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死神永生: 三体Ⅲ



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死神永生: 三体Ⅲの評価: 4.35/5点 レビュー 222件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.35pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全180件 141~160 8/9ページ
No.40:
(5pt)

第三巻もおもしろい!

三体シリーズ、日経新聞に第一巻が紹介されており、中国人の友人の勧めもあって読み始めはや、数年。

邦訳版最終巻を発売日に購入し、遅読なわたしは大体1ヶ月以上かかるところ上下巻を1週間で読み終えました!

それくらい面白い!
第二巻の評価が一番高いそうですが、もやもやとして終わる三巻を推したいところです。

ハッピーエンドの後には絶望があり…絶望続き。第三者視点で現場を俯瞰してみている分にはそんな甘いことをしては足元を掬われてしまう〜あーほらー!となりますがわたしがもし主人公であれば保身と思われようがなんだろうが同じ選択をしたなぁとか、すごく感情移入ができました。

二巻目の最後は綺麗な終わりでしたが私的にはルオジーの解放ぶりがちょっと気に入らなかったので三巻でストンと腑に落ちました。

押し付けがましいほどに三体シリーズ内の現実を見せつけてくるので二巻まで読んだら絶対読んで欲しいです。

ただ、二巻の方が文章が美しかったです。情景を表現した文章にもっと細やかな感情を感じることができました。

あと中国語勉強します…
三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF)より
4150124493
No.39:
(5pt)

白日の下、私の祖国の木々は青天森林として繁っている、まだ。

暗黒森林に祖国は陥っている。それに嵌るとどうなるか壮大なSFで劉慈欣が展開してくれた。
 雲天明の御伽噺はそのまま劉の手法だ。キモは、真のメッセージは何か、二重メタファーを読み解かねばならない。

 様々な一族が、国家の打倒と支配を繰り返した祖国の歴史は、国家維持の必要性から全体主義が必須だった。故に相互敬愛/自己抑制ではなく、生存のため相互不信(暗黒森林)を持たざるを得なくなってしまった。劉は喝破する、弱く無知だから死ぬのではない・・・権力への傲慢は□される。暗黒森林がそもそもテーマになる理由だ。
 また、本書の起点は文化大革命にしているが、漢字国家のアナグラムは告げる、雲に隠された天安◇(の真実)を明らかにしたいと。人間の本能的感情を破壊したあの衝撃を回復したかったのだ。劉は問題提起にて心を癒した。

 ここで書名の必然性を理解することができる。書名を直訳すると、死神は永遠。つまり滅亡させるテクノロジー(手段)を持つ(国家)は死神として個人に永遠に対峙しているということ。
 劉の世界観は、暗黒森林は母国だけでなく、大小に拘わらず世界中で渦巻いているというもの、アボリジニもインディアンも殺戮したよねと。単に超絶SFではない。人は、相互不信から如何に解放されるか・・・。しかし殲滅のSFは描けたが、暗黒森林の原理解消はできなかった。

 暗黒森林をやり過ごすしかない劉の悲哀。残りが50ページを切るとじんわりと涙が止まらなくなった、三体ロスだけでなく、劉の奮闘と敗北の予感に、SFとして傑作だが小説としての蹉跌に。
 劉は暗黒森林の中を、ウエィドに言わせた通り「前にひたすら前に」と真っ直ぐに生きる・・・時間を残酷と決めつけ、なんら解消できず、放置せざるを得なかったが。最後の数行に、劉は全てを消去し、現実の愛おしい景色をあたらせるが、真の意味では癒されない。

 暗黒森林の克服は叶わなかった。だが、劉は同じテーマでの克服を宿題として残した。
 いつしか私の国に新たに木が植えられても、暗黒の森林としては繁らないことを願う。
三体III 死神永生 下Amazon書評・レビュー:三体III 死神永生 下より
4152100214
No.38:
(5pt)

