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羊は安らかに草を食み
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羊は安らかに草を食みの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.18pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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日本人の心根、生き様、考え方がじっくり伝わってきます。今の時代の感覚で読むのでは無い、この時代においての生き様を深く考えて読んで頂きたいと思いました | ||||
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おまけの☆5。ラストがちょっとなあと個人的には感じたので。 しかし、それまでのストーリーがとても胸に刺さり、久しぶりに「読んで良かった」と心から思える本だった。 思春期の頃、生きる意味が長い間わからなかった私は祖母に「生きる意味ってなに?」と聞いた時、彼女は「そうねえ。生き続けないとそれはわからないよね」と返してくれた。 そう言えば、私の祖母も第2次世界大戦を知っている人だった。 今、世界で戦争が起きている。 平和な国に住めている私達の暮らしはたくさんの人の悲しみや犠牲の上に成り立っていることをけして忘れてはいけないと強く思った。 とても良い作品だった。 静かに涙が流れる。 多くの日本人に強く勧めたい一冊だ。 | ||||
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よかった。 | ||||
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認知症の益恵を連れての老婦人3人の旅など本来は無理なはず!だと思いながら読み進めたのですが、良い旅を送ることが出来た3人とその友情がとても羨ましいく思いました。 満州から地獄さながら帰還した方々の話は他の本でも知っていましたが、幼い益恵と佳代ちゃんの過酷な戦争体験をウクライナ戦争の真っ最中の今、なおさら皆に知ってほしいと願いました。 しかもこの旅は、いろんな問題を抱えている友人2人にとっても人生の終い方について何らかの踏ん切りがついたようで得るものが大きかったと思います。 そろそろ人生の終わり方を考えている私の心にも光が差した気がします。 | ||||
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認知症となった益恵(86歳)の"苛酷な人生"及び"戦争の悲惨さ"を現代の俳句仲間2名との縁の地への旅行(大津→松山→長崎の国先島、この逆順で益恵が後述する逃避行を続けたという事だろう)と過去の満州からの逃避行譚とのカットバックとで描いた作品。旅行を思い立ったのは益恵の2番目の夫の三千男(80歳)で、三千男は益恵の態度に"つかえ"を感じ、施設入居を決めている益恵を安らかに見送ろうとの意図で、"つかえ"の原因を究明するために足の具合の悪い自分に代って俳句仲間2名に旅行を頼んだという設定。 旅行に依って益恵の悲惨が過去が徐々に浮かび上がる一方、満州でソ連軍及び満人に襲われ虐待を受ける益恵を初めとする日本人(益恵の最初の夫の忠一を含む)の体験は酸鼻を極める(だが、その子細はここでは書けない)。また、旅行が益恵の安楽な世界を構築するための機会と悟った長年の俳句仲間のアイ(80歳)と富士子(77歳)とは旅行が益恵のためだけではなく、自分達及び三千男のためだと自覚し始める。また、アイには娘・息子との確執を抱えているとのトラブルを持たせ、独身を通した筈の富士子には学芸員時代に長年不倫をしたとのエピソードを持たせ、物語に膨らみを与えている(しかし、2人を脇役だと思っていた私は誤っていた(後述))。ラストは、勿論、国先島が舞台だが、益恵が寝言で呟いていた"カヨ"こと佳代と再会を果たすと同時に、逃避行譚中で共に死線を乗り越えた益恵と佳代との絆が綴られる。ここからが着想外の展開で、富士子は自身が癌で余命幾ばくも無い事を告白し、アイを脅迫する男に対して富士子とアイが殺人未遂を犯す模様が描かれる。本作のメイン・テーマは"生きている事の尊さ"だった訳だ。尚、賛美歌「羊は安らかに草を食み」の歌詞の一部は以下である。「死ぬるも死の、終わりならず、生けるも命の、またきならず 別れる辛さを思うより、この世で出会えた事を喜びましょう」。 "戦争の悲惨さ"がテーマの1つである事は勿論だが、認知症となった老婆の満州からの苛酷な逃避行譚と俳句仲間2名との旅行を通して、"生きている事の尊さ"と"絆の大切さ"を謳い上げた感動作だと思った。 | ||||
