との生活が描かれる。母はある日、いまは外国にいるという、ある男と結婚するつもりなのだと、慎に打ち明ける。 | ||||
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何が伝えたかったのかよく分からなかった。 こういうものを純文学と言うのだろうか。 行間で色々伝えようとしている感じの本なんだろうが、自分にとってはパンチが弱すぎた。 | ||||
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後半の母の行動に感動しました。 | ||||
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久々の長嶋有さん。 ありそうなことなのですが、よく考えるとあまり無さそうか。 なんでもないことなのに人の心をつかむのがうまいです。 10年以上前に読んだのにすっかり忘れていて、新鮮な気分で読みました。 | ||||
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軽い感じで読めますが、読後感はイマイチでした。 タイトルで引っ張っているきらいも否めませんでした。 タイトル大事ですが、肩透かしは残念です。 | ||||
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これはとても良かったなー。二篇ともなんか少し普通じゃない親や大人との関係をおかしみを交えて描いてて、読んでて愉快だった。二篇とも登場する女性が力強く魅力的だったし、男どもはなんとなく情けなかった。 | ||||
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タイトルの「猛スピードで母は」と映画化もされた「サイドカーに犬」が収録されている。 「猛スピードで母は」は北海道のシングルマザーと小学生の息子の話。このお母さん、本当にすごい。ガソリンスタンドでの深夜労働、役場での借金の取り立て係、保母さん、なんでもやる。クルマに鍵を閉め込んだとき、なんと団地の外壁の梯子から4階の自室のベランダに乗り移った! 再婚相手も自分で探す。ほとんどが不合格、やっとお眼鏡にかなったのは、アメリカ帰りのテンガロンハットが似合う男。でもなぜかだめだった。 母親は息子に対して細かいことを言わない。いちいち面倒をみない。突き放している。でも、だいじなところは見落とさない。 こんなすごい母親から、息子は「無意識に」独立していく。 「サイドカーに犬」は父親の愛人ヨーコさんと小学四年生の薫の一夏の出会い。人懐っこいけど、おおまか、ルール無視、お菓子も夜の散歩もなんでもOK。厳格なお母さんとは正反対の性格。ヨーコさんは薫の領域にどんどん入ってくる。でも、薫にとっては悪い気はしない。父親とその男友達、ヨーコさんは一見面倒をみているが、男たちの方が飼われている犬のようだ。 ヨーコさんと薫の関係は長続きしない。「薫のことすきだよ。友達になれてよかった。」というヨーコさん。 おそらく、ヨーコさんは薫に記憶以外の何かを残したと思う。 | ||||
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淡々と描かれる日常の中に、長嶋有のユーモアと観察眼が光る。 彼のファンですが、中でもこれはいい作品ですね。 | ||||
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とても面白かった。 いずれも思いきりのいい男勝りの女性がモチーフになっている。こういう女性は嫌いではないが、私自身は嫌われてしまう。私が女々しいからだろう。 個人的には「サイドカーに犬」のほうが、あっからかんとして楽しめた。 ふざけたようなタイトルだが、いずれにしても心理の表れが、具体的な言動などに的確に表れていて、とても優れていると感じた。 機会があれば別の作品も手に取ってみたい。(120430) | ||||
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芥川賞受賞作品 ゛猛スピードで母は゛ は、舞台が北海道 。女性が物凄く強い土地と、北海道の、大学を出た兄から聞きました。女性の喫煙率も全国一とか。今は判りませんが。 北海道のとてつもない寒さと、母親と二人暮らしの子供のお話。 人間は、子供を作ります。子供は、親を選べずに産まれます。ロシアンルーレットが始まってる…この作品中の子供は、幸せなんだろうか。母親は、猛烈に働き、自分の人生の為に恋をし、子供を突き放す様に、愛する。突き放している様でも、子供に対する母親の愛情がひしひし伝わるのは、どうしてなんだろう。男性の陰もあるのに、母親と子供は、静かに絆で結びついている。 霧の濃い朝が本土にも、たまにあります。濃霧注意報とか出ます。 なかなか幻想的叙情的風景です。しかし、運転中の方の不安たるや幾ばくか!。自分の身体が霧に包まれる感覚は、熱をだしている。恥ずかしながら、まさに、今。 …霧の中、アパートから子供の忘れ物をダイハード並の荒業で、取りに行く母。 キレても子供の為にやってくれるんだ。 めちゃくちゃな様な、親に見えるけれど、どうしてこんなに温かい気持ちになるのだろう。 母って凄い。 私も母していますが、やっぱり決断力は、凄いらしい。キレるのも早いらしい。愛情は、伝わっているらしい。 母親って、不思議だな。 妹の言葉 ゛だって。お腹で子供育てて産んじゃうんだよ!゛ 成る程。 …因みに 私の、疎遠になっている私の故郷でも、小学生時代に… ゛カブトムシ(ワーゲンです!)を一日3台見つけたら良いことあるんだよ!゛ おんなじ! | ||||