「暗黒森林」に挑戦した偉大な劉慈欣

第三部上巻は、舞台が多岐に渡り場所/時間が異なる状況を報告書形式の短い章で、一見脈絡なさげに、実は必然的に展開する。
第二部を引継ぎ「暗黒森林」に沿って延々と伏線を張る、三体星人の母星殲滅、四次元空間、雲天明、。回収は第三部下巻に持ち越す。
 この伏線は中国の国民原理になっている「暗黒森林」について解決したい作者の執念を感ずる。わざわざアボリジニを登場させるのも必然、中国人のみならず欧州人も「暗黒森林」原理で動いていることを意識している。

 SFとしても明白な嘘は良くないと感ずるのは、地球の海水の消失は実際は1億年後と予測されていて、何十億年も海水はもたないし、オーストラリアへ移住を強制されても、抗議文化を持つフランス人や、武士や特攻の歴史を持つ日本人が従順な訳が無い、全体体制下の国民とは根本的に文化・気合が違うのだ。
 国家がテクノロジーで絶対的に国民を支配しても、メリットがあるから従うか、と言えば民主主義国民は、映画「パピヨン」の主人公のようにふるまうし、その体制を破滅させる方に確実に向かう。
劉は弱いから生き残れないのではない、傲慢だから死ぬというが、民主主義体制では、体制に傲慢だから殺されることはない。

 劉がいくらメタファーを張ろうが、真のモチーフは「暗黒森林」攻撃を受けて、人類が殲滅される様ではない。劉の偉大さは、「暗黒森林」に挑戦したところにある。
 下巻で伏線を回収するが、劉が果たして「暗黒森林」を克服・解消できているかどうかが読みどころだ。SFの面白さだけに騙されてはいけない。

 なお、日本人に死神を「ししん」と読ませるのには無理があろう。
三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF)より
4150124493
No.37:
(5pt)

最終巻は内容の密度がすごいです。

前半は謎解きの要素があり、推理小説のようです。先が気になり、止まりません。

中盤では、複雑な物の緻密な描写を想像力しながら読み解く楽しみがあります。
しかし、その分読み進めるのに私は時間がかかりました。
ノートに絵を描きながら読んだらさらに面白いのではとも思います。

後半は物語のスケールが時間的にも空間的にも、さらに大きくなります。
それを最後にまとめ切るすごさに呆然としました。
ただ全てが明かされ納得が得られるとは感じなかったため、
その点はⅠ,Ⅱと異なる点かなと思います。
三体III 死神永生 下Amazon書評・レビュー:三体III 死神永生 下より
4152100214
No.36:
(5pt)

脳の過負荷が実感できる

私としてのSFの醍醐味の一つに、作中で描かれる「現時点では存在しない技術や知覚されない世界」を(自分なりに)具体的に想像して作品に没入するというものがありますが、この作品は空間的にも時間的にも驚くほどスケールが大きく、普段よりもかなり脳に負荷がかかっていることを実感できました。脳の健康によさそうですね。
三体III 死神永生 下Amazon書評・レビュー:三体III 死神永生 下より
4152100214
No.35:
(4pt)

無い解答を求めて止まないところが面白かった。

自身含めた人類の生存する目的や意義を時には三体を鏡にして、最後には直接に描いてるのだけど多分この疑問には答えはないと思われます。但し、そこが面白いところであります。
三体III 死神永生 下Amazon書評・レビュー:三体III 死神永生 下より
4152100214
No.34:
(5pt)

