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(短編集)
猛スピードで母は
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猛スピードで母はの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.95pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全48件 1~20 1/3ページ
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「サイドカーに犬」と「猛スピードで母は」の2作収納だが、どちらも子供目線から女性のたくましさが描かれる。 子供達は無意識のうちに大人達から何かを学ぶ。 子は親の背中を見て育つというがそんな言葉を感じさせる読書体験だった。 | ||||
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夏井いつき先生の推薦本だったので購入しました。面白くていっきに読みました! | ||||
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何処がどういう風にというわけでなく、読んでいてどんどん引き込まれて、あっという間に読み終わっていた。こんなにすぐに読み終える作品に出会って、凄く満足した。猛スピードで追い抜く様は、痛快だっただろうと思ったが、何故抜かさなきゃならなかったのか?母の心理は中々奥深く理解できない所がまた良かった。 | ||||
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芥川賞受賞の表題作を含む中編二作品です。 二作品でそれぞれ小学生の男女を語り手としていますが、著者の手による子どもの目から見た世界の描き方が出色です。些細な事がらを新鮮に感じたり、逆に大人の感覚なら違和感をもつような出来事も自然に受け入れてたり、読んでいるうちに、幼い頃にしか感じ得なかったみずみずしい感性が甦るようで、童心を描く巧みさに驚かされます。男性である著者ですが、『泣かない女はいない』などに著される女性の心理を描く手腕にも、特筆すべきものがあります。 以下、二作品について軽く触れます。 ---------- 『サイドカーに犬』 父の失業に端を発した母の家出に始まった小学四年生の薫の夏休み。ほどなく薫たちの家には、洋子という女性が現れ、父の仲間たちとともに毎日のように出入りするようになる。薫にとって忘れえないひと夏の少し風変りな日常を描く。映画化されている。 『猛スピードで母は』 母とふたりで暮らす小学五年生の慎。同級生に「おまえの母さんかっこいいよな」とも評される、ハードボイルドな魅力をもつ母と、どちらかといえば大人しい性格の慎との生活が描かれる。母はある日、いまは外国にいるという、ある男と結婚するつもりなのだと、慎に打ち明ける。 | ||||
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後半の母の行動に感動しました。 | ||||
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久々の長嶋有さん。 ありそうなことなのですが、よく考えるとあまり無さそうか。 なんでもないことなのに人の心をつかむのがうまいです。 10年以上前に読んだのにすっかり忘れていて、新鮮な気分で読みました。 | ||||
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これはとても良かったなー。二篇ともなんか少し普通じゃない親や大人との関係をおかしみを交えて描いてて、読んでて愉快だった。二篇とも登場する女性が力強く魅力的だったし、男どもはなんとなく情けなかった。 | ||||
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タイトルの「猛スピードで母は」と映画化もされた「サイドカーに犬」が収録されている。 「猛スピードで母は」は北海道のシングルマザーと小学生の息子の話。このお母さん、本当にすごい。ガソリンスタンドでの深夜労働、役場での借金の取り立て係、保母さん、なんでもやる。クルマに鍵を閉め込んだとき、なんと団地の外壁の梯子から4階の自室のベランダに乗り移った! 再婚相手も自分で探す。ほとんどが不合格、やっとお眼鏡にかなったのは、アメリカ帰りのテンガロンハットが似合う男。でもなぜかだめだった。 母親は息子に対して細かいことを言わない。いちいち面倒をみない。突き放している。でも、だいじなところは見落とさない。 こんなすごい母親から、息子は「無意識に」独立していく。 「サイドカーに犬」は父親の愛人ヨーコさんと小学四年生の薫の一夏の出会い。人懐っこいけど、おおまか、ルール無視、お菓子も夜の散歩もなんでもOK。厳格なお母さんとは正反対の性格。ヨーコさんは薫の領域にどんどん入ってくる。でも、薫にとっては悪い気はしない。父親とその男友達、ヨーコさんは一見面倒をみているが、男たちの方が飼われている犬のようだ。 ヨーコさんと薫の関係は長続きしない。「薫のことすきだよ。友達になれてよかった。」というヨーコさん。 おそらく、ヨーコさんは薫に記憶以外の何かを残したと思う。 | ||||