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テーマはいいのかも知れないが、芥川賞はあくまで小説の賞のはずでしょう。 1行2行手前から、展開どころか言葉づかいまでもあらかた見当がついてしまいそうなありきたり随筆的断片寄せ集めのどこが芥川小説だろう。 観察の目は必須だが、それを随所にただペタペタただ貼り付けるだけならないほうがテンポが速くていい。著者の観察を生で出してしまっては小説から遠のく一方だ。 しかもその観察に独自の鋭さ深さがない。ビラビラ貼り付けてあるのが吹けば飛ぶ透けすけ薄紙片ばかりでは邪魔でしかない。 「つい最近こんなことがあった」式の付け足し書きにいたっては、手練れ作家のやっつけ仕事であってさえ鼻白むのに、新人の手抜き作業としてはひたすらうすら寒い。加えて主人公とそのフィアンセが作り物臭プンプンときては悲惨と言いたい。 書いていていちばん楽しくあるべき著者本人がひょっとしたら誰よりもいちばんつまらなく且つ辛い絶望的な思いをしたのではないか。意図も狙いも逐一透けて見えるだけに、その呻吟ぶりばかりが胸をうってみじめにも気の毒なばかりだ。 たった一か所、さてこそと思いかけた部分があった。 ――― 「若いときは、こんなふうに可能性がね…」母はだんだん両手の間隔を狭めながら「それが、こんなふうにどんどん狭まってくる」とつづけた。 「なんで」 「なんででも」 ――― 「なんででも」ときて少しは芥川賞らしくなったかと思ったのもつかの間、直後、「母が珍しく口にした教訓めいた物言いよりも、その手を広げた動作の方が印象に残った。」ではまたもスクラップだ。稚拙な解説調もさることながら、自分を裏切ってまで気取ってしまっては何のために書くのかわからんだろうに。まあそれが筆の抑えとかタンタントだとか単純に思い込んでいるのだろうが、お話になりません。 以上、中ほどの「アイス食べようか」までで読みやめたから、あとは知らない。 このセリフも、芽のない素人作家の十人が十人やりそうなゴミだ。これ1つで読む気が吹っ飛ぶ。場面展開と密接有意の関わりも緊張もない水増し野次馬ゼリフは、一人前の作家なら1行1字とて避けるところだ。 蛇足の一言: 練習不足文章がいたるところで目にさわる。 | ||||
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勉強になったが、それほど感動はしなかった。 現代人的描写の何たるかを知る勉強にはなる。 | ||||
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最後の解説を読むまで著者が女性であるとずっと勝手に勘違いしていたが男性であることを知って驚く 本書は芥川賞を受賞した本のタイトルの作品と「サイドカーと犬」の2作品が収録されている この2つの作品に共通するのは子供が主人公であり、ごく身近な存在である女性・・・ それはサイドカーと犬では父の愛人であり、猛スピードでは母親という大人の女性が登場する・・・ 主人公とそれら彼女たちの関係や女性たちの内面など・・・・ 読んでいて飽きさせないし面白い・・・・ この作家の他の作品も読みたくなった | ||||
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本書に収録の『サイドカーに犬』では父の愛人との同居した数日を、『猛スピードで母は』ではシングルマザーである母と恋人との別れを、それぞれ小四の薫と小五の慎の目線で描いている。 他所から見ると、けっして幸せではない薫や慎の家庭。そこが彼らの世界の全てだから幸も不幸もないのだろうけど、薫の父の愛人 洋子さん、慎の母の恋人 慎一さんの登場により、彼らなりに日常に起きたさざ波を感じている。けれども、二人ともそれについて誰かに問うことはしない。居心地の悪さを抱きつつも、答えを得ることのよって失うものがあると思うのだろう。なんとなく誰かが傷つくことを恐れてしまう。そんな子供の心情が、長島有さんの簡潔で淡々とした文章からにじみ出てくる。 本書の二作品は、ともに読了後、爽やかな余韻を残してくれる。『サイドカーに犬』などは、描き方によって悲劇としても成立しそうだが、ちょっとした不幸せぐらいものともしない快活さがある。こういう感覚で作品をつくれるって素敵だと思う。 | ||||
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ていう感じがしました。個人的にかなり好きな作品です。 長嶋有さんは男性なのに、「サイドカーに犬」では女の子、表題作では子供からみた日常を感受性豊かに描いています。 ラストの描き方も、うまいなぁと思いました。 | ||||
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