3作目もやっぱり凄かった

前回の暗黒森林を読んでから約1年。これだけの時間が空いても、興味が無くなることはなかったのが不思議なくらいです。
私は、本を購入する前にレビューを読んでみました。どれも評価が高かったので、今回も期待できるなと思いました。しかし、中には“主人公以外は最高”など主人公を批判するコメントも見受けられました。それを前提として読み進めていきました。
ストーリーは訳者があとがきで書いていたように前回以上に規模が大きくなり、三体世界との戦いも見応えがありました。随所に謎もあり、考えながら読み進めていくのが面白かったです。
主人公の程心については、確かに後のキーパーソンとなる雲天明に対して愛のない言動や、人類を危機に招くような選択もしてしまいますが、これも全て人類のことを思うが故の行動であり、自分もその場にいれば、同じような行動を取っていたかもしれません。文章の中にも、人類を子供のように思いはじめているというような文があり、人類の母親の立場に立っていた偉大な人であるように感じます。無神論者ではあったけれど、主人公の根底には愛があり、それがあるからこそ、側にはいつも支えてくれる人がいました。主人公が責任を果たし、死を選ぼうとした時も友の愛により、生きることを選んだこともありました。
三体死神永生「上」を読んだ時点では、主人公程心は冷徹な女性ではなく、勇敢な女性であり、人類の母のような存在であると感じました。
最後に、この本を読んで人の想像力はどこまでいけるのか、とても気になりました。人の想像力で人を喜ばすことができる。人に力を与えることができる。生活に彩りが加わる。そう私は確信しました。ぜひこの本を読んで誰も見たことのない世界に行ってみてください。
三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF)より
4150124493
No.33:
(5pt)

三体ロス

待ちに待った第三部で2日ほどで睡眠を惜しんで上下巻一気に読んでしまいました。

読了後、ずいぶん遠いところに来てしまった…と久しぶりに読書で食らいました。思わず溜め息が出ました。確かに細かいところを見れば甘いところもあるし、なぜそこでそうなる?というようなところもあります(世界の知性が集まってるはずなのに学習しない人類…)。
ただ間違いなくこの三部作はSF史に残る傑作でしょう。これだけボリュームがあってほぼダレることなく3部作ずっとおもしろいということがまずすごいです。

あとがきでの著者の説明にある通り第三部はハードSF寄りで第一部と第二部のようなスピード感のあるエンタメ性と比べると確かに好き嫌いは分かれると思います。
宇宙に飛び出しもはや想像するのも難しい情景描写が続くところは他のハードSFよろしく物語の本筋を失わない程度になるほどね~…と割り切って読むのがおすすめです。

三体ロスになったファンが艾AAと雲天明のその後の二次創作を書き上げたものが今後日本語でも刊行予定そうなのでそちらも楽しみです
三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF)より
4150124493
No.32:
(4pt)

ちっぽけな紙

宇宙はどこまで広げられるか。
それともどこまで折り畳められるのか。
作者の想像力は果てしなく美しい。
壮大なスペースオペラが完結する。
これはすごいのひとことだ。
三体III 死神永生 下Amazon書評・レビュー:三体III 死神永生 下より
4152100214
No.31:
(5pt)

三体1、2、3と物語を進めるごとに広がる圧倒的スケール。三体3も確実に見逃せない。

前作の三体2「黒暗森林」の大団円で一応決着がついたかに見え、それ以降どのようなストーリーが加わるのか全く予想がつかなかった。ストーリーは「面壁計画」と並行して、新たに三体世界に人類のスパイを送り込む「階梯計画」というものも実行されていたとのこと。正直、「黒暗森林」以降は蛇足なのではと勘をくぐった予感がよぎったが、見事に予測を良い方に裏切られてしまった。

三体1、2、3と物語を進めるごとに加速する圧倒的スケール。毎度のミクロからマクロまでのSF視点に加わり、次元を超えた世界と、恒星間どころかスケールは全宇宙から他の宇宙にまで広がり、時も宇宙の終焉にまで及ぶ。SFのディティールも、三体1が逆に小出しにしていたのでは、と感じるほどの様々な現象が息をつく間も無く次々と起こり圧倒される。

三体2の頭脳戦による駆け引きもスリリングで面白かったが、人類と三体世界の行く末を描いた本作が一番壮大で面白く、読んだ後のカタルシスを与えてくれた。
この三体3部作は、1、2、3と経るごとにスケールと面白さが加速していく理想の三部作構成。さすが世界で評判となった大作だと痛感した。
まだ、最後まで読んでいない人は、読むべし。想像力の箍が外れるほどの壮大な娯楽エンターテイメント。おすすめです。
三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF)より
4150124493
No.30:
(5pt)