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淡々と描かれる日常の中に、長嶋有のユーモアと観察眼が光る。 彼のファンですが、中でもこれはいい作品ですね。 | ||||
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芥川賞受賞作品 ゛猛スピードで母は゛ は、舞台が北海道 。女性が物凄く強い土地と、北海道の、大学を出た兄から聞きました。女性の喫煙率も全国一とか。今は判りませんが。 北海道のとてつもない寒さと、母親と二人暮らしの子供のお話。 人間は、子供を作ります。子供は、親を選べずに産まれます。ロシアンルーレットが始まってる…この作品中の子供は、幸せなんだろうか。母親は、猛烈に働き、自分の人生の為に恋をし、子供を突き放す様に、愛する。突き放している様でも、子供に対する母親の愛情がひしひし伝わるのは、どうしてなんだろう。男性の陰もあるのに、母親と子供は、静かに絆で結びついている。 霧の濃い朝が本土にも、たまにあります。濃霧注意報とか出ます。 なかなか幻想的叙情的風景です。しかし、運転中の方の不安たるや幾ばくか!。自分の身体が霧に包まれる感覚は、熱をだしている。恥ずかしながら、まさに、今。 …霧の中、アパートから子供の忘れ物をダイハード並の荒業で、取りに行く母。 キレても子供の為にやってくれるんだ。 めちゃくちゃな様な、親に見えるけれど、どうしてこんなに温かい気持ちになるのだろう。 母って凄い。 私も母していますが、やっぱり決断力は、凄いらしい。キレるのも早いらしい。愛情は、伝わっているらしい。 母親って、不思議だな。 妹の言葉 ゛だって。お腹で子供育てて産んじゃうんだよ!゛ 成る程。 …因みに 私の、疎遠になっている私の故郷でも、小学生時代に… ゛カブトムシ(ワーゲンです!)を一日3台見つけたら良いことあるんだよ!゛ おんなじ! | ||||
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最後の解説を読むまで著者が女性であるとずっと勝手に勘違いしていたが男性であることを知って驚く 本書は芥川賞を受賞した本のタイトルの作品と「サイドカーと犬」の2作品が収録されている この2つの作品に共通するのは子供が主人公であり、ごく身近な存在である女性・・・ それはサイドカーと犬では父の愛人であり、猛スピードでは母親という大人の女性が登場する・・・ 主人公とそれら彼女たちの関係や女性たちの内面など・・・・ 読んでいて飽きさせないし面白い・・・・ この作家の他の作品も読みたくなった | ||||
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本書に収録の『サイドカーに犬』では父の愛人との同居した数日を、『猛スピードで母は』ではシングルマザーである母と恋人との別れを、それぞれ小四の薫と小五の慎の目線で描いている。 他所から見ると、けっして幸せではない薫や慎の家庭。そこが彼らの世界の全てだから幸も不幸もないのだろうけど、薫の父の愛人 洋子さん、慎の母の恋人 慎一さんの登場により、彼らなりに日常に起きたさざ波を感じている。けれども、二人ともそれについて誰かに問うことはしない。居心地の悪さを抱きつつも、答えを得ることのよって失うものがあると思うのだろう。なんとなく誰かが傷つくことを恐れてしまう。そんな子供の心情が、長島有さんの簡潔で淡々とした文章からにじみ出てくる。 本書の二作品は、ともに読了後、爽やかな余韻を残してくれる。『サイドカーに犬』などは、描き方によって悲劇としても成立しそうだが、ちょっとした不幸せぐらいものともしない快活さがある。こういう感覚で作品をつくれるって素敵だと思う。 | ||||
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ていう感じがしました。個人的にかなり好きな作品です。 長嶋有さんは男性なのに、「サイドカーに犬」では女の子、表題作では子供からみた日常を感受性豊かに描いています。 ラストの描き方も、うまいなぁと思いました。 | ||||