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日本の悲しい過去、認知症という現代の課題、それらを繋ぐ友情や夫婦愛、親子愛など普遍的な真理。全てが盛り込まれ、戦争も認知症も知らない私たちが、気がつくと自然と引き込まれている。どこかミステリー的な要素もあり、読みごたえのある小説です。 | ||||
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壮絶極まる人生は”最後の旅”へ。 想像を絶する満州開拓団の引き揚げ。 少女二人。 生き延びること。 残った記憶を追っていく。 友情は固き絆となり果てしなく永遠に。 その俳句を噛みしめる。 平和であれ。 読後は余韻に浸り、J.S.バッハの「羊は安らかに草を食み」が響いている。 | ||||
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仲良し3婆の旅行と思い購入したが、こんなに衝撃を受けたのは久しぶりだった。よく年寄りが昔は〜なんて話す事に嫌気がさして殆ど聞き流していたが、本当に辛い思いをしてきた人は話す事も出来ないんだな。戦争から帰還した祖父が戦争について語らなかった事に納得したし、もっと違った接し方があったのではと悔いる。認知症になった事で食べ物も住処も追われる辛すぎる過去の記憶が、どうか平和な今の幸せだけが残ることを願っていることに共感。 | ||||
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冒頭、主人公に当たる老境に差し掛かった3人の女性が登場する。86歳(終戦時、11歳の設定)、80歳、77歳の3人の女性。その内、86歳の女性の満州からの引揚体験を軸にその半生を追ってストーリーが展開する。3人の中で年齢的に自分の戦争体験を覚えていて誰かに話せるのは彼女だけだが、彼女が自らそれを語ることはない。彼女は認知症なのだ。 彼女の年代の人々は既に鬼籍に入りつつあり、近年、長く心に秘めてきた体験を沖縄で、広島で、長崎で、あらゆる場所で語り始める人たちが増えてきた。 おそらく著者は親から直接、戦争体験を聞くことのできた最後の世代に当たる。その世代でさえ、もはや一線を退く年齢になりつつある。 語られなければ、聞かれなければ、辿られなければ、無かったことになる歴史。 主人公の半生が辿られ謎が解明された時、重い現実と感動に胸が震えるが、最終盤で(悲惨な戦争体験に比して)「老嬢と毒薬」のようなエンターテイメントらしいちょっと笑える展開があって、本書は静謐で安らかな、微かに希望の光の射すようなエンディングを迎える。 おかげで読後感は意外に爽やかで軽やかだ。 エンディングを表したような装丁画がまた素晴らしい。 | ||||
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親友である益恵の夫からの依頼で、最近益恵が口にする 「カヨちゃん」を尋ねて旅に出たアイと富士子。 老境を迎えた女性の壮絶な過去と向き合う旅路の果てに…。 宇佐美作品の最高傑作! お薦めします。 | ||||
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泣きながら読んだ。心に深く突き刺さった。ゆっくり読む予定が止められなくて最後まで一気に読んでしまった。 | ||||
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認知症になった女性を連れて昔の居住地を訪れる女性3人組。 その過程で、女性の過去の過酷な人生が明らかになっていく。 終戦時の大陸の困難から続いた人生の辛い時期は、当時の人にとっては決して珍しいことではなかったであろう事実として迫りくる。 認知症の女性の作品である俳句と絡めた構成も見事。 旅に同行する女性2人の人生描写も味わい深い。 | ||||
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新作が刊行されるたびに、いの一番で予約購入し、届いたらすぐに読み始め、そして、毎回期待を裏切らない――という数少ない作家さんの一人です。とりわけ今作のように、謎をある人物の過去へ埋め込み、それが少しずつ解明されていくというプロットは、白眉。いくつかの俳句をキーワードに、少しずつ解明されていく過去は、読み手の胸の底に重い哀愁を積んでいく。さらに、クライマックスの謎解きがもたらすのは、魂の震えと表現しても大仰ではありません。今回も、おみごと。 | ||||
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