ブラックホールの様にアイディアを吸引し、ビッグバンの様に爆発させた面白さ(ネタバレ有り㊟)

●前巻の発売からおおよそ1年のブランク。重要なキーワードが思い出せず少なからず困惑した。物語もい
よいよ最終章へ。本巻はそのためのプロローグなのか、それとも嵐の前の静けさなのか、静かで抑制された
雰囲気が続く。
 暗黒森林抑止(いわゆる”死なばもろとも”)の微妙なバランスの上に成立している平和の中、雲天明や程
心の生い立ちや人生など、心象風景が綴られる。例えば、寂寥とした雲天明の人生の中で、唯一プラトニッ
クな恋慕の情を抱いた女性。その女性の無常すぎる申し出に限りない喪失感を覚え、笑顔で承諾した天明の
胸の内は、想像に難くない。ワイドスクリーンバロックに、絶妙のスパイスを効かせた男女の機微に心ふる
えた。
(ネタバレ注意)
 終盤新しい謎、四次元空間が出現。著者はこの四次元空間の描写を表現不可能としながらも、仏教思想を
交えてユニークに表している。多くのSF小説では、3次元+時間で4次元としているが、本書での第4次元
とは? 詳しくは本文参照願います。読む者の脳内が四次元空間に触れたように酩酊状態。まさに圧巻。

 侵略テーマの宇宙SFから、人類滅亡テーマ+ディストピアそして次元テーマをも包含する壮大さに呆然
状態。さあ、下巻読もうっと!
三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF)より
4150124493
No.29:
(5pt)

救いのなささえ面白い

色んな味の面白いが目一杯詰まっていたⅡが面白過ぎたので、
少しハードルを上げて読みましたが、ややベクトルは変わったけれど見事飛び越えた印象です。
彼らが迎えた結末は兎も角、あー本当に面白いもん読んだなー、とまず思えました。

荒唐無稽だけど納得させられてしまうアイデアの数々がまず面白い。
そしてその技術が、もしくはその下地が、よくある個の天才のひらめきによって起こるものではなく、
徹底して積み重ねた時間に拠っていることに説得力を感じられました。
しかもそれが数値や用語の羅列ではなく、生じた現象の描写が多いので、
全部を全部理解して飲み込まなくても読める。読みやすいSFになってるのがまた凄い。

残酷で凄惨な展開の連発に、もうどうすんのよこれ……と思いながらも、
その残酷な展開が面白いから、ずるい。
程心の大きな選択に対する答えがⅢで二度示されますが、
愛だの何だので宇宙が救えるわけがないというところに、個人的にはカタルシスさえ感じてしまった。
隣の食べ物や、ウェイドとの約束に繋がったのは、どちらも程心が善良な人間性だったから。
それがあのザマ、この結果だよ。

Ⅰはやや尻切れ感ありましたが、Ⅱ、Ⅲととても楽しく読めました。
三体ロスとか何を大げさな、とか思ってましたが、今となっては少し解ってしまいます。
公式認定スピンオフも邦訳されると良いな。
三体III 死神永生 下Amazon書評・レビュー:三体III 死神永生 下より
4152100214
No.28:
(4pt)

返信お願いします(礼

ただいま読了。内容については言うこと無いのですが…P222~P223にかけて引っ掛かる部分が…
60年位、多い気がするのですが……??