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文庫には、表題作「猛スピードで母は」と、「サイドカーに犬」の2編が収められています。 どちらの作品でも、描かれているのは子供の目線から見た大人の世界。それは父の愛人であったり、再婚へ向けてひた走る母であったりするのですが、そういう「自分とは違うもの」との接触を経て、一回り成長していく子どもたちの姿が瑞々しく描かれています。 最初のうちは、子供たちの感情が淡々と描かれていくのですが、最後に一気に臨界点に達する場面がすばらしいです。シーンそのものは決して大それたものではないのですが、今まで感情が押さえられていた分、なぜかとても心に残るんですよね。 とにかく、どちらの作品も、描かれる大人がすごくかっこよく、子供たちはそれにしびれて「自分とは違う大きな存在」をしっかり感じ、成長するんです。 基本的には日常的な細事が淡々と続くだけのお話なので、サラッと読めてしまい、深い感動も、胸踊る興奮もありませんが、不思議な読後感が残る作品でした。 あと、どちらもタイトルが秀逸! | ||||
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軽快な文体。導入部からストレスなく読み進めることができました。 最初は、少し淡々としすぎているような気がしてもう少し盛り上がる部分が欲しいなぁなどと思いもしましたが、まぁエンタメじゃありませんしね。 「サイドカーに犬」の洋子はとても魅力的だし、語り手の主人公の落ち着いた視点も心地良い。人間がしっかりと描かれている良作だと思います。 | ||||
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なんだか、初めて読んだ、こんな感じの小説。なんというか、まさに「小説」、これが文学っていうのか、という感覚だった。激しい感情に押し流されそうになったり、不幸から這い上がろうと必死でもがいたりするわけでもなく、ただ淡々と時が流れる。 この作品の主人公二人は、その流れの中でもただ流されているように見えながら、そうではなく、自分なりの流れを見つけようとしている途中なんだろうなと思う。表題作の母は、私個人は全く好感は持てないのだけれど、作者は男性でありながら、よくここまで女性の不器用さが描けるものだと感心した。 いろんな出来事がバタバタと起こるようなうるさい小説ではない。日々の孤独感、不器用な生き方、だけどそこに垣間見える愛情。そんなものが丁寧に描かれている作品だと思う。 | ||||
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本のタイトルのほうで、芥川賞を取った、とのこと。 「サイドカーに犬」は候補になったとのこと。 しかし、どちらも同じくらい面白いですね。 ストーリーが似てもいますが、微妙に違うところもあります。 大きくいえば、 大人と子供のかかわりを子供側の目線で書いています。 そこが同じ。 主人公と視線の対象となる脇役が男女入れ替わっている点が 異なります。それだけで大いに、世界が変わります。 そんな点も面白い視点であります。 つまり主人公が男の子か女の子か。 視線の対象が父親なのか母親なのか? 女の子対父親とその女が「サイドカーに犬」 男の子対母親とその男が「猛スピードで母は」となっています。 ユーモラスなタッチというのか、子供の癖に大人なクールさ。 その子供の視点=著者というところが印象深いです。 読みながら少年少女時代を読者は想起して引き込まれるのであった。 | ||||
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表題作『猛スピードで母は』と『サイドカーに犬』 の2つを収録。どちらも親と向き合う子どもの話。 子どもって、親が思っている程、何も知らない訳じゃない、親って子どもが思っている程、大人じゃない。そんな親子の関係が描かれている。大爆笑する訳でも、すごく感動する訳でもないが、そこにはある家族の形があって、自分の親の事を少し思い出してしまった。 | ||||
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力強い父性のある母(女)、頼りないおぼろげな父(男)の対比が、ひとつのテーマになっている。確かに、あとがきにあるように、性差を感じさせないニュートラルな雰囲気が、作品にも作者にも感じる。表題作は芥川賞作品だが、難解なほうのそれではない。時代と共に言葉使いが変わるように、文学という芸術も、簡潔な中に奥行きを持った物が現れるのか。しかしながら、この平易で透徹した文章は、かつて僕が20代の頃に、“そうそう、なるほど”と読んだ、村上春樹のような新鮮さがある。長く閉塞していた心の襞を、外気に晒したような解放感を感じた。 ただ些末ながら、表題作で、“母は…”という人称ならば、主人公は“僕は…”でもよかったのではないか、とも思った。 | ||||
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読み始めると、最後まですっと読めてしまう文章の巧さを感じました。2篇収まっていますが、どちらも似た感じのする物語です。シャキッとした女性が印象に残る内容です。どちらも、その女性のある一瞬を捉えたものです。それ故にでしょうけど、想像を掻き立てられるようになっています。これも作者の狙いどおりなのでしょうけど。さすがは、芥川賞、でしょうか。 | ||||
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