■スポンサードリンク


(短編集)

猛スピードで母は



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
猛スピードで母は
猛スピードで母は (文春文庫)

猛スピードで母はの評価: 3.95/5点 レビュー 63件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.95pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全63件 61~63 4/4ページ
No.3:
(4pt)

淡々と、でも、ひそかにやさしい

とっても淡々とした語り口なのに、思わず「わはは」って笑かせられたり、すんごく切ない気持ちになったり。
きっと、この作者の人は、照れくさくって、ダイレクトな愛情とか思いやりとかの言葉を口にしないんだけど、人一倍感じやすい人なんじゃないかと思いました。
人の気持ちのとても繊細で、言葉にできないような微妙なニュアンスを大切にして書かれている作品だと思いました。
猛スピードで母はAmazon書評・レビュー:猛スピードで母はより
4163206507
No.2:
(2pt)

さらっと感

特に印象にのこる強烈なシーンも無く、あっさりと読めてしまいます。話の展開もすっきりしているので、重たい長編や推理小説のあとに読むとホッとすると思います。かくいう私がそうでした。
私的にはタイトルの作品よりも、同時収録の「サイドカーに犬を」が好みでした。
猛スピードで母はAmazon書評・レビュー:猛スピードで母はより
4163206507
No.1:
(5pt)

猛スピードで私も

「結婚に失敗した」母と暮らす小学校5~6年生の主人公慎の視線を通して描かれる母は実に私好みだ。
 ワーゲンが好きなのに「それはそれで照れくさいから」とシビックに乗り、器用にジャッキとレンチを操ってスパイクタイヤに履き替える母親。
 もらった絵本を読んではくれるが、抑揚をつけることはせず、「こんな王子と私なら結婚しないね」などと感想を漏らす母。
 参観日や行事に行かない母。
 煙草をくわえながら、お子さま仕様ではない発言をする母。
 作品全体を流れる少年の悲しげで、でも誇り高いトーンがじわじわと胸に染みこむ。
 わけても一番グッときたのは、母が帰宅する前に慎が米研ぎをする場
面。冬の寒さに凍えた手が、冷水さえも温かく感じる様子。研いだ米は30分「うるかし」たら炊いてよいと教わったこと。後に、「うるかす」が標準語ではないことを知って「その時間」を否定されたように感じたこと。これには道産子の私はうるうるしてしまった。
 我が家の娘たちも、5歳から米研ぎをしている。つい、彼女たちの、その時間はどんな気持ちだったのだろうかと考えてしまった。強制した訳じゃなく、自発的にその習慣は始まったのだが「なんだか面白そう」という気持ちの他に、仕事をする母への労りが、やはりあってのことだった気がする。
 家の鍵と車の鍵を中につけたままロックをしてしまった時、この母の
取る行動は見事にかっこいい。息子のいじめ体験すらクールに受け流しユーモアで返す、うろたえたりしない母。
 カタルシスのある勇気の湧く作品だった。
猛スピードで母はAmazon書評・レビュー:猛スピードで母はより
4163206507

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!