巻末の各紀元対応表にはガッカリさせられました。もっと詳細なのを期待してましたので(笑
三体III 死神永生 下Amazon書評・レビュー:三体III 死神永生 下より
4152100214
No.27:
(5pt)

オールドSFファンには超大傑作

三体ⅢはⅠ、Ⅱに比べ新鮮味に欠けるが、私が中学生の頃に読み耽ったレトロで壮大なスペースオペラを思い出させオールドSFファンにはたまらなく面白いと思う。
蛇足だが、ちょっと驚いたのは日本刀を背負った美形女剣士が人間を斬りまくる設定はストーリー全体の雰囲気にそぐわずちょっと日本アニメっぽいし、特攻隊(蛍)や茶道、武士道等も出てくるので、著者は日本の精神文化にかなり造詣が深そうですね。ちなみに女剣士はジムジャームッシュのゾンビ映画「デッドドントダイ」に出てくるティルダスウィントン演じる葬儀屋に被ってしまう(個人の感想です)。最後は宇宙船で去っていくし…。
当時何のことかさっぱり分からん設定に戸惑ったけど、これはきっと智子のパロディだったんだね。
三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF)より
4150124493
No.26:
(5pt)

中国に負けた、と素直に感じるSF三部作完結篇

前二作で太刀打ちできなかった三体文明と戦う為に更に地球でも策を練り・・・というお話。

最近はネタバレだと訴えられたりするそうなので、あまり踏み込まないで感想を述べたいと思います。

三作目を読むに当たって、前作と前々作を読み直したのですが、最初は文革の場面から始まった話しが最終的にこの様な壮大なスケールで話しが展開し、空前の結末まで行くのに驚きました。今回もいきなり中世の英語圏の寓話風に始まり戸惑いもありましたし、三部作を通じて筋は変わらないですが、キャラクターは三作で変わるので、こちらも少し戸惑いもありましたが、読む内に慣れて特に違和感を感じずに読めたのも著者の筆力を感じさせました。

宇宙空間での戦いの模様は、前のレビューでも書きましたが、昔よく観たロボット・アニメやジュブナイルのSF小説を彷彿とさせ、中年の読者にも童心に返った気分のさせてくれて楽しかったです。これも前のレビューで書きましたが、三体文明の侵略と現在のコロナの蔓延が奇妙にダブるのも、偶然だと思いますが、タイムリーに感じました。

漸く読み終わってヘトヘトに疲れたので、暫くは読み返しはしないかもしれませんが、時間が経ったらまた二読三読しようと思います。

私の近くの選挙区の議員さんのプロフィールに依ると、その方が外国に留学していた時、韓国と中国の勢いを実感してこのままでは国際社会の中で日本が埋もれると危機感を抱き、官僚を辞めて議員になったそうですが、確かにこの小説等中国の方の作品を読むと、なんとなく日本は中国に負けた、と素直に感じてしまいます。中国にも色々問題がありますが(人権問題とか言論弾圧とか)、欧米との同盟の強化もいいですけど、中国との友好関係も維持した方がいいのではと、こちらも素直に感じました(日本に中国の小説の翻訳禁止とかになったら大変なので)。

是非三部作を順番に読んで頂きたい完結篇。必読。
三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF)より
4150124493
No.25:
(5pt)

三体ロス

一作目と二作目は一日で読んでしまったのですが、最終巻だったので読み終わるのが寂しくてゆっくり読みました。三体の魅力は小松左京を彷彿とさせるような壮大で骨太なレトロ感などなど色々あると思うのですが、理系音痴の私が一番惹かれたのは飄々とした独特のユーモアでした(VRゲームや面壁者、銀河英雄伝説のくだりなどはいまだに時々思い出しては吹き出してしまいます)。その点からすると巻を追うごとに深刻さが増してくるのでやはり一作目が一番好きです。
ユーモアの技法として漢文調・翻訳調というものがあります。「私は猫です」というより「吾輩は猫である」というほうが滑稽味が増すという技法です。だからもしかすると日本人が日本語訳の三体を読むほうが原著を読むよりユーモアを感じるのかもしれません。中国語の勉強も兼ねて劉先生の他の著作(短編集もとても面白いです)も原著で読み始めましたが、日本語版の刊行も楽しみに待っています。
三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF)より
4150124493
No.24:
(5pt)

非常に面白かった

上下巻を読みました。
連続して続く本って、巻を下るごとに駄作になっていく傾向がありますが、三体は1から3まで通して本当に面白かったです。
ネタバレになるので細かいことは言いませんが、傑作だと言われて当然の作品だなと思いました。

Netflixなどで映像化するらしいですが、果たして本当にできるのだろうか・・・という心配はありますが。

ちなみに私は本作「死神永生」の主人公のことは嫌いですが、それでも面白かったです。おすすめです。
三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF)より
4150124493
No.23:
(5pt)

4部作にすべき・・・だったのでは。

第5部から6部、ここで1冊になったらよかったな。

全体主義と民主主義
銀河系人類と太陽系人類
愛と合理と”責任”
・・・

「これが正しい」と言い切ることが決してできない、
という真っ当な感覚、
それでも「正しいと思えること」への信念・・・
を 関の視点、雲の視点、羅の視点で描いて欲しかった。
三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF)より
4150124493
No.22:
(5pt)

センス・オブ・ワンダー!

"わたしはいたってふつうの人間だ。ただ、不幸なことに、ふつうの人間が歩むべき人生を歩むことができなかった。わたしが歩んできた道は、実際は、ある文明がたどってきた道だった。"2021年翻訳された本書はシリーズ三部作の最終作(下巻)となる中国発、世界大人気のハイブリッドエンタメSF。

個人的にはSF好きとして一部、二部と国内出版の度に楽しみに読んできて。いよいよ完結!と万巻の思いで手にとりました。

さて、そんな本書は上巻に引き続き、程心(チェン・シン)を主人公にしつつ、二部の主人公の羅輯や上巻で強い印象を残すウェイドも再び登場、これまで描かれた地球文明vs三体文明といったスケールをはるかに超えた展開をしつつも、ついに物語は"すべてが移ろいゆくこの世の中で、死だけが永遠だ"畳み掛けるように万物流転的な終わり方を迎えるわけですが。

最初に浮かんだ感情は【長い長い旅を駆け抜けたような満足感】。そして著者の"新たな原理が世界観に変革を強いるときにこそ、SFの出番だ"ではないですが。まさに一寸先すらわからないディストピアSF情勢の今。"それでも"【SFこそが人類のイマジネーションの力で未来を切り拓けるのではないか】という、1人のSFファンとして、SFというジャンル自体に対する魅力を【再発見、再確信したような】これこそ!センス・オブ・ワンダー!な読後感でした。

一方で、訳者の大森望があとがきで書いているように著者曰く【SFファン以外の読者にも受け入れてもらうべく、現代もしくはそれに近い時代を設定した】一部、二部、そして三部上巻と比較しても、高次元宇宙と二次元宇宙、人工ブラックホールとポケット宇宙etc、グレッグ・イーガンもかくやと【純粋ハードSF的な展開を見せる下巻】の本書は、はっきり言って宇宙理論を研究している人でもなければ【全てを理解するのはもはや困難】かと"私"は思いますが。

でも繰り返しになりますが、未来を描くSFはセンス・オブ・ワンダー【驚きこそ全て】。例えわからなくても、言葉で説明できなくても【物語を感じて欲しい】と"私"は願うのです。

全てのSFファンへ、またシン・エヴァンゲリオンや新海誠『ほしのこえ』とか好きな方にもオススメ。
三体III 死神永生 下Amazon書評・レビュー:三体III 死神永生 下より
4152100214
No.21:
(5pt)

満足感はあるが、完全には満足できなかった

まず、宇宙を丸ごと描き切った力量になによりも賛辞を。素晴らしい作品です。間違いなく。
ただ、星5をつけてはいるものの、星の10や20を期待して読んでしまったがため、完全に満足はできていない状況です。素晴らしい疾走感は同時に、ネタは振ったから後は自分で考えてね!というようなSF作品数本分の贅沢なアイデアの浪費でした。なんとなく丸く治ってはいるのでそれがすごいことなんですが……

最後に、解説だけが余分でした。役者あとがきだけでよろしい。
三体III 死神永生 下Amazon書評・レビュー:三体III 死神永生 下より
4152100214

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